不倫の慰謝料の相場は50万円〜300万円、金額を決める6つの要素と条件


この記事を読んで理解できること
- 不倫(不貞行為)の慰謝料の相場は50万円〜300万円
- 不倫(不貞行為)の慰謝料を決める6つの要素
- 不倫相手に慰謝料を請求できる5つの条件
- 不倫相手に慰謝料を請求する方法
- 不倫(不貞行為)の慰謝料の判例・事例
あなたは、
- 不倫慰謝料の相場が知りたい
- 不倫慰謝料の相場以外のポイントは?
- 不倫慰謝料の相場より増額したい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、不倫の慰謝料は50万円〜300万円という相場がありますが、不倫(不貞行為)が発覚した後の婚姻関係への影響や、不倫(不貞行為)による精神的苦痛の大きさによって金額が変わります。
不倫の慰謝料は複数の要素から判断して決まるため、増額される要素が重なれば、慰謝料が高額になる可能性があるからです。
そのため、自分一人の判断で金額を設定した場合、相場より低い金額を請求してしまったり、逆に相場より高い請求で解決が長引いたりする可能性があります。
この記事では、
1章では、不倫(不貞行為)の慰謝料の相場は50万円〜300万円
2章では、不倫(不貞行為)の慰謝料を決める6つの要素
3章では、不倫相手に慰謝料を請求できる5つの条件
4章では、不倫相手に慰謝料を請求する方法
5章では、不倫(不貞行為)の慰謝料の判例・事例
について説明します。
この記事の内容をしっかり理解して、配偶者の不倫や慰謝料請求という難しい問題の解決に向けて、今後の行動に役立ててください。
目次
1章:不倫(不貞行為)の慰謝料の相場は50万円〜300万円
不倫による慰謝料の相場は、主に以下の3つのケースに分けられます。
- 不倫発覚後も夫婦関係は続いている場合(50万円~100万円)
- 不倫が原因で別居した場合(100万円~200万円)
- 不倫が原因で離婚した場合(150万円~300万円)
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の事情によって実際の金額は変動します。
それぞれ説明します。
1-1:夫婦関係は続いている場合(50万円~100万円)
不倫が発覚したものの夫婦関係が修復され、夫婦が同居し夫婦関係が継続している場合、
慰謝料の相場は、50万円~100万円
になります。
不倫による精神的苦痛は認められるものの、夫婦関係が継続していることから、慰謝料額は控えめに設定されることが多いです。
ただし最近の傾向としては、100万円を超える不倫慰謝料を認める判例も多くなっています。
■裁判例
結婚15年目の夫が、約1年半の間、職場で知り合った女性と不貞行為を行った事例です。
不倫相手の女性は、交際に積極的で訴訟が提起された後も関係を続けていました。
妻は、夫の不貞行為が発覚した後も夫婦関係を継続していますが、夫の不貞行為の相手である女性に、不倫慰謝料として500万円を請求し裁判所は200万円を認めています。
※東京地裁平成26年4月30日判決
1-2:不倫が原因で別居した場合(100万円~200万円)
不倫が原因で夫婦関係が悪くなり別居した場合、
慰謝料の相場は、100万円~200万円
になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大で別居に至ったと考えられるためです。
別居は夫婦関係においては深刻な事態であり、それだけ精神的苦痛も大きいと判断されるため、慰謝料も高くなります。
■裁判例
結婚2年目の妻が、友人を介して知り合った男性と、約3ヶ月の間不貞行為を行った事例です。
夫は、妻と離婚する意思はなく赦していますが、夫婦関係は別居・離婚調停状態にあります。
夫は妻の不貞行為の相手である男性に、不倫慰謝料として1000万円を請求し裁判所は180万円を認めています。
※東京地裁平成25年10月21日判決
1-3:不倫が原因で離婚した場合(150万円~300万円)
不倫が原因で離婚した場合、
