慰謝料に税金はかからない!例外的に税金がかかる場合と非課税にするコツ

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住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

慰謝料に税金がかかる4つのケース

あなたは、

  • 離婚や不倫の慰謝料には税金がかかるか知りたい
  • 慰謝料を不動産で受け取ると税金がかかるって本当?
  • 慰謝料に税金がかからないようにする方法は?

などとお考えではないでしょうか?

結論から言うと、慰謝料は、金銭で受け取る場合は原則として非課税です。

なぜなら、慰謝料は、不法行為によって被害者が受けた損害を補填する、損害賠償として支払われる金銭のため、基本的には受け取る側の利益につながるものではないからです。

ただし、例外的に税金がかかる場合もあります。

それは、慰謝料の一般的な金額より高額すぎるケースや、金銭ではなく家や土地などの不動産で受け取るケースなどです。

そこで、この記事では、

1章では、離婚・不倫慰謝料には税金がかからない

2章では、慰謝料を支払う側に税金がかかるケース

3章では、慰謝料に税金がかからないようにするコツ

について詳しく解説します。

この記事を読んで、慰謝料を受け取る・支払う際の税金の大事なポイントを、しっかり理解してください。

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1章:離婚・不倫慰謝料には税金がかからない

先に述べたように、離婚や不倫の慰謝料は、基本的には税金はかかりませんが、例外的に課税されるケースもあります。

そこで、

  • 離婚・不倫慰謝料を受け取っても原則非課税
  • 例外的に税金がかかるケース

それぞれ解説します。

1-1:離婚・不倫慰謝料を受け取っても原則非課税

離婚や不倫の慰謝料は、加害者から受けた精神的損害に対し、金銭で穴埋めをするのが目的です。

受け取る側が新たな利益を得るわけではないので、基本的に所得税や贈与税はかかりません。

また、まとまった金銭を受け取ると、確定申告をするのが一般的ですが、慰謝料は当事者双方が確定申告をする必要はありません。

加えて、確定申告をしている人が慰謝料を支払った場合、慰謝料を必要経費に算入することはできないほか、所得控除の対象にならないので注意が必要です。

1-2:例外的に慰謝料に税金がかかるケース

例外的に慰謝料に税金がかかるケースとして、次の3つがあげられます。

  • 慰謝料が一般的な金額よりかなり高額だった場合
  • 慰謝料として不動産・動産を受け取った場合
  • 偽装離婚の疑いがある場合

それぞれ解説します。

1-2-1:慰謝料が一般的な金額よりかなり高額だった場合

慰謝料が社会的に見て、相当な範囲を超えて高額な場合、範囲を超えた部分に対して贈与とみなされることがあります。

その場合は、超過分に対して贈与税が課税されることがあります。

不倫を原因とする離婚慰謝料は、100万円~300万円程度が相場と言われています。

たとえば、5,000万円の「慰謝料」が支払われた場合は、社会的に相当な範囲を明らかに超えているため、「慰謝料」は名ばかりで実質的には贈与であると認定される可能性があります。

また、このようにあまりにも高額すぎる慰謝料の合意をすると、贈与とは認定されなかったとしても、合意が無効になってしまう可能性が高いです。

1-2-2:慰謝料として不動産・動産を受け取った場合

慰謝料は金銭で支払うのが一般的ですが、場合によっては、不動産や動産で支払われる場合があります。

主に、マイホームや有価証券などがあげられますが、これらの時価相当額が、慰謝料として社会的に見て高額すぎる場合は、過分な部分に対して贈与税がかかる可能性があります。

