【別居から離婚する2つのメリット】注意点と離婚できない時の対処法も

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

【別居から離婚する2つのメリット】注意点と離婚できない時の対処法も
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チェック
この記事を読んで理解できること
  • 別居してから離婚する2つのメリット
  • 別居してから離婚する場合の注意点
  • 別居して離婚できないときの対処法
  • 別居する前に準備すること

あなたは、

  • 別居してから離婚するメリットが知りたい
  • 別居してから離婚するときの注意点は?
  • 別居からできるだけ早く離婚したい

などとお考えではありませんか?

結論から言うと、別居してから離婚するメリットとしては、離婚が認められやすくなることがあげられます。

別居という直接行動に出ることで、相手にあなたの離婚の意志が強いことを示せるため、離婚の話し合いを進めやすくなるでしょう。

また、相手に不貞行為やDV・モラハラなど裁判で認められる離婚理由(法定離婚事由)がある場合は、訴訟を申し立てることで、相手が拒否していても離婚が認められる可能性が高くなります。

特に、相手のDVやモラハラから自分の身を守るためには、早目に別居してから離婚に向けての準備を整えていくことが重要です。

別居から離婚するまでの期間は、令和4年度の厚生労働省の統計によると、別居期間が1年未満で離婚する夫婦の割合は全体の82.8%となっています。

厚生労働省:令和4年度 離婚に関する統計の概況

そこでこの記事では、

1章では、別居してから離婚する2つのメリット

2章では、別居してから離婚する場合の注意点

3章では、別居して離婚できないときの対処法

4章では、別居する前に準備すること

について解説します。

この記事の内容をしっかり理解して、別居から離婚に向けての行動の参考にしてください。

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1章:別居してから離婚する2つのメリット

別居してから離婚するメリットとしては、次の2つがあげられます。

  • 離婚が認められやすくなる
  • 婚姻費用を受け取れる(相手より収入が少ない場合)

それぞれ解説します。

1-1:離婚が認められやすくなる

別居して新しい生活を始めることによって、あなたの離婚の意志が強いことを相手にしっかり示せるため、離婚が認められやすくなります。

相手が離婚に反対している場合は、距離を置くことで冷静に話し合うきっかけとなり、離婚後の生活が相手にとっても現実味を帯びてくるでしょう。

また、別居期間が長くなった場合は、「すでに婚姻関係が破綻している」と、判断される可能性があります。

正当な離婚事由がない別居の場合でも、事案によっては別居期間2~3年で、5年であれば多くの場合、「すでに婚姻関係が破綻している」と判断され離婚が認められます。

1-2:婚姻費用を受け取れる(相手より収入が少ない場合)

