不貞行為の証拠がない!3つの対処法と不倫の証拠12選、集めるときの注意点


この記事を読んで理解できること
- 早わかり:不貞行為の証拠がない場合のQ&A
- 不貞行為の証拠がなければ慰謝料請求は難しい
- 不貞行為の証拠が見つからない場合の対処法
- 不倫の証拠になるものと集めるときの注意点
あなたは、
- 浮気・不貞行為の証拠がない、どうしよう
- 不貞行為の証拠がないと慰謝料は請求できない?
- 証拠がない場合の対処法が知りたい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、パートナーに浮気・不倫の疑いがあっても不貞行為(肉体関係)を立証する証拠がない場合は、パートナーや不倫相手に対しての慰謝料請求は難しいです。
不貞行為の証拠がない限り、パートナーや不倫相手は言い訳や言い逃れをするばかりで、不倫の事実を認めないケースが多いからです。
しかし、明確な証拠がない場合であっても、LINEのやりとりなど複数の証拠を示し、話し合いの中で相手が不倫を認め慰謝料の支払いに応じた場合は、慰謝料請求できます。
そこでこの記事では、
1章で不貞行為の証拠がなければ慰謝料請求は難しい
2章で不貞行為の証拠が見つからない場合の対処法
3章で不倫の証拠になるものと集めるときの注意点
について解説します。
最後までしっかり読んで、確実に証拠を集め慰謝料請求を成功させましょう。
目次
早わかり:不貞行為の証拠がない場合のQ&A
Q1:不貞の証拠がまったくない場合、慰謝料請求はできないのでしょうか?
A.完全に不可能ではありません。裁判でも相手が不貞行為を自白した場合には、証拠がなくても慰謝料請求が認められるケースがあります。
例えば、浮気をしたパートナーが浮気を認めているのであれば、一筆書いてもらうことで、浮気相手へ慰謝料請求する際の証拠になります。
ただし、現実には自白することは稀なので、証拠なしでの慰謝料請求は非常に困難です。
交渉であっても、証拠がなければ相手に否定されて終わってしまうことが多いです。
Q2:どのような証拠が裁判で認められやすいのでしょうか?
A.以下のような証拠が裁判で認められやすいとされています。
- 性行為が推認される写真や動画(例:ラブホテルの出入りや裸の状態など)
- 性的な内容を含むLINEやメールのやりとり
- 性行為を認める音声データや、性行為中の音声
- ラブホテルの領収書やクレジットカードの利用履歴(ただし単体では弱い)
これらの証拠を複数組み合わせることで、不貞行為を立証できる可能性が高まります。
Q3:証拠がない場合、どのようにして対応すればいいですか?
A.証拠がない場合は以下の3つの対応策があります。
- 自力で証拠を集める
ただし、違法行為(盗聴や不正アクセスなど)に抵触しないよう注意しましょう。
- 探偵事務所に依頼する
プロが集めた調査報告書は、裁判で非常に有効な証拠になります。
- 弁護士に相談する
適切な証拠の種類や集め方のアドバイス、交渉の代行などを行ってくれます。無理をせず専門家に早めに相談することが、泣き寝入りを避けるための第一歩です。
1章:不貞行為の証拠がなければ慰謝料請求は難しい
パートナーや不倫相手に対して離婚請求や慰謝料請求する場合、不貞行為の証拠がなければ、成功させることは難しいです。
不貞行為の証拠が重要な理由について、
- 慰謝料請求する場合
- 離婚請求する場合
それぞれ解説します。
1-1:慰謝料請求する場合
不倫の慰謝料請求を行う場合、不貞行為の証拠の有無によって進め方や結果が大きく異なります。
慰謝料請求の方法は主に以下の2つです。
■話し合いによる合意(示談交渉)の場合
夫婦間や相手方との話し合いで解決を図る場合、決定的な証拠がなくても以下の条件で慰謝料請求が可能です。
- 浮気を強く疑わせる複数の状況証拠がある
- 相手が言い訳や言い逃れができない事実を示せる
- 相手が慰謝料の支払いに合意する
このように、話し合いでは相手の認識や態度次第で証拠の重要性は変わります。
相手が不倫の事実を認め、誠意を示す場合は、決定的な証拠がなくてもできることが多いでしょう。
■裁判による解決の場合
相手が不倫の事実を認めず法的手段に訴える場合は、証拠が決定的に重要になります。
- 慰謝料請求の裁判では、請求側に「不倫(不貞行為)の事実」と「故意または過失」(相手が不貞行為時に、パートナーが既婚者であると認識していたか、少なくとも認識できたか)を証明する責任がある
- 裁判官に「不倫(不貞行為)の事実」と「故意または過失」を客観的に示すための証拠が必要
- 証拠の提出ができなければ、主張が認められず敗訴する可能性が高い
つまり裁判では「不倫の事実があった」という主張だけでは不十分で、それを裏付ける客観的な証拠が必要不可欠です。
1-2:離婚請求する場合
