精神的苦痛で慰謝料請求できるケースや3つの条件と慰謝料相場を解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

精神的苦痛で慰謝料請求できるケースや3つの条件と慰謝料相場を解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 精神的苦痛を受けた場合は慰謝料を請求できる
  • 精神的苦痛で離婚・慰謝料請求できるケースと慰謝料相場
  • 精神的苦痛への慰謝料請求が認められない4つのケース
  • 慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

あなたは、

  • 離婚で受けた精神的苦痛を理由に慰謝料請求したい
  • 精神的苦痛による慰謝料請求が認められるケースとは?
  • 精神的苦痛に対する慰謝料相場を知りたい

などとお考えではありませんか?

配偶者の行為によって精神的苦痛を受け離婚に至った場合は、損害賠償として慰謝料を請求することができます。

精神的苦痛は目に見えづらい損害ですが、配偶者の不倫やDVなど不法行為が認められた場合は、慰謝料請求が可能です。

慰謝料の金額は、離婚に至るまでの夫婦関係や、不法行為の種類や態様によって変わってきます。

ただし、離婚の原因が性格の不一致などの場合は、不法行為ではないため慰謝料請求が認められません。

そこで、この記事では、

1章では、精神的苦痛を受けた場合は慰謝料を請求できる

2章では、精神的苦痛で離婚・慰謝料請求できるケースと慰謝料相場

3章では、精神的苦痛への慰謝料請求が認められない4つのケース

4章では、慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

について詳しく解説します。

この記事を読んで、精神的苦痛を受けた際の慰謝料請求できるケースや、慰謝料相場をよく理解してください。

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1章:精神的苦痛を受けた場合は慰謝料を請求できる

配偶者の行為によって精神的苦痛を受け離婚に至った場合は、損害賠償として慰謝料請求できます。

被害を受けた相手の行為が不法行為にあたる必要があります。

  • 精神的苦痛とは
  • 慰謝料請求できる際の3つの条件 

それぞれ解説します。

1-1:精神的苦痛とは

精神的苦痛とは、精神的に強いストレスや損害を受けることです。

精神的苦痛を与えた加害者は、財産以外の損害に対しても損害賠償金を支払う義務があります。

たとえば、配偶者の行為が不法行為にあたると認められた場合は、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できます。

1-2:慰謝料請求できる際の3つの条件 

精神的苦痛を理由に慰謝料請求できることがわかりましたが、具体的には次の3つの条件をすべて満たすことが必要です。

  • 精神的苦痛を被った
  • 加害行為が不法行為にあたる
  • 慰謝料を請求できる期間を過ぎていない

慰謝料は、精神的苦痛を賠償金により補填するものなので、精神的苦痛を被ったことが基本的な条件となります。

次に、精神的苦痛を起こした加害行為が不法行為に当たることがあげられます。

不法行為とは、法律で保護されている他人の権利や利益を侵害することをいいます。

たとえば、配偶者の不倫で離婚する場合は、夫婦の貞操義務の違反や不貞行為(法定離婚事由)による精神的苦痛を受けたと言えるでしょう。

そのため、配偶者の不法行為によって精神的苦痛を被った場合は、慰謝料を請求できるのです。

しかし、慰謝料の請求には期限があるためその期限内に請求しなければなりません。

損害または加害者を知ったときから3年間、不法行為が発覚してから20年間を超えた場合は、請求できなくなってしまうので、必ず期限内であることを確認してください。

2章:精神的苦痛で離婚・慰謝料請求できるケースと慰謝料相場

精神的苦痛で離婚や慰謝料請求する場合、法定離婚事由に該当していると、請求が認められる可能性が高くなります。

法定離婚事由としては、次の5つがあげられます。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一  配偶者に不貞な行為があったとき。

二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四  配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

