不倫の手切れ金とは?支払うメリットや4つの注意点を弁護士が解説
この記事を読んで理解できること
- 不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のこと
- 不倫の手切れ金を支払う2つのメリット
- 不倫の手切れ金を支払う場合の4つの注意点
- 不倫の手切れ金を請求された時は弁護士に相談しよう
あなたは、
- 不倫の手切れ金について知りたい
- 不倫相手に手切れ金を請求されたらどうすればいい?
- 必要であれば手切れ金を払って不倫を解消したい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のことで、法的に支払う義務はありません。
もし不倫の手切れ金を支払う場合には、後からトラブルにならないように、知っておくべき注意点がいくつかあります。
そのため、不倫の手切れ金を請求された場合は、不倫問題に詳しい弁護士に相談することをオススメします。
そこでこの記事では、
1章では、不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のこと
2章では、不倫の手切れ金を支払う2つのメリット
3章では、不倫の手切れ金を支払う場合の4つの注意点
4章では、不倫の手切れ金を請求された時は弁護士に相談しよう
についてそれぞれ解説します。
この記事の内容をしっかり理解し、不倫の手切れ金を請求された際の参考にしてください。
目次
1章:不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のこと
不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のことを言いますが、 ポイントとしては次の2つがあげられます。
- 不倫の手切れ金を支払う法的な義務はない
- 不法行為がある場合は慰謝料を支払う義務が生じる
それぞれ解説します。
1-1:不倫の手切れ金を支払う法的な義務はない
不倫相手に不倫関係の解消を求めた際に、手切れ金を請求されたとしても、支払わなければならない法的な義務はありません。
交際を続けている男女間に、婚約や内縁を含めて婚姻関係がない場合は、自由に別れることができます。
そのため、不倫関係にある男女であっても、一方が関係解消することで相手に対して慰謝料を支払う義務は法律上ありません。
ただし、不倫関係にある両者は、不貞行為という不法行為を行った共同不法行為者にあたるため、配偶者に不倫がバレた場合は、お互いに慰謝料を請求される可能性があります。
1-2:不法行為がある場合は慰謝料を支払う義務が生じる
不倫相手に対して手切れ金を支払う法的な義務はなくても、不倫相手に対して何らかの不法行為を行った場合は、慰謝料を支払う義務が生じる可能性があります。
例えば、次のようなケースがあげられます。
- 既婚者であることを不倫相手に隠していた
- 優越的な立場を利用して不倫関係を強要していた
- 不倫関係を強要や脅迫していた
- その気がないのに結婚の約束をした
このようなケースで不倫相手に対する不法行為が認められた場合は、慰謝料を支払う必要があります。
2章:不倫の手切れ金を支払う2つのメリット
不倫の手切れ金を支払うメリットとして、次の2つがあげられます。
- 不倫関係を清算できる
- 不倫をバラされるリスクを抑えられる
それぞれ解説します。
2-1:不倫関係を清算できる
不倫の手切れ金を支払う法的義務はありませんが、支払うことで不倫関係を清算する合意が得られれば、不倫相手と穏便に別れられる可能性はあります。
手切れ金は、不倫相手の恋愛感情や被害者感情が強く簡単に別れられない場合に、別れを切り出した側が支払うケースが一般的です。
ただし、お金で解決しようとしたことにかえって逆上されてしまったり、その後もお金を請求されてしまう可能性もあるので、メリットが大きいとはいえません。
不倫相手に手切れ金を請求された場合、法的義務はないので支払いを拒否できますが、その後のトラブルが不安な場合は弁護士に相談することをオススメします。
2-2:不倫をバラされるリスクを抑えられる
手切れ金を支払うことで不倫関係を清算する合意が得られれば、別れた後に不倫をバラされるリスクを抑えられる可能性があります。
不倫相手との話し合いだけで相手が別れることに納得できない場合は、後々何らかの不倫トラブルに発展するおそれもあるでしょう。
手切れ金を支払うことを条件に、不倫関係の清算だけでなく守秘義務や接触禁止等の約束を取り決めることで、別れた後のトラブルを防ぐという方法もあります。
ただし、相手が素直に守秘義務を約束するとは限りませんし、「バラされたくなかったらもっと支払え」と脅されたりするおそれもあるので、このメリットも大きいとはいえません。
以上のように、不倫の手切れ金を支払うメリットはありますが、リスクも大きいといえます。