慰謝料の相場は、150万円~300万円
になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大であるため、離婚に至ったと考えられるからです。
離婚は夫婦関係の完全な破綻を意味し、被害者が受けた精神的苦痛も最も大きなものと考えられるため、慰謝料も高くなる傾向にあります。
■裁判例
結婚5年目の妻が、職場で知り合った男性と不貞行為を行った事例です。
妻の不貞行為は半年後に発覚し、夫婦関係は別居状態となりその後協議離婚しました。
本件は、不貞行為発覚後も、不貞行為を継続し同棲までした結果、離婚に至ったという経緯や、職場での不貞行為だったため、不貞の事実が上司や同僚等にも知られ、居たたまれない思いをしていることが認められたことなどから、妻の不貞行為の相手である男性に対しては、不倫慰謝料として300万円を請求し裁判所は200万円を認めています。
※東京地裁平成26年9月3日判決
ただし、これらの相場はあくまで目安であり、実際の慰謝料額は個々の事情によって大きく変動します。
次章では、慰謝料額を決定する具体的な要素について詳しく説明します。
2章:不倫(不貞行為)の慰謝料を決める6つの要素
不倫による慰謝料の具体的な金額は、様々な要素を総合的に考慮して決定されます。
主な要素として、離婚や別居の有無の他には、次の6つがあげられます。
- 婚姻期間や同居期間
- 不倫が始まった時点の夫婦関係
- 養育が必要な子どもの有無
- 不倫が始まった経緯や回数・期間
- 不倫相手への経済的支援や子どもの有無
- 反省や謝罪の有無
それぞれ説明します。
2-1:婚姻期間や同居期間
婚姻期間や同居期間は、夫婦関係の深さや安定性を示す重要な指標となります。
婚姻期間が数年の場合は、婚姻期間が短いとみなされて慰謝料が減額される可能性があり、婚姻期間が15年以上の場合には、婚姻期間が長いとみなされて高額な慰謝料が認められる可能性があります。
■長期の場合
- 例:結婚20年以上の夫婦
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:長年築いてきた信頼関係や生活基盤が崩壊するため、精神的苦痛が大きいと判断される
■短期の場合
- 例:結婚1年未満の夫婦
- 影響:慰謝料が減額される可能性
- 理由:関係性が比較的浅く、生活基盤の変化も小さいと考えられるため
ただし、短期婚であっても、その他の要素(子どもの有無など)によっては、慰謝料の増額が認められるケースもあります。
2-2:不倫が始まった時点の夫婦関係
不倫が始まった時点での夫婦関係の状態も、慰謝料額に影響を与えます。
■良好な関係だった場合
- 例:家族旅行を楽しむなど、親密な関係を保っていた
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:裏切りの程度が大きく、精神的打撃が大きいと判断される
■すでに関係が冷めていた場合
- 例:別居状態や離婚の話し合いをしていた
- 影響:慰謝料が減額される可能性
- 理由:婚姻関係がすでに形骸化していたと判断される可能性がある
ただし、「関係が冷めていた」ことを立証するのは難しい場合が多く、証拠を基に慎重に判断されます。
2-3:養育が必要な子どもの有無
子どもの存在、特に養育が必要な未成年の子どもがいるかどうかは、慰謝料額に大きな影響を与えます。
■養育が必要な子どもがいる場合
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:
- 子どもの心理的影響が大きい
- 家庭の崩壊による子どもの生活環境の変化
- 単独親権となった場合の負担増
■子どもがいない、または成人している場合
- 影響:相対的に慰謝料が減額される可能性
- 理由:家庭崩壊の影響が夫婦二人に限定される
子どもの年齢や人数によっても、慰謝料額は変動する可能性があります。
2-4:不倫が始まった経緯や回数・期間
不倫の態様、特にその始まりの経緯や継続期間、回数などは慰謝料額を決める重要な要素となります。
