【家族が痴漢で逮捕】すぐに取りたい行動と知っておきたい3つのこと
この記事を読んで理解できること
- 家族が痴漢で逮捕された場合に知っておくべき3つのポイント
- 痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰
- 痴漢で逮捕された後の流れ
- 家族が痴漢で逮捕された場合にやるべき4つの行動
- すぐに弁護士に依頼するメリット
あなたは、
「家族が痴漢で逮捕されたらどうすればいいの?」
「痴漢で逮捕されたらどうなってしまうのか知りたい」
「家族が痴漢で逮捕されたが、示談で済ませたい」
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、家族が痴漢で逮捕された場合は、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。
なぜなら、痴漢で逮捕された場合、次のようなリスクがあるからです。
- 最長23日間、身柄を拘束される
- 会社や学校に知られる恐れがある
- 起訴され有罪になると前科がつく
これらのリスクを最小限にするためには、下の図にあるように、逮捕後72時間以内に、検察に対して身柄の解放を求めることがとても重要です。
弁護士に依頼することで、素早い弁護活動を行い
- 捜査機関と交渉して早期釈放を得る
- 被害者と示談を成立させて不起訴を得る
可能性が高まります。
痴漢事件では、被害者との示談を成立させることがとても重要ですが、痴漢をした本人や家族では、被害者の連絡先を教えてもらえない場合が多いです。
弁護士を通すことで、被害者の心証も変わり、検察から被害者の連絡先を入手して、示談を成立させる可能性が高まります。
この記事では、1章で家族が痴漢で逮捕された場合に知っておくべき3つのポイントを、2章では、痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰を、3章では、痴漢で逮捕された後の流れについて解説します。
さらに、4章では、家族が痴漢で逮捕された場合にやるべき4つの行動を、5章では、すぐに弁護士に依頼するメリットについて解説していきます。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■家族が痴漢で逮捕された場合にすぐにやるべきこと
被害者との示談を成立させることが最も重要です。
また、勾留が判断される逮捕後「72時間以内」の弁護活動がとても重要です。
■痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰
■被害者との示談を成立させる3つのメリット
- 身柄を解放される可能性が高くなる
- 前科がつかない不起訴処分の可能性が高くなる
- 判決で減刑される可能性が高くなる
ただし、弁護士でなければ、被害者との示談交渉は難しいため、すぐに弁護士に依頼されることをおすすめします。
目次
1章:家族が痴漢で逮捕された場合に知っておくべき3つのポイント
家族が痴漢で逮捕された場合に、まず知っておくべきポイントが3つあります。
- 家族が痴漢で身柄を拘束されていれば「72時間以内」の対応が重要
- 家族が痴漢で逮捕された場合の3つのリスク
- 家族が痴漢で逮捕された場合はすぐに弁護士に依頼する
それぞれ解説していきます。
1-1:家族が痴漢で身柄を拘束されていれば「72時間以内」の対応が重要
家族が痴漢で逮捕されて、すでに身柄を拘束されている場合は、逮捕から「72時間以内」に、身柄の解放を求める弁護活動が重要となります。
なぜなら上の図にあるように、逮捕から「72時間以内」に検察官によって、逮捕した被疑者を刑事施設に留置して拘束するための勾留請求が行われるからです。
裁判官に勾留請求が認められると、検察官によって起訴・不起訴が判断されるまで、最長20日間身柄が拘束されることになります。
素早い弁護活動によって、勾留を阻止して早期釈放が認められた場合は、社会生活へ復帰することができるので、痴漢による逮捕の影響を最小限におさえることができます。
このように、家族が痴漢で逮捕された場合は、一刻も早く身柄の解放を求めていく必要があります。
痴漢で逮捕された後の流れは、この後の3章で詳しく解説します。
1-2:家族が痴漢で逮捕された場合の3つのリスク
家族が痴漢で逮捕された場合のリスクとしては、次の3つがあげられます。
- 会社や学校に知られる恐れがある
- 前科・前歴がつく
- 実名報道される可能性がある
先に説明したように、逮捕されて身柄を拘束され、勾留が決定すると、逮捕から最長23日間も通常の生活に戻れないことになります。
