ホテルでの不倫が認められるケースと不貞行為の証拠や対処法を弁護士が解説
この記事を読んで理解できること
- ホテルでの不倫が認められる可能性があるケース
- ホテルでの不倫を立証する証拠
- 配偶者がホテル不倫していた時の対処法
- 不倫問題を有利に進めるポイント
あなたは、
- 配偶者が黙ってホテルへ出入りしている場合、不倫していることになるのか
- ホテルで不倫している証拠として何を集めるべきか
- ホテルで不倫している配偶者や不倫相手に慰謝料を請求したい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、ラブホテルの場合はもちろん、それ以外のホテルでも配偶者と第三者が一緒に出入りしている場合は、ほぼ確実に不貞行為が認められます。
そのため、配偶者が不倫相手と一緒にホテルに入る場面を収めた写真や動画がある場合は、不貞行為を立証する証拠としてかなり有効です。
また、配偶者のメールやSNSに、不倫相手とのホテル不倫を推認させるやり取りが残っていれば、さらに有力な証拠になるでしょう。
配偶者の不倫の証拠をしっかり押さえた場合は、配偶者や不倫相手に対する慰謝料請求や、配偶者に離婚を請求できます。
そこでこの記事では、
1章では、ホテルでの不倫が認められる可能性があるケース
2章では、ホテルでの不倫を立証する証拠
3章では、配偶者がホテル不倫していた時の対処法
4章では、不倫問題を有利に進めるポイント
それぞれのテーマで解説しています。
この記事を読んで、配偶者のホテル不倫を立証するための証拠の集め方や、不倫していた場合は慰謝料請求や裁判離婚も可能であることを理解し、ホテルでの不倫に対してとるべき行動を決める際の参考にして下さい。
目次
1章:ホテルでの不倫が認められる可能性があるケース
ホテルでの不倫が認められる可能性があるケースのポイントは、次の2つです。
- ラブホテルの利用は有力な証拠になる
- ラブホテル以外の利用でも不倫が認められる
それぞれ見ていきましょう。
1-1:ラブホテルの利用は有力な証拠になる
ラブホテルは、一般的には性行為をする場所と認識されていますから、配偶者が第三者とラブホテルに出入りしていた場合は、不貞行為が認められます。
そのため、配偶者がラブホテルを利用していた証拠は、不貞行為を推認させる証拠として非常に有力です。
ホテル不倫がバレないためのテクニックとして、時間をおいて別々に出入りする方法もありますが、ラブホテルの場合、誰かと不貞行為をする目的であることに変わりはないため不貞行為が認められます。
不倫は法律用語ではなく明確な定義もありませんが、法律上は不貞行為といい「配偶者以外の第三者と性的関係を結ぶことである」と定義されています。
不貞行為をされた側は、離婚を求めることができますし、不倫相手に対しても慰謝料を請求できます。
1-2:ラブホテル以外の利用でも不倫が認められる
ラブホテル以外のホテルを利用した場合でも、配偶者が不倫相手と一緒にホテルに出入りしていた証拠があれば、不貞行為が認められる可能性が高いです。
例えば、配偶者が不倫相手と一緒にホテルに出入りしている写真や動画は、不貞行為を立証できる有力な証拠です。
さらに配偶者のメールやSNSに、不倫相手とのホテル不倫を推認させるやり取りが残っている場合は、不貞行為を示す十分な証拠と言えます。
配偶者がビジネスホテルやラブホテルの領収書・明細書等を持っていた場合は、ホテル不倫を裏付ける証拠になるでしょう。
2章:ホテルでの不倫を立証する証拠
ホテルでの不倫を立証する証拠は、次の通りです。
- ホテルに出入りする複数の写真や動画
- ホテル不倫を推認できるメールやSNSのやりとり
- クレジットカードの明細やカーナビの履歴など
それぞれ見ていきましょう。
2-1:ホテルに出入りする複数の写真や動画
配偶者が不倫相手と一緒にホテルに出入りする場面を収めた写真や動画は、かなり有力な証拠になります。
ラブホテルであれば、不貞行為のためであることは明らかですし、ビジネスホテルの場合でも不倫相手と一緒にホテルに出入りしている場合は、不貞行為が認められる可能性が高いです。
