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仕事を辞めたい!辞めるべきか判断する基準と円滑・確実に退職する方法

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

仕事を辞めたいと思っている女性

あなたは、以下のような悩みをお持ちではありませんか?

仕事を辞めたい人にありがちな悩み

毎日「仕事を辞めたい」という気持ちを押し殺して働き続けるのはつらいですよね。

もし、あなたが今「仕事を辞めたい」と感じているなら、まずは「本当に辞めるべきかどうか」判断することが大事です。

なぜなら、あなたの悩みは、仕事を辞めることで解決する場合と、そうでない場合があるからです。

そして次に、会社を辞める場合の「円滑・穏便・確実に辞める方法」について熟知しておくことが必要です。なぜなら、会社はあなたをすんなりと辞めさせてくれるとは限らないからです。

そこで、この記事では、「あなたが仕事を辞めるべきかどうか判断する基準」と「まずは仕事を辞める前にやってみるべきこと」、そして、「円滑・穏便・確実に会社を辞める方法」について詳しく解説します。

最後までしっかり読んで、あなたの悩みを解決できる方法を見つけましょう。

仕事を辞めたい人が抑えておくべきポイント


1章:会社を辞めるべき人と辞めるべきではない人の特徴

社員
仕事がつらい・・・もう会社を辞めてしまおうかな。
弁護士
毎日気持ちがのらない仕事を続けるのは苦しいことですよね。仕事がつらければ、会社を辞めてしまうのも1つの選択肢です。しかし、あなたの悩みは「仕事を辞めること」で解決できるものであるとは限りません。
 
社員
どういうことでしょうか?
弁護士
仕事の悩みといってもいろいろなものがあるため、別の会社に入っても解決できないかもしれませんし、逆に、今の会社にいたまま解決できるかもしれないのです。
 仕事を辞めたいという悩みは、仕事を辞めることで解決できる悩みである場合そうでない場合があります。

