風俗通いの夫に不倫慰謝料を請求する方法や難しいポイントなどを解説
この記事を読んで理解できること
- 風俗通いの夫に不倫慰謝料の請求や離婚できる3つのパターン
- 風俗通いで不倫慰謝料を請求するのが難しい理由
- 風俗通いが原因の不倫慰謝料相場は100万〜300万円
- 風俗通いの夫に慰謝料請求するための3つの方法
あなたは
- 風俗通いの夫に不倫慰謝料を請求できるか知りたい
- 風俗通いの夫に不倫慰謝料をいくら請求できる?
- 風俗通いの夫に不倫慰謝料を請求する方法を知りたい
などとお考えではないでしょうか。
結論からお伝えすると、風俗通いの夫に慰謝料を請求できるのは、以下の3つに該当する場合です。
- 不貞行為(肉体関係)があった場合
- 風俗通いが原因で「悪意の遺棄」に該当する場合
- 風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合
一方で、風俗通いに対する慰謝料の請求は、以下の3つの理由により難しいとされています。
- 不貞行為の証拠を掴むことが難しいから
- 風俗店を数回利用しただけでは、不貞行為と認められないから
- 風俗嬢への不倫慰謝料請求は難しいから
そのため、風俗に通う夫から慰謝料を請求したい場合、風俗通いを示す証拠を確実に掴むことが必要です。
この記事では、
1章では、風俗通いの夫に不倫慰謝料の請求や離婚できる3つのパターンを
2章では、風俗通いで不倫慰謝料を請求するのが難しい理由を
3章では、風俗通いが原因の不倫慰謝料相場を
4章では、風俗通いの夫に慰謝料請求するための3つの方法
について詳しく解説します。
風俗通いの夫への慰謝料請求が認められるパターンや、慰謝料請求するための方法について理解を深めましょう。
目次
1章:風俗通いの夫に不倫慰謝料の請求や離婚できる3つのパターン
風俗通いをする夫に対して、不倫慰謝料の請求や離婚できるのか疑問に感じますよね。
風俗通いの夫に慰謝料請求や離婚できる3つのパターンは、以下のとおりです。
- 不貞行為(肉体関係)があった場合
- 風俗通いが原因で「悪意の遺棄」に該当する場合
- 風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合
それぞれ解説します。
1-1:不貞行為(肉体関係)があった場合
風俗通いで不貞行為(肉体関係)があった場合は、不倫慰謝料の請求や離婚できます。
不貞行為は、夫婦間にある「貞操義務」に違反する不法行為であるため、不倫慰謝料の請求や離婚が認められる可能性が高いからです。
不貞行為とは、配偶者以外の第三者と自由に性交渉をおこなうことです。
性交渉の範囲は「性交」と「性交類似行為」の2つで、性交渉を伴うソープランドなどの風俗店に通っている場合には、不貞行為にあたると考えられます。
1-2:風俗通いが原因で「悪意の遺棄」に該当する場合
風俗通いが「悪意の遺棄」に該当する場合も、慰謝料の請求や離婚できます。
民法では、夫婦は同居して協力しながら生活する義務があり、正当な理由がなく義務を果たさないことを「悪意の遺棄」と定められています。
風俗通いそのものは「悪意の遺棄」には該当しませんが、以下の状況が伴う場合は「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。
- 風俗嬢に夢中になり、家に帰らず生活費もいれていない
- 生活費を風俗に使い込み、経済的に困窮している
夫の風俗通いが原因で夫婦生活に悪影響を与えている場合、「悪意の遺棄」に該当し、慰謝料の請求や離婚できる可能性が高いでしょう。
1-3:風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合
風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合も、慰謝料請求や離婚できます。
民法における5つの法定離婚事由の中に、「婚姻を継続し難い事由」があり、婚姻関係が破綻し回復する見込みがない場合が該当します。
具体的な婚姻関係が破綻している事例は、以下のとおりです。
- 風俗通いをやめるようにお願いしても夫が聞き入れない
- 夫が風俗に通いだしてからセックスレスになっている
- 夫の風俗通いで別居状態が長期にわたって続いている
それぞれ裁判で認められるためには、破綻している事実を立証する必要があります。
