不倫相手のストーカー行為の3つのパターンやストーカー規制法と対処法

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

不倫相手のストーカー行為の3つのパターンやストーカー規制法と対処法
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 不倫相手によるストーカー行為の3つのパターン
  • 不倫相手のストーカー行為に対する法的規制
  • 不倫相手のストーカー行為に対する対処法

あなたは、

  • 不倫相手の行動はストーカー行為にあたるか知りたい
  • 不倫相手のストーカー行為をやめさせたい
  • 不倫相手からのストーカー被害を内密に解決したい

などとお考えではありませんか?

結論から言うと、不倫相手から悪質なストーカー行為を受けている場合は、一人で悩まずに警察や弁護士に相談しましょう。

不倫相手がストーカーになった場合、相手に個人情報を知られているケースが多いため、被害が拡大する可能性があります。

特に、不倫相手の被害妄想的な考えから、相手の夫婦関係や家庭を壊したい場合は、ストーカー行為がエスカレートし深刻な被害に遭う危険性もあります。

もともと不倫関係が原因となっているため、配偶者や友人にも相談しづらい状況は理解できますが、不倫相手のストーカー行為は、できるだけ早く弁護士や警察に相談しましょう。

この記事では、

1章では、不倫相手によるストーカー行為の3つのパターン

2章では、不倫相手のストーカー行為に対する法的規制

3章では、不倫相手のストーカー行為に対する対処法

について解説します。

不倫相手のストーカー行為で悩んでいる場合は、ぜひこの記事の内容をしっかり理解し、今後の行動の参考にしてください。

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1章:不倫相手によるストーカー行為の3つのパターン

不倫相手との交際が進むにつれて、不倫相手の行動がストーカー化したり、別れた後にしつこくストーカー行為を繰り返されたりする場合があります。

  • 不倫相手から毎日しつこく「会いたい」とLINEが送られてくる
  • 不倫相手に別れ話をすると勤務先で待ち伏せされるようになった
  • 別れた不倫相手から嫌がらせのメールが送られてくるようになった

このような不倫相手の行動で、法律による規制の対象となるストーカー行為や、3つのパターンについて解説します。

1-1:ストーカー行為とは

ストーカー行為とは、

同一の者に対し「つきまとい等」又は「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等」を繰り返し行うこと

を言い、ストーカー規制法による規制対象となります。

「つきまとい等」とは、

  1. つきまとい・待ち伏せ・見張り・押しかけ
  2. 監視していると告げる
  3. 面会・交際の要求
  4. 乱暴な言動
  5. 無言電話、連続した電話・FAX・メール
  6. 汚物などの送付
  7. 名誉を傷つける
  8. 性的しゅう恥心の侵害

をいい、これらの行為を行うことは禁止されています。

「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等」とは

  1. 相手方の承諾を得ないで、GPS機器等により位置情報を取得
  2. 相手方の承諾を得ないで、相手方の所持する物にGPS機器等を取り付ける等

をいい、これらの行為を行うことは禁止されています。

いずれも、

「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者又はその家族等に対して行う」

ことが条件となっています。

1-2:不倫相手によるストーカー行為の3つのパターン

不倫相手によるストーカー行為には、次の3つのパターンがあります。

  • つきまといや脅迫行為の繰り返し
  • 手切れ金など不当な金銭要求
  • 報復を目的としたストーカー行為

それぞれ解説します。

1-2-1:つきまといや脅迫行為の繰り返し

不倫相手のストーカー行為の1つのパターンは、つきまとい等や脅迫行為の繰り返しです。

不倫相手からのつきまとい等としては、次のような行為があげられます。

  • 尾行しつきまとう
  • 行動先(通勤途中、外出先等)で待ち伏せする
  • 進路に立ちふさがる
  • 自宅や職場、学校等や実際にいる場所の付近で見張りをする
  • 自宅や職場、学校等や実際にいる場所に押し掛ける
  • 自宅や職場、学校等や実際にいる場所の付近をみだりにうろつく

