盗撮トラブルを起こした時に取るべき行動と弁護士に依頼するメリット
この記事を読んで理解できること
- 盗撮してトラブルになったらどうなる
- 盗撮してトラブルになった場合にやるべきこと
- 盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰
- 弁護士に依頼するその他のメリット
あなたは、
「盗撮してトラブルになったらどうなる」
「盗撮トラブルを早く解決したい」
「盗撮で警察沙汰になって逮捕されたくない」
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、盗撮してトラブルになった場合は、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。
なぜなら、盗撮トラブルでは、盗撮の被害者又は盗撮を目撃した周囲の人に身柄を押さえられ、警察に通報されるケースが多いからです。
そして、駆けつけた警察官にそのまま身柄を拘束され、逮捕される可能性もあるからです。
さらに、盗撮トラブルを解決するためには、被害者との示談を成立させることがとても重要ですが、盗撮をした本人や家族では、被害者の連絡先を教えてもらえない場合が多いからです。
弁護士を通すことで、被害者の心情も変わり、検察から被害者の連絡先を入手して、示談を成立させる可能性が高まります。
この記事では、1章で盗撮してトラブルになった場合はどうなるのか、2章では、盗撮してトラブルになった場合にやるべきことについて解説します。
さらに、3章では、盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰を、4章では、すぐに弁護士に依頼するメリットについて解説していきます。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
盗撮トラブルでは、被害者や周囲の人に気づかれて、その場で取り押さえられる現行犯逮捕が多いです。
ただし、被疑者が初犯で盗撮を認めていて、定職に就いて身元もはっきりしている場合は、逮捕されずに身柄を解放され、在宅事件として捜査が続けられる場合もあります。
また、現行犯逮捕以外にも、警察による捜査によって被疑者が特定され、後日、逮捕状が発付され逮捕される場合もあります。
盗撮でトラブルになった場合は、すぐに弁護士に依頼して、被害者との示談を成立させることが重要です。
また、盗撮で逮捕された場合は、一刻も早い身柄の解放と、前科のつかない不起訴処分を求めることが重要です。
■盗撮で逮捕された場合に適用される罪と刑罰
1章:盗撮してトラブルになったらどうなる
盗撮してトラブルになった場合、次の3つのケースがあげられます。
- 現行犯逮捕され警察に身柄を拘束される
- 身柄は拘束されず在宅事件となる
- 後日、通常逮捕される
それぞれ解説していきます。
1-1:現行犯逮捕され警察に身柄を拘束される
盗撮トラブルでは、被害者や周囲の人に気づかれて、その場で取り押さえられる現行犯逮捕が多いです。
被害者や目撃者などの一般人による現行犯逮捕は、私人逮捕として犯行直後で、緊急を要する場合に認められています。
電車や駅などで盗撮の現行犯として逮捕された場合は、駅員室に連れていかれて、連絡を受け駆け付けた警察に引き渡され、身柄を拘束されることになります。
盗撮で逮捕された後の流れは、下の図のようになります。
盗撮で逮捕された後、警察・検察では、盗撮事件の捜査を行い、刑事裁判に向けての証拠(被害者の証言等)を集めます。
この捜査の期間、検察官による被疑者に対する聞き取りが行われ、逮捕後72時間以内に勾留請求の判断が下され、裁判官に勾留が認められた場合は、そのまま身柄が拘束されることになります。
盗撮で現行犯逮捕された場合については、詳しくは次の記事で解説しています
【家族が盗撮で現行犯逮捕】すぐにやるべきことと弁護士にできること
1-2:身柄は拘束されず在宅事件となる
盗撮してトラブルになった場合は、通報を受けて駆けつけた警察官に、被疑者として身柄を確保され、盗撮した事実の認否が確認されます。
また、盗撮に使用したとされる携帯電話やスマホ・小型カメラ等の提出を求められます。
さらに警察による、被害者や目撃者に対する聞き取り捜査や現場検証(実況見分)が行われます。
