【労働基準法上の労働時間とは】役職や制度によって異なるルールを解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

【労働基準法上の労働時間とは】役職や制度によって異なるルールを解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 労働基準法上の労働時間のルール、上限を解説
  • 役職や制度別の労働時間のルール
  • 労働基準法上の休憩時間のルール
  • 労働時間がごまかされやすいケースと仕事

あなたは、

「労働基準法上、労働時間の定義ルールどのようになっているんだろう?」

「労働基準法では、労働時間の上限があるのかな?」

「どんな場合に、労働時間がカウントされるんだろう?」

などの悩みや疑問をお持ちではありませんか?

労働基準法では、労働者が働かせられすぎないために、労働時間についてしっかりルールや上限が定められています。

そのため、労働基準法上の労働時間のルールに違反している会社は、犯罪行為をしていることになるのです。

ただし、労働時間のルールは、

「誰でも同じ部分」

「人によって異なる部分」

があります。そのため大事なのは、誰でも同じ部分のルールと共に、「自分の場合のルール」を知っておくことです。

そこでこの記事では、まずは一般的な労働基準法上の労働時間の定義やルール、上限について解説し、次に人によって異なることがある部分のルールについて詳しく解説します。

次に、休憩時間のルールと、一部のブラック企業によって労働時間がごまかされることがあるケースを紹介します。

正しい知識を身につけて、会社から働かせられすぎないように身を守りましょう。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

■労働基準法上の労働時間のルール(法定労働時間)

労働時間は、

「1日8時間まで」

かつ

「週40時間まで」

■労働時間としてカウントされる時間

労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれていた』時間のこと

(三菱重工業長崎造船所事件・最判平成12年3月9日労判778号)

■労働時間のルールが異なるケース

  • 管理職
    →労働基準法上の「管理監督者」の場合は、労働時間のルールが適用されない。
  • 営業職
    →事業場外みなし労働時間制が認められる場合、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。
  • 裁量労働制
    →裁量労働制の場合、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。
  • フレックスタイム制
    →1週間単位の場合、1日8時間を超えて労働しても週40時間までは残業にならない。1ヶ月単位の場合、週40時間を超えて労働しても、160時間〜177.1時間までは残業にならない。
  • 変形労働時間制
    →1週間単位、1ヶ月単位、1年単位のそれぞれでルールが異なり、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。

■労働時間ごとの付与される休憩時間のルール

  • 6時間以内の労働:休憩を付与する義務なし
  • 6時間超え、8時間以内の労働:少なくとも45分の休憩を付与する
  • 8時間を超える労働:少なくとも1時間を超える休憩を付与する

(労働基準法34条1項)

■労働時間としてカウントされることがあるケース

  • 準備時間:制服、作業服、防護服などに着替える時間、始業前の朝礼・体操の時間など
  • 後始末時間:着替え、掃除、清身
  • 休憩時間:休憩中の電話番や来客対応などを依頼された場合
  • 仕込み時間:開店前の準備やランチとディナーの間の仕込み時間
  • 待機時間:トラックの荷待ちの時間
  • 仮眠時間:警報や緊急事態に備えた仮眠の時間(特に警備や医療従事者など)
  • 研修:会社からの指示で参加した研修
  • 自宅の作業:仕事が終わらず自宅に持ち帰って仕事した時間

労働基準法上の労働時間に関するポイント

未払い残業代を取り返したいというあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
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1章:労働基準法上の労働時間のルール、上限を解説

労働時間については、会社と従業員との間で、自由に決めることはできません。なぜなら、自由に決める事が出来たら、従業員が働かせられすぎてしまうことがあるからです。

そのため、労働時間について、労働基準法で細かくルールが決められているのです。

しかし、会社によっては、そのルールがないがしろにされていたり、担当者が十分な知識を持っておらず、違法な状況が放置されていることがあります。

そのため、まずは、労働基準法における労働時間について、

  • ルール、上限
  • 労働時間としてカウントされるルール

について順番に解説します。

1−1:労働時間のルール・上限

労働基準法上、労働時間は「1日8時間・週40時間」までと決められています。これを、法定労働時間と言います。

【労働基準法上の労働時間のルール(法定労働時間)】

労働時間は、

「1日8時間まで」

かつ

「週40時間まで」

(労働基準法第32条)

