【離婚慰謝料を請求したい】1円でも高額請求するための知識を解説

監修者

監修者 住川佳祐

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

【離婚慰謝料を請求したい】1円でも高額請求するための知識を解説

あなたは、

離婚慰謝料ってなんだろう?どのくらいもらえるんだろう?」

「離婚慰謝料は自分でも請求できるのかな?」

「離婚慰謝料を請求するためには何をしたら良いんだろう?」

などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?

結論から言えば離婚慰謝料とは、離婚によって生じる精神的な苦痛に対して支払われるお金の事です。

離婚原因にもよりますが、50万円から500万円程度が慰謝料の相場です。

慰謝料が請求できるのは、どちらか一方に離婚の原因がある場合で、一方に原因がない場合は請求することができません。

「相手の行為が原因で離婚になったため、慰謝料を請求したい」 と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、慰謝料を請求するためにはまず、

「自分が慰謝料を請求できるかどうか」

「慰謝料を1円でも多く請求するにはどうしたらいいか」

ということについて正しい知識を知っておくことが重要です。

そこでこの記事では、 1章で離婚慰謝料とはどういうものか解説し、2章では離婚慰謝料が発生するケース、慰謝料の相場について説明します。

3章では、 離婚慰謝料を請求しにくいケースについて説明し、4章では離婚慰謝料を請求する具体的なステップを解説します。

さらに、慰謝料請求に必要な証拠、3年の時効、慰謝料以外に請求できるお金についても詳しく説明します。

あなたが関心のあるところから読んで、これからの行動に活用してください。

離婚慰謝料請求のポイント

不倫の慰謝料でお悩みのあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
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1章:離婚慰謝料とは

それでは、まずは離婚慰謝料について、

  • 離婚慰謝料とはどういうものなのか
  • 離婚慰謝料は誰に請求できるのか
  • 離婚慰謝料の2つの種類

と言う基礎知識から解説していきます。

先に離婚慰謝料が発生するケースや離婚慰謝料の相場について知りたいと言う場合は、2章からお読みください。

1-1:慰謝料とは

そもそも離婚慰謝料とは、離婚によって発生する精神的な苦痛に対して支払われるお金のことです。

そのため、

  • 離婚によって精神的な苦痛が発生していること
  • 離婚の原因が相手側にあること

という場合に請求できるのが慰謝料です。

2章で詳しく説明しますが、上記の理由から、慰謝料には請求できる場合と請求できない場合があります。そのため、離婚するからといって必ずしも慰謝料がもらえるというわけではない、と言うことを知っておきましょう。

逆に、離婚の理由の原因が自分側にある場合は、あなたが慰謝料を請求される側になる可能性もあるということも注意してください。

また重要なのは、離婚する場合は慰謝料以外にも「財産分与」「養育費」「婚姻費用」など他にも請求できるお金があるということです。詳しくは7章で説明します。

1-2:慰謝料は配偶者と不倫相手に請求できる

多くのケースで、慰謝料の請求相手はあなたの配偶者ですが、相手の不倫(不貞行為)に離婚の原因がある場合は、あなたの配偶者だけでなくその不倫相手に対しても慰謝料請求することができます。

そもそも、不貞行為というのは配偶者を持ちながら配偶者以外の異性と自分の意思に基づいて肉体関係を持ってしまうことです。不貞行為は民法上、不法行為とされているため、離婚の原因としても認められますし慰謝料も請求可能です。

そして、不貞行為は配偶者と不倫相手の共同で行われる行為であるため、その責任も配偶者と不倫相手が共同で負うことになります。

あなたが、配偶者の不貞行為によって離婚することになった場合、配偶者だけでなくその不倫相手にも慰謝料を請求することで仕返しができる、という事は覚えておいた方が良いでしょう。

不倫で慰謝料請求したい場合は、下記の記事もあわせてご覧ください。

【弁護士が解説】不倫慰謝料を高額請求するために知っておくべき知識

離婚慰謝料の、基本的なポイントについて理解することができたでしょうか?

