【痴漢の容疑をかけられた】今後どうなる?流れとすぐにやるべきこと
この記事を読んで理解できること
- 痴漢の容疑をかけられたらどうなる
- 痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰
- 痴漢の容疑で逮捕された後の流れ
- 痴漢の容疑をかけられた場合にやるべきこと
- 痴漢事件で弁護士にできること
あなたは、
「痴漢の容疑をかけられたら逮捕される?」
「痴漢の容疑で逮捕されたらどうなる?」
「痴漢の容疑をかけられたが早く解決したい」
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、痴漢の容疑をかけられた場合は、できるだけ身柄を拘束されず解放されるように、また、起訴を免れるように、警察への対応や弁護活動を行うことが重要です。
なぜなら、痴漢の容疑で逮捕されてしまうと、そのまま身柄を拘束され、社会生活から隔離されることになり場合や、さらに起訴されてしまうと、有罪になる可能性が高くなるからです。
痴漢の容疑で逮捕され、身柄を拘束された場合も、有罪判決を受けて前科がついた場合も、どちらも今後の社会生活において大きなダメージを受けることになります。
この記事では、1章で痴漢の容疑をかけられたらどうなるのか、2章では痴漢の容疑で逮捕された場合の罪と刑罰、3章では痴漢の容疑で逮捕された後の流れについて解説していきます。
さらに、4章で痴漢の容疑をかけられた場合にやるべきことを、5章では痴漢事件で弁護士にできることについて解説していきます。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■痴漢の容疑をかけられた場合
痴漢の容疑をかけられた場合は、できるだけ早く弁護士に依頼して、身柄の拘束や起訴を免れることが重要です。
そして、痴漢事件の早期解決を図るためには、被害者との示談を成立させることが最も重要です。
痴漢の容疑が冤罪の場合は、まず逃げずに事件発生直後からその場で痴漢行為を否認し、被害者や周囲の人に、自分の主張をしっかりと伝えることが大事です。
■痴漢で逮捕された場合に適用される罪と刑罰
目次
1章:痴漢の容疑をかけられたらどうなる
通勤中の電車の中や駅の構内、または街中で、痴漢の容疑をかけられたらどうなるのか、次の3つのケースについて解説していきます。
- 現行犯逮捕(身柄を拘束)されていないケース
- 現行犯逮捕(身柄を拘束)されたケース
- 痴漢の容疑が冤罪のケース
それぞれ解説していきます。
1-1:現行犯逮捕(身柄が拘束)されていないケース
痴漢の容疑で現行犯逮捕(身柄が拘束)されていないケースとして、次の2つがあげられます。
- 身柄を拘束せずに在宅事件として捜査される
- 痴漢事件の捜査によって、後日、通常逮捕される
それぞれ解説していきます。
1-1-1:身柄を拘束せず在宅事件として捜査
痴漢の容疑で警察署に連行されても、取り調べやDNA鑑定に必要な資料の確保等の必要な捜査が行われた後、逮捕も勾留もされずに釈放されることがあります。
痴漢を認めているのに釈放されるケースとしては、初犯で身元がしっかりしていて逃亡の恐れがなく、深く反省していて前科・前歴もない場合などがあげられます。
しかし、逮捕されない場合でも、取り調べの際の「供述調書」などの捜査書類は、検察官に送致(報道では「書類送検」)されます。
この段階では、まだ痴漢事件の捜査は終わっていないので、在宅事件として検察官による呼び出しや取り調べが行われ、起訴・不起訴が決められることになります。
当然、起訴される可能性もあり、刑罰も軽いとは限られていないので、示談を成立させるなど不起訴処分を目指した弁護活動が重要となります。
1-1-2:後日、通常逮捕(後日逮捕)される
痴漢事件では、痴漢の容疑をかけられ現行犯逮捕されなかった場合でも、その後の捜査によって後日、犯人として特定される場合もあります。
捜査によって犯人が特定されるケースとしては、
- 防犯カメラの映像で犯人として特定された
- DNA鑑定によって犯人として特定された
場合などがあげられます。
犯人として特定された場合は、逮捕されず任意同行を求められ、その後の取り調べの後、身柄を解放され在宅事件として処理されたり、逮捕状による通常逮捕(後日逮捕)されることになります。
痴漢事件の形態にもよりますが、加害者が現場から逃走した場合は、逮捕されるケースが多くなります。