2章:風俗通いで不倫慰謝料を請求するのが難しい理由
1章で、風俗通いの夫に不倫慰謝料の請求や離婚できるパターンを解説しましたが、一般的には風俗通いで不倫慰謝料を請求するのは難しいのが現実です。
風俗通いで不倫慰謝料を請求するのが難しい理由は、以下のとおりです。
- 不貞行為の証拠を掴むことが難しいから
- 風俗店を数回利用しただけでは不貞行為と認められにくいから
- 風俗嬢への不倫慰謝料請求は難しいから
それぞれ解説します。
2-1:不貞行為の証拠を掴むことが難しいから
本来、風俗店を利用する目的は、性的サービスを受けることですが、実際に不貞行為がおこなわれた証拠を掴むのは困難です。
風俗店で不貞行為があったことを示すには、以下のような証拠が必要だからです。
- 性交渉をおこなっている動画や音声データ
- 性交渉を匂わせるSNSやメールのやりとり
- 風俗店へ通いつめていることがわかる写真やカードの明細
このような証拠を集めるには、個人の力では難しく、集められたとしても、違法な方法で集められたと判断されると証拠として認められない場合があります。
たとえば、夫の許可なくスマホのロックを解除し、内容をチェックする行為はプライバシーの侵害に該当し、許可なくGPSを設置する行為は違法になるおそれがあります。
不貞行為の証拠が掴むのが難しい風俗通いは、慰謝料請求が認められにくいケースが多いのです。
2-2:風俗店を数回利用しただけでは不貞行為と認められないから
妻からすると、たった一度の風俗店利用であっても、とても悲しい気持ちになりますよね。
しかし、残念ながら風俗店を数回利用しただけでは、不貞行為と認めにくいです。
風俗通いに対して慰謝料を請求するには、風俗通いによって婚姻関係が侵害された事実が必要だからです。
しかし、風俗店を数回利用しただけでは、婚姻関係が侵害されたといえるほどの不貞行為として認められない可能性が高いです。
不貞行為と認められるには、夫が継続的に風俗に通っている必要があるため、不倫慰謝料の請求が難しいとされています。
2-3:風俗嬢への不倫慰謝料請求は難しいから
風俗通いの夫だけではなく、風俗嬢にも慰謝料を請求したい人もいるでしょう。
しかし、風俗嬢への不倫慰謝料の請求は、基本的には困難です。
風俗嬢があなたの夫と性交渉をしたとしても、「仕事」として性的なサービスを提供しているため、不貞行為として認められないからです。
店舗内で客と店員との関係で性交渉を行なっていた場合、違法性が認められない場合が多いため、風俗嬢への不倫慰謝料請求が難しいとされています。
もっとも、風俗嬢とあなたの夫がプライベートで不貞行為を行った場合、風俗嬢にも慰謝料を請求できる可能性が高いです。
3章:風俗通いが原因の不倫慰謝料相場は100万〜300万円
夫の風俗通いに対して、どれくらいの慰謝料を請求できるのか気になりますよね。
本章では、
- 不倫・離婚慰謝料の相場
- 不倫慰謝料が増額されるケース
- 不倫慰謝料が減額されるケース
について解説します。
3-1:不倫・離婚慰謝料の相場は50万〜300万円
基本的に不倫・離婚慰謝料の相場は、50万〜300万円とされています。
不貞行為による不倫・離婚慰謝料の金額を決める際、当事者で話し合いを行い、話がまとまらない場合は裁判で決まります。
慰謝料の金額は、法律で定められているわけではありません。
慰謝料の金額は、過去の判例と以下のポイントを踏まえて決定します。
- 風俗通いの回数や頻度
- 夫婦関係に与えた影響
- 精神的苦痛の大きさ
風俗通いによる不貞行為の場合、通常の不貞行為とくらべると精神的苦痛が少ないと考えられるため、慰謝料が減額される傾向にあります。
風俗通いによる不倫慰謝料の相場は、50万〜300万円ですが、減額されることも想定しておきましょう。
3-2:不倫慰謝料が増額されるケース
風俗通いを理由に不倫慰謝料を請求した場合、増額される可能性があるのは、以下のケースです。
- 風俗に通う回数が多く、期間も長い
- 店外で個人的に風俗嬢と不貞行為を行った
- 風俗に行かないと約束をしたが反故にされた
- 生活費を風俗通いに使い込んだ
上記のケースを理由に慰謝料を増額させたい場合、事実を証明するための証拠が必要です。
風俗通いを示す証拠については後述していますので、そちらで確認しましょう。
3-3:不倫慰謝料が減額されるケース
風俗通いを理由に不倫慰謝料を請求しても、場合によって減額される可能性もあります。