■長期的で計画的な不倫の場合
- 例:何年にもわたる不倫先との二重生活
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:裏切りの程度が大きく、悪質性が高いと判断される
■一時的な過ちの場合
- 例:酔った勢いでの一夜限りの関係
- 影響:慰謝料が減額される可能性
- 理由:過失の程度が比較的軽いと判断される可能性がある
不倫の回数や頻度も考慮されます。
頻繁に会っていた場合や、複数の相手と不倫していた場合は、慰謝料が高額になる傾向にあります。
2-5:不倫相手への経済的支援や子どもの有無
不倫相手との関係性、特に経済的な繋がりや子どもの存在は、慰謝料額に大きな影響を与えます。
■不倫相手への経済的支援がある場合
- 例:生活費の援助、高額なプレゼントの贈与
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:家計への影響が大きく、背信行為の程度が重いと判断される
■不倫相手との間に子どもがいる場合
- 影響:慰謝料が極めて高額になる可能性
- 理由:
- 家庭への影響が決定的
- 長期的な関係の証左となる
- 今後の親権問題など、複雑な問題が発生
経済的支援の程度や子どもの年齢などによっても、具体的な慰謝料額は変動します。
2-6:反省や謝罪の有無
不倫発覚後の態度、特に反省や謝罪の有無は、慰謝料額に影響を与える場合があります。
■誠実に反省し、謝罪している場合
- 例:不倫を即座に終わらせ、真摯に謝罪する
- 影響:慰謝料が若干低めになる可能性
- 理由:和解の可能性や、今後の関係修復の見込みが考慮される
■反省の態度が見られない場合
- 例:不倫を正当化したり、逆に相手を責めたりする
- 影響:慰謝料が高額になる傾向
- 理由:被害者の精神的苦痛が継続・増大すると判断される
ただし、表面的な謝罪だけでは慰謝料の減額にはつながらず、具体的な行動を伴う誠実な態度が求められます。
これらの6つの要素を総合的に考慮して、個々の事案に応じた適切な慰謝料額が決定されます。
次章では、不倫相手に慰謝料を請求できる具体的な条件について説明します。
3章:不倫相手に慰謝料を請求できる5つの条件
不倫被害者が不倫相手に慰謝料を請求するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
次の5つの条件を確認し、自身の状況を把握しましょう。
- 配偶者と不倫相手との間に肉体関係がある
- 不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
- もともと夫婦関係は破綻していない
- 不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
- 時効が成立していない
それぞれ解説します。
3-1:配偶者と不倫相手に肉体関係がある
慰謝料請求の最も基本的な条件は、配偶者と不倫相手との間に肉体関係があったことです。
■肉体関係の証明
直接的な証拠:
- ホテルに出入りする画像や利用記録
- 二人きりで旅行に行った記録
- 親密な関係を示すメールやLINEのやり取り
など
間接的な証拠:
- 親密なメールやLINEのやりとり
- クレジットカードの利用明細、レシート
- 目撃証言
など
■注意点
- 精神的な浮気だけでは、通常慰謝料請求の対象とはなりません
- 完全な証拠がなくても、状況証拠から肉体関係が強く推測される場合は、不貞行為が認められることがあります
肉体関係の有無は慰謝料請求の根幹となるため、可能な限り証拠を集めることが重要です。
3-2:不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
不倫相手が、あなたの配偶者が既婚者であることを知っていた、あるいは容易に知り得た状況であったことが必要です。