また、痴漢行為が迷惑防止条例違反の場合より、重い罪となる強制わいせつ罪の方が逮捕されるケースは多くなりますが、明確な基準はなくケースバイケースと言えます。
この場合も当然、起訴される可能性もあるので、示談を成立させるなど不起訴処分を目指した弁護活動が重要となります。
1-2:現行犯逮捕されたケース
痴漢の容疑をかけられ現行犯逮捕された場合は、被疑者として身柄を拘束され、警察の取り調べを受けます。
痴漢で現行犯逮捕された後の流れとしては、次の図の様になります。
痴漢の現行犯で逮捕された場合、身柄を拘束され勾留請求が認められると、一般的に逮捕時から23日間の身体拘束を受けることになります。
その後、検察官によって起訴された場合は、刑事裁判までさらに1~2ヶ月ほど勾留が続くことになります。
当然、通常の生活を送ることはできないので、勾留期間が長引くほど、被疑者の社会生活に対する悪影響は大きなものとなっていきます。
痴漢で逮捕され身柄を拘束された場合は、逮捕直後から適切な弁護活動を行い、早期の身柄の解放を求めていくことが重要です。
逮捕後の流れについては、この後の3章で、順を追って詳しく解説します。
1-3:痴漢の容疑が冤罪の場合
痴漢の容疑が冤罪の場合は、まず逃げずに、事件発生直後からその場で痴漢行為を否認し、被害者や周囲の人、駅であれば駅員などに、自分の主張をしっかりと伝えることが大事です。
警察官が来た場合も、一貫して痴漢行為を否認し、しっかりと主張することが重要です。
また、痴漢の容疑をかけられた場合は、まず逮捕されないことが重要となるので、身分や連絡先を明らかにして、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを認めてもらう必要があります。
ただし、痴漢行為を否認し主張しても、多くの場合被疑者として逮捕され取り調べを受けることになります。
痴漢の容疑をかけられ、痴漢行為を否認している場合は、身柄を拘束されさらに勾留される可能性が高まります。
痴漢の容疑をかけられた場合は、できるだけ早く弁護士に依頼して、痴漢行為の否認を主張しながらも、早期の身柄の解放を求めることが重要です。
2章:痴漢で逮捕された場合の罪と刑罰
痴漢で逮捕された場合に適用される罪と刑罰は、次の2つです。
- 迷惑防止条例違反|6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金
- 強制わいせつ罪|6ヶ月以上10年以下の懲役
それぞれ解説していきます。
2-1:迷惑防止条例違反(6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金)
迷惑防止条例は、各都道府県が定めたもので、それぞれ内容や罰則に若干の違いがあります。
迷惑防止条例に違反する痴漢行為としては、一般的には直接または衣類の上から他人の身体に触れた場合となります。
罰則としては、例えば東京都の場合では、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
初犯で痴漢行為が悪質でなく反省が見られる場合は、迷惑防止条例違反として罰金刑が科せられるケースが多いです。
さらに、被害者との示談が成立している場合は、不起訴になる可能性もあります。
2-2:強制わいせつ罪(6ヶ月以上10年以下の懲役)
強制わいせつ罪は、刑法によって定められており、一般的には着衣の中に手を入れたり、長時間触り続けるなど、痴漢行為が悪質な場合となります。
被害者が13歳未満だった場合は、比較的軽度な痴漢行為であっても、強制わいせつ罪が適用されます。
罰則としては、6ヶ月以上10年以下の懲役という重いものになっています。
強制わいせつ罪は、初犯であっても起訴される可能性があり、罰金刑がないので、有罪になれば執行猶予付き判決か実刑になってしまいます。
3章:痴漢の容疑で逮捕された後の流れ
痴漢の容疑で逮捕された後の流れは、上図のようになります。
- 警察で取り調べ(逮捕後、48時間以内)
- 検察で取り調べ(逮捕後、72時間以内)
- 勾留期間中(10日間、勾留延長10日間)
- 検察による起訴・不起訴の判断(逮捕後最長23日間)
- 刑事裁判(起訴後、約1~2ヶ月)
流れに沿って、それぞれ解説していきます。
3-1:警察で取り調べ(逮捕後、48時間以内)
痴漢の容疑で逮捕された場合は、被疑者として身柄を拘束され、警察の取り調べを受けます。
