【婚約破棄の慰謝料】慰謝料相場は50万~300万円、高額になるケース

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

【婚約破棄の慰謝料】慰謝料相場は50万~300万円、高額になるケース
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チェック
この記事を読んで理解できること
  • 婚約破棄に対して慰謝料が請求できる場合
  • 婚約破棄の慰謝料の種類と慰謝料相場
  • 婚約破棄による慰謝料請求が高額になる8つの要素
  • 婚約破棄による慰謝料が高額になった判例

あなたは、

婚約破棄で慰謝料請求できるのか知りたい」
「婚約破棄されたため、慰謝料相場が知りたい」

等の悩み、疑問をお持ちではありませんか?

婚約破棄されると将来設計が変わり、精神的なショックも大きく、今後のことが不安でいっぱいになりますよね。

結論から言えば、婚約破棄された場合は慰謝料請求が可能です。

慰謝料相場は50万~300万円ですが、状況によって慰謝料の額は大きく変わってきます。

そのため、今後の生活のためにも、ポイントを押さえて行動し慰謝料請求を成功させることが大事です。

そこでこの記事では、まずは婚約破棄で慰謝料請求できるケースと、慰謝料相場について、そして慰謝料が高額になる要素について説明します。

ぜひ知りたいところから読んで、これからの行動に活用してください。

不倫の慰謝料でお悩みのあなたへ、まずはお気軽にご相談ください
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1章:婚約破棄に対して慰謝料が請求できる場合

それではさっそく、婚約破棄の慰謝料について、

  • 婚約破棄とは
  • 慰謝料請求できるケース
  • 慰謝料請求が認められない可能性が高いケース

を順番に説明します。

慰謝料相場から知りたい場合は、2章をお読みください。

1-1:婚約破棄とは

そもそも婚約破棄とは、結婚に先立ってパートナー間で結んだ結婚の約束を、一方的に解消する行為のことです。結婚の約束は書面があると確実ですが、口約束でも証明ができれば成立します。

婚約破棄されると一方が精神的に傷つくだけでなく、結婚に向けて行った下記のような準備が無駄になってしまう、という損失もあります。

  • 退職
  • 転居
  • 結婚式の準備

したがって、精神的な損害だけでなく金銭的な損害も発生することが多いです。

このように婚約破棄では損害を被る可能性があるため、正当な理由のない婚約破棄には、慰謝料を請求できる場合があるのです。

ただし、慰謝料請求できるのは、下記のような場合です。

  • パートナーと話し合い、相手が慰謝料の支払いに合意した場合
  • 正当な理由がない婚約破棄であったことを裁判所が認めた場合

そのため、婚約破棄されたからと言ってどのような場合でも慰謝料請求できるというわけではないのです。

婚約破棄に対する慰謝料請求では、婚約していた事実を証明することが非常に重要になります。
 
婚約そのものは公的に証明することができないため、証拠集めが大事です。 詳しくは3章で説明します。 

1-2:婚約破棄で慰謝料が請求できる典型例

婚約破棄で慰謝料が請求できる典型例は、下記のものです。

  • 正当な理由がないのに婚約破棄された場合は、慰謝料請求できる
  • パートナーが他の異性と肉体関係を持った
  • パートナーからモラハラ・DVを受けていた

順番に説明します。

1-2-1:正当な理由がないのに婚約破棄された場合は、慰謝料請求できる

繰り返しになりますが、正当な理由がないのに婚約破棄された場合は、慰謝料請求が可能です。

具体的には、下記のようなケースが考えられます。

  • 「好きじゃなくなった」「結婚したくなくなった」などの相手の気変わり
  • 他に好きな異性ができてしまった
  • 婚約時にも知っていたのに、あなたが外国籍であることを理由にした婚約破棄
  • 被差別部落出身であることを理由にした婚約破棄

このような場合は、正当な理由がないと考えられ、慰謝料請求が認められる可能性が高いです。

1-2-2:パートナーが他の異性と肉体関係を持った(浮気)

あなたの婚約者が他の異性と肉体関係を持ち、婚約が破談になってしまった場合は、慰謝料請求が可能です。

パートナーの浮気によって婚約破棄に至った場合は、婚約していたことを証明できる証拠に加えて、相手の浮気の証拠も必要になります。具体的な方法は5章で解説します。

1-2-3:パートナーからモラハラ・DVを受けていた

パートナーから暴力、虐待、侮辱行為などを受けており、それを理由に婚約破棄に至った場合も、慰謝料請求が可能です。

これらの行為で婚約破棄に至った場合は、暴力による怪我や精神的なダメージを示せる医療機関の診断書、傷を撮影した写真、メモなどの記録が証拠として有効です。

1-3:婚約破棄で慰謝料請求が認められない可能性が高いケース

下記のような場合は、婚約破棄でも慰謝料請求が認められない可能性が高いです。

  • あなたが相手にモラハラ・DVをしていた
  • あなたが浮気をした
  • あなたが社会常識を逸脱するような異常行動をしていた
  • あなたが結婚するにあたって重大な事実を隠していた(犯罪歴、多額の借金など)