既婚者と知って故意に行っていた場合は、配偶者であるあなたの権利を侵害し精神的苦痛を与えたことになりますので、当然不法行為となりますし、故意はなくても、相手が既婚者であると容易に知り得た場合は、過失があるとして、この場合でも不法行為が成立します。
■既婚者であることを知っていた例
- 職場の同僚で、配偶者の存在を知っていた
- SNSなどで家族の写真が公開されていた
- 結婚指輪を着用していた
■注意点
- 不倫相手が「知らなかった」と主張する可能性もあるため、証拠の収集が重要です
- 社会通念上、既婚者であることを容易に知り得た状況であれば、「知らなかった」という主張は認められにくいです
この条件は、不倫相手の故意または過失を立証するために重要です。
3-3:もともと夫婦関係は破綻していない
慰謝料を請求するためには、不倫が始まる前の夫婦関係が破綻していなかったことを示す必要があります。
■夫婦関係が破綻していなかったことを示す要素
- 同居していた
- 家事や育児を協力して行っていた
- 夫婦としての会話や外出があった
- 性生活があった
■注意点
- 夫婦関係の破綻は、客観的な事実関係から判断されます
- 単なる夫婦喧嘩や一時的な不和は、通常、破綻とはみなされません
夫婦関係が既に破綻していた場合、慰謝料請求が認められないか、大幅に減額される可能性があります。
3-4:不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
不倫行為によって、それまで良好だった夫婦関係が悪化したり、破綻したりしたことを示す必要があります。
■夫婦関係の悪化や破綻を示す例
- 不倫発覚後、別居状態になった
- 離婚の話し合いや離婚調停を申し立てた
- 精神的なショックで日常生活に支障が出た
- 子どもの養育環境に悪影響が出た
- 夫婦間のコミュニケーションが途絶えた
■注意点
- 不倫と夫婦関係の悪化や破綻との因果関係を示すことが重要です
- 不倫以外の要因(例:経済的問題、性格の不一致など)が主な原因である場合、慰謝料請求が難しくなる可能性があります
この条件は、不倫行為による具体的な損害を示すために重要です。
3-5:時効が成立していない
不倫の慰謝料請求権には、時効があります。
時効を過ぎてしまうと、たとえ他の条件を満たしていても慰謝料を請求できなくなるので注意が必要です。
■不倫の慰謝料請求権の時効
- 不貞行為の事実と不倫相手を知ってから3年間
- 不貞行為があった時から20年間
■注意点
- 不倫相手を知ったということは、その名前や住所など慰謝料請求が可能な情報が得られた場合です
- 継続的な不倫の場合、最後の不倫行為から起算されることが多いです
- 時効の起算点について争いになることもあるため、できるだけ早期に行動を起こすことが重要です
時効を過ぎてしまうと法的な請求権が消滅するため、不倫が発覚した場合は、速やかに専門家に相談することをオススメします。
以上の5つの条件を満たしている場合、不倫相手に対する慰謝料請求が可能です。
ただし、これらの条件を完全に満たしていなくても、状況によっては慰謝料請求が認められる場合もあります。
配偶者の不倫が発覚した場合は、まず弁護士などの専門家に相談することをオススメします。
4章:不倫相手に慰謝料を請求する方法
不倫相手に慰謝料を請求する方法には、主に次の3つがあります。
- 書面の送付による請求
- 不倫相手との話し合いによる請求
- 民事訴訟による請求
それぞれ説明します。
4-1:書面の送付による請求
書面(配達証明付き内容証明郵便など)を送付して慰謝料を請求する方法です。
■手順
- 請求書を作成する(弁護士に依頼するのが望ましい)
- 配達証明付き内容証明郵便で送付する
■記載すべき内容
- 不倫の事実とその証拠
- 請求する慰謝料の金額とその根拠
- 支払期限と支払方法
- 応じない場合の対応(例:法的手段を取る旨)
■メリット
- 正式な請求の証拠になる
- 感情的になりにくい
- 相手に請求の真剣さが伝わる
■デメリット
- 相手が無視する可能性がある
- 郵便代がかかる(数千円程度)
■注意点