それでは次に、実際に離婚慰謝料が発生するケースとケースごとの慰謝料相場について解説していきます。

2章:離婚慰謝料が発生するケースと相場

離婚慰謝料が発生するケース・相場は、以下の通りです。

離婚の原因と慰謝料相場

それぞれの慰謝料請求できるケースについて説明する前に、知っておいていただきたいことがあります。

それは、そもそも法律上離婚事由になると規定されているのは、以下の五つの事由のみとなっているということです。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

(民法第770条)

3と4の理由で離婚する場合は、慰謝料請求は難しいでしょう。

したがって、慰謝料請求ができるのは上記の1、2、5の理由のいずれかによって離婚する場合、ということになります。

弁護士
弁護士
どれにあなたが該当するか、よく確認してみてください。不安な場合は、無料相談を利用して弁護士に相談することをおすすめします。

2-1:不貞行為

1章でも簡単に説明しましたが、不貞行為とは夫婦や婚約している恋人同士、もしくは内縁関係の男女の一方が、パートナー以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことです。

一般的には「不倫」「浮気」と言われますが、法律上は「不貞行為」と言います。

■不貞行為は違法行為

不貞行為が不法行為(違法行為)となる理由は、不貞行為は夫婦関係(もしくは婚約・内縁関係のパートナーとの関係)に大きなダメージを与える行為であり、パートナーは精神的に苦痛を受けるためです。

不倫による精神的苦痛への慰謝料

※不貞行為の定義について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【不貞行為とは?】不貞行為になるもの・ならないものを弁護士が解説

不貞行為による離婚は非常に多く、慰謝料請求が認められることも多いです。

■不貞行為の典型例と相場

慰謝料請求が認められる典型例は以下のような場合です。

【慰謝料が請求できる典型例】

  • 配偶者が他の異性と肉体関係を持った
  • 配偶者が不倫相手と同棲している
  • ラブホテルや旅館に長時間2人きりだった
  • 婚約中の不倫
  • 人工授精

不貞行為によって離婚に至った場合、慰謝料相場は「150万円-500万円」程度になります。

慰謝料の金額は、「婚姻期間」「不倫の期間や回数」「幼い子供の有無」などによっても変わりますので、詳しくは以下の記事も参考にしてください。

まさか自分の家庭で・・不倫の慰謝料相場と増額・減額を左右する7つの要因とは

弁護士
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繰り返しになりますが、これは精神的苦痛に対して請求できる金額であり、 離婚する場合は他にも財産分与など請求できるお金がありますので、注意してください。

2-2:DV・モラハラ

配偶者からDVを受けている場合、離婚理由として認められ慰謝料請求が認められる可能性も高いです。

なぜなら DV は、法律でも規定されている「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると考えられるからです。

■DVとは

DVとは、配偶者からの身体的な暴力(殴る・蹴るなど)だけでなく、暴言・モラハラといった言葉による暴力のことも指します。日常的にDVを受けているという場合は、その精神的苦痛の度合いに応じて慰謝料を請求することが可能になるのです。

■DVの典型例と慰謝料相場

DVやモラハラで慰謝料請求できる典型例は以下の通りです。

【DVで慰謝料請求できる典型例】

  • 暴力によって骨折などのケガをした
  • 極端な暴言やモラハラの被害を日常的に受けていた
  • モラハラによってうつ病などの精神疾患を発症

DVの場合は「婚姻期間の長さ」「DVを受けていた回数、期間、頻度」「被害の大きさ(ケガ等)」等で慰謝料の相場もことなりますが、概ね50万円から300万円程度の間に収まることが多いです。

2-3:悪意の遺棄

悪意の遺棄を理由に離婚した場合も、慰謝料が請求できる場合があります。

■悪意の遺棄とは

悪意の遺棄とは、法律で定められた夫婦の義務(同居、協力、扶助)に反して、一方がこの義務を悪意を持って放棄することです。悪意とは、婚姻倫理からみて非難される態様でこうした義務を放棄するということです。