また、慰謝料金額は、法律上の具体的な定めはありませんが、婚姻生活の状態や有責性により変動します。

精神的苦痛で離婚・慰謝料請求できるケースは、次の3つです。

  • 配偶者の不倫(不貞行為): 150万~300万円
  • DV(暴力)やモラハラ: 50万~300万円
  • 生活費を入れないなど悪意の遺棄: 50万~300万円

それぞれ解説します。

2-1:配偶者の不倫(不貞行為) 150万~300万円

配偶者の不倫(不貞行為)は、法定離婚事由に当たるため慰謝料を請求できます。

配偶者の不倫による慰謝料は、離婚に至った場合は150万円から300万円が相場です。

不倫が夫婦関係に与えた影響や、不貞行為の回数、頻度なども考慮され決定されます。

配偶者の不倫が原因で離婚する場合と、離婚しない場合では慰謝料金額が異なる場合もありますが、一般的には離婚する場合の方が高額になる傾向があります。

また、不倫した配偶者と不倫相手の両方に請求できることも覚えておきましょう。

2-2:DV(暴力)やモラハラ 50万~300万円

DV(暴力)やモラハラは、法定離婚事由の婚姻生活を継続し難い重大な事由に当たるため、慰謝料を請求できます。

DVやモラハラによる慰謝料は、50万円から300万円が相場です。

この場合は、DVやモラハラによるケガがある場合や、病気になった場合は診断書があると有力な証拠になります。

2-3:生活費を入れないなど悪意の遺棄 50万~300万円

生活費を入れない行為は、法定離婚事由の悪意の遺棄に当たるため、慰謝料を請求できる可能性があります。

その場合の慰謝料は、50万円から300万円が相場です。

ただし、夫婦共働きの場合や、家庭内別居状態の場合は、悪意の遺棄と認めることが難しいケースもあります。

そのため、悪意の遺棄に当たると思われる場合は、弁護士に相談することをオススメします。

3章:精神的苦痛への慰謝料請求が認められない4つのケース

精神的苦痛への慰謝料請求は、理由によっては認められないケースがあります。

夫婦関係の状態や不法行為の証拠がないなど、具体的には次の4つのケースがあげられます。

  • 婚姻関係が破綻し不貞行為にあたらない場合
  • 不法行為(不倫・DVなど)の証拠がない場合
  • 不法行為の時効が成立している場合
  • 性格や価値観の不一致