担当刑事の取り調べでは、動機や犯行に至るまでの状況、内容等の聞き取りが行われ「供述調書」が作成されます。
さらに、写真撮影や指紋採取、DNA鑑定に必要な資料の確保等の必要な捜査が行われます。
その後、逮捕から48時間以内に、事件の被疑者・書類・証拠物を検察官に送致します。
被疑者が初犯で、身元がしっかりしていて逃亡の恐れがなく、深く反省していて前科・前歴もない場合などは、身柄は解放され取り調べの際の「供述調書」などの捜査書類だけが、検察官に送致(報道では「書類送検」)される場合もあります。
検察官に送致された事件は、その後検察官による捜査が行われ、起訴・不起訴の判断が下されることになります。
痴漢の容疑で逮捕され身柄を拘束された場合、被疑者の希望があれば、警察から家族などに連絡をしてもらうことができます。
ただし、逮捕期間中の家族の面会は認められず、被疑者との面会は、弁護士に限られています。
3-2:検察で取り調べ(逮捕後、72時間以内)
送致された後は、検察官による被疑者に対する聞き取りが行われ、送致から24時間以内に検察官は、被疑者の勾留を請求するか判断します。
これによって、被疑者は、逮捕後72時間以内に勾留請求の判断が下され、裁判官に勾留が認められた場合は、そのまま身柄が拘束されることになります。
このとき、被疑者に前科前歴が無く、自らの痴漢行為を全面的に認め、身元が明確な場合は、検察官は勾留請求をしないこともあります。
または、勾留請求がされても、裁判所が勾留請求を客観的に判断することで却下され、釈放される場合もあります。
しかし、被疑者に前科前歴がある場合や、痴漢行為を否認する場合などは、さらなる捜査が必要として勾留請求され、また裁判所も勾留請求を認める可能性は高くなります。
3-3:勾留期間中(10日間、勾留延長10日間)
勾留が決定すると、その日から原則として10日間、被疑者は警察署の留置場で身柄を拘束されることになります。
さらに、DNA鑑定などで時間がかかり捜査が終わらない場合や、被疑者が痴漢行為を否認し続けていたり、他に余罪があり捜査が必要な場合は、検察官は勾留延長を請求することができます。
裁判所がこの請求を認めた場合は、勾留はさらに10日間延長されることになります。
通常、被疑者が、痴漢行為を否認している場合は、勾留延長が認められます。
3-4:検察による起訴・不起訴の判断(逮捕後最長23日間)
一般的に、検察官は、逮捕後23日が経過するまでに、起訴・不起訴を判断します。
検察官によって起訴された場合は、刑事事件として裁判手続きが行われ、被疑者は被告人となります。
検察官に罰金刑が相当と判断され、被疑者が手続きに同意した場合は、略式起訴として刑事手続きは終わり、被疑者は釈放されます。
略式起訴は、100万円以下の罰金・科料に相当する事件で行われ、被疑者には有罪判決が下されたことになるので前科がつきます。
痴漢事件では、罰金刑を規定されている迷惑防止条例違反の場合に、略式起訴される可能性があります。
検察官によって不起訴処分となった場合は、刑事裁判にはならず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。
3-5:刑事裁判(起訴後、約1~2ヶ月)
刑事裁判の場合は、検察官の起訴から約1~2ヶ月後に、第1回公判が開かれます。
公判では、被告人は必ず出廷し、検察、弁護人それぞれの証拠等をもとに、裁判官が判決を下すことになります。
痴漢事件では、被疑者が犯行を認め事実関係に争いがなければ、最初の1回で審理が終了し、公判から約1ヶ月以内に判決が言い渡されることが多いです。
最終的に有罪の判決を受けた場合は、前科がつくことになります。
4章:痴漢の容疑をかけられた場合にやるべきこと
痴漢の容疑をかけられた場合にすぐにやるべきことは、次の2つです。
- 弁護士に相談する(痴漢事件の見通しを知る)
- 弁護士に被害者との示談交渉を依頼する
それぞれ解説していきます。
4-1:すぐに弁護士に相談する
痴漢の容疑をかけられた場合は、すぐに弁護士に相談して、今後の見通しと取るべき行動を確認することが重要です。
なぜなら、刑事事件においては、警察の捜査の流れに合わせたスピーディな対応と、弁護活動が必要とるからです。
痴漢の容疑で逮捕されても、事件の内容や被疑者が初犯の場合など、その情状によっては早期に身柄を解放される可能性もあります。
また、痴漢の容疑が冤罪の場合は、さらに法律の専門家である弁護士のアドバイスが必要となります。