具体的には、

  • 夫婦の合意なしに家を出て行き別居する、同居を拒否する
  • 収入があるのに家計にお金を全く入れない

などの行為を夫婦関係を破綻させることを意図して行っている場合は、悪意の遺棄が離婚事由として認められ、慰謝料請求が可能である場合もあるのです。

■悪意の遺棄の慰謝料相場

悪意の遺棄による離婚が認められた場合、慰謝料の相場は50万円から300万円程度になることが多いようです。

悪意の遺棄の場合も、慰謝料は「配偶者の行為の期間」や「状況」などに応じて大きく変化するため、慰謝料がさらに高額になる場合もあります。

ただし、他のケースと同じように悪意の遺棄でも慰謝料を認めさせるためには、その証拠が必要です。

詳しくは5章をお読みください。

2-4:セックスレス

セックスレスは離婚事由になり、また場合によっては慰謝料請求が認められる場合もあります。

■離婚事由になるセックスレスとは

セックスレスも、民法における「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると言われており、 具体的には以下のような場合にセックスレスによる離婚が認められることが多いです。

  • 長期間にわたって性行為を拒む
  • 結婚してから性行為を拒まれる
  • 結婚後に全く性行為をしていない

上記の場合はセックスレスによる離婚や慰謝料請求が認められる場合が多いです。

しかし、一方に性行為ができない身体的な事情がある場合、双方とも性行為に積極的ではない場合、自然にセックスレスになった場合などは、セックスレスを理由にした離婚や慰謝料請求は認められない場合もあります。

■セックスレスの慰謝料相場

セックスレスの慰謝料相場は50万円から300万円程度です。

慰謝料は「婚姻期間の長さ」「セックスレスの期間の長さ」「セックスする努力をしていない」等の状況によって変動します。

また、数ヶ月程度のセックスレスでは慰謝料請求が認められないことも多く、目安としては1年以上セックスレスの期間があると慰謝料が認められやすいです。

2-5:借金

場合によっては、配偶者の借金を理由に離婚し配偶者に慰謝料請求できる場合もあります。

ただし、 配偶者が借金をしているからといって確実に離婚できる訳でも慰謝料請求できるわけでもありません。

■離婚慰謝料請求が認められる借金とは

2章の冒頭でも説明したように、そもそも離婚できる理由は法律上限られています。

借金は通常、法律上認められる離婚の理由にはなりませんが、場合によっては離婚の理由として認められ、慰謝料請求が可能である場合もあります。

借金による離婚で慰謝料請求を認めさせるためには、それが法律上の「婚姻関係を継続し難い重大な事由」として認められるかどうかという点が問題になります。

したがって例えば、

  • ギャンブルで繰り返し借金をしている
  • 風俗通いによる借金
  • 借金による取り立てで平穏な生活が送れない
  • 通常の生活が送れないほど多額の借金になっている

などの場合は、離婚事由になりまたその精神的苦痛が認められれば、慰謝料請求が可能である場合もあるのです。

ただし、

  • 夫婦で加入したローン(住宅ローンや自動車)で生まれた借金である場合
  • 配偶者の借金の連帯保証人になっている場合

などは、そもそも借金を理由に離婚することはできなかったり、あなたにも借金の返済義務が発生することになるため注意してください。

■借金による離婚の慰謝料相場

繰り返しになりますが、借金が直接に離婚の理由になるというわけではないため、慰謝料請求が認められる場合も状況に応じて請求できる金額は大きく変わります。

ただし慰謝料請求が認められても、配偶者に財産がなければ支払わせることができません。

借金をしている場合、 配偶者がもつ財産が少なく、請求が認められても慰謝料支払わせることができないという場合もあります。そのため、借金による離婚の場合の慰謝料は少なくなる傾向があると考えられます。

