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それ以上洗脳されないで!ブラック企業の研修の特徴とすぐに退職する方法

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

研修で罵倒される男性

あなたの会社では、

  • 社訓を唱和、暗記させられる
  • マラソンや登山をさせられる
  • 異常に怒鳴られ、人格を否定される
  • 街中で知らない人と名刺交換をさせられる

などの研修はありませんか?

実はこれらの研修は、ブラック企業による「都合良くこき使うことができる社員を選別・育成する」ための手口なのです。

経営者(本音)
社会人には体力が必要!だから研修初日は30キロマラソンをしてもらう伝統なんだよ。
経営者(本音)
うちの会社で働く以上、会社の理念やルールを覚えてもらわなきゃいけない。明日まで暗唱してこなかったらペナルティだ!

しかし、どんな研修だったらブラック企業と判断できるのか、判断基準がないと難しいですよね。

そこでこの記事では、まずはブラック企業にありがちな研修の特徴を紹介します。この特徴をブラック企業の判断基準にしてください。

また、あなたの会社がブラック企業だった場合に、あなたができるだけ損せずに退職するための方法についてもお伝えします。

最後までしっかり読んで、ブラック企業から都合よくこき使われないための判断基準を身につけてください。


1章:ブラック企業の研修の特徴とその手口・意図

それでは、さっそくブラック企業にありがちな研修の特徴についてご紹介します。

ブラック企業の研修時の特徴は、

  • 人格を否定する行為をする
  • 研修中の賃金残業代を不当に少なく支払う
  • 厳しい団体行動を強要する
  • 上下関係を利用してパワハラ、セクハラを行う

という4つにまとめることができます。

1つずつ詳しく解説します。

11:人格を否定して洗脳する行為

ブラック企業では、

  • 社訓を暗記させられる
  • 異常に怒鳴られ、人格を否定される
  • 携帯が没収されて研修中に外部と連絡が取れないようにされる

などの行為が行われることが多いようです。これらの手法は、「人格を徹底的に否定した上で新しい価値観を植え付け、会社にとって都合良く使える社員に教育する」という意図から行われます。

それぞれ解説します。

1-1-1:社訓を大声で叫ばされる・暗記させられる

社訓を唱和させるブラック企業研修

ブラック企業にありがちなのが、

・社訓や会社のルールを大声で何度も叫ばされる

・社訓や会社のルールを暗記する課題が出る

などの行為です。

また、声が小さかったり間違えたりすると理不尽に怒鳴られたりすることも多いようです。これらの手段は、あなたの人格を否定して会社の理念で染め上げるという目的から行われます。

1-1-2:異常に怒鳴られ、人格を否定される

経営者(本音)
お前は無能だ!良くこれまで生きて来られたな。なんでそんなこともできないんだ!やる気がないなら帰れ!
研修中、社員を異常に怒鳴ったり、人格を否定するようなことを言うのは、ブラック企業があなたを洗脳するための手口です。

このような行為はパワハラですので、すぐにその会社を辞めることをおすすめします。

1-1-3:携帯が没収されて研修中に外部と連絡が取れないようにされる

合宿形式の研修などで、外部と連絡が取れないように携帯を取り上げてしまうのは、ブラック企業の洗脳の手口の一つです。

外部との連絡手段を遮断し、誰にも相談できないようにすることで、精神的に追い込みやすくしているのです。このような研修を専門的に行う研修会社もあるようですので、可能なら興味のある会社がどのような研修を採用しているのか、事前にチェックしておくといいですね。

12:研修中の賃金や残業代をごまかす行為

ブラック企業はできるだけ社員を安い賃金で長時間働かせることで、人件費を削減しようとします。そのため、

  • 研修中は無給or異常に給料が低い
  • 短期間で辞めると研修にかかった費用を請求する契約を結ぼうとする

といったことをする会社はブラック企業です。

それぞれ解説します。

1-2-1:研修中は無給or異常に低い給料

経営者(建前)
研修中は会社のお金で勉強してもらう期間だから、1日3000円しか出ないんだけれど、どこの会社でも同じだよ。
経営者(本音)
研修中だからって言っておけば、低賃金を正当化できるぜ!
ブラック企業には、

  • 研修中は給料が出ない
  • 研修中は異常に低い給料しか出ない

などの特徴があります。

研修中でも雇用契約を締結している以上、給料の未払いや最低賃金を下回るような給料で拘束することは違法です。

1-2-2研修にかかった費用を天引きする

社員
今月の給料から引かれている費用は何なのでしょうか・・・?
経営者
それは研修にかかった費用だよ。君を勉強させるのにお金がかかったんだから君が払うのは当然だよね。
会社の業務の遂行に必要な研修を会社の指示で受けた場合、その費用をあなたの給料から天引きすることは認められません。

13:肉体的・精神的負担の大きい研修

ブラック企業が多用するのが、社員を会社に従わせるために、過酷な集団行動を強要する研修です。

たとえば、

  • 登山、長距離の歩行、マラソン
  • 素手でのトイレ掃除
  • 長時間に渡る会社独自の体操やラジオ体操
  • 街中、駅前などで知らない人と名刺交換させられる