すぐに弁護士に相談することで、最善の結果を得るためにやるべきことが明確となり、少なからず不安も軽くなります。
4-2:弁護士に被害者との示談交渉を依頼する
痴漢の容疑で逮捕された場合、被害者との示談を成立させるためには、弁護士に依頼することが極めて重要であるといえます。
なぜなら、痴漢の被害者は、加害者やその家族との接触を避けるため、弁護士でなければ、被害者の連絡先を教えてもらうことが非常に難しいからです。
弁護士を通すことで、被害者の心証も変わり、ようやく連絡先を教えてもらうことが許されて、示談交渉が始められるケースが多いです。
弁護士が代理人として、被害者との示談交渉を進めることによって、被害者の心情を考慮したうえで、適切な内容、示談金による示談が成立する可能性が高まります。
次に、痴漢事件の被害者との示談交渉の
- 示談成立のメリット
- 示談交渉の流れと示談金の相場
について解説します。
4-2-1:示談成立のメリット
痴漢事件における示談成立のメリットは、次の3つです。
- 身柄を解放される可能性が高くなる
- 前科がつかない不起訴処分の可能性が高くなる
- 判決で減刑される可能性が高くなる
なぜなら、被害者との示談が成立しているということは、
「被害者とのトラブルは解決している」
「被害者の許しを得ている」
「被疑者は十分反省している」
と、警察や検察官、裁判官に判断されるからです。
そのため、示談が成立することによって、早期に身柄を解放される可能性や、初犯であれば不起訴処分になる可能性も高くなります。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を刑事裁判にかけない、つまり罪に問わない決定をすることです。
また、起訴された後でも、示談が成立し被害者の許しが得られたと判断されれば、量刑が軽くなり罰金刑になる可能性や、執行猶予がつき実刑を免れる可能性も高くなります。
執行猶予とは、有罪の判決を下されたが、その刑の執行を猶予する期間を与えるということなので、被告人はすぐに社会復帰することができます。
そのため、痴漢事件においては、なるべく早い段階で、被害者との示談を成立させることがとても重要です。
4-2-2:示談交渉の流れと示談金相場
弁護士による示談交渉の流れは、次のようになります。
- 検察官を通じて被害者と連絡を取る
- 被害者に被疑者の謝罪文を提出する
- 被害者と示談金額、示談条件を交渉する
- 示談書を作成する
- 示談内容を履行する
- 示談書を検察官や裁判所に提出する
弁護士に依頼することによって、示談交渉を進められるだけでなく、適正かつ妥当な示談条件・示談金額で示談を成立させことが望めます。
次に、痴漢事件の示談金は、示談交渉の際に当事者間の話し合いによって決められますが、痴漢事件の被害の程度や内容によって、その金額は大きく変わってきます。
前述したように、痴漢事件で適用される罪としては、「迷惑行為防止条例違反」と「強制わいせつ罪」の2つがあげられますが、それぞれの示談金相場としては、次のようになります。
- 迷惑行為防止条例違反:10~50万円程度
- 強制わいせつ罪:30~150万円程度
罰則の重い「強制わいせつ罪」の方が、痴漢行為も悪質になるため、示談金も高額になる傾向があります。
5章:痴漢事件で弁護士にできること
痴漢事件において弁護士にできることとしては、4章で解説した被害者との示談を成立させることの他に、次の4つがあげられます。
- 逮捕直後から面会して助言をする
- 警察・検察に早期釈放を求める
- 前科のつかない不起訴処分を求める
- 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
それぞれ解説していきます。
5-1:逮捕直後から面会して助言をする
弁護士であれば、逮捕直後から被疑者と面会(接見)して、今後の見通しについて説明し、取り調べの際の注意点など助言することができます。
弁護人による接見は、原則として自由に面会することができるので、必要なものや書類などを差し入れすることもできます。
さらに、接見の際に立会人が付くこともないので、被疑者に今後の流れや状況を説明し、適切なアドバイスをすることが可能になります。
被疑者と家族が面会できるのは、警察からの連絡のあと捜査が進み、勾留が決定されてからになるので、逮捕から約3日後となります。
さらに、被疑者に接見禁止処分が付された場合には、弁護人以外との面会が禁止されるので、家族でも面会することはできません。