あなたの収入が相手より少ない場合は、別居後婚姻費用を請求することで、離婚が成立するまでの間、婚姻費用を受け取れます。

婚姻費用とは、婚姻中の夫婦の生活にかかる費用のことで、食費や住居費、養育費、医療費など家族の生活に必要な費用がすべてあげられます。

あなたが専業主婦で収入がない場合でも、離婚するまで婚姻費用が得られるため、経済的な不安もある程度は解消されるでしょう。

また、婚姻費用を支払う側の相手にとっては、離婚後は支払う義務が無くなるため、離婚に応じる可能性も高まります。

別居してから離婚することで、婚姻費用を得ながら離婚後の生活の準備を進め、相手にも離婚を促せるというメリットがあります。

2章:別居してから離婚する場合の注意点

別居してから離婚する場合の注意点としては、次の2つがあげられます。

  • 別居中に不貞行為を行わない
  • 親権を取りたいのであれば子どもと離れない
  • 離婚前でも可能な手当や助成金の手続をする

それぞれ解説します。

2-1:別居中に不貞行為を行わない

別居してから離婚する場合の注意点は、別居中でも婚姻関係は継続しているため、不貞行為を行わないことです。

別居中の不貞行為が明らかになった場合、不倫のための別居と思われ、不貞行為を行った有責配偶者と判断される可能性があるからです。

自らの行為によって婚姻関係を破綻させた有責配偶者は、離婚請求しても裁判では原則として認められません。

そのため、どんなに離婚したいと思っても、相手が拒否している場合、離婚成立は難しくなります。

また、別居中であっても婚姻関係が破綻していない場合は、不貞行為によって慰謝料を請求される可能性があります。

ただし、何年間も別居している場合や、離婚を前提に別居している場合など、婚姻関係の破綻が認められるケースもあります。

2-2:親権を取りたいのであれば子どもと離れない

別居してから離婚する場合の注意点は、親権を取りたいのであれば子どもと離れないことです。

なぜなら、離婚の際に親権者を決める場合、離婚の段階で誰が子どもを養育し、子どもにとって良好な環境かという点などが判断されるからです。

そのため、親権を取るには、経済的に安定していることが条件の一つになります。

しかし、「子どもの年齢が低いほど母親が必要」と見られやすいため、専業主婦でも親権者になれる可能性は十分にあります。

仮に離婚調停や訴訟に進んだ場合でも、専業主婦の側が親権を取れるケースは多いです。

また別居の際に子どもの住民票も一緒に移すことによって、子どもの学校や幼稚園・保育園等の編入や児童手当等の手続きがスムーズに行えます。

2-3:離婚前でも可能な手当や助成金の手続をする

別居してから離婚する場合、離婚前でも可能な手当や助成金の手続をすることが重要です。

助成金の種類や受給資格や条件は、自治体によって異なりますが、例えば以下のような手当や助成金があります。

  • 児童手当
  • 児童扶養手当

離婚を前提とした別居中で子どもと同居している場合、受給者の変更手続きや別居中の受給が認められる可能性があります。

また、別居から離婚してシングルマザーになった場合は、

  • 児童育成手当
  • 母子家庭等の住宅手当

などさまざまな助成金があるので、忘れずに調べたうえで試算しておきましょう。

3章:別居して離婚できないときの対処法

別居しても配偶者の合意が得られず離婚できないときの対処法としては、次の2つがあげられます。

  • 離婚調停を申し立てる
  • 調停もダメなら離婚裁判を申し立てる

それぞれ解説します。

3-1:離婚調停を申し立てる

別居後に配偶者と話し合っても相手が離婚に応じない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。

離婚調停とは、夫婦間で離婚の話し合い(離婚協議)がうまくいかなかった場合に、家庭裁判所の仲介によって離婚条件等の合意を目指す手続きのことです。

離婚調停では、家庭裁判所の裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。

また離婚の合意だけでなく、財産分与や慰謝料、年金分割の割合、未成年の子どもがいる場合は、子どもの親権や養育費、面会交流などについても一緒に合意を目指す話し合いを行います。

3-2:調停もダメなら離婚裁判を申し立てる

離婚調停でも夫婦間で合意できなかった場合は、裁判所に訴状を提出し離婚訴訟を申し立てることになります。

離婚訴訟では、民法770条第1項に定められている離婚原因が存在するかを、裁判所が判断します。

(裁判上の離婚)

第770条1項 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

別居期間が長くなった場合は、「すでに婚姻関係が破綻している」と判断され、離婚が認められる可能性があります。

裁判が進むと、裁判上の和解が成立したり、判決によって裁判所の判断が下ったりします。

離婚が認められた場合、和解調書や判決を添えて離婚届を提出することで、離婚が成立します。

4章:別居する前に準備すること

別居してから離婚する場合には、事前の準備が必要となります。

別居する前に準備する必要があることとしては、次の5つがあげられます。

  • 住む場所を確保する
  • 別居後の仕事を決めておく
  • 子どもの養育環境を確保する
  • 配偶者に離婚の原因があれば証拠を集めておく
  • 配偶者の収入や、配偶者名義の財産等を把握する