また、マイホームなどの不動産を慰謝料として受け取る場合は、時価相当額が慰謝料として相当だったとしても、別途不動産取得税と登録免許税がかかります。

加えて、不動産取得後は、固定資産税が毎年かかることも理解しておきましょう。

1-2-3:偽装離婚の疑いがある場合

偽装離婚とは、実際は婚姻関係を解消する意思がないのに、税金の支払いを免れるため、もしくは財産を隠すなどの目的で離婚することをいいます。

慰謝料は基本的に非課税という性質を悪用し、偽装離婚をすることで、離婚慰謝料として多額の金銭的なやりとりを行うことを指します。

偽装離婚の場合、離婚慰謝料という実態は存在しないことになります。

そのため、慰謝料として支払われた金銭は「贈与」となり、偽装離婚が認められれば贈与税が課税されます。

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2章:慰謝料を支払う側に税金がかかるケース

慰謝料は、受け取る側だけでなく、支払う側に税金がかかるケースがあります。

主に、慰謝料の支払い方で課税されるかどうかが違ってきます。

そこで、

  • 第三者に慰謝料を支払ってもらう場合
  • 慰謝料を不動産で支払う場合

それぞれ解説します。

2-1:第三者に慰謝料を支払ってもらう場合

慰謝料を支払うお金がなく、親族や友人などに代わりに支払ってもらった場合、代わりに支払った人からの贈与とみなされることがあります。

その場合は、贈与税が課せられる可能性があるので注意が必要です。

2-2:慰謝料を不動産で支払う場合

家などの不動産の取得にかかった金額よりも、慰謝料として譲渡するときの不動産の時価が高額な場合は、譲渡する側に所得があったとみなされ、譲渡所得税が課せられる可能性があります。(譲渡益が3,000万円までの住居用不動産を除く)

不動産以外に株式などの資産でも、同じように譲渡所得税が課せられる可能性があります。

また、不動産など金銭以外で慰謝料を支払う際は、時価によっては数百万円から1,000万円以上になることもあるでしょう。

そうなれば、受け取る側にも慰謝料としての社会的相当額として高すぎる、という判断から税金が課せられる可能性があります。

金銭以外で慰謝料を支払う場合は、できるだけ税金を抑えるよう当事者双方で協力することが必要です。

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3章:慰謝料に税金がかからないようにするコツ

慰謝料を受け取るときは、できるだけ贈与税や所得税などの税金がかからないようにしたいものです。

慰謝料に税金がかからないようにするコツとして、次の3つがあげられます。

  • 現金で受け取る
  • 慰謝料についての合意内容を書面で残す
  • 財産分与や養育費は慰謝料名目で受け取らない

それぞれ解説します。

3-1:現金で受け取る

慰謝料は、可能な限り現金で受け取るよう話し合うことが大切です。

慰謝料として不動産を受け取ると、

  • 不動産所得税
  • 登録免許税
  • 固定資産税

などがかかるからです。

また、不動産の時価によっては、慰謝料の相当額を超えて高額になることも考えられます。

相当額を超えた部分は、贈与税がかかる可能性も出てくるので、時価評価額には注意が必要です。

さらに、慰謝料を支払う側には、譲渡所得税がかかる可能性もあります。

こうしたことを総合的に見ると、慰謝料はなるべく現金で受け取る・支払うことがお互いにとってベストだといえるでしょう。

3-2:慰謝料についての合意内容を書面で残す

慰謝料の金額や支払い方法について、夫婦で合意した内容は必ず書面に残すことをオススメします。

離婚協議書や公正証書などに残すことで、慰謝料の支払い不履行を未然に防ぐことが期待できます。

また、慰謝料を受け取る側にあとから税務署の調査が入った場合でも、慰謝料として受け取ったことを証明することができます。

もし、書面に残していなかった場合、税務署に対して慰謝料として受け取ったものであることが証明できません。

そうなれば、余分に税金を支払わなければならない事態も考えられるので、必ず書面に残しておくことをオススメします。

3-3:財産分与や養育費は慰謝料名目で受け取らない

離婚する際に、慰謝料のほかに財産分与や養育費などの、金銭的なやり取りがあるケースも珍しくありません。

財産分与や養育費は、慰謝料名目で受け取らないことを徹底して、それぞれの正しい名目で受け取りましょう。

万が一、慰謝料名目で受け取った場合、慰謝料の総額が社会的に相当な範囲を超える可能性があるからです。

過分な部分には贈与税がかかるおそれがあるので、必ずそれぞれの名目で受け取りましょう。

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まとめ:離婚・不倫の慰謝料は原則非課税

最後に今回の内容を振り返ります。

離婚・不倫慰謝料には、原則として税金がかからない

■例外的に慰謝料に税金がかかるケース

■慰謝料を支払う側に税金がかかるケース

  • 第三者に慰謝料を支払ってもらう場合
  • 慰謝料を不動産で支払う場合

■慰謝料に税金がかからないようにするコツ

  • 現金で受け取る
  • 慰謝料についての合意内容を書面で残す
  • 財産分与や養育費は慰謝料名目で受け取らない

この記事の内容を参考にして、慰謝料を受け取る・支払う際に役立ててください。

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