【離婚の話し合い】決めるべき4つの条件と進め方や対処法を弁護士が解説

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

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チェック
この記事を読んで理解できること
  • 離婚の話し合いの進め方
  • 離婚の話し合いが進まないときの対処法
  • 離婚交渉を弁護士に依頼する4つのメリット

あなたは、

  • 離婚の話し合いの進め方が知りたい
  • 離婚の話し合いで大事な離婚条件は?
  • 離婚の話し合いが進まないときの対処法は?

などとお考えではありませんか?

離婚を考えられた場合、夫婦間の話し合いで離婚の合意が得られれば、離婚の理由にかかわらず離婚届を提出することで離婚(協議離婚)が成立します。

厚生労働省の調査によると、協議離婚は費用もかからず手続きが簡単なため、離婚の種類別にみると協議離婚の割合は令和2年では 88.3%となっています。

令和4年度「離婚に関する統計」の概況

ただし、離婚の話し合いによっては、離婚条件として重要な財産分与や慰謝料、養育費などの取り決めが十分に行われず、離婚後にトラブルとなるケースも多いです。

そのため、夫婦で離婚の条件を話し合う段階から弁護士に依頼して進めた方が、よりスムーズに有利な条件で離婚できる可能性が高くなります。

そこでこの記事では、

1章では、離婚の話し合いの進め方

2章では、離婚の話し合いが進まないときの対処法

3章では、離婚交渉を弁護士に依頼する4つのメリット

について解説します。

この記事を読んで、離婚の話し合いの進め方や対処法を理解し、今後の行動に役立てて下さい。

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1章:離婚の話し合いの進め方

離婚の話し合いの進め方としては、次のようになります。

  1. 離婚条件について話し合う
  2. 離婚協議書を作成する
  3. 離婚届を提出する

それぞれ解説します。

1-1:①離婚条件について話し合う

離婚の話し合いを進める場合、離婚条件について相手としっかり話し合うことが重要です。

主な離婚条件としては、次の4つがあげられます。

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 子どもの親権と養育費・面会交流
  • 年金分割

それぞれ解説します。

1-1-1:財産分与

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた共有財産を、離婚時に公平に分け合うことです。

共有財産の主なものとしては、次の5つがあげられます。

  • 現金・預貯金
  • 不動産・自動車
  • 株式・国債・会員権等
  • 生命保険等の保険料
  • 退職金

財産分与の対象となる財産を、借金・ローンも含めてリストアップして、それぞれの分け方や支払い方法を話し合います。

財産分与の割合は、夫婦が共働きの場合でも配偶者が専業主婦の場合でも、原則として2分の1で分配されます。

専業主婦の場合でも、その婚姻期間中の財産形成への貢献度は同等であると認められるからです。

ただし、配偶者の取得した資格や努力によって多額の資産を築き、財産形成に対する貢献度が大きいと認められる場合は、専業主婦の財産分与の割合は2分の1に満たない場合もあります。

財産分与は婚姻中に夫婦で築き上げた共有財産がその対象となりますが、結婚前に夫婦それぞれが所有していた財産や、婚姻中に個人として相続した財産などは、特有財産として財産分与の対象外となります。

1-1-2:慰謝料

離婚の原因が相手の不倫やDV、モラハラなどの不法行為にある場合は、慰謝料請求について話し合う必要があります。

離婚の慰謝料を請求できるケースとしては、次の5つがあげられます。

  • 不倫・浮気をした場合
  • DV(暴力)、継続した侮辱的発言などのモラハラの場合
  • 悪意の遺棄(生活費を渡さない、他)の場合
  • 悪質な借金がある場合

これらの慰謝料を請求できるケースでも、その内容・事例によって請求できる慰謝料の金額は様々ですが、大体の相場としては次の表のようになるといわれています。

離婚の原因と慰謝料相場

離婚の際に、相手に慰謝料を請求するためには、不倫やDV、セックスレスなどの離婚原因の証拠となる画像や音声、詳細な記録などを集めておくことが必要です。

1-1-3:子どもの親権と養育費・面会交流

離婚の際に未成年の子どもがいる場合は、子どもの親権と養育費や面会交流を話し合う必要があります。

■子どもの親権

子どもの親権を夫婦間の話し合いで決める場合は、どちらかを親権者として認める合意が得られれば、特に親権者としての条件などはありません。

しかし、話し合いで合意が得られず、調停の申し立てや訴訟となった場合は、子どもや親の事情が考慮され、どちらを親権者とするか判断されます。

■養育費

親権者には養育費の請求が認められているため、たとえ配偶者が「養育費は支払わない」と拒否しても請求できます。

養育費とは、親が離婚した未成年の子どもが自立するまでの、食費、学費、医療費、家賃などの子どもの生活全般にかかる費用のことです。

養育費の決め方としては、現在子どもを育てるのにかかっている費用や、今後の成長に伴って必要とされる費用、お互いの財産や今後の収入の増減などを想定して決めていきます。

