風俗通いの夫との離婚するための具体的な手順を弁護士が5ステップで解説
この記事を読んで理解できること
- 風俗通いの夫と離婚できる2つのケース
- 風俗通いが離婚の理由として認められない2つのケース
- 風俗通いの夫と離婚するための5ステップ
- 風俗通いの夫と離婚したい場合は弁護士に相談を
あなたは、
- 風俗通いをする夫と離婚したい
- 夫の風俗通いが離婚の理由として認められるケースが知りたい
- 風俗通いをする夫と離婚する具体的な方法は?
などとお考えではないでしょうか。
結論からお伝えすると、風俗通いの夫と離婚するには、以下の4つのいずれかに該当する必要があります。
- 夫と話し合い離婚の同意が得られた
- 風俗通いが不貞行為に該当している
- 悪意の遺棄に該当している
- 婚姻関係を継続し難い事由に該当している
一方で、以下の2つに該当する場合は、風俗に通っていたとしても、離婚が認められない可能性があります。
- 風俗通いによる不貞行為の証拠がない場合
- 風俗に通う回数が少なく夫が反省している場合
そのため、風俗通いの夫と離婚するためには、以下の5つのステップを参考に行動するようにしましょう。
- 不貞行為や悪意の遺棄を示す証拠を集める
- 有利に離婚するための準備を進める
- 証拠をもとに夫と話し合いをする
- 夫が離婚に反対する場合は離婚調停を申し立てる
- それでも離婚できない場合は離婚訴訟を提起する
この記事では、
1章では、風俗通いの夫と離婚できる2つのケースを
2章では、風俗通いが離婚の理由として認められない2つのケースを
3章では、風俗通いの夫と離婚するための5ステップを
4章では、風俗通いの夫と離婚したい場合は弁護士に相談するべき理由
について詳しく解説します。
風俗通いの夫との離婚が認められるケースや、離婚するための手順について理解を深めましょう。
目次
1章:風俗通いの夫と離婚できる2つのケース
夫の風俗通いがわかった場合、風俗通いを理由に離婚できるケースとして、次の2つがあげられます。
- 夫と話し合い離婚の同意を得られた場合
- 風俗通いで法律上離婚が認められる場合
それぞれ解説します。
1-1:夫と話し合い離婚の同意が得られた場合
風俗通いの夫に離婚する意思を告げ、話し合いによって同意を得られた場合は離婚できます。
なぜなら、離婚事由に関係なく、夫婦がお互いに同意すれば、いかなる理由でも離婚が認められるからです。
民法で定められている離婚の方法は、以下の3つです。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 裁判離婚
話し合いによって成立する協議離婚は、離婚届に必要事項を記入し、役所に提出するだけで離婚の手続きが済みます。
まずは、風俗通いの夫にあなたの気持ちを伝え、離婚に同意してもらえるか話し合ってみましょう。
1-2:風俗通いで法律上離婚が認められる場合
夫の風俗通いで離婚する理由が、法律で定められた5つの「法定離婚事由」に該当する場合、相手の合意がなくても離婚が認められます。
5つの「法定離婚事由」は、以下のとおりです。
- 不貞行為があった場合
- 悪意の遺棄があった場合
- 配偶者の死が3年以上明らかになっていない場合
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
- 婚姻関係を継続し難い事由に該当する場合
上記の中でも、風俗通いの夫と離婚する場合、次にあげる3つの法定離婚事由に該当する可能性があります。
1-2-1:不貞行為に該当する
風俗通いが不貞行為に該当する場合、離婚が認められます。
不貞行為とは、配偶者以外の第三者と自由な意思のもとに性交渉を行うことです。
たとえば、性交渉を伴うサービスを行っている風俗店に通っている場合は、不貞行為にあたります。
また、口淫や手淫といった性交類似行為も、不貞行為とみなされるケースがあります。
いずれにしても、風俗に通い不貞行為があった事実が証明できる場合は、離婚が認められます。
ただし、1回の風俗通いだけでは離婚は認められないこともあるなど、プライベートで不貞行為を行った場合と比べると、離婚のハードルはやや高い傾向があります。
1-2-2:悪意の遺棄に該当する
風俗通いが悪意の遺棄に該当する場合も、離婚が認められます。
悪意の遺棄とは、夫婦は同居して協力しながら生活する義務を、正当な理由がなく果たさないことです。
悪意の遺棄に該当する可能性があるケースは、以下のとおりです。
- 風俗嬢に夢中になり、自宅に帰らずお金を入れない
- 生活費を風俗に使い込み、経済的に困窮している
風俗通いによるこうした状況が、悪意の遺棄にあたる場合は、離婚が認められます。
1-2-3:婚姻関係を継続し難い事由に該当する
