不倫相手から慰謝料請求された!4つのケースと対処法を弁護士が解説


この記事を読んで理解できること
- 不倫相手から慰謝料請求される可能性がある4つのケース
- 慰謝料を請求された場合の3つの対処法
- 慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼する3つのメリット
あなたは、
- 不倫相手から慰謝料請求されたらどうする?
- 慰謝料請求されたが支払う必要があるか知りたい
- 請求された慰謝料を拒否あるいは減額したい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、既婚者であることを隠して不倫関係を続けていた場合など、状況によっては不倫相手からの慰謝料請求が認められるケースもあるため注意が必要です。
不倫関係が発覚した際は、配偶者から慰謝料請求されることが一般的ですが、次のようなケースでは不倫相手から慰謝料請求される可能性があります。
- 不倫相手に既婚者であることを隠していた
- 不倫相手と「重婚的内縁関係」にあった
- 不倫相手が妊娠・中絶したときのトラブル
- 不倫相手があなたの配偶者に慰謝料を全額支払った
しかし不倫に関する慰謝料は、不倫関係の実際の状況や相手の主張の信憑性など、様々な要素から総合的に判断されるため、慰謝料の減額や支払いを拒否できる可能性があります。
そのため、自分だけで判断して相手に言われるままに承諾したり、支払いに応じてしまったりする前に、不倫の慰謝料に詳しい弁護士に相談することが重要です。
そこでこの記事では、
1章では、不倫相手から慰謝料請求される可能性がある4つのケース
2章では、慰謝料を請求された場合の3つの対処法
3章では、慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼する3つのメリット
について解説します。
この記事の内容をしっかり理解して、不倫相手から慰謝料請求された際の対応や行動に役立てて下さい。
目次
1章:不倫相手から慰謝料請求される可能性がある4つのケース
不倫相手から慰謝料請求される可能性があるケースとして、次の4つがあげられます。
- 不倫相手に既婚者であることを隠していた
- 不倫相手と「重婚的内縁関係」にあった
- 不倫相手が妊娠・中絶したときのトラブル
- 不倫相手があなたの配偶者に慰謝料を全額支払った
それぞれ解説します。
1-1:不倫相手に既婚者であることを隠していた
不倫相手に既婚者であることを隠して関係を続けていた場合は、「貞操権の侵害」を理由として、不倫相手の慰謝料請求が認められる可能性があります。
例えば、
- 結婚していないと嘘をついていた
- 婚活パーティーなどで知り合った
- 結婚する約束・準備をしていた
場合などです。
特に、婚活パーティーで知り合ったり、その後結婚する約束や準備をしたりしていた場合などは、相手が既婚者だとは疑ってもいなかったと判断される可能性が高いです。
そのため、不倫相手の弁護士を通じて「内容証明郵便」などで慰謝料の請求書が送られて来た場合は、支払に応じなければ裁判に移行する可能性もあります。
1-2:不倫相手と「重婚的内縁関係」にあった
不倫相手と「重婚的内縁関係」にあった場合は、慰謝料請求が認められる可能性があります。
「重婚的内縁関係」とは、結婚して配偶者がいるにも関わらず、不倫相手と同居するなどして内縁関係にあることを言います。
内縁関係とは、婚姻届を出していなくても長年夫婦のように生活していて、事実上夫婦関係とみなされるような関係のことです。
法律上の夫婦関係が破綻している場合は、重婚であっても内縁関係として法的に保護されるため、内縁関係を不当に解消された場合は、慰謝料請求が認められる可能性があります。
1-3:不倫相手が妊娠・中絶したときのトラブル
不倫相手が妊娠・中絶したときのトラブルが原因で、不倫相手の慰謝料請求が認められる可能性があります。
不倫相手が妊娠・中絶した場合、お互いの合意が得られていれば不法行為にはあたりませんが、次のように不誠実な対応をしたケースでは、慰謝料請求が認められる可能性があります。
- 逃げる・連絡を断つ
- 結論を出さずはぐらかし続ける
- 中絶を強要する
また、違法行為によって妊娠・中絶させた場合は、女性の権利が侵害されたとして慰謝料の請求が認められる可能性あります。
- 相手の意思に反して避妊をせずに妊娠させた
- 暴力や脅迫などによって中絶を強要した、あるいは流産した
このような場合は、慰謝料請求だけでなく、刑事的な責任を負う可能性もあります。
1-4:不倫相手があなたの配偶者に慰謝料を全額支払った
不倫相手が、あなたの配偶者に請求された不倫慰謝料を全額支払った場合は、支払った慰謝料の一部をあなたに請求する可能性があります。
そもそも不倫は、不倫の当事者(共同不法行為者)両方に責任があるため、慰謝料の支払い義務は二人にあります。
そのため、不倫相手は、不倫の当事者(共同不法行為者)であるあなたに、「求償権」を行使して支払った慰謝料の一部を請求できるからです。
求償権とは、連帯債務者が自分の負担部分を超えて支払った場合に、他の連帯債務者が負担すべき部分の支払いを求める権利です。
不倫の慰謝料は不真正連帯債務にあたり、慰謝料を負担する割合は原則「5:5」とされるため、求償権によって慰謝料の半分程度を請求できます。
そのため、不倫相手が慰謝料を全額支払った場合は、もう一人の当事者であるあなたに対して責任に応じた負担を求めることができます。
2章:慰謝料を請求された場合の3つの対処法
慰謝料を請求された場合の対処法は、次の3つです。
- 慰謝料請求の根拠を確認する
- 不倫相手とのやりとりなど証拠を集める