また、 電話やメール、SNSメッセージを通じて、繰り返し連絡を取ろうとするケースもあります。

不倫相手からの脅迫行為としては、次のような行為があげられます。

  • 不倫関係を公表すると脅す
  • 配偶者や職場に伝えるといって脅す
  • 偽りの情報を流して社会的地位を落とそうとする

これらの行為は、ストーカー行為や脅迫罪に該当する可能性があるため、早めに警察や弁護士に相談しましょう。

1-2-2:手切れ金など不当な金銭要求

手切れ金など不当な金銭要求を目的として、ストーカー行為を繰り返すパターンもあります。

別れ話の際や別れた後に金銭を要求し、その要求が受け入れられるまで執拗につきまとい等のストーカー行為や脅迫行為を行うものです。

金銭を要求する行為には、次のような行為があげられます。

  • 「手切れ金を支払わなければ、不倫をバラす」と脅して金銭を直接要求する
  • 一度の要求で終わらず、何度も繰り返して金銭を要求する
  • 身体的危害を加えると脅すことで恐怖を煽り、金銭を要求する

これらの行為は、ストーカー行為や脅迫罪、名誉毀損罪に該当する可能性があるため、早めに警察や弁護士に相談しましょう。

1-2-3:報復を目的としたストーカー行為

報復を目的としたストーカー行為は、不倫の別れ話や不倫相手への恨みや復讐心など様々な状況や感情から発生します。

 報復を目的としたストーカー行為には、次のような行為があげられます。

  • 報復を目的としてストーキングを行う
  • 被害者の名誉を傷つけるために、虚偽の情報を流したり悪評を広めたりする
  • SNSや掲示板を利用して、被害者を攻撃する投稿を繰り返す
  • 被害者に直接危害を加えたり、恐怖を与えるために脅迫したりする

報復を目的としたストーカー行為は、深刻な被害をもたらす可能性があるため、早急かつ適切な対応が求められます。

不倫相手のストーカー行為で悩んでいる場合は、決して一人で抱え込まず、警察や弁護士など周囲のサポートを得ながら法的措置をとることが重要です。

2章:不倫相手のストーカー行為に対する法的規制

不倫相手からのストーカー行為に対する法的規制は、被害者の安全を確保し嫌がらせ行為を止めさせるために重要です。

不倫相手のストーカー行為に対する法的規制として、次の2つがあげられます。

  • ストーカー規制法
  • ストーカー行為に対する損害賠償請求

それぞれ解説します。

2-1:ストーカー規制法

ストーカー規制法とは、1章で示した「つきまとい等又は位置情報無承諾取得等」を繰り返すストーカー行為者に、警告を与えたり悪質な場合は逮捕したりすることで、ストーカー被害者を守る法律です。

■警告

ストーカー被害を警察に相談した場合、まず加害者に対して警告が行われることが一般的です。

警察からの警告によって、加害者に対してストーカー行為をやめるように強く促します。

■禁止命令

警察からの警告を無視してストーカー行為を続けた場合は、都道府県公安委員会が接近禁止命令を発令できます。

この命令によって、加害者が被害者に接近したり、連絡を取ったりすることを禁止します。

ストーカー行為が繰り返されている場合は、被害者の刑事告訴の有無に関わらず、加害者は警察に逮捕されることがあります。

■罰則

ストーカー行為に対する罰則は、次のようになります。

  • ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(第18条)
  • 反復するストーカー行為の禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(第19条)
  • 19条以外の場合で禁止命令等に違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金(第20条)

2-2:ストーカー行為に対する損害賠償請求

不倫相手のストーカー行為によって、精神的・身体的な損害を受けた場合は、加害者に対して損害賠償を請求できます。

例えば、次のようなケースがあげられます。

  • 精神的苦痛に対する慰謝料
  • ストーカー行為によって生じた治療費
  • 仕事を休むことで生じた収入の減少に対する補償
  • その他、被害者が実際に被った経済的損失