風俗通いによって、婚姻関係を継続し難い事由に該当する場合は、離婚が認められます。
婚姻関係を継続し難い事由とは、夫婦関係が破綻し回復の見込みがない状態をいいます。
具体的には、以下のとおりです。
- 風俗通いをやめるようにお願いしても、夫が聞き入れない
- 夫が風俗に通いだしてからセックスレスになっている
- 夫の風俗通いで長期にわたって別居状態が続いている
夫婦関係が破綻している事実を裁判で認められた場合、婚姻関係を継続し難い自由に該当し、離婚が認められます。
2章:風俗通いが離婚の理由として認められない2つのケース
1章では、風俗通いを理由に離婚が認められるケースを解説しました。
しかし、風俗通いが離婚の理由として認められないケースもあります。
風俗通いが離婚の理由として認められないケースは、以下の通りです。
- 風俗通いによる不貞行為の証拠がない場合
- 風俗に通う回数が少なく夫が反省している場合
それぞれ解説します。
2-1:風俗通いによる不貞行為の証拠がない場合
夫が風俗店を利用していると疑われる場合、怒りが込み上がるのと同時に、離婚を考えたくなりますよね。
しかし、風俗通いによる不貞行為の証拠がなければ、離婚の理由として認められません。
調停や裁判になった場合、不貞行為を示す有力な証拠がなければ夫の有責性について判断できないため、離婚の理由として認められません。
また、夫と離婚について話し合う際、証拠がない状態で風俗通いを追求しても、事実を認めない場合や証拠を隠されることがあります。
風俗通いの夫と離婚したい場合、不貞行為を立証できる有力な証拠を集めるようにしましょう。
2-2:風俗に通う回数が少なく夫が反省している場合
夫の風俗通いを理由に離婚したいと思っても、風俗に通う回数が少なく、さらに夫が反省して「もう風俗には行かない」と約束しているような場合は、離婚理由として認められない可能性が高くなります。
風俗通いの夫と離婚するためには、風俗通いによって婚姻関係が破綻している事実が必要だからです。
特に離婚裁判においては、風俗店を1~2回利用しただけでは、不貞行為によって婚姻関係が破綻したとは、直ちに認められない可能性が高いです。
子どもの有無や夫婦間での交流の程度などを考慮し、婚姻関係が破綻しているかを確認した上で、離婚を認めるか判断します。
このように、風俗に通う回数が少なく夫が反省している場合は、婚姻関係が破綻しているとはいえないため、離婚が認められない可能性が高いです。
3章:風俗通いの夫と離婚するための5ステップ
風俗通いの夫と離婚する場合、どのような手順で進めればいいか気になりますよね。
風俗通いの夫と離婚する5つのステップは、以下のとおりです。
- 不貞行為や悪意の遺棄を示す証拠を集める
- 有利に離婚するための準備を始める
- 証拠をもとに夫と話し合う
- 夫が離婚に反対する場合は離婚調停を申し立てる
- それでも離婚できない場合は離婚訴訟を提起する
それぞれ解説します。
3-1:①不貞行為や悪意の遺棄を示す証拠を集める
風俗通いの夫と離婚するために、まずは不貞行為や悪意の遺棄を示す証拠を集めましょう。
風俗通いによる不貞行為や悪意の遺棄が立証できれば、離婚の理由として認められる可能性が高くなります。
風俗通いによる不貞行為を立証するには、以下のような証拠が必要です。
- 風俗店の会員証や支払明細
- クレジットカードの明細
- 風俗で性交渉を行ったと認めた書面や音声記録
- 風俗嬢の名刺
そして、悪意の遺棄を立証するには、風俗通いが原因で日常生活に支障をきたしていることを示す証拠が必要です。
悪意の遺棄を立証する効果的な証拠は、以下のとおりです。
- 生活費を渡さなくなったことがわかる通帳や家計簿
- 夫が家を出たことがわかる住民票や賃貸借契約書
- 別居の経緯がわかるメールや通話のやりとり
- 夫婦関係の修復を求めたが拒否された経緯がわかるメールや音声データ
- 風俗通いで借金していることがわかるクレジットカードの明細やキャッシングの明細
あなただけで証拠集めを行うと、有力な証拠を集められない場合や、夫にバレてしまうリスクがあるため、調査のプロである探偵事務所への依頼もオススメです。
3-2:②有利に離婚するための準備を進める
風俗通いの夫と離婚する場合、金銭面で不安にならないように離婚後の新生活をスタートさせたいですよね
そのため、あなたが有利な条件で離婚できるように、あらかじめ準備を進めましょう。
たとえば財産分与の場合、夫婦が共同して築いた財産は財産分与の対象となり、公平に分配されます。
財産分与の対象となる財産は、以下のとおりです。
- 夫婦で貯めた預貯金
- 購入した家や車など
- 有価証券などの金融資産
しかし、夫が意図的に財産を隠し、把握できないようにするケースがあります。
財産分与を有利に進めるには、離婚前に夫の財産について確認する必要があります。