それぞれ解説します。

3-1:婚姻関係が破綻し不貞行為にあたらない場合

配偶者が不倫する前から、婚姻関係が破綻していたと見なされる場合、精神的苦痛への慰謝料請求は認められない可能性があります。

婚姻関係が破綻しているかの判断は、明確な基準があるわけではありませんが、すでに長期間別居している場合は、婚姻関係が破綻していたと見なされるケースがあります。

その場合は、不貞行為に当たらないために、慰謝料を請求できない可能性があります。

3-2:不法行為(不倫・DVなど)の証拠がない場合

不倫やDVなどの不法行為を立証できる証拠がない場合、慰謝料請求が認められない可能性があります。

たとえば、不倫を立証する有効な証拠としては、ラブホテルに出入りする写真や、不貞行為を裏付ける裸の写真や動画などです。

DVなどの暴力を立証する有効な証拠としては、加害者の暴言を録音したデータや、身体的暴力を受けた際の診断書などがあげられます。

これらの不法行為を立証する証拠がない場合は、慰謝料請求をしても認められない可能性があります。

3-3:不法行為の時効が成立している場合

不法行為に対する慰謝料請求には、その損害または加害者を知ったときから3年の期限があり、3年を経過している場合は時効が成立するため、慰謝料請求はできません。

また、不法行為が発覚してから20年間を超えた場合も、請求できなくなります。

そのため、不倫の事実と不倫相手を特定できた場合は、3年以内の慰謝料請求が必要です。

ただし、不倫相手が特定できていない場合は、不倫相手を特定できたときから消滅時効をカウントします。

なお、夫婦間の権利義務については、婚姻の解消の時から6か月は時効の完成が猶予されます。

3-4:性格や価値観の不一致

性格や価値観の不一致は、どんなに配偶者から精神的苦痛を受けていた場合でも、慰謝料請求が認められない可能性があります。

単なる性格や価値観の不一致は、夫婦どちらか一方だけに離婚原因を作った責任(有責性)があるわけではないためです。

ただし、性格や価値観の不一致が原因で、どちらかが一方的に出ていって家庭を省みない場合は、悪意の遺棄と見なされる場合はあります。

しかし、婚姻関係の破綻や悪意の遺棄に当たらない程度の状態で、性格や価値観の不一致を理由に離婚する場合は、慰謝料請求は認められない可能性が高いでしょう。

4章:慰謝料請求を弁護士に相談するメリット

精神的苦痛に対する慰謝料請求は、弁護士に相談することがオススメです。

法律の専門家として相手方と交渉してもらえるので、これ以上あなたの精神的苦痛を増大させずに、慰謝料請求ができるからです。

主な、慰謝料請求を弁護士に相談するメリットには次の3つがあげられます。

  • 相手との交渉を任せられる
  • 適正な慰謝料金額で合意できる
  • 調停訴訟に進んでも任せられる

それぞれ解説します。

4-1:相手との交渉を任せられる

弁護士に精神的苦痛への慰謝料請求を依頼することで、相手方との交渉を任せることができます。

これまで受けた精神的苦痛により、相手方と顔を合わせるのも負担に感じる場合もあると思いますが、弁護士に依頼すればこうした負担を避けられます。

また、あなたが交渉する場合に比べ、法律の専門家として冷静な話し合いができることも期待できるでしょう。

4-2:適正な慰謝料金額で合意できる 

弁護士に依頼することで、適正な慰謝料金額を相手方に提示し合意することができます。

精神的苦痛に対する慰謝料金額は、配偶者の不法行為により離婚に至るまでの、さまざまな事情を考慮して判断しなければなりません。

知識や経験がない個人では、不当に高額な金額を請求したり、反対に不利な条件で合意してしまったりすることも考えられるでしょう。

弁護士なら、具体的な事案を参考に、適正な慰謝料金額を判断して、合意まで話し合いを進めることができます。

4-3:調停や訴訟に進んでも任せられる

精神的苦痛への慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、話し合いがまとまらずに調停や訴訟に進んだとしても、必要書類などの手続きや訴訟の進行を任せることができます。

訴訟では主張を書面で提出しなければならないことや、不法行為の証拠の提出も必要です。

訴訟で必要な提出物も弁護士が対応することで、法のもとあなたに有益となるよう、進められる可能性が高くなります。

まとめ:精神的苦痛の理由が不法行為の場合、慰謝料請求できる

最後に今回の内容を振り返ります。

【精神的苦痛を受けた場合は慰謝料を請求できる】

  • 精神的苦痛とは体・名誉・自由・財産などを外部から侵害され、強いストレスを受けること

■慰謝料請求できる際の3つの条件 

  • 精神的苦痛を被った事実
  • 加害行為が不法行為にあたる
  • 慰謝料を請求できる時効を過ぎていない

【精神的苦痛で離婚・慰謝料請求できるケースと慰謝料相場】

  • 配偶者の不倫(不貞行為): 150万~300万円
  • DV(暴力)やモラハラ :50万~300万円
  • 生活費を入れないなど悪意の遺棄: 50万~300万円

【精神的苦痛への慰謝料請求が認められない4つのケース】

婚姻関係が破綻し不貞行為にあたらない場合

  • 不法行為(不倫・DVなど)の証拠がない場合
  • 不法行為の時効が成立している場合
  • 性格や価値観の不一致の場合

【慰謝料請求を弁護士に相談するメリット】

  • 相手との交渉を任せられる
  • 適正な慰謝料金額で合意できる 
  • 調停や訴訟に進んでも任せられる

 

この記事の内容を参考にして、精神的苦痛に対する慰謝料請求する際に、役立ててください。

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