通常、警察の方から会社や学校に連絡がいくことはありませんが、知られないためにはまず早期釈放を目指すことが大事です。
さらに、早期に被害者との示談を成立させるなどの弁護活動によって、不起訴を得ることができれば、会社や学校に逮捕を知られることなく、無事に元の生活に戻れる可能性が高まります。
また、痴漢で逮捕された時点で前歴(犯罪の捜査を受けた記録)はつきますが、不起訴となれば裁判で有罪判決を受けることもないので、「前科」はつきません。
前科や前歴は、通常周囲に知られることはありませんが、特に前科がついた場合は、資格や免許の取り消しや、就職・転職の際にどうしても不利になります。
そして、痴漢で逮捕された場合、被疑者の職業や社会的地位、またその犯行の内容によっては、マスコミで取り上げられて実名報道される可能性があります。
マスコミで広く取り上げられた場合は、インターネット上にも事件・実名が残される可能性もあります。
1-3:家族が痴漢で逮捕された場合は、すぐに弁護士に依頼する
家族が痴漢で逮捕された場合は、すぐに弁護士に依頼することが重要です。
ここまで解説してきたように、痴漢で逮捕された場合は、3つのリスクを避けるために、検察や捜査関係者に対して素早い対応と弁護活動を行っていく必要があります。
また、痴漢で逮捕された場合は、被害者との示談を成立させることがとても重要です。
しかし、痴漢事件では、被害者の連絡先を知ることは難しく、弁護士に依頼することでようやく連絡先を教えてもらうことが許されて、示談交渉が始められるケースが多いです。
弁護士が代理人として、被害者との示談交渉を進めることによって、被害者の心情を考慮したうえで、適切な内容、示談金による示談が成立する可能性が高まります。
2章:痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰
痴漢で逮捕された場合に適用される罪と刑罰は、次の2つです。
- 迷惑防止条例違反|6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金
- 強制わいせつ罪|6ヶ月以上10年以下の懲役
それぞれ解説していきます。
2-1:迷惑防止条例違反|6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金
迷惑防止条例は、各都道府県が定めたもので、それぞれ内容や罰則に若干の違いがあります。
迷惑防止条例に違反する痴漢行為としては、一般的には直接または衣類の上から他人の身体に触れた場合となります。
罰則としては、例えば東京都の場合では、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
初犯で痴漢行為が悪質でなく反省が見られる場合は、迷惑防止条例違反として罰金刑が科せられるケースが多いです。
さらに、被害者との示談が成立している場合は、不起訴になる可能性もあります。
2-2:強制わいせつ罪|6ヶ月以上10年以下の懲役
強制わいせつ罪は、刑法によって定められており、一般的には着衣の中に手を入れたり、長時間触り続けるなど、痴漢行為が悪質な場合となります。
被害者が13歳未満だった場合は、比較的軽度な痴漢行為であっても、強制わいせつ罪が適用されます。
罰則としては、6ヶ月以上10年以下の懲役という重いものになっています。
強制わいせつ罪は、初犯であっても起訴される可能性があり、罰金刑がないので、有罪になれば執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。
3章:痴漢で逮捕された後の流れ
痴漢で逮捕された後の流れは、下の図のようになります。
- 逮捕後、警察署で取調べ|48時間以内
- 検察官送致、勾留の判断|24時間以内(逮捕後72時間以内)
- 勾留|原則10日間(延長さらに10日間)
- 検察、起訴・不起訴の判断|逮捕後最長23日間
- 裁判、判決が下される
順番に解説していきます。
3-1:逮捕後、警察署で取調べ|48時間以内
痴漢の逮捕では、犯行直後に現場で、被害者や目撃者によって取り押さえられる「現行犯逮捕」が多いです。
ただし、現場では身柄を拘束されず、帰宅を許された場合でも、その後の捜査による防犯カメラの映像や被害者に付着していた加害者のものと思われるDNAなどを証拠として、後日「通常逮捕」される可能性がないとは言えません。
痴漢で逮捕された場合は、被疑者として身柄を拘束され、警察の取り調べを受けます。
担当刑事の取り調べでは、動機や犯行に至るまでの状況、内容等の聞き取りが行われ「供述調書」が作成されます。