ただしストーカー行為の被害者によっては、加害者に対する恐怖心から、別れられればそれでいいとしたり、配偶者や職場に知られることを避けるために賠償請求を諦めたりすることもあります。

ストーカー行為による精神的な被害が大きすぎるため、ストーカー行為が収まるのであれば、慰謝料や損害賠償の請求でさらに問題を大きくしたくないと考える人も多いです。

3章:不倫相手のストーカー行為に対する対処法

不倫相手のストーカー行為に対する対処法としては、次の3つがあげられます。

  • ストーカー行為の証拠を集める
  • 警察に相談する
  • 弁護士に相談する

それぞれ解説します。

3-1:ストーカー行為の証拠を集める

不倫相手からのストーカー行為は、証拠として残せる形でできるだけたくさん集めておくことが重要です。

なぜなら、警察や弁護士にストーカー被害を相談する際には、それを裏付ける証拠が必要となるからです。

ストーカー被害の証拠としては、以下のようなものがあげられます。

  • 電話の着信履歴や録音データ
  • 相手から届いたメールや書き込まれたSNSの記録
  • 相手から送られた物やその写真
  • 相手がネット上にばらまいた画像や動画など
  • 相手との会話の録音や動画

これらのデータや撮影した画像などを、証拠としてできるだけ多く保存しましょう。

証拠の集め方が分からない場合は、弁護士にアドバイス受けることをオススメします。

3-2:警察に相談する

不倫相手からストーカー行為を受けている場合は、すぐに警察に相談しましょう。

先に解説したように、ストーカー行為は犯罪行為にあたるため、警察に相談または被害届を出すことで対応してもらえます。

ストーカー被害を警察に相談した場合、まず加害者に対して警告が行われ、ストーカー行為をやめるように強く促します。

警察からの警告を無視してストーカー行為を続けた場合は、公安委員会が接近禁止命令を発令し、加害者が被害者に接近したり連絡を取ったりすることを禁止します。

加害者が警告や禁止命令に従わずストーカー行為を続けた場合は、逮捕し身柄を拘束してくれる場合もあります。

被害者に直接接触する悪質なストーカー行為の場合は、さらに逮捕される可能性が高いでしょう。

3-3:弁護士に相談する

不倫相手のストーカー行為は、不倫関係のもつれに原因があるため、警察への相談を躊躇されるケースがあります。

また、警察に相談した場合の仕返しや、不倫が家族や職場にバレることを心配する方も多いです。

弁護士であれば、依頼者の立場になって、不倫相手との交渉や警告書の送付を行います。

弁護士が代理人となることで、加害者が直接被害者に連絡することを防ぎ、内容証明郵便で警告書を送ることで不倫相手にプレッシャーを与え効果的にストーカー行為をやめさせられる可能性があります。

また、弁護士が警告書を送っても加害者がストーカー行為を続けた場合は、裁判所に接近禁止の仮処分の申し立てを行います。

弁護士が、ストーカー行為を立証できる証拠を提示し、命令の必要性と緊急性を主張することで、申し立てが認められる可能性が高まります。

まとめ:不倫相手のストーカー行為と対処法

■ストーカー行為とは、

同一の者に対し「つきまとい等」又は「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等」を繰り返し行うこと

を言い、ストーカー規制法による規制対象となります。

■不倫相手によるストーカー行為の3つのパターン

  • つきまといや脅迫行為の繰り返し
  • 手切れ金など不当な金銭要求
  • 報復を目的としたストーカー行為

■不倫相手のストーカー行為に対する法的規制

  • ストーカー規制法
  • ストーカー行為に対する損害賠償請求

■不倫相手のストーカー行為に対する対処法

  • ストーカー行為の証拠を集める
  • 警察に相談する
  • 弁護士に相談する

不倫相手のストーカー行為で悩んでいる場合は、この記事の内容をしっかり理解し、警察や弁護士に相談しましょう。

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