盗撮事件では、被疑者が初犯で盗撮を認めていて、定職に就いて身元もはっきりしている場合は、逮捕されずに身柄を解放される場合もあります。
この場合、被疑者の身柄は解放されますが、在宅事件として捜査は続けられます。
1-3:後日、通常逮捕される
盗撮では、現行犯逮捕以外に、警察による捜査によって被疑者が特定され、後日、逮捕状が発付され逮捕されることがあります。
これは通常逮捕と呼ばれます。
よくあるケースとしては、盗撮が発覚した時点では逮捕を免れたものの、その後の捜査によって防犯ビデオの映像などから被疑者が特定された場合などです。
また、会社や学校、住居などで、設置された盗撮用のカメラが発見された場合なども、警察の捜査が始められ、後日、通常逮捕に至ることがあります。
2章:盗撮してトラブルになった場合にやるべきこと
盗撮してトラブルになった場合にやるべきことは、すぐに弁護士に依頼して、被害者との示談を成立させることになります。
さらに弁護士に依頼することによって、身柄の解放や不起訴を求めることもできます。
それぞれ解説していきます。
2-1:すぐに弁護士に相談する
前述したように、盗撮トラブルでは、盗撮の被害者又は盗撮を目撃した周囲の人に身柄を押さえられ、警察に通報されるケースが多いです。
そして、駆けつけた警察官にそのまま身柄を拘束され、逮捕される可能性もあります。
そのため、盗撮トラブルになった場合は、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。
2-2:弁護士に被害者との示談交渉を依頼する
盗撮トラブルを解決するには、早期に被害者との示談を成立させることが重要です。
しかし前述したように、盗撮をした本人や家族では、被害者の了承が得られず連絡先を教えてもらえない場合が多いです。
弁護士を通すことで、被害者の心情も変わり、検察から被害者の連絡先を入手して、示談を成立させる可能性が高まります。
ここで、示談成立のメリットと示談交渉の流れと示談金の相場について解説します。
2-2-1:示談成立のメリット
盗撮事件において示談を成立させるメリットは、次の3つです。
- 身柄を解放される可能性が高くなる
- 前科がつかない不起訴処分の可能性が高くなる
- 判決で減刑される可能性が高くなる
なぜなら、被害者との示談が成立しているということは、
「被害者とのトラブルは解決している」
「被害者の許しを得ている」
「被疑者は十分反省している」
と、警察や検察官、裁判官に判断されるからです。
そのため、示談が成立することによって、早期に身柄を解放される可能性や、初犯であれば不起訴処分になる可能性も高くなります。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を刑事裁判にかけない、つまり罪に問わない決定をすることです。
また、起訴された後でも、示談が成立し被害者の許しが得られたと判断されれば、量刑が軽くなり罰金刑になる可能性や、執行猶予がつき実刑を免れる可能性も高くなります。
執行猶予とは、有罪の判決を下されたが、その刑の執行を猶予する期間を与えるということなので、被告人はすぐに社会復帰することができます。
そのため、盗撮事件においては、なるべく早い段階で示談を成立させることがとても重要です。
2-2-2:示談交渉の流れと示談金相場
弁護士による示談交渉の流れは、次のようになります。
- 検察官を通じて被害者と連絡を取る
- 被害者に被疑者の謝罪文を提出する
- 被害者と示談金額、示談条件を交渉する
- 示談書を作成する
- 示談内容を履行する
- 示談書を検察官や裁判所に提出する
示談金は、被害者との交渉によって決められますが、盗撮の示談金の相場としては、10~50万円程度となることが多いです。
ただし、次のような場合は、100万円を超えるなど高額な慰謝料となることもあります。
- 盗撮行為が執拗に繰り返されるなど悪質な場合
- 被害者が未成年の場合や精神的被害が大きい場合
- 加害者の社会的地位が高い場合
このように、盗撮事件での被害者との示談交渉は、連絡や交渉、示談金額の判断においても、弁護士でなければ成立させることは難しいと言えます。
2-3:逮捕された場合に弁護士にできること
盗撮事件で逮捕された場合に、弁護士にできることとして次の2つがあげられます。
- 一刻も早い身柄の解放を求める
- 不起訴を求める