- 文面の作成は専門家に依頼するのが望ましい
- 脅迫と取られかねない表現は避ける
4-2:不倫相手との話し合いによる請求
直接不倫相手と話し合いを行い、慰謝料を請求する方法です。
■手順
- 不倫相手と連絡を取り、話し合いの場を設定する
- 証拠を示しながら、慰謝料の支払いを求める
■メリット
- 迅速な解決が期待できる
- 柔軟な交渉が可能
■デメリット
- 感情的になりやすい
- 相手が誠実に対応しない可能性がある
- 口頭での合意は後で覆される可能性がある
■注意点
- 可能であれば第三者(弁護士など)を同席させる
- 話し合いの内容は記録を取る(録音する場合は相手の同意を得る)
- その場で示談書を作成する場合は、内容を十分に確認する
4-3:民事訴訟による請求
裁判所に訴訟を起こし、法的手段で慰謝料を請求する方法です。
■手順
- 訴状を作成し、管轄の裁判所に提出する
- 裁判所から相手方に訴状が送達される
相手方が反論する場合は、複数回の期日を経て判決が下される
■メリット
- 法的な強制力がある
- 客観的な判断が得られる
- 支払いを強制執行できる可能性がある
■デメリット
- 費用と時間がかかる
- 精神的負担が大きい
- 判決内容が公開される
■注意点
- 弁護士に依頼することが強く推奨される
- 証拠の収集と整理が重要
- 勝訴しても、相手に支払能力がない場合は回収が困難になる可能性がある
これらの方法のうち、どれを選択するかは状況によって異なります。
多くの場合、まず書面による請求を行い、それでも解決しない場合に話し合いや訴訟に移行するという流れになります。
いずれの方法を選択する場合も、事前に弁護士に相談することをオススメします。
5章:不倫(不貞行為)の慰謝料の判例・事例
実際の裁判例や事例を見ることで、不倫慰謝料の実態をより具体的に理解できます。
以下に、いくつかの代表的な判例と事例を紹介します。
5-1:裁判例① 不倫が原因で夫婦関係が破綻したため400万円を認定
結婚2年目の妻が、不貞行為を行った事例です。
結婚して1年を過ぎた頃、妻が職場で知り合った男性と不倫関係になり、不貞行為を続けた結果2度の人工妊娠中絶手術を行っています。
妻の不倫と2度の中絶を知った夫は、相当の精神的苦痛を受けたため家を出て別居したことによって、婚姻関係は破綻してしまいました。
そのため、少なからず夫のキャリアの選択肢を狭める結果となっています。
夫は妻の不貞行為の証拠として、妻の不貞行為が推認できる会話等を録音しましたが、録音場所が夫の自宅マンション内だったため、著しく反社会的な手段によるものとは言えないとして、証拠能力が認められました。
また、不貞相手は不貞行為を否認していました。
夫は妻の不貞行為の相手である男性に、不貞慰謝料として1000万円を請求し裁判所は400万円を認めています。
※東京地裁平成25年8月22日判決
5-2:裁判例② 不倫調査費用の一部を肯定し合計352万円を認定
結婚8年目で2人の子を持つ妻が、不貞行為を行った事例です。
妻は、所属するアマチュアバンドで知り合った男性と不倫関係になり、お互いに既婚者と知りながら約半年(性交渉は20回程度)お互いに恋愛感情を持って交際していました。
夫に妻の不貞行為が発覚した際、不倫相手の男性は、夫に土下座して謝罪しながらも不貞開始日を偽り、さらにその後の夫からの不倫慰謝料請求に対する回答書においても不貞期間を偽って回答しています。
相手男性のこの行動は、自身の責任を矮小化するためであり、これによって夫の精神的苦痛は増大したと認められています。
夫は協議離婚後、妻の不貞行為の相手である男性に440万円を請求し裁判所は352万円(うち弁護士費用32万円)を認めています。
※岐阜地裁平成26年1月20日判決
5-3:裁判例③ 相手女性が別れる意思はないと断言し275万円を認定
結婚4年目の夫が、不貞行為を行った事例です。
夫は飲み会で知り合った女性に対して、自分はバツイチで籍は抜いていると話し、約1年半の間不貞行為を続けていました。
