借金がある配偶者に慰謝料請求できる3つのケースと離婚する時の注意点

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住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

借金がある配偶者に慰謝料を請求できるケース

あなたは

  • 繰り返し借金をつくる配偶者と離婚したい
  • 借金がある配偶者と離婚しても慰謝料はもらえるの?
  • 離婚して少しでも慰謝料をもらい借金生活から抜け出したい

などとお考えではないですか?

結論から言うと、借金がある配偶者の合意が得られれば離婚することは可能で、合意が得られない場合でも、法律で定められた離婚理由が認められれば離婚できます。

また、借金がある配偶者と離婚した場合、離婚の原因が相手にあり、あなたが精神的苦痛を被ったのであれば、慰謝料を請求できる可能性があります。

慰謝料以外でも財産分与や養育費など、離婚の際に請求できる法律上認められた権利があるため、それらを主張することもできます。

しかし、離婚慰謝料を請求する際に、配偶者の借金の状況については把握しておくことが重要です。

借金を家族名義でしていた場合や、家族を保証人にしていた場合は、離婚後も借金の支払い義務が生じるケースがあるからです。

そこで、この記事では、

1章では、離婚の慰謝料を借金がある配偶者に請求できる3つのケース

2章では、借金のある配偶者と離婚できる2つのケース

3章では、借金があっても慰謝料のほかに請求できるお金

4章では、離婚・慰謝料請求するときの注意点

について詳しく解説します。

この記事を読んで、離婚慰謝料を借金がある配偶者に請求する際のポイントや注意点を、しっかり理解してください。

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1章:離婚の慰謝料を借金がある配偶者に請求できる3つのケース

配偶者に借金がある場合、慰謝料を払ってもらえるか心配になる方もいると思いますが、たとえ配偶者が借金を抱えていても、慰謝料を請求できるケースがあります。

離婚慰謝料は、離婚の原因が相手にあり、「精神的損害を被った」ことが明らかな場合は請求できるからです。

配偶者に借金がある状態で離婚する際に、慰謝料を請求できる主なケースとして次の3つがあげられます。

  • 借金を繰り返したり生活費を渡さない場合など
  • 配偶者が不倫している場合
  • DVやモラハラがある場合

それぞれ解説します。

1-1:借金を繰り返したり生活費を渡さない場合など

配偶者が借金を繰り返しつくり、ギャンブルや浪費に使って生活費を渡さない場合は、婚姻を継続しがたい事由として認められる可能性があります。

夫婦には相互扶助の義務があるので、一方が個人的な理由で正当な理由のない借金を繰り返すことは、相互扶助の義務を果たしているとはいえません。

しかも、生活費も渡されず生活が困窮する場合は、経済的なDVとも考えられます。

状況によっては、悪意の遺棄に該当する可能性もあるでしょう。

このように、借金を繰り返す配偶者の方に、婚姻生活を破綻させる原因があると判断された場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。

1-2:配偶者が不倫している場合

配偶者が不倫していて、不倫相手とのデートや高額なプレゼントを渡すために借金をしている場合も、慰謝料の請求が認められる可能性があります。

そもそも不貞行為を行った時点で、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求できる可能性が高いですが、不倫相手に貢ぐための借金ともなると、不倫された被害者が受ける精神的苦痛はより大きくなります。

不倫の証拠を掴むことと、離婚に向けた話し合いが必要になりますが、配偶者が借金を抱えていたとしても、慰謝料を請求できる可能性は高くなります。

1-3:DVやモラハラがある場合

DVやモラハラは、肉体的・精神的な暴力であり、どんな場合であったとしても、他人に暴力をふるうことは不法行為です。

そのため、借金を抱えているほかに、DVやモラハラがある場合は、慰謝料を請求できる可能性が高いです。

これらの暴力は心身へのダメージが大きく、場合によってはトラウマになることもあります。

借金のみならず、DVやモラハラがある場合は、早めに弁護士に相談することをオススメします。

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2章:借金のある配偶者と離婚できる2つのケース

借金がある配偶者と離婚する際は、夫婦の間で離婚の合意があるか、法的な離婚理由(法定離婚事由)が認められることが重要です。

いずれかの要件を満たしていない場合、離婚するのは難しくなります。

  • 配偶者が離婚に合意した場合(協議・調停離婚)
  • 法律で認められた離婚理由がある場合(裁判離婚)

それぞれ解説します。

2-1:配偶者が離婚に合意した場合(協議・調停離婚)

借金の多少にかかわらず、配偶者が離婚に合意している場合は、協議離婚が可能です。

夫婦間の話し合いでは、離婚の可否や慰謝料・養育費などがまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、第三者を交えた調停で話し合うこともできます。

配偶者が離婚に合意しない場合でも、調停で話し合うことで、離婚に合意してもらえる可能性があります。

2-2:法律で認められた離婚理由がある場合(裁判離婚)

配偶者が離婚に合意しない場合でも、借金のほかに「婚姻を継続しがたい事由」「悪意の遺棄」など、法律で認められた離婚理由(法定離婚事由)がある場合は、離婚が認められる可能性があります。

