【風俗トラブル】よくある4パターンとケース別の対処法を弁護士が解説
この記事を読んで理解できること
- 風俗トラブルでよくある4つのケース、罰則と示談金相場
- 風俗トラブルでお店ともめたときの4つの注意点
- 風俗トラブルは弁護士に依頼するのがおすすめ
- 弁護士による示談交渉の進め方
あなたは、
「風俗でトラブルを起こしてしまった、どうしよう」
「風俗トラブルで慰謝料を請求された」
「風俗トラブルを警察沙汰にしたくない」
などの、不安や悩みをお持ちではありませんか。
結論から言うと、風俗トラブルを起こしてしまったり、風俗店とのトラブルに巻き込まれた場合は、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。
なぜなら、風俗店から本番行為(性交)や盗撮行為などを訴えると脅されたり、罰金や慰謝料を請求されるケースでは、不当な請求や多額の慰謝料を繰り返し要求されることもあるからです。
さらに、警察沙汰になって家族や会社に知られてしまう可能性もあります。
風俗トラブルに巻き込まれた場合は、早めに弁護士に相談して、法外な慰謝料を払わされたり、警察沙汰になる前に、示談を成立させることが重要だと言えます。
弁護士による示談の実際の例では、トラブルの内容や状況によって変わってきますが、本番行為を強要した際の示談金は、数万円程度~100万円程となっています。
この記事では、1章では、風俗トラブルのよくある4つのケースと、その罰則や示談金相場を、2章では、風俗トラブルでお店ともめたときの4つの注意点を解説します。
さらに、3章では、風俗トラブルは弁護士に依頼されることをおすすめする理由と、4章では、弁護士による示談交渉の進め方について解説していきます。
あなたが関心のあるところから読んで、トラブルが早く解決できるように、今後の行動の参考にしてください。
目次
1章:風俗トラブルでよくある4つのケース、罰則と示談金相場
風俗店では、利用客と女性従業員が密室で1対1になることから、利用客が節度を保てず軽はずみな行為によってトラブルとなることがあります。
また場合によっては、女性から誘われた行為であっても、女性に「強要された」と訴えられて、お店側とトラブルになることもあります。
この章では、風俗トラブルでよくあるケースと、その罰則や示談金相場などを解説していきます。
風俗トラブルでよくあるケースとしては、次の4つがあげられます。
- 本番行為を強要してしまった
- 盗撮行為をしてしまった
- 過剰なサービスを強要してしまった
- 児童買春など犯罪行為の可能性がある
1-1:本番行為を強要してしまった
風俗店で女性従業員に、本番行為を強要した場合は、刑法第177条の強制性交等罪が成立する可能性があります。
強制性交等罪の罰則としては、未遂の場合でも5年以上の有期懲役となり得ます。
刑法第177条(強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
また、風俗店の利用客と女性従業員との本番行為は、売春防止法違反(第二条、第三条)になります。
ただし、この場合、実際に金銭の受け渡しがあったとしても、本番行為を行った当事者に対しては、罰則は定められていません。
しかし、店側が、サービスとして本番行為を客や従業員に認めたりあっせんしたりすることは、売春防止法違反(第六条、第十一条、同2)となります。
第六条の売春の周旋の罰則としては、風俗店の経営者に対して、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金が科せられます。
そのため、風俗店では、原則として客と従業員の本番行為を禁止しているのです。
「売春防止法」
- 第二条 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。
- 第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。
- 第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
- 第十一条 情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
- 2 売春を行う場所を提供することを業とした者は、七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
このように、風俗店で本番行為を強要した場合は、女性が本番行為を強要されたと主張して強制性交等罪が成立する可能性があります。
また、風俗店側に、店で禁止している本番行為を行ったとして多額の金銭を要求されたり、警察に被害届を出すと脅されるなどのトラブルになる可能性があります。