その後、逮捕から48時間以内に、事件の被疑者・書類・証拠物を検察官に送致します。
警察に身柄を拘束された場合、被疑者の希望があれば、警察から家族などに連絡をしてもらえます。
ただし、逮捕期間中の被疑者との面会は、弁護士以外は認められません。
3-2:検察官送致、勾留の判断|24時間以内(逮捕後72時間以内)
送致された後は、検察官による被疑者に対する聞き取りが行われ、送致から24時間以内に検察官は、被疑者の勾留を請求するか判断します。
これによって、被疑者は、逮捕後72時間以内に勾留請求の判断が下され、裁判官に勾留が認められた場合は、そのまま身柄が拘束されることになります。
この時、被疑者に前科前歴が無く、自らの痴漢行為を全面的に認め、身元が明確な場合は、検察官による勾留請求がされなかったり、または勾留請求がされても裁判所が勾留請求を客観することで、釈放される場合もあります。
しかし、被疑者に前科前歴があったり、痴漢行為を否認する場合などは、さらなる捜査が必要として、勾留請求され、また裁判所も勾留請求を認める傾向になります。
3-3:勾留|原則10日間(延長さらに10日間)
勾留が決定すると、その日から原則として10日間、被疑者は警察署の留置場で身柄を拘束されることになります。
さらに、DNA鑑定などで時間がかかり捜査が終わらない場合や、被疑者が痴漢行為を否認し続けていたり、他に余罪があり捜査が必要な場合は、検察官は勾留延長を請求することができます。
裁判所がこの請求を認めた場合は、勾留はさらに10日間延長されることになります。
3-4:検察、起訴・不起訴の判断|逮捕後最長23日間
一般的に、検察官は、逮捕後23日間の勾留期間が満期となる時点で、起訴・不起訴を判断します。
検察官によって起訴された場合は、刑事事件として裁判手続きが行われ、被疑者は被告人となります。
検察官に罰金刑が相当と判断され、被疑者が手続きに同意した場合は、略式起訴として刑事手続きは終わり、被疑者は釈放されます。
略式起訴は、100万円以下の罰金・科料に相当する事件で行われ、被疑者には有罪判決が下されたことになるので前科がつきます。
不起訴になると刑事裁判にはならず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。
3-5:裁判
刑事裁判の場合は、検察官の起訴から約1~2ヶ月後に、第1回公判が開かれます。
公判では、被告人は必ず出廷し、検察、弁護人それぞれの証拠等をもとに、裁判官が判決を下すことになります。
痴漢事件では、被疑者が犯行を認め事実関係に争いがなければ、最初の1回で審理が終了し、公判から約1ヶ月以内に判決が言い渡されることが多いです。
最終的に有罪の判決を受けた場合は、前科がつくことになります。
3-6:未成年者が痴漢で逮捕された場合
未成年者が痴漢で逮捕された場合、14歳以上であれば、少年事件として、成人と同じように警察から検察官に被疑者として送致され勾留されます。
そして、原則としてすべての少年事件は家庭裁判所へ全件送致されます。
家庭裁判所で審判が開かれ、裁判官によって被疑者の更生を目指した処分が下されます。
処分としては、次の4つとなります。
- 不処分:将来再び非行を行う危険性がないと判断される
- 保護観察:保護観察官や保護司の指導・監督を受ける
- 児童自立支援施設又は児童養護施設への送致:原則として自由で開放的な環境の中で生活指導・訓練を受ける
- 少年院送致:少年院に収容して矯正教育を受ける
14歳未満の未成年者が逮捕された場合は、「触法少年」と呼ばれ、刑事事件を問われることはなく、逮捕されることはありません。
しかし、現実的には事件についての調査として、14歳以上の少年と同じように警察での事情聴取や身柄の拘束を受けることになります。
警察の調査によって保護措置が必要と判断されると、児童相談所に送致され本人、並びに保護者に指導や注意、さらには一時保護という形で身柄を拘束されることになります。
児童相談所長によって家庭裁判所の審判を受けることが適当であると認められた場合には、家庭裁判所に送致され、一般的な少年事件と同じ流れになります。
4章:家族が痴漢で逮捕された場合にやるべき4つの行動
家族が痴漢で逮捕された場合にやるべき行動は、次の4つです。
- すぐに弁護士に依頼する
- 被害者と示談交渉をする
- 一刻も早い身柄の解放を求める
- 不起訴を求める
それぞれ解説していきます。
4-1:すぐに弁護士に依頼する
家族が痴漢で逮捕された場合、1章で解説したように、逮捕から「72時間以内」の弁護活動を行うために、すぐに弁護士に依頼することがとても重要です。