不倫相手の女性は交際開始後、知人から男性が既婚者だと電話で知らされましたが、そのあとも交際を続けていました。
さらに、裁判の本人尋問の際にも、今後も相手男性と別れる意思はないと断言しました。
妻は夫の不貞行為が発覚した後、夫とは別居し、離婚調停を起こしました。
そして、夫の不貞行為の相手である女性に550万円を請求し裁判所は275万円(慰謝料250万円、弁護士費用25万円)を認めています。
※東京地裁平成24年12月27日判決
5-4:事例① 妻が地元の後輩と不倫していた事例
40代男性、子どもが3人いる方からの依頼で、依頼者の地元の後輩と依頼者の奥さんが不倫していた事例です。
不倫の結果離婚にまで至っており、しかも相手は不貞行為を否認するなど悪質な態度でした。
また、依頼者は不貞行為を調べるために探偵を雇っていたことから、探偵費用も合わせて請求しました。
毅然とした態度で交渉を進め、400万円という不倫慰謝料の一般的な相場を超える、高額な請求を認めさせることができました。
詳しくはこちらのページで紹介しています。
5-5:事例② 地元の知り合いの男性と妻が不倫していた事例
依頼者は40代の男性で、妻が地元の知り合いと不倫していた事例です。
依頼者は妻と離婚することは考えていなかったため、今後妻に連絡や接触をしないこと、妻への求償権を放棄することを約束させて和解を成立させました。
一般的には、離婚せず求償権を放棄する場合、慰謝料が半減することが多いですが、この事例では200万円という高額な慰謝料で合意することができました。
詳しくはこちらページで紹介しています。
5-6:事例③ LINEで夫の不倫に気づいた事例
50代の女性からの依頼で、たまたま夫のLINEを見たことで不倫の不倫に気づき、慰謝料請求した事例です。
依頼者の方は夫と離婚することは考えていなかったため、不倫相手の女性には今後夫と接触しない事も約束させた上で、慰謝料の支払いに合意させることができました。
離婚しない場合は慰謝料が減るのが一般的ですが、この事例では300万円という高額な慰謝料で合意しています。
詳しくはこちらのページで紹介しています。
ただし、これらはあくまで参考例であり、実際の慰謝料額は個々の事情によって大きく異なります。
こちらのサイトでは、新橋第一法律事務所に所属する弁護士が解決してきた、不倫トラブルの多くの事例を紹介しています。
他にも高額請求の事例が多くありますので、ぜひ参考にしてみてください。
■新橋第一法律事務所の不倫慰謝料特設サイト
まとめ:不倫の慰謝料|3つの相場と6つの要素
不倫の慰謝料請求の相場について、詳しく説明してきました。
■慰謝料の3つの相場
- 夫婦関係は続いている場合:50万円~100万円
- 不倫が原因で別居した場合:100万円~200万円
- 不倫が原因で離婚した場合:150万円~300万円
■慰謝料を決める6つの要素
- 婚姻期間や同居期間
- 不倫が始まった時点の夫婦関係
- 養育が必要な子どもの有無
- 不倫が始まった経緯や回数・期間
- 不倫相手への経済的支援や子どもの有無
- 反省や謝罪の有無
これらの要素を総合的に考慮して、個々の事案に応じた適切な慰謝料額が決定されます。
■不倫相手に慰謝料を請求できる5つの条件
- 配偶者と不倫相手に肉体関係がある
- 不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
- もともと夫婦関係は破綻していない
- 不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
- 時効が成立していない
■慰謝料請求の3つの方法
- 書面の送付による請求
- 不倫相手との話し合いによる請求
- 民事訴訟による請求
不倫による慰謝料請求は、法的にも感情的にも複雑な問題です。
不倫の慰謝料請求は、単なる金銭的補償ではなく、精神的な区切りをつけ、新たな人生のスタートを切るための一つの手段だと捉えましょう。
この記事を参考に適切な判断を下し、幸せな未来へと歩みを進められることを願っています。