本番を強要したときの示談金の相場としては、数万円程度~100万円までと、事例それぞれで大きな差があります。
ただし、示談の内容、示談金額は当事者の合意で決まるので、店からすでに被害届が出されていたり、穏便に済ませようと加害者(利用客)が同意した場合は、高額な示談金になることがあります。
1-2:盗撮行為をしてしまった
風俗店で盗撮行為をしてしまった場合は、軽犯罪法違反、または、都道府県で定められている迷惑防止条例で処罰される可能性があります。
軽犯罪法違反による刑罰は、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘留されるか、1000円から1万円未満の範囲で科料が科されます。
迷惑防止条例違反では、各都道府県の条例によって差がありますが、例えば東京都が定める迷惑防止条例違反の場合は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されることになります。
最近では、スマートフォンのカメラ機能を利用して盗撮におよんだり、ホテルなどに女性を呼んだ際に、事前に設置していたカメラで盗撮するケースなどがあります。
盗撮による風俗トラブルの示談金の相場としては、10万円~100万円程度と事例によって差がありますが、
画像や動画を保存するだけでなく、ネットなどにアップした場合には、示談金も高額になることが多いです。
1-3:過剰なサービスを強要してしまった
風俗店で女性従業員に、過剰なサービスを強要した場合は、刑法176条の強制わいせつ罪、または刑法223条の強要罪が成立する可能性があります。
強制わいせつ罪の罰則としては、6ヶ月以上10年以下の懲役、また強要罪の罰則としては、3年以下の懲役となります。
いずれも、未遂の場合でも処罰対象となります。
例えば、風俗店を利用した際に、店も女性従業員も全裸によるサービスは行っていないと明示しているにもかかわらず、わいせつ行為を強要した場合は、強制わいせつ罪に問われる可能性があります。
また、わいせつな行為に限らず女性が嫌がるような行為を強要した場合は、強要罪に問われる可能性があります。
どちらの場合も、利用客と女性との意識のずれや、利用客としては強要した覚えがなくても、強要されたと主張されて訴えられることもあります。
この場合は、風俗店ではなく実際に被害にあった女性(被害者)から、警察に対して被害届が出されることになります。
1-4:児童買春など犯罪行為の可能性がある
利用した風俗店の女性従業員が、18歳未満だと知りながら性的サービスを受けた場合は、各都道府県の青少年保護育成条例違反や、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があります。
児童買春罪の罰則としては、5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています。
青少年保護育成条例違反では、各都道府県の条例によって差がありますが、例えば東京都が定める青少年保護育成条例違反の場合は、2年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されることになります。
2章:風俗トラブルでお店ともめたときの4つの注意点
ここまで説明してきたような風俗トラブルで、お店ともめたときの注意点としては、次の4つがあげられます。
- 慰謝料を請求されてもその場で支払わない
- 示談を強要されてもその場でサインしない
- 暴行を受けた場合は証拠を残す
- 脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する
それぞれ解説していきます。
2-1:慰謝料を請求されてもその場で支払わない
風俗トラブルとなった場合、風俗店内の密室において、店長や従業員から慰謝料や損害賠償金等として高額な支払いを迫られることがあります。
あなたがトラブル行為を実際に行った場合や、やってはいないけど怖くて逆らえない場合でも、相手の主張する慰謝料や損害賠償金等を、その場では支払わないことが大事です。
なぜなら、風俗店や女性従業員の請求する慰謝料や損害賠償金等が、法的に正当な請求なのか、またその請求する金額は、法外な金額ではなく妥当なものなのか判断する必要があるからです。
どうにかその場をやり過ごし、言われるままにその場で支払うことは避けて、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
2-2:示談を強要されてもその場でサインしない
慰謝料や損害賠償金等を要求される際に、風俗店側から示談書にサインを強要される場合があります。