などがあります。

街中で名刺交換させるブラック企業研修

ブラック企業では、このような過酷な肉体的・精神的負担のある訓練を「精神を鍛える訓練」という名目で、研修としてやらせることがあります。

このような肉体を酷使するような研修を行うからといってすぐにブラック企業だとは言えません。しかし、やたらと精神論を使う会社や、社員に過酷な訓練を強要する会社はブラック企業である可能性が高いので、要注意です。

1-4:上下関係を利用したパワハラ・セクハラ

ブラック企業では、従順な社員を育成・選別するために、上下関係を利用してパワハラ・セクハラを行うことがあります。 

たとえば、

  • 飲み会で飲酒を強要される
  • 飲み会で宴会芸をさせられる
  • セクハラされる

などがあります。

これらの行為も、上下関係を染みつかせて上司や先輩の言うことが絶対だと思い込ませるための手口ですので、これらの行為があったら都道府県の労働局や労働組合に相談することをおすすめします。

これらの手口は、研修という最初の段階で、会社にとって都合の良い社員を育成・選別する意図があります。ブラック企業は、研修が終わった後もさらなる違法行為を繰り返し、あなたが使えなくなるまで酷使する可能性が高いです。

少しでも違和感があるなら、その環境から抜け出すことを検討しましょう。

社員
うちの会社の研修もいくつも当てはまるな。うちの会社もブラック企業だとしたら、なんとかして退職したいな。
弁護士
ブラック企業は、社員が「辞めたい」と言ったからと言って、簡単に辞めさせてくれるとは限りません。これから、ブラック企業をスムーズに退職する方法について解説します。
 


2章:ブラック企業をスムーズに辞める方法

社員
会社を辞めたいのですが・・・
経営者
何を言っているんだ!お前なんかが他の会社でやっていけるわけないだろう。うちの会社で結果を出してからじゃないと退職は許可しないぞ。
ブラック企業にとって、せっかく入社させ、育成してきた社員が辞めてしまうのは避けたいことです。

そのため、あなたが「辞めたい」と言ったところで、簡単に辞めさせてくれない可能性が高いです。

そこで、ブラック企業を退職する方法について、

  • 自分だけで退職する方法
  • 労働基準監督署に申告して退職する方法
  • 弁護士に相談する方法

3つを解説します。

(画像)それぞれの方法のメリット・デメリット比較表

21:自分の力だけで退職する方法

退職するときに、誰もがまず考えるのが、自分で会社に退職の意思を伝えて辞める方法だと思います。

この場合の流れは、以下のようになります。

会社を退職する流れ

自分だけの力で退職する場合には、会社から退職を拒否される可能性があります。

その場合は、配達証明付き内容証明郵便」で、会社に退職届を送ることで、法律上は退職することができます。

しかし、この場合、

  • 未払いになっている給料や残業代も、自分で会社に請求して取り返す必要がある
  • あとで研修費等を請求される可能性がある
  • 会社を辞めたことに対して損害賠償請求される可能性がある

などのデメリットがあります。

そのため、弁護士の力を借りて退職する方法をおすすめします。

22:弁護士に依頼して解決してもらう方法

弁護士
未払いの給料や残業代を取り返し、確実に会社を辞めるためには、弁護士に依頼することが最もおすすめです。なぜなら、会社と戦うためには、専門的な知識が必要なため、1人で戦っては会社側の弁護士に負けてしまうからです。
 弁護士に依頼して場合は、以下のような流れで手続きが進められます。

図 弁護士に依頼した場合の流れ

退職を拒否して社員を会社に在職することを強要することは、許されません。弁護士の力を借りれば、より確実に退職することができるでしょう。

弁護士
労働者には会社を退職する権利があるため、会社が社員を辞めさせないのは許されません。そのため、適切な手段をとることで確実に辞めることができますので、会社から強く拒否されたからと言って、諦めないでください。。
 ブラック企業の場合、

  • 未払いの給料がある
  • 未払いの残業代がある

という可能性が高いです。その場合、退職を期に請求できます。

そこで、次に未払い給料・残業代請求の流れについて簡単にご紹介します。


3章:未払い給料・残業代の請求は初期費用ゼロで可能?

未払いの給料や残業代の請求は、弁護士に任せることで成功する可能性が高いです。

弁護士
実は、弁護士に依頼すると言っても「訴訟(裁判)」になることは少ないです。おそらくあなたが心配しているであろう「費用」の面でも、「完全成功報酬制」の弁護士に依頼すれば、「相談料」や「着手金」ゼロで依頼することができます。
 あなたが思っているよりも、弁護士に依頼する方法は、手間もお金もかからないのです。

弁護士に依頼すると、残業代の請求はほとんど「交渉(=弁護士が会社と電話や書面で交渉する)」だけで解決します。そのため、訴訟(裁判)のように手間や時間がかからないことがほとんどなのです。

