夫の不倫相手はキャバ嬢?慰謝料の請求や証拠の集め方を弁護士が解説
この記事を読んで理解できること
- 不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料請求できる2つのケース
- 不倫相手がキャバ嬢で慰謝料請求が難しい3つのケース
- 不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する前にやるべきこと
- 不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する流れ
あなたは、
- 不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料を請求できるか知りたい
- キャバ嬢に慰謝料を請求する前にやるべきことを知りたい
- キャバ嬢に対して慰謝料を請求する方法を知りたい
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、夫の不倫相手がキャバ嬢であっても、慰謝料を請求できる場合があります。
慰謝料請求できる2つのケースは、以下のとおりです。
- 肉体関係(不貞行為)の証拠がある
- 相手方が夫を既婚者と知っていた証拠がある
上記のような場合には、不倫相手であるキャバ嬢に対して、慰謝料請求が認められる場合があります。
しかし反対に、慰謝料請求が難しい場合もあります。
それは、以下のようなケースです。
- キャバ嬢の本名がわからない
- キャバ嬢の正確な住所がわからない
- キャバ嬢の実際の収入が把握できない
不倫相手がキャバ嬢だからといって、夫の不倫や不倫相手を許すのは難しいでしょう。
この記事では、
1章で、不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料請求できる2つのケースを
2章で、不倫相手がキャバ嬢で慰謝料請求が難しい3つのケースを
3章で、不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する前にやるべきことを
4章で、不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する流れ
について詳しく解説します。
この記事を読むと、夫の不倫相手であるキャバ嬢に、慰謝料請求できる可能性があるかどうかわかります。
また、実際に慰謝料請求する際に、あなたがやるべきことも把握できるため、参考にしてください。
目次
1章:不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料請求できる2つのケース
夫の不倫相手がキャバ嬢だった場合、普通の不倫と異なるイメージがあるため、慰謝料請求ができるかどうか不安になるでしょう。
不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料請求できる2つのケースは、以下のとおりです。
- 肉体関係(不貞行為)の証拠がある
- 相手方が夫を既婚者と知っていた証拠がある
それぞれ解説します。
1-1:肉体関係(不貞行為)の証拠がある
夫とキャバ嬢との間に、肉体関係(不貞行為)を示す証拠がある場合、あなたは夫と不倫相手のキャバ嬢に慰謝料を請求できます。
夫婦の間には、お互いが性的な純白を守る義務(貞操義務)があり、既婚者が配偶者以外の第三者と肉体関係をもつ「不貞行為」は、この貞操義務に違反する不法行為にあたるからです。
精神的苦痛などの被害を受けたあなたには、キャバ嬢に対して慰謝料を請求する権利が認められます。
しかし、過去には肉体関係の証拠がありながら、慰謝料の請求が認められないケースがありました。
ホステスと7年間におよぶ不貞行為があったにもかかわらず、ホステスによる枕営業は違法行為とは言えないとして、慰謝料の請求が認められなかった判例です。
特異な例ではありますが、キャバ嬢と肉体関係があったとしても、慰謝料請求ができないケースがあることも頭に入れておく必要があります。
1-2:婚姻関係を維持できない証拠がある
夫とキャバ嬢との不倫関係によって、婚姻関係を維持できない証拠が示せた場合は、キャバ嬢に対して慰謝料を請求できる可能性があります。
そもそも、不倫の慰謝料は、あなたの精神的苦痛に対する賠償となるため、夫婦関係が悪化または破綻した場合には、慰謝料請求が可能です。
たとえば、
- 不倫が原因で別居して長期間が経過している
- キャバ嬢との交際から離婚を求められた
などです。
ポイントは、夫がキャバ嬢と不倫してから、夫婦関係が破綻したことを証明できるかどうかです。
もともと夫婦関係が破綻していた場合には、精神的苦痛が軽いとみなされるため、慰謝料請求が認められても低額になる可能性があります。
2章:不倫相手がキャバ嬢で慰謝料請求が難しい3つのケース
夫の不倫相手がキャバ嬢の場合、キャバ嬢特有の理由で、慰謝料請求が難しいケースもあります。
慰謝料請求が難しい3つのケースは、以下のとおりです。
- キャバ嬢の本名がわからない
- キャバ嬢の正確な住所がわからない
- キャバ嬢の実際の収入が把握できない
それぞれ解説します。
2-1:キャバ嬢の本名がわからない
不倫の慰謝料を請求するには、不倫相手の本名がわからなければなりません。
不倫の多くは、夫の携帯電話に入っている連絡先や、SNSなどから相手の本名を把握できます。
しかし、キャバ嬢の場合は、本名を隠して仕事をしているケースがほとんどで、夫の携帯電話に入っている名前も源氏名の可能性が高いのです。
不倫相手であるキャバ嬢の本名がわからない場合は、慰謝料請求できないため、請求を断念せざるを得ない可能性もあります。
2-2:キャバ嬢の正確な住所がわからない
不倫の慰謝料を請求するには、本名のほかに、住所を把握しておく必要があります。
不倫相手に内容証明郵便で、慰謝料請求の詳細を知らせる必要があるからです。
内容証明郵便とは、郵便局が「いつ・誰から誰に・どのような内容の文書が出されたのか」を証明してくれるサービスです。
内容証明郵便には、慰謝料を支払わせる強制力はありませんが、相手にこちらの本気度を伝えられるメリットがあります。
いずれにしても、キャバ嬢が実際に住んでいて、郵便物を受け取れる住所を確認できなければ、慰謝料の請求は難しいでしょう。