離婚請求においても、証拠の有無は重要な要素となります。
■話し合いによる協議離婚の場合
双方の合意があれば、必ずしも不倫の証拠は必要ありません。
しかし、証拠を持っていることで、
- 離婚の話し合いを有利に進められる
- 財産分与や養育費などの条件交渉で優位に立てる
- 相手が離婚に応じやすくなる
といったメリットがあります。
■調停だけでなく裁判になった場合
- 裁判所は「法定離婚事由」に基づいて判断する
- 不倫(不貞行為)は「法定離婚事由」の一つである
- 不倫の証拠がなければ、「夫婦関係の破綻」を証明することが難しくなる
- 証拠不足により、裁判所が離婚判決を出さない可能性がある
離婚裁判において不倫の証拠は、単に相手の非を責めるためだけではなく、夫婦関係が修復不可能なほど破綻していることを客観的に示すために重要な役割を果たします。
証拠を持っていることは、話し合いであれ裁判であれ、あなたの立場を強くし、より公正な解決に導くための重要な要素なのです。
2章:不貞行為の証拠が見つからない場合の対処法
不貞行為の証拠が見つからない場合の対処法は、次の3つです。
- 不倫の証拠を自分で集める
- 探偵事務所に依頼する
- 弁護士に相談する
それぞれ解説します。
2-1:不倫の証拠を自分で集める
不倫の証拠を自分で集める場合のポイントは、
- 肉体関係がわかる証拠
- 複数の証拠
をできる限り集めることです。
パートナーや不倫相手に対する法的請求が認められるためには、単なる浮気ではなく肉体関係を立証できる証拠が必要です。
そのため証拠を集める際は、できる限り肉体関係があったとわかる証拠を集める必要があります。
ただし、肉体関係が直接わかるような証拠を集めるのは大変だと思います。
一つの証拠だけでは肉体関係が認められにくい場合でも、複数の証拠が集まれば肉体関係があったと認められる可能性はあります。
- 性行為が推認される写真や動画(例:ラブホテルの出入りや裸の状態など)
- 性的な内容を含むLINEやメールのやりとり
- 性行為を認める音声データや、性行為中の音声
- ラブホテルの領収書やクレジットカードの利用履歴(ただし単体では弱い)
これらの証拠を複数組み合わせることで、不貞行為を立証できる可能性が高まります。
素人判断で「これで不貞行為の証拠をつかんだ!」と思って、ほかの証拠を集めずに行動をしてしまうと、それだけでは足りなったという場合があります。
何が有効な証拠になるかはすぐにはわからないでしょうから、レシートやメール・LINEの文面など、集めやすいものだけでもできるだけたくさん集めておきましょう。
2-2:探偵事務所に依頼する
あなたが自分だけで証拠を集めようとすると、
- 不貞行為が認められやすい証拠が十分に集まらない
- 違法な方法で証拠を集めてしまい、証拠が却下される
- 証拠を集めていることが配偶者や不倫相手にバレて、トラブルになる
といったことになりかねません。
探偵事務所なら素行調査のプロですから、
- 認められやすい証拠を最大限集めてくれる
- 反社会的な方法を避け適切な方法で集めてくれる
- 証拠を集めていることがパートナーや不倫相手にバレにくい
- 調査報告書自体が証拠になる
といったメリットがありますので、できるだけ探偵事務所を使って証拠を集めることをおすすめします。
2-3:弁護士に相談する
自分だけで不倫・不貞行為の証拠が集められなかったり、相手方の名前や住所さえわからない場合でも、弁護士に依頼すると証拠が集められる可能性があります。
弁護士は「弁護士会照会制度」を利用して、企業や公的機関に証拠になるものの提出を求める権利を持っているからです。
弁護士はこの職権を使って、
- 電話番号や携帯メールアドレスから、相手の氏名や住所などを調べる
- 出入国の記録を調べる
といったことができます。
例えば、履歴に残っている電話の相手が、不倫相手かどうか分かります。
また、配偶者が海外旅行に行った際に「不倫相手と行っていたんじゃないか?」と疑っている場合は、不倫相手の出入国の記録を調べ、同日に同じ行き先同じ航空機を利用していたかどうか明らかにできます。
弁護士会照会は、いつでも、誰でも利用できるというものではありませんが、弁護士に依頼すると活用できるケースもあるのです。
詳しくは、弁護士に相談してみてください。
不倫トラブルに強い弁護士の探し方等について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不倫問題は弁護士に相談!5つのメリットから費用相場まで完全ガイド
3章:不倫の証拠になるものと集めるときの注意点
3-1:不倫の証拠になるもの12選
不倫の証拠になるものとしてあげられるのは、主に次の12アイテムです。
■写真
→ラブホテルや旅館に出入りする写真など