簡単に言えば、婚約破棄の原因があなた側にあった場合は、相手に慰謝料請求しても認められない可能性が高いということです。

これらの場合、婚約破棄されても、相手側に正当な理由があるとみなされてしまうためです。

2章:婚約破棄の慰謝料の種類と慰謝料相場

婚約破棄の慰謝料は、50万~300万円程度とされています。

慰謝料の金額は、あなたの精神的損害の程度や結婚に向けて行った準備の損害(結婚式、指輪など)の大きく2種類の慰謝料から決まります。

なお、「慰謝料」とは精神的損害の賠償金であるため、厳密に言うと財産的損害の賠償金は慰謝料とは異なりますが、今回はわかりやすく理解していただくために、2種類の慰謝料として説明します。

これから詳しく解説します。

2-1:財産的損害の慰謝料(新居、指輪、結婚式のキャンセル料など)

財産的損害とは、結婚に向けて行った準備にかかった費用のことです。

具体的には、

  • 結婚式、披露宴の開催
  • 結婚指輪
  • 新居の購入や賃貸契約
  • 引っ越し費用
  • 家具や家電の購入
  • 新婚旅行

などの費用です。

新たな結婚生活に向けて、先だった出費があった場合、婚約破棄によってそれらが無駄になってしまいます。

そのため、パートナーに対してその費用を請求することが可能なのです。

2-2:精神的損害の慰謝料

精神的損害とは、婚約破棄によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料です。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

参照:民法第709条(不法行為による損害賠償)|e-Gov法令検索

精神的損害の慰謝料は、交際期間の長さや妊娠・出産の有無、結婚に伴う退職など、複数の要素から決められます。

また、婚約破棄の原因となった「浮気」「暴力・DV」などの行為があった場合は、慰謝料の増額要素となります。

3章:婚約破棄による慰謝料請求が高額になる8つの要素

婚約破棄の慰謝料は、下記の8つの要素があるとより高額請求できる可能性があります。

  • 交際期間が長かった
  • 結婚のために退職していた
  • 同棲していた
  • 結婚の準備を進めていた
  • 妊娠・中絶した
  • 健康状態が悪化した
  • 相手の年収が高い
  • 相手の不倫やDV