そこで、会社を辞めるべきかどうか判断する基準として、

  • 会社を辞めるべき人の特徴
  • 会社を辞めるべきではない人の特徴

について、ご紹介します。

そんなことよりも、先にこれからの行動方法について知りたい、という場合は、2以降をご覧ください。

それでは、辞めるべき人の特徴から解説します。

1-1:会社を辞めるべき人の特徴

 会社を辞めるべき人の特徴は、現在の職場環境に問題があることや、今の仕事があなたに合っていないことです。順番に解説します。

【会社の人間関係で悩んでいる】

  • 上司が無責任、言うことに一貫性がない
  • 嫌いな先輩や同僚がいる
  • 職場の人間関係にいつまでたってもなじめない

このような悩みを持って「仕事を辞めたい」と考えている人は多いようです。

もし、あなたが職場の人間関係で煮詰まっていて、「会社に行くのが辛い」「毎週月曜日が憂うつ」などと感じている場合は、会社を辞めるべきです。

なぜなら、簡単に他人を変えることはできないからです。

どんなに仕事にやる気があっても、周りとの人間関係が悪ければ、実力を発揮できません。新しい環境で、一から人間関係をやり直すことをおすすめします。

【上司・経営者の仕事の仕方が気に入らない】

上司や経営者の仕事の仕方が気に入らず、対立してしまう、もしくはグッと我慢して仕事の仕方を合わせている、という悩みを持っている人もいるかもしれません。

いち社員が上司や経営者の仕事のやり方を変えることは困難です。

そのため、こうした状況に「もう耐えられない!」という人は、会社を辞めて、あなたに合う会社に入り直した方がいいでしょう。

【社風が合わない】

  • 会社が体育会系でノリについて行けない
  • 会社の体質が古く自分の意見がまったく通らないのが不満

会社の社風は、経営者や既存の社員たちによって作られているものですので、あなた個人の力では変えられません。

社風が合わないために、「仕事がやりづらい」「会社に行きたくない」と感じているならば、自分に合う社風の会社に入り直すべきです。

【給料が低い】

あなたが「仕事を辞めたい」と思う原因が給料の低さにある場合、あなたは会社を辞めるべきです。

給料が低くても、その金額に納得できているなら良いですが、

「あと何年したら昇給するんだろう・・・」

「この給料で家庭を持てるか不安」

「自分の仕事量と見合っていないんじゃないか?」

などの不満を持っているなら、より稼げる会社を探して転職するべきでしょう。

ほとんどの会社で、給料は簡単には上がりません。低いモチベーションで働き続けるより、環境を変えてしまうのが一番良い選択肢です。

【労働時間が長い・休みがない】

「仕事を辞めたい」と思っている人に特に多いのが、現在の会社の労働時間・残業が長い、休みがないといった悩みであるようです。

残業や休日出勤は、単に仕事量が多いだけであれば、自分の力でもある程度の改善はできるかもしれません。

しかし、

  • 毎日帰りが深夜になる
  • 週に1日も休めないことがある

というような、長時間の残業・休日出勤が日常的になっている会社にいる場合、あなたの力だけでは対処できない可能性が高いです。

そのため、現在の会社を辞めて、少しでも残業の少ない会社へ転職することをおすすめします。

自分の労働時間の長さについてお悩みの場合、残業の違法性について以下の記事でチェックしてみてはいかがでしょうか。

残業が多いあなたに!違法性の3つの基準とすぐにできる改善方法

【パワハラ・セクハラを受けている】

  • 上司から日常的に罵倒されたり、暴力を受けている
  • 会社の人から性的な関係を要求されたり、体を触られたりする

このようなパワハラ・セクハラから「仕事を辞めたい」と考えている人は、その会社を辞めて転職することをおすすめします。

なぜなら、パワハラやセクハラに耐えたところで、あなたはどんどん精神的なストレスを蓄積するだけだからです。一度精神を病んでしまうと、再び復帰するまでに大変長い時間がかかってしまうことも多いです。

そのため、一刻も早く現在の環境から脱出することをおすすめします。

パワハラやセクハラの場合や、そのような行為をしてくる人や会社に対して損害賠償請求ができる可能性もあります。

詳しくは以下の記事で解説しています。

パワハラについて

【弁護士が徹底解説】パワハラのチェックリストと4つの対処法

セクハラについて

会社でセクハラされた!セクハラの判断基準と3つの相談先とは?

【危険な状況での作業などがある】

  • 安全の確保されていない現場で働かされている
  • 資格が必要な作業を無資格者が行っている
  • 業務中や通勤途中の怪我に対して、労働災害が認定されない

このような、社員を危険にさらして働かせるブラック企業は多く存在します。このような会社にいる場合、あなたには命の危険がありますので、すぐに会社を辞めることをおすすめします。

【仕事が原因で体調を壊しそう・うつ病などの精神疾患を発症しそう】

仕事で体調に問題が出た、という場合には、

  • 長時間労働で体を酷使
  • 夜勤などの不規則な勤務
  • 肉体的にきつい作業
  • 無理な仕事量の押しつけ、パワハラ、セクハラなどによる心理的負担

などの原因が考えられます。

いずれも仕事内容や職場環境そのものに問題がある可能性が高いです。そのため、自分の力だけで改善することは難しいでしょう。

これらの理由で「仕事を辞めたい」と考えているのであれば、これらの問題がない職場に転職することをおすすめします。

【キャリアアップしたい】

  • 別の仕事や会社に強い興味がある
  • もっと大きな仕事をやりたいと思っている
  • 今の会社の仕事では満足できない

このような「キャリアアップのために会社を辞めたい」と考えている人は、会社を辞めて自分の力が発揮できる環境を見つけることをおすすめします。

なぜなら、自分の力に自信があるなら、社会で自分の力が通用するか、早いうちに試してみるべきだからです。

ただし、あなたは自分の希望通りの会社に入社できるとは限りません。そのため、いきなり会社を辞めてしまわず、現在の会社に在籍しながら転職活動し、新しい会社が決まってから辞めることをおすすめします。

【自分でできる改善方法は試してみた】

  • 今の会社で、残業を短くするために一通りの工夫をした
  • 仕事に興味が持てなくても、すぐに諦めずに楽しむ努力をした
  • 会社の人と円滑な人間関係が築けるように努力した
  • パワハラやセクハラの被害について会社の窓口やカウンセラーに相談した

これらのような、自分でできる改善方法はすでに試してみたという場合、もしくは「自分でできることではとても改善できないような問題がある」場合は、会社を辞めずに問題を解決することは難しいでしょう。

そのため、仕事を辞めて職場環境そのものを変えてしまう必要があります。

次に、会社を辞めるべきではない人の特徴を紹介します。

1-2:まだ会社を辞めるべきではない人の特徴

会社を辞めるべきではないという人の特徴としては、まだ自分でできる改善策を試していない、会社自体はホワイト企業で、特に他にやりたい仕事があるわけでもない、ということです。