それぞれ解説していきます。
2-3-1:一刻も早い身柄の解放を求める
弁護士に依頼することで、逮捕後身柄を拘束された被疑者の、早期釈放を求める弁護活動をすることができます。
1-1の図にあるように、逮捕後72時間の間、身柄の拘束は続きます。
弁護士であれば、逮捕直後から証拠隠滅や逃走の恐れがないなど、勾留の必要性がないことを訴えて、身柄の解放を求めることができます。
また、勾留請求が出された場合は、裁判官に対して勾留請求の却下を求め、もし勾留が決定した場合は、勾留に対しての不服を申し立てる「準抗告」を行うことができます。
ここまでの間に、被害者との示談が成立している場合は、さらに釈放される可能性が高くなります。
釈放された後も在宅事件として捜査は続きますが、被疑者は普段通りの生活に戻ることができるので、会社や学校にも行くことができます。
早期に釈放されることで、盗撮事件で逮捕されたことが周囲に知られるリスクは減り、社会生活への影響を最小限にすることができます。
2-3-2:不起訴を求める
弁護士に依頼することで、検察官に対して、不起訴処分を求める弁護活動をすることができます。
弁護士は依頼を受けると、すぐに被害者との示談交渉を始め、示談成立を目指します。
また、盗撮の被害者が不特定多数で、示談交渉が行えない場合でも、被疑者に有利な実情をまとめて検察官に意見書として提出します。
被疑者に有利な実情としては、
- 初犯である
- 被疑者は深く反省している
- 家族があり再犯の可能性が低い
- 定職に就き真面目に生活している
など、被疑者の生活状況や再犯防止策まで考慮したものがあげられます。
このように弁護士が、不起訴処分を得るための適確な行動を積極的行うことによって、不起訴処分を得られる可能性が高まります。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を刑事裁判にかけない、つまり罪に問わない決定をすることで、当然前科はつきません。
現在の刑事裁判では、起訴されてしまうとほとんどのケースが有罪となってしまうので、その結果前科がつき、被疑者本人や家族にとっては大きなマイナスとなります。
そのため、弁護士の検察官に対する弁護活動によって、前科のつかない不起訴処分を得ることは、大変重要となります。
3章:盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰
盗撮で逮捕された場合に適用される罪と刑罰は、下の表となります。
それぞれ解説します。
3-1:迷惑防止条例違反|1年以下の懲役または100万円以下の罰金
迷惑防止条例違反では、各都道府県の条例によって差がありますが、例えば東京都が定める迷惑防止条例違反の場合は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されることになります。
常習の場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
迷惑防止条例では、公共の場所や公共の乗物での盗撮行為を規制するだけでなく、住居、便所、浴場、更衣室や不特定又は多数の人が、入れ替わり立ち替わり利用する学校、会社、カラオケボックス、タクシーなどの場所・乗物なども規制対象場所となっています。
盗撮行為としては、衣服を着けない状態の撮影だけでなく、着衣のままでも性的な部位の撮影などは処罰されることがあります。
また、撮影目的でカメラを向けた、あるいはカメラを設置した場合も処罰される可能性があります。
3-2:軽犯罪法違反|1日以上30日未満の拘留または科料
軽犯罪法違反では、公共の場以外の、人の住居や浴場、更衣場、便所その他での盗撮を、のぞき見行為として規制しています。
そのため、公共の場所以外の、あらゆる場所が規制対象場所となり、盗撮が規制されることになります。
軽犯罪法違反の罰則としては、1日以上30日未満の拘留または1,000円以上1万円未満の科料が科せられます。
3-3:住居侵入罪・建造物侵入罪|3年以下の懲役または10万円以下の罰金
盗撮目的での他人の私有地や建造物への不法侵入は、住居侵入罪・建造物侵入罪として逮捕されることがあります。
住居侵入罪・建造物侵入罪の罰則としては、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。