■録音した音声データや録画した撮影データ
→性行為やそれを推測させる会話等の録音・撮影データ
■LINEやメール、手紙
→不倫相手とのやり取りが残っているもの
■SNSやブログ
→不倫相手との交際や行為について書かれたもの
■クレジットカードの利用明細、レシート
→ラブホテルや旅行先で利用したと思われるもの、避妊具等の明細やレシート
■Suica、PASMOなどの利用履歴
→不倫相手の自宅の最寄り駅等の利用履歴
■手帳や日記、メモ
→配偶者との会話や目撃した行為等について、継続的にとった手書きの記録
■興信所や探偵の調査報告書
→興信所、探偵に調査依頼した場合
■GPS
→ラブホテルや不倫相手の自宅に滞在したことが分かる記録
■不倫相手の住民票の写し
→配偶者と不倫相手が同棲している場合の、同棲を示す住民票
■妊娠、堕胎を証明できるもの
→配偶者が妊娠したor不倫相手を妊娠させた場合、それを示す証拠(中絶同意書のサインなど)
■子どもの血液型
→子どもの血液型が、夫婦の血液型から一致しない場合
3-2:不倫の証拠を集めるときの注意点
不倫の証拠を集めるときの注意点として、次の2つがあげられます。
- 証拠を捏造しない
- 違法な手段で証拠を集めない
それぞれ解説します。
3-2-1:証拠を捏造しない
不倫(不貞行為)の証拠を集める際に、証拠が見つからないからといって捏造することは絶対に避けるべきです。
写真を加工したり、LINEやメールの文書を自分で作り出したりする行為は、かえって証拠不足を相手方に悟られ、交渉が難航する可能性が高くなります。
さらに、文書の偽造は犯罪行為となりうるため、法的にも問題があります。
デジタルデータで保存された証拠は、有利になるよう加工したと疑われやすい特性があります。
そのため、デジタルデータを証拠として使用する場合は、他の証拠と合わせて提示することが重要です。
また、画面の撮影やデジタルではないカメラでの撮影など、加工が疑われにくい形での記録方法を選ぶことも効果的な対策となります。
3-2-2:違法な手段で証拠を集めない
不倫の証拠を集める際には、違法な手段を用いないことが非常に重要です。
違法な手段で集めた証拠は裁判で採用されない可能性があるだけでなく、それ自体が犯罪となる場合があります。
違法となりうる証拠収集方法としては、次のようなものがあげられます。
- 盗聴器を使った電話や部屋の盗聴
- 浮気・不倫相手の部屋へのカメラ設置による盗撮
- 携帯電話のデータの無断抽出やデータ化
- 日記や手帳の窃取
- 配偶者のスマホに同意なく調査アプリをインストールする
- LINEなどのアカウントへ不正にログインする
このような調査方法は、違法行為にあたる可能性が高く、発覚した場合には逆に自分が不利な立場になりかねません。
また、浮気調査をしていることが相手に気づかれると、証拠を消されたり、以後の行動がより慎重になったりして、さらなる証拠収集が困難になるおそれもあります。
証拠収集は常に合法的な範囲内で行うことを心がけましょう。
まとめ:不貞行為の証拠がない時の対処法
不貞行為の証拠がない場合、慰謝料請求や離婚請求を成功させることは難しいです。
■不貞行為の証拠が重要な理由
裁判では「不倫の事実があった」という主張だけでは不十分で、それを裏付ける客観的な証拠が必要不可欠です。
話し合いによる解決の場合でも、証拠があれば交渉を有利に進められます。
■証拠が見つからない場合の対処法
1、自分で証拠を集める
肉体関係がわかる証拠や複数の証拠をできる限り集めることがポイントです。性行為が推認される写真や動画、性的な内容を含むLINEやメールのやりとり、ラブホテルの領収書など、複数の証拠を組み合わせることで不貞行為を立証できる可能性が高まります。
2、探偵事務所に依頼する
探偵事務所は素行調査のプロとして、認められやすい証拠を最大限集めてくれるだけでなく、適切な方法で証拠を集めてくれます。また、調査報告書自体が証拠になる点も大きなメリットです。
3、弁護士に相談する
弁護士は「弁護士会照会制度」を利用して、企業や公的機関に証拠になるものの提出を求める権利を持っています。これにより、電話番号から相手の氏名や住所を調べたり、出入国の記録を調べたりすることができます。
■証拠を集める際の注意点
証拠を集める際には、証拠を捏造しないことと違法な手段で証拠を集めないことが重要です。
写真の加工やメールの文書の捏造は相手方に証拠不足を悟られる可能性があるだけでなく、文書偽造は犯罪行為になりえます。
また、盗聴や盗撮、無断での携帯電話データの抽出などの違法行為で集めた証拠は、裁判で採用されない可能性があります。
証拠収集は常に合法的な範囲内で行い、難しい場合は専門家である探偵や弁護士の力を借りることが、不貞行為問題を解決するための賢明な選択といえるでしょう。