2-3:キャバ嬢の実際の収入が把握できない
キャバ嬢の実際の収入が把握できない点も、慰謝料を請求する上で大きな問題となります。
キャバ嬢が確定申告をしていない場合、多額の収入を得ていたとしても、書類上は「無収入」になるからです。
本来、慰謝料の支払い義務と支払い能力は関係ないため、無収入であったとしても慰謝料を支払う必要があります。
しかし、キャバ嬢が「無収入で支払うお金がない」と主張すると、現実的に慰謝料の回収が難しいケースもあります。
キャバ嬢の実際の年収が把握できない点は、慰謝料請求において大きな問題点と言えるでしょう。
3章:不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する前にやるべきこと
不倫相手のキャバ嬢に、慰謝料請求する前にやるべきことを確認しておきましょう。
- 不貞行為の証拠を集める
- 探偵事務所や弁護士に調査を依頼する
それぞれ解説します。
3-1:不貞行為の証拠を集める
まずやるべきなのは、不貞行為の証拠を集めることです。
すでに解説したように、不貞行為は不法行為にあたるため、慰謝料の請求が認められるからです。
不貞行為の証拠となる具体例は、以下のとおりです。
- 2人でホテルに出入りする写真や動画
- 肉体関係を推測させる音声や録画データ
- 不倫に関するクレジットカードの利用明細書
- ホテルや旅行先の領収書
- 肉体関係を推測させるメールや手紙
- 肉体関係をほのめかすSNSやブログでのやりとり
- 妊娠や堕胎を証明できるもの
不貞行為を示す上記の証拠が集められた場合、慰謝料の請求が認められる可能性が高いでしょう。
夫とキャバ嬢との不倫がわかった時点で、早めに証拠を集めるようにしましょう。
3-2:探偵事務所や弁護士に調査を依頼する
探偵事務所や弁護士に、不倫調査を依頼するのもオススメです。
探偵事務所は不倫調査のプロであり、あらゆる方法を駆使して不倫の証拠を集めてくれるからです。
探偵に不倫調査を依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 合法的に証拠を集めてくれる
- 夫にあやしまれずに調査できる
- 高い確率で証拠を集められる
- 自分の負担を軽減できる
- 調査報告書を証拠として使用できる
ある程度の調査費用は必要ですが、本気で不倫の証拠をつかみたい場合には、探偵に依頼するのがオススメです。
一方、弁護士に調査を依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 弁護士会照会制度を利用してキャバ嬢の素性を調べてくれる
- 合法的な証拠の集め方をアドバイスしてくれる
- 調査後も慰謝料請求のサポートを受けられる
キャバ嬢の素性を知りたい場合や、慰謝料請求や裁判のサポートを受けたい場合には、弁護士に調査を依頼するのがオススメです。
4章:不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する流れ
実際に、不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する流れを確認しておきましょう。
- キャバ嬢に対して書面で慰謝料請求する
- キャバ嬢と話し合い、交渉する
- 交渉がまとまらない場合は訴訟を提起する
それぞれ解説します。
4-1:①キャバ嬢に対して書面で慰謝料請求する
最初のステップは、キャバ嬢に対して書面で慰謝料請求を行うことです。
すでに解説したように、慰謝料を請求する際は、内容証明郵便で送付するのが一般的です。
内容証明郵便で送付すると、不倫相手は慰謝料の支払いから言い逃れができなくなり、プレッシャーを与えられます。
不倫相手であるキャバ嬢の本名や住所、連絡先がわからない場合には、この時点で探偵事務所や弁護士に相談しておきましょう。
不倫相手がキャバ嬢の場合、素性がわからず泣き寝入りしてしまう方もいます。
しかし、調査のプロである探偵や、法律の専門家である弁護士のサポートを受けられると、慰謝料請求できる可能性が高まります。
4-2:②キャバ嬢と話し合い、交渉する
不倫相手に慰謝料を請求する意思を示し、相手と連絡が取れれば、対面による話し合いによって示談金を交渉する方法もあります。
話し合いによって、示談金の金額や支払い方法、支払い期日など合意に至った場合は、示談書を作成し公正証書にして残しておくことをオススメします。
公正証書とは、公務員である公証人の権限に基づいて作成される文書のことで、強力な証拠力があるからです。
不倫相手が示談書の内容を守らなかった場合には、裁判手続きをとらなくても給料や財産の差し押さえができます。
4-3:③交渉がまとまらない場合は訴訟を提起する
不倫相手との交渉がまとまらなかった場合は、民事訴訟によって慰謝料請求を行います。
提出した証拠などをもとに、慰謝料請求の有無や金額が裁判によって争われますが、途中で和解が成立するケースもあります。
民事訴訟を行う一連の手続きは、非常に複雑で、書類を提出するにも多くの時間と労力が必要です。
手続きを円滑に進め、公判を有利に進めるためにも、不倫問題に詳しい弁護士に相談することをオススメします。
まとめ:不倫相手がキャバ嬢の場合は、探偵や弁護士に相談するのがオススメ
最後に、この記事の内容を振り返ります。
■不倫相手がキャバ嬢でも慰謝料請求できる2つのケース
- 肉体関係(不貞行為)の証拠がある
- 婚姻関係を維持できない証拠がある
■不倫相手がキャバ嬢で慰謝料請求が難しい3つのケース
- キャバ嬢の本名がわからない
- キャバ嬢の正確な住所がわからない
- キャバ嬢の実際の収入が把握できない
■不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する前にやるべきこと
- 不貞行為の証拠を集める
- 探偵事務所や弁護士に調査を依頼する
■不倫相手のキャバ嬢に慰謝料請求する流れ
- キャバ嬢に対して書面で慰謝料請求する
- キャバ嬢と話し合い、交渉する
- 交渉がまとまらない場合は訴訟を提起する
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