また、示談書と同じように、相手の言うとおりに誓約書などを書けと強要されることもあります。
これらの場合は、どちらも相手に有利なように不当な条件が盛り込まれていたり、意図的に示談書としては不備な点があるなど、あなたにとっては大変リスクを伴うことが多いです。
そのため、その場で強要されるままに示談書にサインしたり、誓約書等を作成することは、極力避ける必要があります。
2-3:暴行を受けた場合は証拠を残す
風俗トラブルとなって、風俗店の店長や従業員に殴る蹴るなどの暴行を受けた場合は、写真や診断書などの証拠を残しておくことが重要です。
診断書は、身体的な傷だけでなく、精神的なストレスや不調などでも、風俗店側の暴行や脅迫行為によって身体的障害が生じたという証拠となるものであれば有効です。
こうした証拠を残すことによって、示談交渉の際に有利となるだけでなく、後で警察から事情を聴かれたときには有力な証拠として活用できます。
2-4:脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する
風俗トラブルの際に、あなたの個人情報を握られて、「慰謝料を払わなければ、会社や家に押し掛けるぞ」など言って、脅迫・恐喝を受けた場合は、すぐに弁護士に依頼されることが重要です。
風俗トラブルによるこうした悪質な行為は、脅迫罪・恐喝罪にあたる可能性があります。
会社や家族に、できれば知られないで済むようにするためにも、弁護士を通して早期解決を図ることが大事です。
3章:風俗トラブルは弁護士に依頼するのがおすすめ
ここまで解説したように、どのような形であれ風俗トラブルとなってしまった場合は、被害者である女性と示談交渉をする必要があります。
そのためには、風俗トラブルなどの示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。
ここで、弁護士に依頼するメリットとしては、次の5つがあげられます。
- 適正な示談(示談書)を結べる
- 不当な請求を拒否できる
- トラブルが蒸し返されるのを防げる
- 刑事事件になるのを防げる
- 家族や職場に知られずに解決できる
それぞれ解説していきます。
3-1:適正な示談(示談書)を結べる
示談とは、事件の当事者同士が裁判によらずに、当事者間の話し合いによる合意によって事件を解決することを言います。
示談書とは、示談が成立した合意内容を記載した書面のことです。
風俗トラブルを弁護士に依頼することによって、弁護士があなたに代わって、相手(被害者)である女性従業員と示談交渉を行うことができます。
弁護士が示談交渉することによって、トラブルの内容、状況において妥当な示談金額を交渉し、適正な内容で、法的に効力のある示談書を作成することができます。
もし、2-2のような状況で示談書にサインをしてしまった場合には、弁護士がトラブルの状況や相手の言い分などを聞き、改めて交渉することによって、示談金の減額や今後のトラブルを避けるための合意書等を得られることもあります。
弁護士による示談交渉の進め方については、この後の4章で詳しく解説します。
3-2:不当な請求を拒否できる
弁護士に依頼することによって、風俗トラブルで風俗店側が不当な請求をしてきた場合に、その請求が妥当なものか判断し、場合によっては請求を拒否することもできます。
風俗トラブルの相手(被害者)は女性従業員であり、
風俗店の請求自体が法的な根拠のない場合も多いです。
また、被害にあった女性からの請求であっても、法外な慰謝料を請求された場合は、妥当な金額まで減額できるように交渉します。
3-3:トラブルが蒸し返されるのを防げる
弁護士に依頼して示談交渉をおこない、適正な示談書を作成することによって、後になってトラブルが蒸し返されることを防ぐことができます。
弁護士が示談書を作成する際には、内容として「この示談書に書かれているもの以外の債権債務はない」とする清算条項を記載することが非常に多いです。
この清算条項によって、示談書に記載した内容以外に、今後お互いに金銭等を請求することができなくなります。
また、風俗店にあなたの個人情報を破棄させることを示談書に加えられることもあります。
3-4:刑事事件になるのを防げる
1章で解説した違法行為によって、風俗トラブルの女性(被害者)が被害届や告訴状を提出して刑事事件になる可能性があります。
しかし、示談交渉を弁護士に依頼して、警察に被害届や告訴状を出さないことを条件に加えたうえで、示談を成立することができれば、刑事事件になることを防げる可能性が高くなります。
また、もし女性が被害届や告訴状を提出して刑事事件になった場合でも、示談が成立していれば、逮捕や起訴を免れる可能性が高くなります。
3-5:家族や職場に知られずに解決できる