そのため、双方の親の収入をもとに、裁判所が養育費の金額を算定した「養育費算定表」を基準として、決められるのが一般的です。

平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

■面会交流

子どもの親権者になった場合は、相手に子どもとの面会交流を定期的に認めてあげることも大事です。

子どもは夫婦間の問題とは関係なく、相手との親子関係は一生変わらないものであり、子どもが健全に成長するためには親の存在が必要不可欠だからです。

特に子どもがまだ小さい場合は、通常の面会交流に加えて、子どもの運動会や行事ごとなどを見守る機会を与えることが、親だけでなく子どもにとっても必要です。

当然、離婚の状況によっては、子どもとの面会を認めることが難しい場合もありますが、一般的には定期的な面会交流は認められるべきだといえます。

1-1-4:年金分割

2008年(平成20年)4月以前の婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬)については、合意分割の対象となるため、話し合いで「年金分割の請求をすること」および「分割する場合の按分割合」を合意する必要があります。

2008年(平成20年)4月1日以後の婚姻期間中の相手の厚生年金記録(標準報酬)は、3号分割の対象となるため、話し合いによる合意は必要ありません。

年金分割制度によって、婚姻中に納められた厚生年金保険料の支払実績(標準報酬)を、夫婦間で通常2分の1の割合で分割できます。

年金分割の請求は、離婚の翌日から2年以内に申請を行わない場合は、年金分割を得ることができないので注意が必要です。

この制度によって、夫の扶養家族として厚生年金を支払うことのなかった専業主婦でも、婚姻中の夫の厚生年金保険料の支払い実績(標準報酬)を分割して受け取ることができ年金が増額されます。

1-2:②離婚協議書を作成する

離婚の話し合いで、離婚の合意だけでなく各離婚条件について合意が得られた場合は、離婚協議書を作成することが重要です。

離婚する際に決めなければならない項目は多岐にわたるため、一つ一つの項目を確認しながら話し合いを進めていく必要があります。

夫婦間の話し合いによってある程度離婚条件等が決まった場合は、離婚協議書の案文を作成し、それをもとに双方で内容を確認し、最終的な合意に向けて加筆・修正を行っていきます。

離婚協議書の案文を作成したものの、その内容に不安がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

離婚協議書に署名・押印をした後に、その内容を変更することは容易ではないため、離婚協議書の内容に誤りがないか十分に確認することが重要だからです。

さらに、離婚協議書による離婚の合意が得られた場合は、公正証書(強制執行認諾文言付公正証書)にすることをおすすめします。

公正証書とは、公証役場において法務大臣に任命された公証人が作成し、その合意書の内容を証明する公文書のことです。 

公正証書(強制執行認諾文言付公正証書)にすることで、養育費や財産分与・慰謝料などの支払いが約束に反した場合は、裁判手続きを取ることなく相手の給料や財産を差し押さえできます。

1-3:③離婚届を提出する

離婚届は、各市区町村役場で取得し、本籍か現在住んでいる市区町村の役場に提出します。

本籍地以外の役場に提出する際には、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)一通が必要になります。 

届出人は、必ず本人が署名捺印する必要があります。

協議離婚の場合は、18歳以上の証人2人に署名してもらう必要があります。

この離婚届の証人は、20歳以上であれば誰でもなることができ、法的義務や離婚に関する責任を負うことはありません。

また、離婚届の提出は、調停離婚・和解離婚・判決離婚の場合は、離婚確定から10日以内に提出する必要があります。

2章:離婚の話し合いが進まないときの対処法

離婚の話し合いが進まないときの対処法としては、次の3つがあげられます。

  • 別居する
  • 家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
  • 調停が成立しないときは訴訟を起こす

それぞれ解説します。

2-1:別居する

離婚の話し合いを繰り返しても相手が一向に離婚に応じない場合は、少し冷却期間を置きたいと申し出て別居を提案する方法があります。

別居した場合は生活費が心配になるかもしれませんが、離婚するまでの間は夫婦のうち収入の少ない方が、収入の多い配偶者に対して婚姻費用を請求できます。

婚姻費用とは夫婦の生活にかかる費用のことで、婚姻費用の金額は基本的には夫婦の話し合いによって決められますが、裁判所が公開している「養育費・婚姻費用算定表」を参考にして算出することが一般的です。

この婚姻費用は、夫婦である以上お互いの生活を保持する義務があるため、別居後すぐに請求できます。

もし相手が別居を認めない場合は、弁護士に依頼することで、別居を認め婚姻費用の請求に応じる可能性が高まります。

2-2:家庭裁判所に離婚調停を申し立てる

離婚の話し合いでは合意が得られず離婚手続きが進められない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう。