具体的に説明します。

たとえば、あなたの会社の始業時間が9:00の場合、途中休憩が1時間とすると、18:00までで労働時間が8時間になります。

また、毎日8時間の労働を、月曜日〜金曜日まで5日間続けたとすると、労働時間は、

8時間×5日間=40時間

になります。

これらが、労働基準法によって定められた労働時間である「法定労働時間」です。

労働基準法では、1日8時間・週40時間を超えて労働した場合、労働基準法違反、つまり「違法」であるとされています。

社員
社員
ちょっと待ってください。私は毎日8時間を超えて労働していますよ。
弁護士
弁護士
そういう会社員の人は非常に多いですよね。実は、上記の労働時間のルールは、「36協定」を締結することで、労働基準法違反ではなくなります。

【法定労働時間を超えて働くためには、36協定の締結が必要】

36協定」を締結すると、「1日8時間・週40時間」という法定労働時間を超えて労働することが、労働基準法違反ではなくなります。つまり、残業が可能になるのです。

36協定とは、法定労働時間を超えた労働(残業)を可能にするための、会社と従業員との間での取り決めのことです。

「そんな協定結んだ記憶がない」

と思ってらっしゃるかもしれませんが、36協定は従業員一人一人と結ぶのではなく、会社と「労働組合」や「従業員の代表」との間で結びます。

そのため、あなたの記憶になくても、36協定が締結されている可能性が高いです。

弁護士
弁護士
36協定が締結されているかどうか確認したい場合、就業規則を見てみましょう。
社員
社員
36協定が締結されていると、いくらでも残業できるということなのでしょうか?
弁護士
弁護士
そうではありません。36協定が締結されていても、労働時間には上限があります。

労働基準法では、36協定が締結されている会社でも、残業は「週15時間・月45時間まで」と定められています。 これを超えた残業は、違法になるのです。

36協定が締結されている場合の残業時間の上限

さらに、「特別条項付き36協定」を締結することで、「月45時間」という上限を超えた残業も可能になります。ただし、特別条項付き36協定が締結されていても、残業の上限の延長には、以下のような条件があります。

  • 月45時間を超えて良いのは、特別な事情がある場合のみ
  • 月45時間を超える残業は、年に6ヶ月まで
  • 健康に問題が出るような残業はNG

36協定や特別条項付き36協定について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

長時間残業に注意!特別条項付き36協定の3つのルールを弁護士が解説

社員
社員
労働基準法では、労働時間について細かく決まりがあるんですね。
弁護士
弁護士
そうなんです。ただし、労働基準法では、「何をしている時が労働時間なのか」については定められていません。そこで、過去の判例から、労働時間としてカウントされるのがどんな時間なのか、解説します。

1−2:労働時間としてカウントされるのは「使用者の指揮命令下に置かれている」時間

あなたは、「働いている時間が労働時間ではないの?」と思われるかも知れません。

しかし、会社によっては、

  • 無理な量や納期の業務を押しつけておいて、「仕事が終わらないのはお前のせい」と言い、サービス残業をさせる
  • 早出出勤が労働時間としてカウントされない
  • 仕事後の着替えや片付けの時間が、労働時間としてカウントされない

などのことがあり、どこまでが労働時間なのか」が、従業員との間でトラブルになることがあります。

実際、過去に会社と従業員の間で、労働時間についてトラブルになったことから、労働時間とは下記のような時間であると定義されました。

【労働時間としてカウントされる時間】

労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれていた』時間のこと

(三菱重工業長崎造船所事件・最判平成12年3月9日労判778号)

使用者とは、簡単には会社の経営者や上司のことです。

  • 会社の業務命令に従って働いている時間
  • 「ムリな納期がある」「1人では終わらないような仕事量がある」などの理由で残業せざるを得ない時間

などは、「使用者の指揮命令下におかれている」時間であり、労働時間としてカウントされるということです。

使用者の指揮命令下に置かれている時間

労働時間を意図的にごまかし、残業代を支払わない会社もありますので、詳しく知りたい場合は4章をご覧ください。

弁護士
弁護士
ここまでは、労働基準法における労働時間の原則的なルールを解説しました。さらに、人によっては役職や雇用契約上、異なるルールが適用されることがありますので、これから詳しく解説します。