婚姻期間中や別居期間中に生活費をもらっていない場合や、あなたが子供を養育している場合には、婚姻費用や養育費を請求することも可能です。
しかし、金銭面で有利に離婚を進める場合、夫が合意するように交渉する必要があるため、あなたの力だけでは交渉が難しい可能性があります。
そのため、不安な場合には、事前に弁護士などの専門家に相談しましょう。
3-3:③証拠をもとに夫と話し合いをする
証拠集めなどの準備ができ次第、風俗通いを立証する証拠をもとに、夫と話し合いをしましょう。
証拠をもとに話し合うことで、夫が風俗通いを認め、離婚への同意や慰謝料の請求に応じる可能性が高くなるからです。
風俗通いの夫へ離婚の話し合いをする際、証拠がないと風俗通いを認めず、離婚や慰謝料の請求に応じない可能性があります。
そこで、あなたが集めたさまざまな証拠を提示しながら話をすることによって、夫も自身の風俗通いが離婚の原因であると認めざるを得ません。
さらに、財産分与や子どもの親権などについて、あなたが主導権を握り、話し合いを進めることも可能です。
夫との話し合いをうまく進められるか不安に感じる場合や、直接話したくない場合は、弁護士を代理人として立てられます。
夫との話し合いが不安な場合は、一度、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
3-4:④夫が離婚に反対する場合は離婚調停を申し立てる
風俗通いの夫との話し合いのでは、夫が離婚に反対する可能性があります。
離婚に反対された場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう。
離婚調停を申し立てると、調停委員が間に入り、離婚に向けての話し合いを進められるからです。
審理の期間が長引くことがありますが、早ければ約1ヶ月程度で調停が成立する場合もあります。
離婚調停をスムーズに進めるためには、離婚の論点や争点を整理しながら話し合いを行うことや、証拠を提出して離婚の意思を伝えるようにしましょう。
3-5:⑤それでも離婚できない場合は離婚訴訟を提起する
離婚調停をおこなっても、夫から合意を得られない場合は、離婚訴訟を提起しましょう。
離婚訴訟では、5つの法定離婚事由に該当しているか裁判所で審理され、該当すると判断された場合は離婚が認められます。
また、風俗通いによる不貞行為や悪意の遺棄、DVなどの問題がある場合、慰謝料の支払いを命ずる可能性もあります。
裁判所の判決は執行力があるため、夫が強く反対していても、離婚を認めざるを得なくなるため効果的です。
ただし、離婚訴訟は審理期間が1年程度かかる場合が多いため、すぐには離婚できない欠点があります。
場合によっては、法定離婚事由に該当しないと裁判所が判断し、離婚が認められないケースがあることも理解しておく必要があります。
離婚訴訟を提起する場合、法定離婚事由に該当するか十分に検証してから行動するようにしましょう。
4章:風俗通いの夫と離婚したい場合は弁護士に相談を
風俗通いの夫と離婚したい場合、弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すると、離婚に関する適切なアドバイスや、離婚に必要なサポートを受けることができるからです。
風俗通いの夫と離婚したいと思っても、風俗通いを理由に離婚できるのか、不貞行為や悪意の遺棄として認められるのか分からないですよね。
また、離婚までの間、夫との交渉やさまざまな手続きで、多くの時間や労力を費やします。
弁護士に相談すると、風俗通いの夫との離婚に関する疑問や悩みに対して、適切なアドバイスを受けられます。
さらに、あなたの代わりに夫との交渉や離婚協議書の作成を行ってくれるため、時間や労力も節約でいます。
「風俗通いの夫と離婚したいけど、自分だけでは不安」という場合は、まずは弁護士に相談してみるとよいでしょう。
まとめ:風俗通いの夫と離婚できるケースと離婚するための対処法
■風俗通いの夫と離婚できるケース
- 夫と話し合い離婚の同意が得られた場合
- 不貞行為に該当する
- 悪意の遺棄に該当する
- 婚姻関係を継続し難い事由に該当する
■風俗通いが離婚の理由として認められない2つのケース
- 風俗通いによる不貞行為の証拠がない場合
- 風俗に通う回数が少なく夫が反省している場合
■風俗通いの夫と離婚するための5ステップ
- 不貞行為や悪意の遺棄を示す証拠を集める
- 有利に離婚するための準備を進める
- 証拠をもとに夫と話し合いをする
- 夫が離婚に反対する場合は離婚調停を申し立てる
- それでも離婚できない場合は離婚訴訟を提起する
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