調停離婚とは、調停委員会による仲介を受けて行う離婚のことです。

離婚調停では、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。

夫婦双方が合意した場合は、合意した内容が調停調書に記載され、調停離婚が成立することなります。

もし、離婚調停でも相手が離婚を拒否したり、金銭面や子供の親権等で合意が得られない場合は、調停不成立となります。

その場合は、離婚をあきらめるか、離婚を再度協議するか、あるいは家庭裁判所に離婚訴訟するか選択することになります。

2-3:調停が成立しないときは訴訟を起こす

離婚調停でも離婚の合意が得られなかった場合は、離婚訴訟を申し立てて争うことになります。

離婚訴訟を申し立てる際には、離婚協議や離婚調停と異なり、民法770条1項で定められた法定離婚事由(理由・原因)が必要となります。

法定離婚事由としては、次の5つが定められています。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

(民法第770条1項)

これらの離婚事由が明らかな場合は、相手が離婚に納得していない状況でも、裁判において離婚が認められる可能性が高くなります。

また原則として、法定離婚事由にあたる不法行為を行った側からの離婚請求は認められません。

離婚訴訟の判決によって、離婚だけでなく訴状で請求された親権や財産分与、慰謝料など離婚にかかわる様々な条項に対しての判断が下されます。

もし判決に不服がある場合は、判決書の到達後14日以内に高等裁判所に控訴できます。

離婚を認める判決が確定したら、原告は確定後10日以内に離婚届に「判決の謄本」と「判決確定証明書」を添えて、市区町村役場に提出しなければなりません。

3章:離婚交渉を弁護士に依頼する4つのメリット

離婚交渉を弁護士に依頼するメリットとして、次の4つがあげられます。

  • 話し合いを有利に進められる
  • 各種手続きを任せられる
  • 離婚調停・訴訟に進んだときも任せられる
  • 離婚成立後のトラブルを防げる

それぞれ解説します。

3-1:話し合いを有利に進められる

法律のプロである弁護士に離婚交渉を依頼することで、離婚の合意や離婚条件の話し合いを有利に進められる可能性が高まります。 

また相手が離婚に応じない状況でも、弁護士に依頼することで夫婦間では難しい離婚交渉もスムーズに進み、協議離婚の成立が望める場合があります。

弁護士は、法律のプロであるだけでなく、交渉のプロでもあるので、依頼者の主張を法的に有効な形で提示するだけでなく、落としどころを踏まえて交渉を進められます。

3-2:各種手続きを任せられる

離婚交渉を弁護士に依頼した場合、各種手続きも弁護士に任せられます。

また、弁護士が代理人として相手との交渉だけでなく連絡の窓口となるので、依頼者は相手と直接かかわる必要がなくなります。

協議離婚が成立した場合、弁護士が離婚協議書を作成し、協議離婚で合意が得られた各条件を書面化し証拠として残します。

また、離婚協議書で強制執行認諾文言付公正証書を作成する合意を得て、公正証書にする手続きを行うことができます。

強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくことで、慰謝料・養育費等の未払いなどが発生した場合は、裁判を起こさなくても相手の給料や財産を差し押さえるなど法的手続きがとれます。

3-3:離婚調停・訴訟に進んだときも任せられる

協議離婚での合意が得られず、離婚調停・訴訟に進んだ場合でも、弁護士はこれまでの当事者双方の状況を理解しているので十分に対応ができます。

そのため、離婚調停の今後の見通しや、離婚条件に関するアドバイスなどが得られるので、離婚調停に進んでも安心して任せられます。

また、離婚調停に必要な訴状や書類の作成、手続き等の煩雑な作業もすべて任せられます。

これによって、離婚調停の準備や離婚調停期間中の精神的負担を大幅に軽減できます。

3-4:離婚成立後のトラブルを防げる

離婚交渉を弁護士に依頼することで、離婚で合意された各条件が不利な内容となっていないか、離婚成立後も合意を守ってもらえる内容となっているか、などチェックできます。

離婚成立後のよくあるトラブルとしては、主に次の4つがあげられます。

  • 財産分与・慰謝料など金銭の未払い
  • 不動産の名義変更やローンの未払い
  • 養育費の未払いや最終年齢
  • 離婚後の財産分与・慰謝料・年金分割の請求

弁護士は、離婚後のトラブルを防ぐための離婚協議書や公正証書などの対処法を熟知しているので、離婚後のトラブルや不安を抑えられます。

まとめ:離婚の話し合いと進め方

離婚の話し合いの進め方としては、次のようになります。

  1. 離婚条件について話し合う
  2. 離婚協議書を作成する
  3. 離婚届を提出する

離婚の話し合いが進まないときの対処法としては、次の3つがあげられます。

  • 別居する
  • 家庭裁判所に離婚調停を申し立てる
  • 調停が成立しないときは訴訟を起こす

離婚交渉を弁護士に依頼するメリットとして、次の4つがあげられます。

  • 話し合いを有利に進められる
  • 各種手続きを任せられる
  • 離婚調停・訴訟に進んだときも任せられる
  • 離婚成立後のトラブルを防げる

もし、離婚の話し合いでお悩みの場合は、ぜひ法律のプロである弁護士への相談を検討しましょう。

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