女性
女性
状況によって慰謝料は異なるんですね。
弁護士
弁護士
そうなんです。また、ここで相場としているのは裁判になった場合のことで、もし話し合いで相手が認めれば、もっと高額の慰謝料が認められることもあります。
女性
女性
そうなんですね。
弁護士
弁護士
そのため、自己判断せずに専門家である弁護士に相談し、あなたの状況でどのくらいの慰謝料が請求できるか確認することをおすすめします。
女性
女性
分かりました。
弁護士
弁護士
それでは次に、慰謝料請求が認められにくいケースについて説明します。

3章:離婚慰謝料が認められにくいケース

下記のケースでは、離婚慰謝料が認められないことが多いです。

  • 性格の不一致
  • 健康上の問題
  • 相手の親族との不和

順番に説明します。

3-1:性格の不一致

夫婦間の性格の不一致で離婚する場合は、慰謝料が請求できないことが多いです。

繰り返しになりますが、離婚慰謝料が認められるのは、配偶者の行為によってあなたが精神的苦痛を受けたことが明らかである場合です。

性格の不一致の場合、

  • 配偶者の言動や行動が気に食わない
  • 性格が合わず喧嘩ばかりしてしまう
  • ライフスタイルが合わずすれ違いが多い

といったことが多いと思いますが、これらは一方だけに非があるとは言いにくいため、慰謝料請求が認められにくいのです。

ただし、性格の不一致を通り越して「日常的な暴力・モラハラ的な言動」「働いているのに家にお金を入れない」「勝手に出ていったまま」といった行為が視られる場合は、2章で紹介した請求できるケースに該当します。

こういった場合は、弁護士に相談して慰謝料が請求できるか確認してみることをおすすめします。

3-2:健康上の問題

健康上の問題、つまり、

  • 配偶者が精神疾患で入退院するようになり、離婚したい
  • 配偶者が病気で介護をしなければならなくなり、離婚したい

といった場合は、慰謝料請求は認められないと考えてください。

配偶者の健康上の問題のために、あなたが精神的に苦しかったり通常の夫婦生活ができなくなったりすると、非常につらい思いをされると思います。しかし、だからといって健康上の問題を抱えた相手に離婚慰謝料を請求することは、裁判になっても認めてもらうことが難しいのです。

ただし、例えば配偶者が病気をきっかけに暴力的になるなど、法律上の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するような行為を行っているような場合は、慰謝料請求できる可能性もあります。

詳しくは弁護士に聞いてみることをおすすめします。

3-3:相手の親族との不和

配偶者の親族との不和を理由にした離婚でも、慰謝料を請求することは難しいです。なぜなら、離婚はあくまで夫婦間の問題であり親族の行為は離婚の直接の事由としては認められないからです。

また、離婚慰謝料を請求できるのは配偶者ですので、その親族に対して請求することはできません。

ただし、配偶者の親族から暴力、暴言・モラハラ的な行為を日常的に受けていたり、家を追い出されたといった場合は、離婚慰謝料とは別にその親族を相手に慰謝料請求できる可能性があります。

重い被害を受けていた場合は、離婚慰謝料とは別に慰謝料請求することも、検討してみると良いでしょう。

女性
女性
慰謝料請求が認められにくいケースについてよく分かりました。これから、具体的に行動するためにはどうしたら良いのでしょうか?
弁護士
弁護士
それではこれから、具体的な行動方法について詳しく解説します。

4章:離婚慰謝料請求の具体的なステップ

離婚慰謝料を請求したいという場合、「弁護士に依頼する方法」と「自分だけで請求する方法」の2つがあります。

それぞれ、以下のメリット・デメリットがあります。

弁護士に依頼して請求する場合と自分で請求する場合の違い

それぞれ以下のような人におすすめです。

■自分で請求する方法

  • とにかく費用をかけたくない人
  • 自分の力だけで解決したい人

■弁護士に依頼する方法

  • できる限り高額請求したい人
  • 手間や時間をかけたくない人
  • 配偶者や不倫加害者と直接やり取りしたくない人
  • 「慰謝料を踏み倒される」などのトラブルを避けたい人