順番にみていきましょう。

【自分でできる改善方法を何もやっていない】

  • 異常な長時間というわけではないが、仕事が終業時間内で終わらないため、残業が多い
  • 仕事内容に興味を持てず、楽しめない
  • 上司や同僚と円滑なコミュニケーションがとれず、居心地が悪い

あなたがこのような問題を抱えている場合、今の会社を辞めることは、考え直す余地があります。なぜなら、これらの問題はどこの職場でも発生する可能性が高いからです。

そのため、会社を辞める前に、

  • 仕事を効率的に終わらせ、残業時間を短縮する努力をする
  • 仕事を楽しむ工夫をする
  • 職場の同僚、上司に自分から話しかけ、気軽に話せる関係性を作る

など、まずは自分でできる改善策を実践してみることをおすすめします。

それでも改善できなかった場合や、自分の力ではどうしようもない問題であることが分かったら、2で紹介する方法や、会社を辞めることを検討してみてはいかがでしょうか。

【会社の待遇や労働環境に問題がなく他にやりたい仕事もない】

もし、あなたの会社が、

  • 異常なほど残業が長いわけではない
  • 残業代は適正な金額が出る
  • 有給休暇を自由に取ることができる
  • パワハラやセクハラをするような上司がいない

などのホワイト企業であり、かつ、あなたに、特別に興味がある仕事や入りたい会社があるわけではない場合、簡単に会社を辞めることはおすすめしません。

なぜなら、社会には無数のブラック企業があるため、あなたが、今の会社以上のホワイト企業に転職できるとは限らないからです。

よっぽど強い動機がない限り、ホワイト企業からあえて離れる必要はありません。

弁護士
まとめると、
・仕事を辞めるべき:今の会社に問題があり、自分の力だけではどうしようもない人
・仕事を辞めるべきではない:まだ自分でできることがる、会社自体に特別な問題がない人
ということです。
 
社員
なるほど・・・読んでみましたが、まだ辞めるべきかどうか悩んでいます。
弁護士
急いで決める必要はありません。まだ迷っているならば、これから紹介する方法を試してから、もう一度考えて見てはいかがでしょうか。
 ここまで会社を辞めるべきかどうか、判断基準についてお伝えしました。

まだ、「判断する基準は分かったが、辞めるかどうか迷っている」という人は多いと思います。そこで、次に辞める前にできる行動方法について解説します。


2章:まだ迷っているなら会社を辞める前にできることをやってみよう

1章での判断基準の解説を読んで、まだ辞めるかどうか決断することができず、「もう少し慎重に考えたい」と思っている場合、辞めてしまう前に、

  • 有給休暇を取得してゆっくり休んでみる
  • 友人などに相談して客観的な意見を求める
  • 辞めたい理由について自己分析し、最適な解決策を検討してみる

などの方法を試してみる余地があります。

これらの方法について、順番にみていきましょう。

それよりも、早く辞めるための方法が知りたいという場合は、3を読んでください。

2-1:有給休暇を取得して心身を休める

まずできることは、有給休暇を取得してしっかりと考える時間を作り、考え直してみるということです。

そもそも、労働者には有給休暇を取得する権利があり、法律上、最低でも以下の日数の有給休暇を取得できると決められています。

有給休暇消化の流れ

有給休暇が取得できる法律上の日数

【有給休暇取得の条件】

  • 雇い入れの日から6ヶ月以上勤務
  • 全労働日の8割以上出勤

有給休暇は、あなたが会社に対して「有給休暇を消化したい」と伝えれば、自動的に有給休暇を取得できます。

そのため、1日でも仕事から離れてゆっくりと考える時間をつくってみましょう。もしかしたら、あなたは疲れから衝動的に辞めたいと思っただけで、疲れが癒やされた時点でそんな気持ちもなくなってしまうかもしれません。

しかし、もし休んで考えてみても「やっぱり辞めるしかない」という結論にいたるのであれば、3章で紹介する退職の流れをしっかり読んで、会社を円滑・穏便に辞めましょう。

2-2:友人などに相談して客観的な意見を求める

会社を辞めたいと悩んでいる場合、「悩みの原因は何なのか」「悩みの解決策は何がベストなのか」といったことについて、冷静に考えることができなくなっている可能性があります。そのため、誰かに相談して、自分の悩みの原因や解決策は何なのか聞いてみることをおすすめします。

しかし、会社の人や家族に相談すると、引き止められて辞められなくなる可能性もあります。そのため、あなたに客観的なアドバイスをしてくれる友人等にアドバイスを求めてみるといいでしょう。

2-3:辞めたい理由・原因を自己分析してみる

仕事を辞めたい、という悩みは、

  • 現在の職場の環境に不満がある
  • 仕事の内容そのものに不満がある
  • 働くこと自体が嫌だ

など、悩みの中身を具体的にしていくことができると思います。このように、悩みの原因を分析していくことは、その悩みの解決策を考える上でも重要なことです。まだ迷っているなら、その悩みの原因を自己分析していってみてはいかがでしょうか?