離婚調停で合意が得られない場合は、離婚訴訟を提起することで、裁判によって離婚の可否や離婚条件・慰謝料等の判決が下されます。

法定離婚事由が明らかな場合は、配偶者が離婚に納得していない状況でも、裁判において離婚が認められる可能性が高くなります。

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3章:借金があっても慰謝料のほかに請求できるお金

借金がある配偶者と離婚する場合、慰謝料を請求できるかは状況により異なります。

もし、慰謝料の請求ができないと判断された場合でも、離婚する際に慰謝料以外で請求できるお金があります。

主に請求できる金銭的権利には、次の3つがあげられます。

  • 財産分与
  • 養育費
  • 年金分割

それぞれ解説します。

3-1:財産分与

婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産は、離婚するときに、財産分与として原則的に半分ずつ分けることができます。

財産分与は、配偶者に借金がある場合でも請求できる、法律上認められた権利です。

対象になるものには、次のようなものがあります。

  • マイホームなどの不動産
  • 預貯金
  • 保険
  • 退職金
  • 年金
  • そのほか経済的価値があるもの
  • 住宅や子どもの学費のローン
  • 生活費のための借金

財産はプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もあります。

住宅ローンなど、婚姻生活を継続するための借金がある場合は、これらを差し引いたプラスの財産を分けることになるため注意が必要です。

ただし、結婚前の借金や、ギャンブルなど配偶者の個人的な満足のための借金は、財産分与の対象にはなりません。

3-2:養育費

養育費は、配偶者に借金がある場合でも請求できる、法律上認められた権利です。

子どもがいる場合、養育費は、親権を持たない親が支払う義務があります。

そのため、借金がある・支払い能力が低い、などの理由で免除されるものではありません。

養育費には算定表があり、収入によりある程度の金額が定められていますが、未払いになるケースも少なくないようです。

養育費を確実に回収するためには、離婚時に養育費に関する取り決めを行い、公正証書化しておくことが重要です。

3-3:年金分割

婚姻期間中に配偶者が厚生年金に加入していた場合、年金分割を請求できます。

年金分割は、婚姻期間中に実際に納付した、厚生年金保険料の実績を分け合う制度です。

たとえば、夫が正社員で働き、妻が専業主婦だった場合は、妻の年金が増えることになります。

しかし、請求は原則として離婚後2年が期限なので、この点には注意が必要です。

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4章:離婚・慰謝料請求するときの注意点

借金がある配偶者と離婚し、慰謝料を請求する際は、借金の状況を把握することが大切です。

また、養育費などの支払い方法や金額なども、離婚後の生活を考えて、きちんと取り決めておかなければなりません。

主な注意点として次の3つがあげられます。

  • 借金がある配偶者に債務整理をさせる
  • 離婚したあと借金の返済義務が生じないか確認する
  • 慰謝料や養育費などの取り決めを公正証書で作成する

それぞれ解説します。

4-1:借金がある配偶者に債務整理をさせる

配偶者の借金の状況を把握して、必要に応じて債務整理をすることも必要です。

債務整理をすることで、利息を減らせる可能性や、借金完済の目処がたつ場合もあります。

もしも、法定利息以上の金利で借金している場合は、過払金が戻ってくる可能性もあるでしょう。

配偶者の返済の負担を軽減できれば、慰謝料を支払ってもらえる可能性も出てきます。

4-2:離婚したあと借金の返済義務が生じないか確認する

配偶者が抱える借金が、夫婦生活のためだった場合、離婚後も返済義務があります。

たとえば、マイホームの住宅ローンや子どものための教育ローンなどです。

配偶者が個人的に、ギャンブルなどのためにつくった借金の場合は、あなたには返済義務はありませんが、この点は離婚する前に確認が必要です。

ただし、配偶者の個人的な借金だったとしても、あなたが連帯保証人になっている場合は、返済義務が生じる可能性があるので、必ず確認しておきましょう。

4-3:慰謝料や養育費などの取り決めを公正証書で作成する

離婚する際の慰謝料や養育費などの取り決めは、内容を公正証書にしておくことをオススメします。

公正証書は、公正役場という公的な場で作成される文書であり、内容に対する証明力や執行力があるものです。

慰謝料や養育費の支払いに対し、公正証書内に不履行があった場合は強制執行する内容を記しておいた場合は、それを実現することができます。

また、公正証書の原本が公証役場に20年間保管されることから、長期的に支払う養育費などに関しても、安心と安全を確保できます。

 

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まとめ:慰謝料は借金がある配偶者にも請求できる

最後に、今回の内容を振り返ります。

■離婚の慰謝料を借金がある配偶者に請求できる3つのケース

  • 借金を繰り返したり生活費を渡さない場合など
  • 配偶者が不倫している場合
  • DVやモラハラがある場合

■借金のある配偶者と離婚できる2つのケース

  • 配偶者が離婚に合意した場合(協議・調停離婚)
  • 法律で認められた離婚理由がある場合(裁判離婚)

■借金があっても慰謝料のほかに請求できるお金

  • 財産分与
  • 養育費
  • 年金分割

■離婚・慰謝料請求するときの注意点

  • 借金がある配偶者に債務整理をさせる
  • 離婚したあと借金の返済義務が生じないか確認する
  • 慰謝料や養育費などの取り決めを公正証書で作成する

この記事の内容を参考にして、借金がある配偶者に離婚慰謝料を請求する際に役立ててください。

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