それぞれ簡単に説明します。

4-1:離婚慰謝料請求を弁護士に依頼する方法

繰り返しになりますが、離婚慰謝料の請求は弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼した場合、以下の流れで慰謝料を請求できます。

※法律事務所によって流れが異なる可能性があるため、あくまで一般的な流れだと考えてください。

離婚慰謝料を弁護士に依頼する流れ

弁護士に依頼したら、後の手続きはほとんど弁護士が代理で行います。

裁判外の交渉だけなら、早ければ数ヶ月程度で終わりますが、裁判(訴訟)になった場合は、もっと期間が延び、長いケースでは1年以上かかることもあります。

そのため、多くの場合で裁判(訴訟)は最終手段であり、できるだけ裁判外の交渉で解決できるように弁護士が行動することになります。

女性
女性
自分で請求することもできるのですか?
弁護士
弁護士
もちろん可能ですが、相手と交渉するのは手間や時間、ストレスがかかりますし、請求できても慰謝料が少なくなってしまうことも多いです。
女性
女性
そうなんですね。。
弁護士
弁護士
とは言え、自分でやる方法も知りたい場合があると思いますので、これから簡単に説明します。

4-2:離婚慰謝料請求を自分で行う方法

離婚慰謝料を自分で請求する場合は、以下の流れで手続きを進めます。

離婚慰謝料を自分で請求する流れ

自分で請求する場合は、

  • 配偶者やその不倫相手との交渉
  • 慰謝料の請求書の作成
  • 離婚調停の手続き
  • 訴訟(裁判)を提起する手続き
  • 示談書の作成

など様々な手続きを自分で行わなければなりません。

また、それらの手続きには法的な知識が必要ですし、相手を裁判になれば慰謝料が適正な金額であることを示せる過去の判例の知識なども知っておく必要があります。

そのため、知識不足で慰謝料を認めてもらえなかったり、金額が大幅に少なくなる、ということもあるのです。

したがって、自分で請求するよりも弁護士に依頼する方法の方がおすすめなのです。

弁護士法人QUEST法律事務所では、無料で相談を行っておりますのでお気軽にご相談ください。

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5章:離婚慰謝料請求に必要な証拠

離婚慰謝料を請求し、適正な金額を支払わせるためには、離婚の原因となった行為に関する証拠が必要です。

なぜなら、証拠がなければ相手が「そんなことなかった」と言ってしまえば、離婚の原因となった行為を証明することができないからです。

離婚の慰謝料請求は、相手が認めなければ最終的には訴訟(裁判)になりますが、証拠がなければ裁判官を納得させることもできません。

したがって、できる限り早い段階で、できるだけ多くの証拠を集めておくことをおすすめします。

必要な証拠は離婚事由や状況によって異なりますので、これから順番に説明します。

5-1:不倫の場合

不倫による離婚で慰謝料請求する場合、下記の証拠を集める必要があります。

■不倫の証拠として認められやすいもの

  • 写真
  • 録音した音声データや録画した撮影データ
  • クレジットカードの利用明細、レシート
  • Suica、PASMOなどの利用履歴
  • メールや手紙
  • SNSやブログ
  • 手帳、日記、メモ
  • GPS
  • 住民票の写し
  • 妊娠、堕胎を証明できるもの
  • 子どもの血液型
  • 興信所や探偵の調査報告書