ほかにも、被害者が18歳未満の場合は、児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造罪)に問われる可能性もあります。
児童ポルノ製造罪の罰則としては、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となっています。
4章:弁護士に依頼するその他のメリット
前述したように、盗撮で逮捕された場合、被害者との示談交渉を進めるためには、弁護士に依頼することが極めて重要であると言えます。
その他にも弁護士に依頼するメリットとして、次の3つがあげられます。
- 弁護士であれば逮捕直後から面会できる
- 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
- 自分にとって不利な供述を防げる
それぞれ解説していきます。
4-1:弁護士であれば逮捕直後から面会できる
弁護士であれば、逮捕直後から被疑者と面会(接見)して、今後の見通しについて説明し、取り調べの際の注意点など助言することができます。
弁護人による接見は、原則として自由に面会することができるので、必要なものや書類などを差し入れすることもできます。
さらに、接見の際に立会人が付くこともないので、被疑者に今後の流れや状況を説明し、適切なアドバイスをすることが可能になります。
被疑者と家族が面会できるのは、警察からの連絡のあと捜査が進み、勾留が決定されてからになるので、逮捕から約3日後となります。
さらに、被疑者に接見禁止処分が付された場合には、弁護人以外との面会が禁止されるので、家族でも面会することはできません。
これに対し、逮捕直後から認められている弁護士による接見は、被疑者にとっては大きな支えとなります。
4-2:精神的負担や事務的な負担を軽減できる
弁護士に依頼することで、経験に基づいた今後の見通しや適切なアドバイスを受けられるので、被疑者や家族の精神的な負担を軽減することができます。
さらに、迅速な行動によって、すぐに弁護活動や示談交渉にとりかかることで、早期の身柄の解放や示談成立を目指すことができます。
また、被害者との対応をはじめ、警察、検察さらには裁判所に対する手続きや、示談書・意見書の作成など様々な事務的負担を軽減することができます。
盗撮で逮捕された場合、被疑者本人はもとより家族も、どうしてよいのかわからず混乱されることが多いようです。
弁護士に依頼することで、逮捕後の被疑者・家族の不安や負担を最小限にすることができます。
4-3:自分にとって不利な供述を防げる
弁護士であれば、接見する際に逮捕後の捜査・取り調べの流れなどの説明や、取り調べでの誤った自白や不利益な供述などを避けるための具体的なアドバイスをすることができます。
被疑者は、盗撮で逮捕されて、家族にも面会できない不安な状態で、警察による厳しい取り調べを受けると、間違った供述(不利益な供述)をしてしまう場合があります。
また、取調官の言いなりになって供述すると、十分な証拠や正当な手続きを得ないままの不当逮捕であっても、そのまま認めてしまったり、さらには被疑者が盗撮をした事実がない場合でも、プレッシャーに負けて認めてしまうことがあるようです。
弁護士による、早い段階からの接見によって、そのような不利益な供述をするリスクを最小限にすることができます。
まとめ
ここまで、盗撮してトラブルになったらどうなるのか、またその時にやるべき行動などについて解説してきました。
最後に、今回の内容をまとめます。
盗撮トラブルでは、被害者や周囲の人に気づかれて、その場で取り押さえられる現行犯逮捕が多いです。
ただし、被疑者が初犯で盗撮を認めていて、定職に就いて身元もはっきりしている場合は、逮捕されずに身柄を解放され、在宅事件として捜査が続けられる場合もあります。
また、現行犯逮捕以外にも、警察による捜査によって被疑者が特定され、後日、逮捕状が発付され逮捕される場合もあります。
盗撮でトラブルになった場合は、すぐに弁護士に依頼して、被害者との示談を成立させることが重要です。
また、盗撮で逮捕された場合は、一刻も早い身柄の解放と、前科のつかない不起訴処分を求めることが重要です。
■盗撮で逮捕された場合に適用される罪と刑罰
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。