風俗トラブルで依頼を受けた弁護士は、代理人として風俗店や女性に、今後依頼者やその家族、職場等に連絡をしないように求めます。
もし、この弁護士の警告に反して風俗店や女性が連絡した場合は、態様次第では脅迫・恐喝・名誉毀損といった犯罪行為として刑事告訴することもできます。
風俗店によっては、弁護士との交渉を心得ているところもありますから、民事・刑事ともに訴えられるような行動はとらない可能性が高いです。
そのため、弁護士が代理人として風俗店側と交渉することによって、家族や職場に知られずに解決できる可能性が高くなります。
4章:弁護士による示談交渉の進め方
ここまで解説してきたように、風俗トラブルとなった場合は、女性従業員(被害者)との示談を成立させる必要があります。
この章では、弁護士による示談交渉の進め方について解説します。
示談交渉の流れとしては、次のようになります。
- 事実関係の確認
- 風俗店に連絡
- 示談交渉
- 示談書の作成
それぞれ解説していきます。
4-1:事実関係の確認
弁護士は、まず事実関係の確認をします。
依頼者が、女性(被害者)に対してどのような状況で、どのような行動をとったのか、本番行為や盗撮等を実際に行ったのかなどを確認します。
また、依頼者が強要して行ったものか、女性の同意があったのか、逆に誘われたのかなど、事実関係を依頼者に詳しく聞き取りします。
弁護士には守秘義務がありますので、依頼者は人に話すのが恥ずかしい内容でも、真実を包み隠さずすべて答えましょう。
4-2:風俗店に連絡
依頼人からの聞き取りが終わった後、弁護士は風俗店側に連絡を入れます。
依頼者の代理人として事件解決のための交渉にあたること、女性(被害者)の意向などを聞き取り、必要であれば謝罪します。
このとき、3-5で解説したように、今後は依頼人や家族、職場への連絡はしないように求めます。
あわせて、この警告に反した場合は、法的処置をとることも伝えておきます。
4-3:示談交渉
依頼人や風俗店側からの聞き取りに基づいて、示談交渉を進めていきます。
このときすでに、風俗店側に強迫されてサインした示談書等がある場合は、相手側の違法な行為によるものなので、示談の取消や金銭の返金等も併せて求めていきます。
示談交渉は、できるだけ女性(被害者)と直接話をして依頼者への要求を聞き取り、双方が和解できる解決案を探っていきます。
示談金は、本番行為や盗撮など事件の内容によって相場は変わりますが、風俗店側の請求が高額な場合は、相場に合わせて減額を交渉していきます。
また、相手側に脅迫や恐喝等の行為があったと認められる場合は、刑事告訴もあり得る点なども伝えていきます。
4-4:示談書の作成
示談内容の合意ができた場合は、示談書を作成します。
- 行為・示談相手の特定
- 示談金額・支払方法・支払時期
- 被害届を出さない条項
- 接触禁止条項
- 清算条項
- 守秘義務条項
- 違約金条項
この中でも、お互いに接触や連絡をしないことを約束する接触禁止条項、示談書で定めた以外の債権債務が存在しないことを確認する清算条項、トラブルの事実をお互いに第三者に口外しないことを約束する守秘義務条項は、特に重要です。
以上の各条項を記入した示談書を2部作成し、双方に署名・押印をしてもらい、双方がそれぞれ1部ずつ保管します。
これに合わせて、風俗店側が取得した免許証のコピーや会社の名刺等、依頼者の個人情報が記載されたものの返却も求めます。
ここまで全て終了した時点で、弁護士による示談交渉は完了します。
風俗トラブルで困った場合は、決して一人で悩まず、すぐに弁護士にご相談ください。
まとめ
この記事では、風俗トラブルについて解説してきました。
最後に今回の内容をまとめます。
■風俗トラブルでよくある4つのケース、罰則と示談金相場
- 本番行為を強要してしまった
- 盗撮行為をしてしまった
- 過剰なサービスを強要してしまった
- 児童買春など犯罪行為の可能性がある
■風俗トラブルでお店ともめたときの4つの注意点
- 慰謝料を請求されてもその場で支払わない
- 示談を強要されてもその場でサインしない
- 暴行を受けた場合は証拠を残す
- 脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する
■風俗トラブルは弁護士に依頼するのがおすすめ
- 適正な示談(示談書)を結べる
- 不当な請求を拒否できる
- トラブルが蒸し返されるのを防げる
- 刑事事件になるのを防げる
- 家族や職場に知られずに解決できる
■弁護士による示談交渉の進め方
- 事実関係の確認
- 風俗店に連絡
- 示談交渉
- 示談書の作成
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。