2章:役職や制度別の労働時間のルール

以下のような場合は、1章でお伝えした労働基準法上の労働時間のルールと、異なるケースがあります。

【労働時間のルールが異なるケース】

  • 管理職
  • 営業職
  • 裁量労働制
  • フレックスタイム制
  • 変形労働時間制

それでは、順番に解説します。

2−1:管理職

管理職の場合、

「管理職だから、労働基準法の労働時間のルールは適用されない」

と言われることがあります。

これは、労働基準法上の管理職である「管理監督者」という条件に当てはまる場合は正しいです、

労働基準法上の管理監督者とは、以下の要素を満たす人のことです。

【管理監督者の3つの要素】

  • 経営者に近い権限・責任を持っている
  • 勤務時間を自分で決める権限を持っている
  • 残業代を出す必要がないほどの高い待遇を受けている

上記の要素を満たす「管理監督者」の場合は、労働基準法上の労働時間のルールの「適用外」になるとされています(労働基準法41条2項)。

ただし、実際には、労働基準法上の管理監督者の要素を満たす管理職は、非常に少ないのが実態です。

あなた、「私って管理監督者を満たすのかな?」と疑問に思う場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

管理職とは?残業代ゼロはウソ!法律上の3つの要素と悪用される手口

2−2:営業職

営業職の場合、1章で説明した労働基準法上の労働時間のルールと異なるルールが適用されることがあります。

それが「事業場外みなし労働時間制」です。

【事業場外みなし労働時間制とは】

事業場外みなし労働時間制とは、会社以外で仕事をする場合に、所定の時間労働したとみなす制度のことです。

(労働基準法第38条2項)

営業職の場合、社外で仕事をしている時間が長く、どこまでが労働時間か会社が把握することが難しいことがあります。そのため、あらかじめ会社が決めた時間を、労働時間としてみなすというのがこの制度です。

そのため、たとえば特定の日、週に「1日8時間・週40時間」の法定労働時間を超えて労働しても、残業としてみなされないことがあります。

ただし、事業場外みなし労働時間制は、「会社が実際の労働時間について算定困難である」という条件を満たしていなければ認められません。

事業場外みなし労働時間制が無効であれば、「1日8時間・週40時間」を超えて労働した場合、1章と同じ、労働基準法上の労働時間のルールが適用されます。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

事業場外みなし労働時間制とは?5分で解説!制度内容と違法なケース

2−3: 裁量労働制

デザイナー、プログラマーやSE等の仕事の場合、裁量労働制が採用されていることがあります。裁量労働制の場合、労働時間のルールが1章で解説したものと異なります。

【裁量労働制とは】

裁量労働制とは、実際の労働時間の長さにかかわらず、毎日一定の時間(例えば8時間)働いたと「みなす」という仕組みです。

(労働基準法第38条の3、4項)

裁量労働制が適用されると、あらかじめ定められた時間を、毎日の労働時間としてみなされます。

たとえば、みなし労働時間が8時間の場合、1日4時間しか働かなかった日も、12時間働いた日も、「8時間労働」とみなされるのです。

ちなみに、裁量労働制は事業場外みなし労働時間制とは以下のように異なるものです。

事業場外みなし労働時間制と裁量労働制の違い

ただし、裁量労働制は、自分の仕事や勤務時間を自分でコントロールできる、裁量のある業務の人にだけ適用できるものです。そのため、上司の指示に従って業務を行い、勝手に早く帰ったりできない人は、裁量労働制とは言えません。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

【裁量労働制とは?】弁護士が解説する本当の意味と残業代のカラクリ

2−4:フレックスタイム制

フレックスタイム制の場合も、1章で解説した労働時間のルールとは異なります。

【フレックスタイム制とは】

フレックスタイム制とは、労働時間が1日単位ではなく、1週間や1ヶ月単位でカウントされ、それが残業の基準になる制度のことです。

(労働基準法第32条3項)