不倫相手と一緒でない場合は、配偶者がホテルに入ったという事実の証拠にしかならず、不倫の証拠としては弱いため、他の証拠による補強が必要です。
2-2:ホテル不倫を推認できるメールやSNSのやりとり
配偶者のメールやSNSに、不倫相手とのやり取りが残っていれば、ホテル不倫を推認させる有力な証拠になります。
性交渉に及んだことが直接的に書かれている内容であれば、そのまま証拠になるでしょう。
「昨日はとてもよかったよ」といったぼかした表現でも、ホテルへの出入り、クレジットカードの明細、カーナビの履歴などと突き合わせることで、不貞行為を指していると推認できる可能性があります。
メールやSNSのやりとりを証拠として残すには、そのやり取りが表示されている端末をスマホなどで撮影する方法を用います。
その際は、次の点が分かるようにすることがポイントです。
- 誰の端末なのか
- メッセージのやり取りをした日の日時
- スクロールする際はメッセージがつながるようにする(撮影した場面の文末が次の撮影の冒頭にくる形で撮影する)
2-3:クレジットカードの明細やカーナビの履歴など
クレジットカードの明細も、不倫の間接的な証拠になることがあります。
不倫に利用したホテルでの料金の支払いはもちろんですが、不倫相手への高額なプレゼントをクレジットカードで購入していることもあるでしょう。
カーナビの履歴は、配偶者が車を運転して、不倫相手と移動している場合に間接的な証拠になります。
ホテルの近くに駐車している場合のほか、不倫相手の自宅まで送っている場合は、その場所を特定できるでしょう。
3章:配偶者がホテル不倫していた時の対処法
配偶者が不倫をしていた時の対処法は、次の3つです。
- 夫婦で話し合う
- 慰謝料を請求する
- 離婚する
それぞれ見ていきましょう。
3-1:夫婦で話し合う
配偶者が不倫している場合は、婚姻生活を続けるにしても、離婚するにしても話し合いは避けて通れません。
配偶者が不倫するのは、多くの場合現状の生活に満足していないからです。
夫婦で徹底的に話し合って、今後の夫婦関係の修復を図っていくしかありません。
夫婦関係が破綻していて修復の見込みがない場合でも、不倫の慰謝料請求や離婚を前提とした話し合いが必要です。
夫婦の関係を修復する目的で話し合う場合は、配偶者の不倫の事実を掴んでいたとしても、その証拠をいきなり突き付けて、問い詰める形ではうまくいきません。
配偶者が不倫関係を認めないことがほとんどですし、かえって関係がこじれてしまうリスクがあるからです。
まずは、日頃から配偶者への感謝の気持ちや、労りの気持ちを伝えることです。
そのうえで、不倫していることを偶然知ってしまったことを告げ、不倫相手と別れてほしいことや夫婦の生活の何に不満があるのか聞き出しましょう。
配偶者が不倫していることを認め、あなたへの不満を正直に話してくれた場合は、そのことに対して激怒するのではなく、夫婦関係の修復のために努力する姿勢を示すべきです。
配偶者に対して、努力するから不倫相手とは絶対に別れてほしいと伝えることが大切です。
3-2:慰謝料を請求する
配偶者が不倫を認めた場合は、夫婦関係の修復を図るにしても、離婚するにしても、配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求できます。
離婚せず夫婦関係の修復を図る場合でも、不倫相手への慰謝料請求によって、不倫には代償が伴うことやあなたが本気で怒っていることを不倫相手に知らしめて、以後、不倫しないように警告できるでしょう。
不倫をきっかけに離婚する場合は、不倫のせいで夫婦の婚姻関係が破綻してしまったことになるため、配偶者と不倫相手の双方に対して慰謝料を請求できます。
配偶者と不倫相手は、被害者であるあなたから慰謝料の支払いを求められた場合、連帯して支払う義務が生じるため、どちらか一方へ請求しても全額を支払わなければなりません。
慰謝料の相場は、離婚しない場合は数十万〜150万円程度、離婚する場合は150万〜300万円程度となります。
不倫期間が3年以上といった長い期間に及んでいたり、良好だった夫婦生活が不倫発覚で破綻したり、うつ病などの精神疾患を患ってしまったというような場合は、慰謝料の額も高額になります。