- 冷静に示談交渉を進める
それぞれ解説します。
2-1:慰謝料請求の根拠を確認する
不倫相手から慰謝料を請求された場合、相手が主張する慰謝料請求の根拠を確認する必要があります。
慰謝料とは、違法行為等によって損害を受けた被害者の、精神的苦痛に対して支払われる賠償金ことです。
不倫相手から慰謝料請求される主なケースとしては、1章で解説した4つのケースなどがあげられますが、あなたの行為が相手の主張するような違法行為にあたるのか確認することが重要です。
そのため、相手が主張する慰謝料請求の根拠を、自分だけで判断できない、または少しでも不安がある場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
2-2:不倫相手とのやりとりなど証拠を集める
不倫相手から慰謝料を請求された場合、相手が主張する内容に反論できる証拠を集める必要があります。
例えば、既婚者であることを隠して関係を続けていたと主張する場合は、メールやLINE・SNSのやりとりなどから、あなたが既婚者だと知っていた、あるいは知ることができた証拠を集めます。
一般的には交際を続けていく中で、相手が既婚者だとは知らなかった、知ることもできなかったというケースは稀だからです。
また妊娠・中絶のトラブルの場合は、不倫相手との妊娠や中絶に関するやりとりなども、反論できる証拠になる可能性があります。
2-3:冷静に示談交渉を進める
不倫相手から慰謝料を請求された場合は、感情的にならずに冷静に示談交渉を進めることが重要です。
相手方の主張をよく聞いて自身の立場も丁寧に説明し、双方が納得できる解決を目指すことが、示談を成立させるための重要なポイントです。
示談交渉では、慰謝料を支払う義務があるのか、あるいは請求額の妥当性や支払い方法・時期についても話し合います。
また、清算条項や守秘義務条項を結ぶことで、示談後のトラブルを防げます。
そのため、自分だけで示談交渉を進めることに不安がある場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
3章:慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼する3つのメリット
慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼するメリットとして、次の3つがあげられます。
- 代理人として交渉できる
- 早期解決の可能性が高まる
- 法的に効力のある示談書を作成しトラブルを防げる
3-1:代理人として交渉できる
法律のプロである弁護士に依頼することで、あなたの代理人として請求者や相手方の弁護士との交渉をすべて任せられます。
請求された慰謝料の減額交渉だけでなく、慰謝料の支払い義務がない場合は、その理由を明らかにし慰謝料の請求自体を拒否できます。
また、交渉での合意が得られず、訴訟に進んだ場合でも、弁護士はこれまでの当事者双方の状況を理解しているので、十分に対応できます。
3-2:早期解決の可能性が高まる
交渉のプロである弁護士に依頼することで、示談交渉もスムーズに進み早期解決の可能性が高まります。
弁護士であれば、それぞれの事案に沿った相場や落としどころを熟知しているので、示談交渉を進めるだけでなく、慰謝料を減額、あるいは拒否できる理由を明確に主張できるからです。
自分一人で相手と交渉した場合は、お互いに感情的になり示談交渉がこじれて長期化したり、訴訟まで進んでしまったりする可能性があります。
3-3:法的に効力のある示談書を作成しトラブルを防げる
弁護士であれば示談を成立させるだけでなく、その後のトラブル防止に必要な内容を含めて、適正で法的に効力のある示談書を作成できます。
不倫相手との示談交渉がこじれた場合、相手方から慰謝料を請求されるだけでなく、家族や会社に向けて中傷するビラや不倫の写真を送りつけられるなど、余計な被害に合う可能性があります。
なぜなら、不倫相手に対して慰謝料を請求するだけでなく、社会的な制裁や復讐をしたいと考える相手は多いからです。
示談書に記載すべき主な内容としては、次のようになります。
- 慰謝料の金額・支払方法・支払時期
- 接触禁止条項:お互いに接触や連絡をしないことを約束する
- 宥恕条項:許してもらうことで、刑事告訴をされないようにする
- 清算条項:示談書で定めた以外の債権債務が存在しないことを確認する
- 守秘義務条項:不倫トラブルの事実をお互いに第三者に口外しないことを約束する
弁護士であれば、こうした事態を未然防げるように対応することは可能ですが、自分一人で交渉している場合は、その対策を十分に行うことは非常に難しいといえます。
まとめ:不倫相手から慰謝料を請求された時の対処法
不倫相手から慰謝料請求される可能性があるケースとして、次の4つがあげられます。
- 不倫相手に既婚者であることを隠していた
- 不倫相手と「重婚的内縁関係」にあった
- 不倫相手が妊娠・中絶したときのトラブル
- 不倫相手があなたの配偶者に慰謝料を全額支払った
慰謝料を請求された場合の対処法は、次の3つです。
- 慰謝料請求の根拠を確認する
- 不倫相手とのやりとりなど証拠を集める
- 冷静に示談交渉を進める
慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼するメリットとして、次の3つがあげられます。
- 代理人として交渉できる
- 早期解決の可能性が高まる
- 法的に効力のある示談書を作成しトラブルを防げる
不倫問題がこじれて不倫相手から慰謝料を請求された場合は、自分だけで判断する前に、不倫の慰謝料問題に詳しい弁護士に相談することが重要です。