これらの証拠を集めて、不倫の回数や期間、相手等が弁護士・裁判官等の第三者に客観的に分かるようにする必要があるのです。

できるだけ多く証拠を集めておくと、慰謝料も高額になりやすいです。

不倫の証拠について、詳しくは下記の記事もご覧ください。

【浮気・不倫の13の証拠】証拠になるもの・ならないものを弁護士が解説

5-2:DV、モラハラの場合

DV・モラハラを受けている場合、下記の証拠を集めることをおすすめします。

■DV・モラハラの証拠として認められやすいもの

  • DVで受けたケガを撮影した画像
    殴る、蹴る、叩くなどの暴行を受けた場合は、怪我をした箇所を撮影しておく。
  • 病院の診断書
    暴行によるケガや精神的苦痛で精神科に言った場合など、病院に行って診断書をもらい保管しておく。
  • DV・モラハラのメモ・日記
    DV・モラハラを受けたことを、手書きのメモや日記に残していく。残す場合は「日時」「受けた行為」「場所」「被害の重さ」などできる限り詳しく状況を記録しておく。

これらの証拠を集めておくと、弁護士や裁判官にもDV・モラハラがあったことが分かるため、慰謝料請求が認められやすくなります。

5-3:悪意の遺棄の場合

悪意の遺棄の場合、「別居」「生活費が振り込まれない」「悪意があること」といったことを示す証拠を残す必要がありますので、下記の証拠を集めてください。

■悪意の遺棄で認められやすい証拠

  • 別居時期、原因、別居している所が分かる記録や資料
  • 生活費が振り込まれなくなったことが分かる通帳
  • 配偶者が夫婦関係を破綻させる意思を持っていたことが分かるメール、LINEの文章

これらを残しておけば慰謝料請求が認められにくいです。

これらの証拠がない場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。

5-4:セックスレス

セックスレスの場合、一方に原因があることを示すことが難しいため、証拠を残しておくことが非常に重要です。

■セックスレスの証拠

  • セックスレスのことを手書きで残した日記、メモ
    セックスレスになった時期や状況、原因、期間などについて詳細を記したもの。
  • 就寝時間などの夫婦の生活リズムを記録したメモ
    生活リズム的にセックスが可能なのにしていなかったということを証明するため、お互いの生活時間を記録する。
  • セックスレスを解決しようとした時の話し合いを記録したもの
    相手が拒否するような言動、行動を撮っていた場合、それを記録する。

これらについて証拠をできるだけ多く残しておくことをおすすめします。

詳しくは弁護士に聞いてみてください。

女性
女性
さっそく証拠集めから始めようと思います。
弁護士
弁護士
ぜひやってみてください。また、離婚慰謝料請求には時効があるため、早めに行動することが大事です。これから説明します。

6章:離婚慰謝料の請求には3年の時効がある

離婚の慰謝料が請求できるのは、離婚してから3年です。これを時効と言います。

そもそも時効とは、一定の期間放置すると、権利が消滅する仕組みのことです。離婚慰謝料の場合は、上記の通り「3年」の時効が経過すると、慰謝料を請求する権利が消滅してしまうのです。

離婚慰謝料の時効

そのため、離婚して3年が経過すると慰謝料を請求しても、相手が拒否すれば支払わせることができなくなります。

したがって、離婚慰謝料を請求したい場合は、できるだけ早い段階で行動を始めることをおすすめします。

弁護士
弁護士
さらに、離婚時には慰謝料以外にも請求できるお金がありますので、説明します。

7章:離婚時に慰謝料以外の請求できるお金

離婚する場合、慰謝料請求以外にも配偶者に請求できるお金があります。

  • 財産分与
  • 婚姻費用
  • 養育費(子供がいる場合)

順番に説明します。

7-1:財産分与

財産分与とは、それまでに夫婦で購入した家、車、貯めたお金などを、離婚の際に二人で分けることを言います。法律でも、離婚する際は、財産分与を請求できるとされています(民法768条1項)

財産分与には、以下の3つがあります。

■清算的財産分与

清算的財産分与とは、夫婦の間で協力して形成してきた財産については、離婚時に公平に分配するというもの(おおむね、2分の1に分配)。

■扶養的財産分与

夫婦の一方の経済力が弱く、離婚後に自立して生活することが難しい場合、生活費の補助として一定の金額を一定期間支払うもの。

 