3-3:離婚する
配偶者の不倫が発覚し、話し合いによっても、夫婦関係の修復を図ることが難しい場合は、仮面夫婦の生活を続けるよりも離婚したほうが良いでしょう。
不倫した配偶者が離婚を拒否している場合でも、ホテルでの不倫が発覚し「不貞行為」を行っていたと認められる場合は、民法に規定されている下記の法定離婚事由に該当します。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
配偶者が離婚を拒否して話し合いにも応じない場合であっても、調停離婚で有利になりますし、調停離婚が成立しない場合でも、裁判離婚に持ち込み、判決によって離婚することもできます。
そのためには、ホテルでの不倫の確実な証拠を掴むことが重要です。
4章:不倫問題を有利に進めるポイント
不倫問題を有利に進めるポイントは次の2点です。
- 証拠が不十分な場合は探偵に依頼する
- 証拠がそろったら弁護士へ相談する
それぞれ見ていきましょう。
4-1:証拠が不十分な場合は探偵に依頼する
配偶者のホテル不倫に対して、慰謝料請求や離婚を検討しているならば、配偶者が不倫相手と不貞行為を行った証拠をそろえなければなりません。
まずは身近なものから、配偶者のホテル不倫を疑わせるものを確保しておきます。
ただ、相手が警戒心の強い人だったり、こまめな人であれば、ホテル不倫の証拠をつかむことは難しいものです。
そんな時は、浮気調査を専門とする探偵に依頼することも検討しましょう。
配偶者がホテルに出入りしている場面を掴むことは、尾行すればできると思うかもしれませんが、実際には尾行することは容易ではありませんし、相手に気づかれてしまう可能性が高いです。
思いがけない場所で鉢合わせしてしまうと、相手に警戒されてしまい、以後のホテル不倫の調査が難しくなりますし、場所がホテル近くだと、逆にあなたが不倫しているのではないかと疑われてしまうこともあります。
探偵ならば、相手に顔を知られていませんから、接近して確認することもできますし、ホテルに出入りする場面も確実にキャッチしてくれます。
4-2:証拠がそろったら弁護士へ相談する
配偶者のホテル不倫の証拠として、ホテルに出入りしている場面を押さえた写真などのほか、不倫相手との関係を疑わせる証拠をそろえたら、弁護士に相談しましょう。
慰謝料請求にしても、あなたが直接配偶者に請求したり、不倫相手に請求したりするだけでは、本気にしてもらえません。
弁護士から請求することで相手に本気であることを知らしめ、慰謝料の確実な支払いにつなげられます。
また、ホテル不倫を機に離婚に踏み切るにしてもあなたが集めた証拠が、不貞行為の証拠として有効なのかどうかは、一度弁護士に確認してもらわなければ、確かなことはわかりません。
実際に離婚に踏み切る際は、有利な条件で離婚すべきですし、そのためには、弁護士のアドバイスを受けながら、有利な立ち位置を確保できるよう手順を踏むことが大切です。
もちろん、離婚すべきかどうか気持ちの整理がつかない場合でも、いったん弁護士に相談して、今後の方向性についてアドバイスを受けてみてはどうでしょうか。
まとめ:ホテルでの不倫は証拠をしっかり押さえよう!
配偶者が利用するホテルにより、ホテル不倫の証拠の強さは異なります。
- ラブホテルの利用はそのまま有力な証拠になる
- ラブホテル以外の利用でも不倫が認められる
ホテルでの不倫を立証する証拠としては、
- ホテルに一緒に出入りする複数の写真や動画
- ホテル不倫を推認できるメールやSNSのやりとり
- クレジットカードの明細やカーナビの履歴
等が有力です。
配偶者のホテル不倫が確定的になったら、
- 夫婦関係を修復するにしても離婚するにしても、夫婦で話し合うことが大切
- 配偶者や不倫相手に慰謝料を請求する
- 夫婦関係の修復が難しい場合は離婚を検討する
不倫問題を有利に進めるには、不倫の証拠を集めることです。
- 証拠不十分な場合、探偵へ相談する
- 証拠がそろったら弁護士へ相談し、証拠として使えるか確認する
このように慎重に行動することが大切です。
配偶者のホテル不倫に悩んでいる方は、この記事を参考に今すぐ行動を開始してください。