一般的には、労働基準法上の労働時間(法定労働時間)は、1日8時間・週40時間です。

しかし、フレックスタイム制の場合は、法定労働時間が、会社との取り決めによって変わります。

フレックスタイム制では、あらかじめ、「この期間を一つの単位として労働時間をカウントしますよ」という「精算期間」が設定されます。

この「精算期間」の長さによって、労働時間のルールが以下のようになります。

【フレックスタイム制の労働時間】

  • 精算期間が1週間の場合:40時間
  • 精算期間が1ヶ月の場合: 160時間〜177.1時間(月によって変わる)
弁護士
弁護士
精算期間が1週間の場合は、1日の労働時間が8時間を超えても、週の合計が40時間以内なら残業にはなりません。また、精算期間が1ヶ月の場合は、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、月の労働時間が「160時間〜177.1時間」以内なら、残業にはなりません。

会社によっては、フレックスタイム制を理由に「残業代が出ない」と言われていることもあるようです。しかし、フレックスタイム制は、労働時間のルールが通常とは異なるだけで、残業代が出ない制度ではありません。 会社が残業代をごまかすために、手口として使っているケースもありますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。

間違われることが多い?フレックスタイム制の残業・残業代ルールを解説

2−5:変形労働時間制

変形労働時間制の場合も、法定労働時間が1章で解説したルールと異なります。

【変形労働時間制とは】

変形労働時間制とは、あらかじめ期間を特定し、その期間内なら「1日8時間・週40時間」を超えて労働しても、残業にならない制度のことです。

(労働基準法第32条2、4、5項)

変形労働時間制には、

  • 1週間単位
  • 1ヶ月単位
  • 1年単位

の3種類があり、それぞれ一定の条件下なら、法定労働時間を超えて労働しても残業にはなりません。

詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

変形労働時間制でも残業代が出る!残業代で損しないためのルールの全て

社員
社員
適用されている制度によって、労働時間の考え方が異なるんですね。
弁護士
弁護士
そうなんです。そのため、基本的なルールと共に自分に適用されている制度上の労働時間のルールについても、理解することが大事です。
社員
社員
そうですね。労働時間については分かりましたが、休憩時間にもルールがあるんでしょうか?
弁護士
弁護士
もちろん、休憩時間にも労働基準法によるルールがあります。これから解説します。

3章:労働基準法上の休憩時間のルール

労働基準法では、休憩時間について以下のようにルールが定められています。

【労働時間ごとの付与される休憩時間】

  • 6時間以内の労働:休憩を付与する義務なし
  • 6時間超え、8時間以内の労働:少なくとも45分の休憩を付与する
  • 8時間を超える労働:少なくとも1時間を超える休憩を付与する

(労働基準法34条1項)

会社員として働いている人のほとんどは8時間労働だと思いますので、一般的には、休憩は「1日1時間」与えられることになっているのです。

労働基準法上の休憩時間のルール

さらに、休憩時間中は「労働から解放されている」必要がある、等のルールもあります。

【休憩時間の3つの原則】

  • 休憩は労働時間の途中で与えられる
  • 休憩中は労働から解放されている必要がある
  • 休憩は一斉に付与されなければならない

もしあなたが、上記のように休憩が取得できていない場合は「違法」である可能性が高いです。

社員
社員
私もしっかり休憩が取れていません。
弁護士
弁護士
そういう人は多いようです。さらに、労働時間についても会社からごまかされ、しっかりカウントされていないケースもありますので、これから紹介します。

4章:労働時間がごまかされやすいケースと仕事

これから紹介するように、

  • 早出、休憩、仮眠時間等の時間
  • トラック運転手、看護師、警備員等の仕事

は、本当は労働時間としてカウントされる時間がごまかされ、残業代がごまかされることがあります。

これから詳しく解説します。

4−1:早出、休憩、仮眠も労働時間になる

下の時間は、会社から「労働時間ではない」と言われ、労働時間としてカウントされないことが多いです。また、会社の人すらもこれらが労働時間としてカウントされるとは知らないこともあります。