弁護士
もし今の会社を辞めて転職する場合でも、転職活動をするときに「前の会社を辞めた理由」について聞かれることが多いです。そのときのためにも、悩みの原因を自己分析することは大事です。
 こうしたことを試してみて、「やっぱり会社を辞めたい」と思った場合は、これから紹介する方法で、円滑・穏便に会社を辞めましょう。


3章:「やっぱり辞めたい!」そんな場合の穏便・確実に辞める流れ

社員
やっぱり会社を辞めたいと思っているのですが、辞めるタイミングや辞めるまでにやるべきことなど、分からないことだらけです。
弁護士
会社を円滑・穏便・確実に辞めるためには、辞めるための流れや抑えておくべきポイントについて知っておくことが大事です。
 さっそくですが、会社を辞める流れは以下のようになっています。

会社を辞める流れの図

退職までの流れについて、順番に解説していきます。

【①退職意思を伝える】

【退職意思を伝えるタイミング】

まずは、できるだけ1ヶ月以上前に退職の意思を伝えることが必要です。普通の会社ならば、1ヶ月では期間が短いため、2ヶ月以上前に伝えておくとより良いです。

しかし、ブラック企業の場合は、退職の意思を早くから伝えておくと、「考えておく」「来月また話そう」などと濁され、うやむやにされる可能性もありますので注意してください。

弁護士
法律上は、2週間前に退職の意思を伝えていれば、辞めることができるとされています。そのため、できれば1ヶ月前、最悪の場合でも2週間前には上司に話しておきましょう。
 

【退職意思を伝えるときのポイント】

退職の意思を伝えると、まず引き止められる可能性があります。そのため、以下のポイントを覚えておいてください。

  • 上司と2人で話す場を設ける
  • 話を中断されないために、忙しくない時間帯を選ぶ
  • 「辞めたいと思っている」などではなく、はっきり「辞めます」と伝える
  • 「仕事がきついから」などネガティブな理由ではなく、ウソでも「やりたいことが見つかった」などポジティブな理由を伝える

それでも、退職を拒否されてしまった場合の対応方法については、後ほど解説します。

【退職届を書く】

弁護士

すでに会社に退職の意思を伝えているのであれば、正式な退職手続きのために「退職届」を提出する必要があります。

 

「退職届」とは、会社に対して一方的に「退職します」と宣言するものです。一方で、「退職願」とは、社員が会社に「退職させてください」と願い出るものです。そのため、退職願が受理されず、辞めることができなかったときは「退職届」を書いて、会社に渡す(送る)必要があります。