順番に説明します。

具体的な慰謝料請求の方法を知りたい場合は、5勝をお読みください。

3-1:交際期間が長かった

婚約破棄に至るまでの交際期間が長かったという場合は、慰謝料の増額要因になります。

なぜなら、交際期間が長いほど、婚約破棄になった場合の精神的負担が大きくなると考えられるからです。

ただし、交際期間が長かったことを理由に慰謝料を増額させるためには、交際期間の長さを示すことができる証拠が必要です。

いつから交際していたかが分かるメール・LINEの文面や画像などを証拠として集めておくことが大事です。

3-2:結婚のために退職していた

結婚後に専業主婦(主夫)になることを考えて、仕事を退職していたのに婚約破棄された、という場合は慰謝料の増額要素になります。

特に女性の場合、キャリアや年齢の問題から再就職にも影響する場合があります。

また、退職していたということは、婚姻を成立させることに高い期待を持っていたと考えられ、その期待が裏切られた場合の精神的苦痛が大きいと思われるためです。

この場合は、退職したことを示す証拠として会社とのやり取りのメール・LINEや退職に関連する書類などを証拠として集める必要があります。

3-3:婚約が周知の事実となっている

婚約したら周囲の友人、知人、仕事関係者、家族・親族などに知らせることが少なくありません。

こうして婚約が周知の事実になっている場合は、婚約破棄の慰謝料が増額される要素になることがあります。

婚約が周知の事実となっているために、婚約破棄の精神的苦痛も大きくなると考えられますし、今後の他の異性との交際や結婚にも影響を及ぼすと考えられるからです。

この場合は、婚約したことを周囲に知らせたことが分かるメール・LINEのやり取りの文面などが必要です。

3-4:結婚の準備を進めていた

2章でも説明したように、結婚に向けて「結婚式・披露宴」「結納」「転居」などの準備を進めていた場合は、慰謝料が高額になる場合があります。

これらの場合は、財産的損害も大きくなると考えられる上、真剣に婚約成立に向けて準備を進めていたため婚約破棄による精神的苦痛も大きいと考えられるからです。

これらの場合は、結婚に向けて行っていた準備が分かる証拠を集めることが大事です。

詳しくは5章で説明します。

3-5:妊娠・中絶した

女性の場合、婚約破棄の時点ですでに妊娠していた場合や、婚約破棄によって中絶せざるを得なくなった、という場合もあります。

妊娠・中絶の影響は非常に大きいため、婚約破棄による慰謝料も高額になる傾向にあります。

3-6:健康状態が悪化した

婚約破棄による精神的苦痛で、何らかの精神疾患を発症してしまったり、睡眠障害、食欲不振などの身体の症状が出ている場合は、慰謝料が高額になることがあります。

このような場合は、医療機関にかかった診断書やカウンセリングを受けたことが分かる資料を証拠として集めておくことが大事です。

3-7:相手の年収が高い

パートナーの年収が高い場合は、婚約破棄の慰謝料も高くなることがあります。

3-8:相手の不倫やDV

1章でも説明したように、下記のように相手側に明らかな問題行動があった場合は、婚約破棄の慰謝料が高額になる傾向にあります。

  • 他の異性と肉体関係を持った、交際していた(浮気)
  • 暴力、侮辱、DVなどの行為があった

浮気の場合は、相手が浮気していたことが分かる証拠が、暴力・DVなどの場合は、実際の行為が分かるメモなどの記録や怪我の画像、病院の診断書などが証拠として有効です。

詳しくは5章で説明します。

4章:婚約破棄による慰謝料が高額になった判例

婚約破棄による慰謝料が、高額になった判例を紹介します。

具体的な行動方法を先に知りたい場合は、5章をお読みください。

4-1:妊娠していたのに婚約破棄され、300万円の慰謝料が認められた事例

この事例では、交際期間が8年にわたっており、女性はパートナーと同居しており妊娠もしていました。

結婚と出産に向けて職場を休職しており、周囲にも結婚を周知していました。それなのに妊娠後に男性から一方的に婚約破棄されてしまったため、女性は中絶しなければならなくなりました。

これらの事情から、女性は大きな精神的苦痛を受けたと考えられます。

そのため、300万円という高額の慰謝料が認められました。
(東京地裁平成21年3月25日)

4-2:5年間の交際後に婚約破棄され、300万円の慰謝料が認められた事例

この事例では、女性は元妻や実子と同居中の男性と5年間にわたって交際しており、婚約破棄されています。

男性は元妻や子の存在を隠しながら交際を続けていたのですが、女性には結婚することに前向きな態度を見せていました。

しかし、女性が妊娠したことが分かると、男性は突然結婚を拒否したのです。そのため、女性はやむを得ず中絶をすることになりました。

5年間という交際期間や、中絶を余儀なくされたことなどから、300万円の慰謝料が認められました。
(東京地裁平成22年3月30日)

4-3:17年の交際の末婚約破棄され、200万円の慰謝料が認められた事例

この事例では、女性は男性と17年もの間交際していたのですが、男性が他の女性と入籍して婚約破棄しました。

しかも、男性は他の女性と入籍した後も、原告の女性に対して肉体関係を持つために連絡を取っており、非常に悪質な態度を取っていたことが分かります。

17年という長期間の交際期間と、他の女性と入籍したことを理由に婚約破棄するという悪質さから、200万円の慰謝料が認められました。
(東京地裁平成25年9月20日)

婚約破棄で慰謝料請求したい場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

婚約破棄で慰謝料請求したい場合に、弁護士に相談するメリットは下記のものです。

  • 財産的損害も含めて慰謝料の金額を正確に計算してくれる
  • 必要な証拠をアドバイスしてくれる
  • 代理人として交渉や手続きを行ってくれる
  • 交渉を有利に進め、高額の慰謝料を請求可能

慰謝料請求の手続きや相手との交渉は、あなた一人で行うと大きな手間、時間がかかることになり、また精神的ストレスも大きいです。

弁護士に依頼すれば、依頼後の手続きや交渉を代理人として行ってくれるため、手間、時間、ストレスが最小限になります。

また、あなたに最大限有利な条件で交渉してくれます。

新橋第一法律事務所では、法律相談を無料で受け付けています。

まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

最後にこの記事の内容をまとめます。

■婚約破棄の慰謝料相場は、50万円~300万円

■婚約破棄の慰謝料請求が認められる場合

  • パートナーと話し合い、相手が慰謝料の支払いに合意した場合
  • 正当な理由がない婚約破棄であったことを裁判所が認めた場合

■婚約破棄で慰謝料が請求できる典型例

  • 正当な理由がないのに婚約破棄された場合は、慰謝料請求できる
  • パートナーが他の異性と肉体関係を持った
  • パートナーからモラハラ・DVを受けていた

■婚約破棄で請求できる慰謝料の内訳

  • 精神的損害の慰謝料
  • 財産的損害の慰謝料:結婚式、披露宴、結婚指輪の購入、新居の購入や賃貸契約、引っ越し、家具や家電の購入、新婚旅行などにかかった費用

■婚約破棄による慰謝料請求が高額になる8つの要素

  • 交際期間が長かった
  • 結婚のために退職していた
  • 同棲していた
  • 結婚の準備を進めていた
  • 妊娠・中絶した
  • 健康状態が悪化した
  • 相手の年収が高い
  • 相手の不倫やDV

この記事を参考に、できることから始めてみてください。

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