【労働時間としてカウントされることがあるケース】

  • 準備時間:制服、作業服、防護服などに着替える時間、始業前の朝礼・体操の時間など
  • 後始末時間:着替え、掃除、清身
  • 休憩時間:休憩中の電話番や来客対応などを依頼された場合
  • 仕込み時間:開店前の準備やランチとディナーの間の仕込み時間
  • 待機時間:トラックの荷待ちの時間
  • 仮眠時間:警報や緊急事態に備えた仮眠の時間(特に警備や医療従事者など)
  • 研修:会社からの指示で参加した研修
  • 自宅の作業:仕事が終わらず自宅に持ち帰って仕事した時間

1章でもお伝えしたように、労働時間としてカウントされるのは「使用者の指揮命令下に置かれている」時間です。

上記の8つのケースも、「使用者の指揮命令下に置かれている」場合は、労働時間としてカウントでき、残業代が発生するのです。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

残業とは?すぐに分かる残業の定義と会社があなたを騙す7つの手口

4−2:トラック運転手、看護師、警備員など

以下の仕事の場合、労働基準法にのっとって労働時間がカウントされず、残業代がごまかされているケースが特に多いです。

しかし、たとえ以下の仕事であっても、労働基準法上の労働時間のルールは変わりませんし、法定労働時間を超えて労働した場合は、残業代が発生します。

【労働時間がごまかされやすい仕事】

  • SE(システムエンジニア)
  • トラック運転手
  • タクシー運転手
  • 飲食店
  • 看護師
  • 医師
  • ベンチャー企業の社員
  • 建築業
  • 住み込みの管理人
  • ガソリンスタンド
  • 警備員
  • 保育士
  • 介護職

それぞれ、詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

いかがでしたか?

最後に、この記事のポイントをまとめます。

【労働基準法上の労働時間のルール(法定労働時間)】

労働時間は、

「1日8時間まで」

かつ

「週40時間まで」

【労働時間としてカウントされる時間】

労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれていた』時間のこと

(三菱重工業長崎造船所事件・最判平成12年3月9日労判778号)

【労働時間のルールが異なるケース】

  • 管理職
    →労働基準法上の「管理監督者」の場合は、労働時間のルールが適用されない。
  • 営業職
    →事業場外みなし労働時間制が認められる場合、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。
  • 裁量労働制
    →裁量労働制の場合、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。
  • フレックスタイム制
    →1週間単位の場合、1日8時間を超えて労働しても週40時間までは残業にならない。1ヶ月単位の場合、週40時間を超えて労働しても、160時間〜177.1時間までは残業にならない。
  • 変形労働時間制
    →1週間単位、1ヶ月単位、1年単位のそれぞれでルールが異なり、1日8時間・週40時間を超えて労働しても、残業にならない。

【労働時間ごとの付与される休憩時間のルール】

  • 6時間以内の労働:休憩を付与する義務なし
  • 6時間超え、8時間以内の労働:少なくとも45分の休憩を付与する
  • 8時間を超える労働:少なくとも1時間を超える休憩を付与する

(労働基準法34条1項)

【労働時間としてカウントされることがあるケース】

  • 準備時間:制服、作業服、防護服などに着替える時間、始業前の朝礼・体操の時間など
  • 後始末時間:着替え、掃除、清身
  • 休憩時間:休憩中の電話番や来客対応などを依頼された場合
  • 仕込み時間:開店前の準備やランチとディナーの間の仕込み時間
  • 待機時間:トラックの荷待ちの時間
  • 仮眠時間:警報や緊急事態に備えた仮眠の時間(特に警備や医療従事者など)
  • 研修:会社からの指示で参加した研修
  • 自宅の作業:仕事が終わらず自宅に持ち帰って仕事した時間

【労働時間がごまかされやすい仕事】

  • SE(システムエンジニア)
  • トラック運転手
  • タクシー運転手
  • 飲食店
  • 看護師
  • 医師
  • ベンチャー企業の社員
  • 建築業
  • 住み込みの管理人
  • ガソリンスタンド
  • 警備員
  • 保育士
  • 介護職

労働基準法上の正しい知識を身につけて、違法な状況で働かせらることのないように気をつけましょう。

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