退職届には、詳しい退職の事情などを書く必要はありません。会社によってフォーマットが用意されていることもありますが、なければ以下のものを参考にしてください。

退職届

私事、

一身上の都合により、来る平成○○年○月○日をもって退職致します。

平成○○年○月○日

○○事業部○課  退職太郎 印

○○株式会社 代表取締役○○殿

【②引き継ぎ・挨拶回り・退職時期などの交渉】

退職届を提出したら、

  • 具体的な退職時期の決定
  • 有給消化の時期
  • 引き継ぎの計画

などを、上司との間で決めて、計画的に行動していきましょう。また、引き継ぎの業務などと並行して、これまでにお世話になった社内の人に、挨拶回りをしましょう。

ただし、ブラック企業の場合は、

「退職時期をはぐらかされる」

「有給休暇を消化させてくれない」

などの可能性がありますので、このケースの対応方法については後ほど解説します。

【③すぐに転職しない場合は失業保険申請、社会保険・年金手続き】

すぐに次の会社への入社が決まっている場合、退職後にやるべきことは必要書類を転職先に提出するだけです。

しかし、まだ転職先が決まっていないなどの場合は、失業保険を受給できる可能性がありますので、まずはその手続きを行いましょう。

【失業保険の手続きを行う】

失業保険は、

  • 退職前に2年以上雇用保険に加入していた
  • 積極的に求職活動をしている
  • 転職先が決まっていない

などの条件に当てはまる場合、受給することができます。

失業保険の受給について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

「失業保険 とは」

【健康保険の変更手続きを行う】

健康保険加入手続きの流れ

次の会社に入るまでブランクがある場合は、健康保険を変更する手続きが必要になります。

その選択肢としては、図の通り、

  • 家族の扶養に入る
  • 退職した会社の健康保険を「任意継続」する
  • 自治体の窓口に行って「国民健康保険」への加入に変更する

3つがあります。

社員
なんか面倒くさそうだから、再就職するまでは加入しなくて良いかな。
弁護士
国民健康保険に入らなければ、再就職するまでの間に病気や怪我をした場合、病院でかかった医療費を「全額」自分で支払わなければなりません。加入していれば3割しか負担しなくていいため、必ず役所に行き加入するようにしましょう。
 
社員
知らなかった!でも、失業中に保険料を払うのは苦しいです。
弁護士
あなたに失業保険の受給資格があれば、国民健康保険の保険料の免除申請ができます。失業保険の受給期間中は、健康保険の保険料を大幅に減らすことができるのです。
 

 

【年金の加入手続きを行う】

年金の種別変更の手続きの流れ

次の会社に入社するまでにブランクがある場合は、年金も変更の手続きを行う必要があります。手続きとは、会社員の種別である「第2号被保険者」から、「第1号被保険者」に種別を変更する手続き(種別変更)を行うものです。

社員
なんのために行う必要があるのかな?
弁護士
種別変更の手続きを行わないと、次の会社に入社するまでの間に「年金の未納期間」が発生し、将来受給できる年金額が減ってしまうのです。

そのため、退職後は14日以内に、自治体の年金窓口で種別変更の手続きを行いましょう。

 

 

退職する場合にやるべきことについて理解することができたでしょうか?

これは退職する場合の「一般的な会社での流れ」です。しかし、あなたがブラック企業にいる場合、退職意思を伝えると、会社との間でトラブルになる可能性もあります。

そこで、次に会社とトラブルになった場合の対処方法について解説します。


4章:辞めるときに発生するかもしれないトラブルと対処方法

退職時に会社との間で発生するトラブルとしては、

  • 退職を拒否される
  • 辞めるなら損害賠償請求すると言われた
  • 会社にまだ返済していない借金がある

3つがよくあるものです。

これらのケースの対応方法について、詳しく解説します。

4-1:退職を拒否される

退職することを拒否された場合でも、あなたには「会社を辞める権利」があります。そのため、会社に対して、1ヶ月以上前に退職の意思表示をすることで、法律上あなたは退職することが可能です。

退職の意思表示は、証拠を残しておく必要があるため、

  • 直属の上司や人事課長へメールを送る
  • 退職届を「配達証明付き内容証明郵便」で会社に送る

などの方法で行いましょう。

これらの方法で証拠を残しておくことで、後から、会社から「退職することなんて聞いていない」などと言われても、意思表示したことを証明できるのです。

弁護士
退職の1ヶ月前、ないしは最低でも2週間前までに「退職届」を内容証明で送っていれば、会社から退職を拒否されていても、あなたは退職届に書いた日程に退職することが可能です。
 配達証明付き内容証明郵便を送る方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

「内容証明」

4-2:損害賠償請求すると言われた

経営者
辞めたい?お前が辞めたら損害賠償請求するぞ!
退職すると言ったら、「損害賠償請求する」と言われてしまった、というケースがあります。

しかし、会社は基本的に、社員に対して損害賠償請求できません。また、仮に請求できたとしても相当な減額がされます。

そのため、このような場合も1ヶ月以上前をめどに会社に退職届を配達証明付き内容証明郵便で送り、引き継ぎ作業をすれば、問題なく退職することができます。

たとえば、以下のようなケースがよくあります。

【「お前の代わりがいないから辞めさせない」と言われるケース】

「お前が辞めたら会社が忙しくなるから辞めさせない」「お前がやっていた仕事は誰がやることになるんだ」などと言われ、会社を辞められないというケースがあります。

しかし、そもそも雇用契約に盛り込まれていない理由で、社員に損害賠償請求することはできません。また、そもそも社員の都合で退職することに対して、違約金や損害賠償を求める契約を締結することは、法律上禁止されています。