被疑者は逮捕後に身柄を拘束されていても、一度だけ当番弁護士(※)を呼ぶことはできますが、家族としてもできるだけ早めに弁護士を選んで、面会(接見)やその後の弁護活動を依頼することが重要です。
なぜなら、逮捕直後から被疑者本人を守り、身柄を解放するための積極的な働きかけをするには、弁護士による適切なアドバイスや釈放を求めるための迅速な行動が必要だからです。
また、被疑者に前科・前歴がある場合や余罪がある場合は、さらに重い処分が下される可能性があるため、すぐに弁護士に依頼することが重要です。
※当番弁護士とは、当番弁護士制度によって、逮捕後一度だけ無料で依頼することのできる弁護士のことです。
必ずしも刑事弁護に詳しい弁護士が来るわけではありません。
4-2:被害者と示談交渉をする
痴漢で逮捕された場合は、被害者との示談を成立させることがとても重要です。
痴漢事件における示談のメリットは、次の3つです。
- 身柄を解放される可能性が高くなる
- 前科がつかない不起訴処分の可能性が高くなる
- 判決で減刑される可能性が高くなる
なぜなら、示談が成立しているということは
「被害者と和解し、許しを得ている」
「被疑者は十分反省している」
と、警察や検察官、裁判官に判断されるからです。
示談が成立することによって、早期の身柄の解放を望むことができ、初犯であれば不起訴になる可能性もあります。
また、起訴された後でも、示談が成立し被害者の許しが得られたと判断されれば、量刑が軽くなり罰金刑になる可能性や、執行猶予がつき実刑を免れる可能性も高くなります。
そのため、なるべく早い段階で示談を成立させることが重要です。
1章で解説したように、痴漢事件の場合は、被害者との連絡を取ることも難しい場合が多いです。
4-3:一刻も早い身柄の解放を求める
家族が痴漢で逮捕された場合は、弁護士を通して、警察で送致前の釈放を求めたり、検察官、裁判官に対して勾留しないように働きかけることで、早期釈放を得られる可能性が高まります。
ここまで解説してきたように、逮捕されると同時に警察の取り調べは始まり48時間以内に検察官に送致され、検察官の取り調べを受けて必要であれば24時間以内に裁判所に勾留が請求されます。
この、逮捕直後から勾留請求されるまでの72時間の間に、できるだけ早く早期釈放を求めることが重要です。
弁護士に依頼することによって、被害者との示談が成立している場合は、さらに勾留されない可能性が高くなります。
釈放され在宅事件となった場合は、捜査は続いていますが、被疑者は普段通りの生活ができ、会社や学校にも行くことができます。
それだけでも、痴漢で逮捕された場合の社会生活におけるリスクを、少なからず抑えることができます。
4-4:不起訴を求める
家族が痴漢で逮捕された場合は、検察官が起訴の必要性を判断する勾留期間中(逮捕後13日以内)に、不起訴を求める弁護活動を行うことがとても大事です。
なぜなら、刑事事件においては、起訴された場合、保釈が認められなければ長期に渡り身体拘束が続くことになり、釈放されたとしても元の生活に戻ることが難しくなるため、検察官による不起訴処分を得ることがとても重要だからです。
不起訴処分を得るためには、弁護士を通して検察官に、証拠が不十分で被疑者に対する嫌疑が認められないことや、示談書や意見書を提出して、不起訴とすべき実情を主張する必要があります。
不起訴処分を得られた場合は、刑事裁判は行われず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。
5章:すぐに弁護士に依頼するメリット
ここであらためて、家族が痴漢で逮捕された場合、すぐに弁護士に依頼するメリットを、4つあげます。
- 早期の示談成立が見込める
- 弁護士であれば逮捕直後から面会できる
- 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
- 自分や家族にとって不利な供述を防げる
それぞれ解説していきます。
5-1:早期の示談成立が見込める
示談交渉を弁護士に依頼することで、早期の示談成立が望めます。
弁護士に依頼するメリットは、次の5つです。
- 弁護士は被害者と連絡を取れる可能性がある
- 被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高くなる
- 被害者に、加害者の反省や謝罪を受け入れてもらえる可能性が高くなる
- 適正な示談金の金額がわかる
- 示談書の作成を任せられる
痴漢事件では、被害者の連絡先を知ることは難しく、弁護士に依頼することでようやく連絡先を教えてもらうことが許されて、示談交渉が始められるケースが多いです。