それぞれ解説していきます。

4-1:住む場所を確保する

別居する場合には、新しい生活を始めるための住まいが必要となります。

別居の住まい探しも、希望の場所や予算を検討して、さらに、引っ越すタイミングなども考えるとなかなか難しいかもしれません。

それでも、新しい住居を契約し、別居後の生活の場が確保できると、覚悟も決まり新しい生活に向けてのスタートが切れるでしょう。

まとまったお金が必要となる住まい探しは、考えることが多く時間や労力も必要で、またどれが正解か悩むことも多々ありますが、根気よく探すことが必要です。

また、離婚に向けての別居の場合は、住民票をすぐに移すことが重要です。

住民票を移すことによって、別居の事実を公的に証明することができるだけでなく、役所や金融機関、生活に必要な各種の手続きがスムーズに行えるようになります。

4-2:別居後の仕事を決めておく

別居後に自立した生活を送るためには、安定した仕事を確保する必要があります。

特に女性の場合は、経済的な自立が早期に実現できるかが、別居さらには離婚後の生活を左右するおおきな要因となるからです。

もしあなたが専業主婦の場合は、ハローワーク(子どもがいる場合は、マザーズハローワーク)などを使って、就職先を見つける必要があります。

あなたがすでに働いている場合は、現在の仕事の収入で試算し、それでは足りない場合は、転職やスキルアップで収入増を目指すことが大事です。

4-3:子どもの養育環境を確保する

離婚に向けた別居の場合は、親子で暮らす住居だけでなく、事前に子どもの学校や幼稚園・保育園などの養育環境を考える必要があります。

また別居の際に、子どもの住民票も一緒に移すことによって、子どもの学校や幼稚園・保育園等の編入や児童手当等の手続きがスムーズに行えます。

そのため、別居後の新しい環境においても、子どもの養育が十分に行えるようになります。

離婚が成立した後は、離婚の手続きだけでなく、子どもに関する様々な手続きも必要になります。

4-4:配偶者に離婚の原因があれば証拠を集めておく

配偶者に離婚の原因があり別居する場合には、相手の不貞行為やDV、モラハラなどの離婚原因の証拠となる画像や音声、詳細な記録などを集めておく必要があります。

なぜなら、離婚の原因が相手にある場合は、相手の不貞行為などの不法行為を証明する十分な証拠によって、離婚が認められるだけでなく、慰謝料を請求できるからです。

これらの証拠は、別居後には集めることが難しくなるので、離婚を決意した段階から意図的に集めていく必要があります。

4-5:配偶者の収入や、配偶者名義の財産等を把握する

離婚に向けて別居する場合は、配偶者の収入だけでなく、財産や退職金、年金分割、公的な助成金などもよく調べて資料を準備しておくことが重要です。

集めておく資料としては、例えば次のようになります。

  • 預貯金通帳(通帳のコピー)
  • 所得を証明する書類(給与明細、確定申告書類など)
  • 不動産登記簿
  • 証券口座の明細
  • 生命保険に関する書類
  • 夫の会社の退職金支給条件や現在の退職金支給実態
  • 厚生年金保険料の支払い実績(標準報酬)

これらの資料を別居前から集めることによって、離婚の際の財産分与で、見落としなく妥当な金額を請求できます。

まとめ:別居してから離婚するメリットや注意点

■別居してから離婚するメリット

  • 離婚が認められやすくなる
  • 婚姻費用を受け取れる(相手より収入が少ない場合)

■別居してから離婚する場合の注意点

  • 別居中に不貞行為を行わない
  • 親権を取りたいのであれば子どもと離れない
  • 離婚前でも可能な手当や助成金の手続をする

■別居しても配偶者の合意が得られず離婚できないときの対処法

  • 離婚調停を申し立てる
  • 調停もダメなら離婚裁判を申し立てる

■別居する前に準備する必要があること

  • 住む場所を確保する
  • 別居後の仕事を決めておく
  • 子どもの養育環境を確保する
  • 配偶者に離婚の原因があれば証拠を集めておく
  • 配偶者の収入や、配偶者名義の財産等を把握する

別居してから離婚するメリットや注意点をしっかり理解し、別居から離婚に向けての行動の参考にしてください。

また、別居や離婚の理由や実情は、夫婦によって様々です。

弁護士に依頼することで、離婚協議や離婚調停・訴訟、どの段階においても、依頼者に有利な条件を最優先にして交渉を進められます。

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