不倫慰謝料が減額されるケースは、以下のとおりです。
- 1度だけ風俗に通った
- 夫からの性交渉を拒み、セックスレスが続いていた
- あなた自身が「風俗にでもいけばいい」と発言した
風俗に通った回数が1回のみの場合、婚姻関係が修復できると判断されるため、慰謝料が認められなかったり、もし認められたとしても減額される可能性があります。
また、夫の風俗通いの原因があなた自身の行動や言動によって起きた場合も、慰謝料が減額される可能性があります。
4章:風俗通いの夫に慰謝料請求するための3つの方法
風俗通いの夫に慰謝料を請求するための3つの方法は、以下のとおりです。
- 風俗通いを示す確実な証拠を集める
- 探偵事務所に調査を依頼する
- 弁護士に相談する
それぞれ解説します。
4-1:風俗通いを示す確実な証拠を集める
風俗通いの夫に慰謝料を請求する場合は、風俗通いを示す確実な証拠を集めましょう。
慰謝料の請求を認められるためには、夫が風俗に通って不貞行為を行なった証拠が必要だからです。
風俗通いを示す証拠は、以下のとおりです。
- ソープランドの会員証や支払明細
- クレジットカードの明細
- 風俗で性交渉を行ったと認めた書面や音声記録
- ソープ嬢の名刺
上記のような証拠を集めることで、慰謝料の請求が認められやすくなります。
しかし、あなた自身で証拠を集める場合、夫にバレてしまうリスクもあるため、慎重に証拠を集めましょう。
4-2:探偵事務所に調査を依頼する
慰謝料を請求する際は、探偵事務所に調査を依頼する方法もあります。
探偵事務所に調査を依頼することで、より確実に風俗通いの証拠を掴めるからです。
あなた自身で証拠を集めることもできますが、証拠が掴めなかったり、または証拠集めをしていることが夫にバレてしまうリスクがあります。
探偵事務所は証拠集めのプロであるため、尾行や張り込み、聞き込みなどを行い、風俗通いを示す証拠を集められる可能性が高いです。
自分で証拠を集めることに自信がない場合や、より確実に証拠を集めたい場合は、探偵事務所に調査を依頼しましょう。
4-3:弁護士に相談する
不倫慰謝料を請求する場合は、弁護士に相談することをオススメします。
不倫の慰謝料請求や離婚に関して、法律のプロである弁護士に総合的なサポートを受けられるからです。
たとえば、不倫している有力な証拠などの集め方や、あなたが不利にならない立ち回り方を、状況別にアドバイスしてくれます。
また、慰謝料請求や離婚に関する話し合いを行う場合、弁護士があなたに代わって夫と話し合うため、交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
慰謝料を請求するには多くの時間と労力が必要で、精神的にも大きな負担がかかるため、まずは弁護士に相談しましょう。
まとめ:風俗通いの夫への慰謝料請求は専門家に相談しよう
■風俗通いの夫に不倫慰謝料請求や離婚できる3つのパターン
- 不貞行為(肉体関係)があった場合
- 風俗通いが原因で「悪意の遺棄」に該当する場
- 風俗通いが原因で婚姻関係が破綻した場合
■風俗通いで不倫慰謝料を請求するのが難しい理由
- 不貞行為の証拠を掴むことが難しいから
- 風俗店を数回利用しただけでは、不貞行為と認められないから
- 風俗嬢への不倫慰謝料請求は難しいから
■風俗通いが原因の離婚慰謝料相場は、50万〜300万円
■不倫慰謝料が増額されるケース
- 風俗に通う回数が多く期間が長い
- 店外で個人的に風俗嬢と不貞行為を行った
- 風俗に行かないと約束をしたが反故にされた
- 生活費を風俗通いに使い込んだ
■不倫慰謝料が減額されるケース
- 1度だけ風俗に通った
- 夫からの性交渉を拒み、セックスレスが続いていた
- あなた自身が「風俗にでもいけばいい」と発言した
■風俗通いの夫に慰謝料請求するための3つの方法
- 風俗通い示す確実な証拠を集める
- 探偵事務所に調査を依頼する
- 弁護士に相談する
風俗通いの夫へ慰謝料請求や離婚を考えているけど、どうすればいいか分からないと悩んでいる方は、当法律事務所にご相談ください。
弁護士法人新橋第一法律事務所は、
- 不倫トラブルの経験豊富な弁護士が所属
- 慰謝料の減額、免除に強い
- 多様な不倫トラブルの解決実績がある
といった特徴がある法律事務所です。
初回相談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。