このような理由で退職が拒否された場合も、「4-1」の対処方法と同様、1ヶ月前をめどに退職届を内容証明で会社に送り、引き継ぎをすれば、退職することが可能です。

【会社の備品を壊してしまったため損害賠償請求されるケース】

「会社の備品(運送業のトラックなどに多い)を壊したから、辞めるなら損害賠償請求する」と言われて、会社を辞められない、というのもよくあるケースです。

ただし、あなたが備品を壊してしまったとしても、通常は会社が保険に入っているため、あなた個人に請求されることはありません。

会社が保険に入っていない場合は請求されることがありますが、労働者の業務上のミスに基づく損害賠償請求は、以下のように、過去の判例では制限されています。

①労働者に故意または重過失がなければならないこと

②故意または重過失があったとしても、すべての損害を賠償する必要はないこと

以上のように、退職時に会社から損害賠償請求されても、多額の賠償が必要になることは、ほとんどないのです。

4-3:会社にある借金を返済しないと辞められないと言われた

会社に対して借金があり、

  • 借金があるため会社から辞めさせない
  • 借金を一括で返済しないと退職させない

と言われるのも、よくある退職時のトラブルの1つです。

しかし、労働基準法では、会社は社員の借金を理由に、社員の退職を拒否して社員の身分を拘束することを禁じています。

法律上は、会社に対する借金は退職後に返済することも可能ですので、会社と退職後に返済することを話し合った上で退職するか、弁護士に交渉して自分の代わりに交渉してもらうことをおすすめします。

弁護士
退職時にありがちなトラブルへの対処方法について、理解することができたでしょうか?もう一点、退職時に注意して欲しいことがあります。
 
社員
まだ何かあるのですか?
弁護士
多くの会社では残業代がごまかされ、不当に安い金額しか支払われていません。しかし、その残業代は、退職を機に会社に請求すれば、取り返すことができる可能性があるのです。
 


5章:辞める場合は未払いの残業代などがあれば請求しよう 

会社が残業代をごまかし、不当に安い金額しか支払っていなかった場合、その残業代は取り返すことができる可能性があります。

たとえば、月給20万円で月80時間の残業をしていた場合、1ヶ月の残業代は117600円になります。残業代は2年分さかのぼって請求できるため、請求できる合計金額は282万円にもなります。

しかし、残業代請求には2年という時効があるため、退職から2年がたつと全額が消滅してしまいます。

そのため、最近では、多くの人が退職時に弁護士に依頼して、残業代を気軽に取り返しているのです。

あなたが会社を辞めようと思っている場合は、ぜひ残業代請求を検討してみることをおすすめします。残業代請求の準備は、退職前からはじめておくとメリットがありますので、できれば早めに準備をはじめましょう。

残業代の請求方法について、以下の記事で、手続きの流れ・費用・弁護士の選び方などを詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。

失敗したら残業代ゼロ?弁護士選びの8つのポイントと請求にかかる費用


まとめ

いかがだったでしょうか?

最後にもう一度今回の内容を振り返ってみましょう。

まず、会社を辞めるべき人・辞めるべきではない人の特徴には以下のものがあります。

【仕事を辞めるべき人の特徴】

  • 労働時間が長い・休みがない
  • パワハラ・セクハラを受けている
  • 危険な状況での作業などがある
  • 仕事が原因で体調を壊しそう・うつ病などの精神疾患を発症しそう
  • キャリアアップしたい
  • 自分でできる改善方法は試してみた

【仕事を辞めるべきではない人の特徴】

  • 自分でできる改善方法を何もやっていない
  • 会社の待遇や労働環境に問題がなく他にやりたい仕事もない

辞めるか迷っている場合にできることとしては、以下のものがあります。

  • 有給休暇を取得して心身を休める
  • 友人などに相談して客観的な意見を求める
  • 辞めたい理由・原因を自己分析してみる

それでも辞めたい場合は、以下の流れで退職しましょう。

会社を辞める流れの図

退職時には会社との間でトラブルになることがありますが、トラブルには以下の方法で対処できます

【会社を辞めさせないと言われる】

1ヶ月前に退職届を内容証明で送り、引き継ぎをした上で辞める。

【辞めるなら損害賠償請求すると言われる】

会社が社員に損害賠償請求することは、ほとんどのケースで許されないため、同上の方法で対処する。

【会社に借金があって辞められない】

退職後に返済することを話し合い、話し合いが無理なら弁護士に依頼して交渉してもらう。

これらの方法を実践して、ぜひ会社から円滑・確実に退職しましょう。