これに対し、逮捕直後から認められている弁護士による接見は、被疑者にとっては大きな支えとなります。
5-2:警察・検察に早期釈放を求める
痴漢の容疑で逮捕された場合は、弁護士を通して、警察で送致前の釈放を求めたり、検察官、裁判官に対して勾留しないように働きかけることで、早期釈放を得られる可能性が高まります。
ここまで解説してきたように、逮捕されると同時に警察の取り調べは始まり48時間以内に検察官に送致され、検察官の取り調べを受けて必要であれば24時間以内に裁判所に勾留が請求されます。
この、逮捕直後から勾留請求されるまでの72時間の間に、できるだけ早く早期釈放を求めることが重要です。
弁護士に依頼することによって、被害者との示談が成立している場合は、さらに勾留されない可能性が高くなります。
釈放され在宅事件となった場合は、捜査は続いていますが、被疑者は普段通りの生活ができ、会社や学校にも行くことができます。
それだけでも、痴漢で逮捕された場合の社会生活におけるリスクを、少なからず抑えることができます。
5-3:前科のつかない不起訴処分を求める
痴漢で逮捕された場合は、検察官が起訴の必要性を判断する勾留期間中(逮捕後13日以内)に、前科のつかない不起訴処分を求める弁護活動を行うことがとても大事です。
なぜなら、刑事事件においては、起訴された場合、保釈が認められなければ長期に渡り身体拘束が続くことになり、釈放されたとしても元の生活に戻ることが難しくなるため、検察官による不起訴処分を得ることがとても重要だからです。
不起訴処分を得るためには、弁護士を通して検察官に、証拠が不十分で被疑者に対する嫌疑が認められないことや、示談書や意見書を提出して、不起訴とすべき実情を主張する必要があります。
不起訴処分を得られた場合は、刑事裁判は行われず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。
5-4:精神的負担や事務的な負担を軽減できる
弁護士に依頼することで、経験に基づいた今後の見通しや適切なアドバイスを受けられるので、被疑者や家族の精神的な負担を軽減することができます。
さらに、迅速な行動によって、すぐに弁護活動や示談交渉にとりかかることで、早期の身柄の解放や示談成立を目指すことができます。
また、弁護士に依頼することによって、被害者との対応をはじめ、警察、検察さらには裁判所に対する手続きや、示談書・意見書の作成など様々な事務的負担を軽減することができます。
痴漢で逮捕された場合、被疑者本人はもとより家族も、どうしてよいのかわからず混乱されることが多いようです。
弁護士に依頼することで、逮捕後の被疑者・家族の不安や負担を最小限にすることができます。
【コラム】弁護士費用と相場
痴漢事件の弁護士費用の相場は、刑事事件化している場合、着手金・成功報酬あわせておよそ66万~143万円程度となることが多いです。
弁護士費用の主な内訳としては、下の表の6つがあげられます。
各法律事務所によって、弁護士費用の料金体系は様々で、起訴前・起訴後の着手金や、不起訴処分の獲得・示談成立の成功報酬など、細かい料金設定となっている場合があります。
電話やメールでの無料相談などを利用して、事前に確認されることをおすすめします。
※当事務所(新橋第一法律事務所)では、ご相談は無料で受け付けていますので、ぜひお電話ください。
まとめ
ここまで、痴漢の容疑をかけられた場合にどうなるか、痴漢で逮捕された場合の罪と罰、逮捕後の流れなどについて解説してきました。
最後に、今回の内容をまとめます。
■痴漢の容疑をかけられた場合
痴漢の容疑をかけられた場合は、できるだけ早く弁護士に依頼して、身柄の拘束や起訴を免れることが重要です。
そして、痴漢事件の早期解決を図るためには、被害者との示談を成立させることが最も重要です。
■痴漢で逮捕された場合に適用される罪と刑罰
- 迷惑防止条例違反(6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金)
- 強制わいせつ罪(6ヶ月以上10年以下の懲役)
■痴漢事件において弁護士にできること
- 被害者との示談を成立させる
- 逮捕直後から面会して助言をする
- 警察・検察に早期釈放を求める
- 前科のつかない不起訴処分を求める
- 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。