弁護士であれば、被害者の対応も変わり示談交渉を進めやすくなり、被害者に対して冷静に被疑者の反省の度合いや、謝罪を受け入れてほしい家族などの現在の状況を伝えることができます。
また、示談金の金額は、当事者間の交渉で決められますが、弁護士であれば事件の内容によって適切な金額を判断することができます。
被害者との示談交渉が成立すると、弁護士は示談書を作成し、検察官や裁判所に提出します。
5-2:弁護士であれば逮捕直後から面会できる
痴漢で逮捕され身柄を拘束された場合は、家族であっても勾留が決定されるまでの約3日間は、被疑者と面会することはできません。
依頼された弁護士(弁護人)だけが、唯一逮捕直後から被疑者との接見(面会)を認められます。
弁護人による接見は、原則として自由に面会することができるので、必要なものや書類などを差し入れすることもできます。
さらに、接見の際に立会人が付くこともないので、被疑者に今後の流れや状況を説明し、適切なアドバイスをすることが可能になります。
家族による面会でさえ逮捕後、約3日後となるため、弁護士による接見は、被疑者にとっては大きな支えとなります。
5-3:精神的負担や事務的な負担を軽減できる
弁護士に依頼することで、経験に基づいた今後の見通しや適切なアドバイスを受けられるので、家族の方にとっての精神的な負担を軽減することができます。
さらに、迅速な行動によって、すぐに弁護活動や示談交渉にとりかかることで、早期の身柄の解放や示談成立を目指すことができます。
また、弁護士に依頼することによって、被害者との対応をはじめ、警察、検察さらには裁判所に対する手続きや、示談書・意見書の作成など様々な事務的負担を軽減することができます。
痴漢で逮捕された場合、被疑者本人はもとより家族も、どうしてよいのかわからず混乱されることが多いようです。
弁護士に依頼することで、逮捕後の被疑者・家族の不安や負担を最小限にすることができます。
5-4:自分や家族にとって不利な供述を防げる
弁護士は、逮捕直後から被疑者に接見することができるので、逮捕後の捜査・取り調べの流れなどの説明や、取り調べでの誤った自白や不利益な供述などを避けるための具体的なアドバイスをすることができます。
被疑者は、痴漢で逮捕されて、家族にも面会できない不安な状態で、警察による厳しい取り調べを受けると、間違った供述(不利益な供述)をしてしまう場合があります。
また、取調官の言いなりになって供述すると、十分な証拠や正当な手続きを得ないままの不当逮捕であっても、そのまま認めてしまったり、さらには被疑者が痴漢をした事実がない場合でも、プレッシャーに負けて認めてしまうことがあるようです。
弁護士による、早い段階からの接見によって、そのような不利益な供述をするリスクを最小限にすることができます。
【コラム】弁護士に依頼するデメリットは「費用」のみ
弁護士に依頼するデメリットとしては、弁護士費用がかかることがあげられます。
刑事事件化している場合は、着手金・成功報酬あわせておよそ66万~143万円程度となることが多いです。
弁護士費用の内訳としては、主に次表の6つがあげられます。
しかし、痴漢で逮捕された場合の、本人や家族の今後のリスクを最小限にするためには、すぐに弁護士にご相談されることをおすすめします。
当事務所(新橋第一法律事務所)では、ご相談は無料で受け付けていますので、ぜひお電話ください。
まとめ
ここまで、痴漢で逮捕された場合に知っておくべきことや、逮捕後の流れ、やるべき行動について解説してきました。
最後に、今回の内容をまとめます。
■家族が痴漢で逮捕された場合にすぐにやるべきこと
被害者との示談を成立させることが最も重要です。
また、勾留が判断される逮捕後「72時間以内」の弁護活動がとても重要です。
■痴漢で逮捕された場合に適用される罪と刑罰は、次の2つです。
- 迷惑防止条例違反|6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金
- 強制わいせつ罪|6ヶ月以上10年以下の懲役
■家族が痴漢で逮捕された場合にやるべき行動は、次の4つです。
- すぐに弁護士に依頼する
- 被害者と示談交渉をする
- 一刻も早い身柄の解放を求める
- 不起訴を求める
■すぐに弁護士に依頼するメリットは、次の4つです。
- 早期の示談成立が見込める
- 弁護士であれば逮捕直後から面会できる
- 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
- 自分や家族にとって不利な供述を防げる
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。