■慰謝料的財産分与

夫婦の一方に離婚原因がある場合、傷つけたことに対する慰謝料としての意味を持った財産分与のこと。

※別に慰謝料請求をしている場合、慰謝料的財産分与も支払わせるのは難しい。

財産分与の対象になるのは、婚姻中に夫婦の協力で形成されてきた財産です。

たとえば、

  • 購入した自宅や車
  • 結婚後の貯金

などです。

このように、離婚する場合は、財産分与によって財産の一部をもらう権利があるということをしっかり覚えておきましょう。

詳しくは、離婚に強い弁護士に聞いてみてください。

7-2:養育費(子供がいる場合)

養育費とは、離婚後も離婚した配偶者から、子供の養育のためにかかるお金をもらうことです。

未成年の子供がいる限り養育費の請求は認められるため、たとえ配偶者が「養育費は支払わない」と拒否しても、請求することが可能です。

養育費には以下の相場があり、あなたの配偶者には、一般的に以下の費用の支払いの義務があります。

養育費の相場

そのため、離婚時か離婚後に、養育費の金額や支払い方法、支払い日などを取り決める必要があります。

子供のためにも、確実に養育費を取れるように行動することが大事なのです。

弁護士
弁護士
このように離婚する場合の慰謝料請求や財産分与は、状況に応じて金額が異なったりやるべきことが変わってくるため、まずは弁護士に相談し何からやるべきなのか聞いてみることをおすすめします。

8章:慰謝料請求された場合に知っておきたいこと

最後に、「離婚して慰謝料請求されている(されそう)」という方に向けて知っておきたいことを簡単に説明します。

弁護士
弁護士
結論から言えば、すでに慰謝料を請求されているという場合は、減額・免除できる可能性もあるため、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

■慰謝料は減額・免除できる

慰謝料を請求されても、必ず請求された全額を支払わなければならないというわけではありません。

なぜなら、

  • 支払わなくてもいいケースがあるため、慰謝料請求を拒否できることもある
  • 支払わなければならない場合も、減額できる場合がある

という理由があるからです。

ただし、慰謝料を減額・免除できるかどうかは状況によって大きく異なります。

そのため、素人判断で「自分も支払わなくて良いかも」「支払いたくないから無視しよう」などとは思わないでください。

そのような行動を取ると、後で裁判を起こされて大きな手間がかかったり、高額の慰謝料を支払わなければならなくなることもあるからです。

■慰謝料請求された場合の行動

そこで、慰謝料請求された場合は、下記の流れで行動してください。

奥さんから慰謝料請求された場合のフローチャート

詳しくは下記の記事でも紹介しています。

【示談書雛形付き】不倫で慰謝料請求されたら?慰謝料を減額・回避する方法

当サイトを運営する弁護士法人QUEST法律事務所は、慰謝料について無料で相談可能ですので、お気軽にご連絡ください。

慰謝料請求された方はこちらへ

まとめ

いかがでしたか?

最後に今回の内容をまとめます。

■離婚慰謝料が発生するケースと相場

  • 不貞行為:150-500万円
  • DV・モラハラ:50-300万円
  • 悪意の遺棄:50-300万円
  • セックスレス:50-300万円
  • 借金:場合による

■慰謝料が請求できないことが多いケース

  • 性格の不一致
  • 健康上の問題
  • 相手の親族との不和

■慰謝料を自分で請求する方法が向いている人

  • とにかく費用をかけたくない人
  • 自分の力だけで解決したい人

■慰謝料請求を弁護士に依頼する方法が向いている人

  • できる限り高額請求したい人
  • 手間や時間をかけたくない人
  • 配偶者や不倫加害者と直接やり取りしたくない人
  • 「慰謝料を踏み倒される」などのトラブルを避けたい人

■離婚時に慰謝料以外の請求できるお金

  • 財産分与
  • 養育費(子供がいる場合)

この記事の内容を参考にして、すぐにできることから始めていきましょう。

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