会社から残業代を取り返すための方法の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

弁護士が解説!会社に残業代を請求する2つの方法と集めるべき「証拠」

最後に、未払いの給料・残業代を請求する前に必ず知っておいて欲しい2つのポイントについて解説します。


4章:未払いの給料・残業代を請求する前に押さえておきたい2つのポイント

会社を退職した前、もしくは退職した後に未払いの残業代・給料を請求する場合、

  • 2年の時効が成立する前に行動をはじめる
  • 有効な証拠を集める

という2つのポイントに気をつける必要があります。

41:残業代請求には「2年」の時効がある

 実は、給料・残業代の請求には時効があり、2年を過ぎると取り返すことができなくなります。つまり、毎月、2年前の1ヶ月分の給料・残業代の時効が成立し、消滅していくのです。

そのため、未払いの給料・残業代を取り返したい場合は、すぐに行動を始める必要があります。

未払いの給料・残業代請求の時効について、詳しくは以下の記事を参照してください。

残業代請求の時効について

残業代請求の時効は2年!時効を止める3つの手段と具体的な手続きの流れ

未払い給料請求の時効について

二度ともらえなくなる前に!未払い給料の2年の時効と集めるべき証拠

また、給料・残業代を請求をするためには、「証拠集め」をやっておくことが大事です。

42:残業代請求に必要な証拠一覧

弁護士
残業代を取り返すために、まずは自分で証拠を集めておきましょう。弁護士に依頼する場合は、弁護士に証拠集めをお願いすることもできます。しかし、弁護士が証拠を要求しても提出しない悪質な会社もあるため、会社に在籍しているうちに、自分で証拠を集めておくことが大切です。
 残業代の証拠として有効なものを「勤怠管理している会社の場合」「勤怠管理していない会社の場合」の2つに分けて紹介します。

【勤怠管理している会社で有効な証拠】

  1. タイムカード
  2. 会社のパソコンの利用履歴
  3. 業務日報
  4. 運転日報
  5. メール・FAXの送信記録
  6. シフト表

これらの証拠になるものについて、会社から証拠隠滅されないように、パソコンからデータをダウンロードしたり、シフト表や日報は写真に撮ったりして、保存しておきましょう。

また、これらの証拠になるものがなくても、諦める必要はありません。

タイムカードを置いていなかったり、日報をつけないような勤怠管理してない会社でも、以下のようなものが証拠になり得ます。

【勤怠管理していない会社で有効な証拠】

  1. 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もオススメ)
  2. 残業時間の計測アプリ
  3. 家族に帰宅を知らせるメール(証拠能力は低い)

証拠としては、①の本人の筆跡が確認できる「手書き」のものが、もっとも証拠として認められる可能性が高いです。③の家族へのメールなどは、証拠として認められない可能性がありますので、あまりできるだけ手書きの記録を残すようにしましょう。

証拠は、できれば2年分があることが望ましいですが、なければ半月分でもかまわないので、できるだけ毎日の記録を集めておきましょう。

証拠集めについて、一点注意しなければならないことがあります。それは、絶対に「ウソ」の内容のことを書かないことです。証拠の中にウソの内容があると、信用性が疑われて不利になってしまいます。

そのため、証拠は「1930分」ではなく、「1927分」のように、1分単位で記録するようにし、曖昧さが指摘されないようにしておきましょう。

詳しい証拠の集め方については

【残業代を取り戻す】日記でも可!今すぐ始められる証拠の集め方

の記事を参照してみてください。


まとめ

いかがでしたか?

最後のもう一度、今回の内容を振り返りましょう。

まず、ブラック企業の研修の特徴には以下のものがあります。

【人格を否定して洗脳する行為】

  • 社訓を大声で叫ばされる・暗記させられる
  • 異常に怒鳴られ、人格を否定される
  • 携帯が没収されて研修中に外部と連絡が取れないようにされる

【研修中の賃金や残業代をごまかす行為】

  • 研修中は無給or異常に低い給料
  • 研修にかかった費用を後から請求する

【肉体的・精神的負担の大きい研修】

  • 登山、長距離の歩行、マラソン
  • 素手でのトイレ掃除
  • 長時間に渡る会社独自の体操やラジオ体操
  • 街中、駅前などで知らない人と名刺交換させられる

【上下関係を利用したパワハラ・セクハラ】

  • 飲み会で飲酒を強要される
  • 飲み会で宴会芸をさせられる
  • セクハラされる

ブラック企業を辞めるためには、

  • 退職届を会社に内容証明で送る
  • 弁護士に依頼する

という3つの方法がありますが、確実に退職し、かつ未払いの給料・残業代を取り返すためには、弁護士に依頼することをおすすめします。

研修はブラック企業の手口の入り口にすぎません。それ以上洗脳されないためにも、すぐに脱出するための行動をはじめましょう。

【内部リンク一覧】

残業代請求の時効は2年!時効を止める3つの手段と具体的な手続きの流れ

二度ともらえなくなる前に!未払い給料の2年の時効と集めるべき証拠

【残業代を取り戻す】日記でも可!今すぐ始められる証拠の集め方

弁護士が解説!会社に残業代を請求する2つの方法と集めるべき「証拠」