それを理解した上で手切れ金を支払う際には適正な合意書を作成し契約を結ぶことが重要です。
3章:不倫の手切れ金を支払う場合の4つの注意点
不倫の手切れ金を支払う場合の注意点として、次の4つがあげられます。
- 手切れ金の相場はないので高額であれば減額交渉をする
- できる限り一括で支払う
- 合意書を必ず作成する
- 守秘義務や接触禁止を約束する
それぞれ解説します。
3-1:手切れ金の相場はないので高額であれば減額交渉をする
不倫の手切れ金を支払う法的な根拠はないため、支払いを拒否できますし、判例による手切れ金の相場はないので高額であれば減額交渉も必要です。
不倫の手切れ金は、法的根拠のある慰謝料とは異なるため、一般的には数万円から高くても数十万円程度となりますが、不倫期間やお互いの経済力など個々の事情によって左右されます。
手切れ金の金額は、不倫相手との話し合いによって決められるため、誠実な対応を心掛けるだけでなく、過度な請求や恐喝に対しては毅然とした態度を示すことが重要です。
そのため、不倫相手との話し合いが不安な場合や、減額交渉に自信がない場合は、早めに弁護士に相談することをオススメします。
3-2:できる限り一括で支払う
不倫の手切れ金を支払う場合は、できる限り一括で支払いましょう。
なぜなら分割払いにした場合、支払いが終わるまで相手との関係が続いてしまうからです。
また万一支払いが滞った場合は、関係を断ちたいはずの相手から督促されてしまいます。
不倫関係を解消するための手切れ金で、不倫相手とのかかわりが続くことはどうしても避けたい状況なので、できる限り一括で支払うことをオススメします。
手切れ金の支払い方法は、現金での支払いや銀行口座への振り込みによって行いますが、必ず支払った記録を残すことが重要です。
3-3:合意書を必ず作成する
手切れ金を支払う場合は、必ず合意内容を記載した合意書(または示談書)を作成し、双方が署名・押印したうえで支払うことが重要です。
なぜなら、相手から追加の手切れ金を要求されたり、不倫をバラされたりするトラブルを防げるからです。
合意書に清算条項を記載して、合意書に定めた以外の債権債務が存在していないことを相互に確認することによって、合意後にさらなる請求を受けることはありません。
その他にも合意書に記載する内容は様々ですが、書面化することで合意内容が明確になり、お互いの認識に齟齬が生じることは無くなるため、口頭の約束にありがちな合意後のトラブルを避けられます。
3-4:守秘義務や接触禁止を約束する
合意書を作成する際には、必ず守秘義務や接触禁止を約束することが最も重要です。
なぜなら、手切れ金を支払う意味は、不倫関係を清算するだけでなく「不倫関係がバレないようにする」ことが大きな目的だからです。
不倫が配偶者にバレた場合、離婚を求められたり慰謝料を請求されたりする可能性があります。
また、友人や職場に知られた場合は、社会的信用を失うだけでなく仕事にも大きな影響が出る可能性があります。
そのため、合意書の内容に違反した場合のペナルティとして、違約金の支払いについても内容に含め合意しておくことをオススメします。
4章:不倫の手切れ金を請求された時は弁護士に相談しよう
不倫の手切れ金を請求された場合は、弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば不倫相手に対して、不倫の手切れ金を支払う法的義務がないことや、正当な理由なく第三者に不倫の事実を口外すると名誉棄損にあたることなど主張できます。
また、配偶者に不倫がバレた場合は、不倫相手自身も慰謝料を請求されるリスクがあることを説明できます。
さらに、不倫相手に手切れ金を支払うことで穏便に不倫関係を解消したい場合は、自分で交渉するとお互いに感情的なって話し合いがスムーズに進まなかったり、手切れ金の金額や合意書の内容などに不安が生じたりするケースも多いです。
しかし、弁護士に相談することで、
- 不倫相手との交渉を任せられる
- 手切れ金の減額が期待できる
- 適正な合意書を作成してもらえる
- トラブルが発生した場合も対応してもらえる
といったメリットが得られます。
不倫関係の解消や不倫の手切れ金でお悩みの場合は、できるだけ早い段階で不倫問題に詳しい弁護士に相談することをオススメします。
まとめ:不倫の手切れ金の意味と注意点
■不倫の手切れ金とは「不倫関係を清算するためのお金」のこと
- 不倫の手切れ金を支払う法的な義務はない
- 不法行為がある場合は慰謝料を支払う義務が生じる
■不倫の手切れ金を支払うメリット
- 不倫関係を清算できる
- 不倫をバラされるリスクを抑えられる
■不倫の手切れ金を支払う場合の注意点
- 手切れ金の相場はないので高額であれば減額交渉をする
- できる限り一括で支払う
- 合意書を必ず作成する
- 守秘義務や接触禁止を約束する
この記事の内容をしっかり理解し、不倫の手切れ金を請求された場合は、できるだけ早めに弁護士に相談しましょう。