児童ポルノで逮捕される?4つのリスクと刑罰を弁護士が解説

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監修者 住川佳祐

弁護士法人QUEST法律事務所
住川 佳祐

児童ポルノで逮捕される?4つのリスクと刑罰を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 児童ポルノで逮捕されるきっかけ
  • 児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスク
  • 児童ポルノで逮捕された場合すぐに弁護士に依頼すること
  • 児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰
  • 児童ポルノで逮捕された後の流れ

あなたは、

児童ポルノを所持していたら本当に捕まるの?」

「児童ポルノ法違反で逮捕されたらどうなる」

「家族が児童ポルノ法違反で逮捕されたので弁護士に相談したい」

などとお考えではありませんか?

結論から言うと、単に児童ポルノを所持していただけで、犯罪として成立します。

また、インターネットで児童ポルノを購入した違法サイトの業者が逮捕された場合、その後の捜査によって購入者が特定され、逮捕されることもあります。

児童ポルノを購入したサイトが摘発され心配な場合や、あるいは、児童ポルノ法違反で逮捕された場合は、すぐに弁護士に相談されることをおすすめします。

なぜなら、児童ポルノ法違反で逮捕された場合、次のようなリスクがあるからです。

  • 最長23日間身柄を拘束される可能性がある
  • 複数の罪に問われることがある
  • 慰謝料・示談金を支払わなければならないことがある
  • 家族の信頼と社会的信用を失うことがある

さらに、児童ポルノ単純所持の場合は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という重い罰則が科せられます。

また、児童ポルノ単純所持の時効は、3年となっているため、1年以上たってから逮捕される事例もあります。

この記事では、1章で、児童ポルノで逮捕されるきっかけを、2章では、児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスクについて、3章では、児童ポルノで逮捕された場合はすぐに弁護士に依頼する理由について解説します。

さらに、4章では、児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰を、5章では、児童ポルノで逮捕された後の流れについて解説していきます。

個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

児童ポルノで逮捕された場合、早期解決を図るためには、被害に合った児童の保護者との示談を成立させることが最も重要です。

なぜなら、示談が成立し被害者の許しを得ることによって、逮捕されない可能性や、身柄の解放や不起訴処分を得られる可能性が高まるからです。

ただし、弁護士でなければ、被害者の保護者との示談交渉は難しいため、すぐに弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

■児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰

児童ポルノの罪

■児童ポルノで逮捕された後の流れ

逮捕から判決までの流れ

刑事事件はスピードが重要!手遅れになる前に加害者専門の弁護士法人QUEST法律事務所にご相談ください
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1章:児童ポルノで逮捕されるきっかけ

児童ポルノとは、児童(18歳未満の者)の性交または性交に類似する行為や、性的な部分などの、性欲を興奮させるような写真や画像のデータ等のことをいいます。

児童ポルノで逮捕されるきっかけとしては、次の3つがあげられます。

  • 他の犯罪捜査から発覚
  • サイバーパトロールから発覚
  • 親からの通報や補導から発覚

それぞれ解説していきます。

1-1:他の犯罪捜査から発覚

児童ポルノに対する性的好奇心を満たすために、盗撮や児童買春などの他の犯罪を行い、その捜査の際に所有するパソコンやスマートフォンが押収され、児童ポルノの所持・保管等が発覚し逮捕されることがあります。

また、次の図で示すように、児童ポルノを製造する目的で他の犯罪行為を行い、その捜査によって発覚し逮捕される事例もあります。

図1:【児童ポルノ事犯】 被害態様別(製造手段別)の割合

児童ポルノの統計データ

引用:なくそう子供の性被害

他の犯罪としては、盗撮や児童買春だけでなく、青少年健全育成条例違反や強制性交等罪、強制わいせつ罪などもあげられます。

これらの捜査段階でも同じように、児童ポルノ禁止法違反にあたる行為が発覚した場合は、逮捕されることになります。

1-2:サイバーパトロールから発覚

インターネット上の違法サイトや、SNS・掲示板等の違法・有害情報をチェックするサイバーパトロールによって、児童ポルノ禁止法違反が発覚し、逮捕されるきっかけになることがあります。

児童ポルノを販売している違法サイトが摘発された場合、押収されたパソコンなどから入手した顧客リストをもとに捜査が進められます。

例えば、大手のアダルト動画販売サイトが摘発された場合は、各都道府県の警察に顧客情報が提供され、全国で一斉に児童ポルノ購入者の摘発が行われます。

SNSの違法・有害情報のチェックによって発覚したケースでは、次の図のように被害児童の多いサイトも上げられています。

図2:【SNS】 被害児童数が多いサイト

児童ポルノの統計データ

引用:なくそう子供の性被害

なくそう子供の性被害

「Twitter」の利用による被害児童が35.3%を占めており、「Instagram」「TikTok」「KoeTomo」の利用による被害児童数が、前年と比べて増加しています。

1-3:親からの通報や補導から発覚

児童ポルノで逮捕されるきっかけとしては、被害児童の親からの通報や、被害児童が補導されて発覚するケースなどがあげられます。

それぞれ、被害児童の不審な行動や、メールやLINEのやり取りなどで、児童ポルノや児童買春などが発覚、または疑われることとなり、捜査が進められます。

図1の令和2年のデータでは、「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」が、全体の38.7%を占めています。

これらも、メールやLINEのやり取りによって、被害にあっているものと思われます。

2章: 児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスク

児童ポルノで逮捕された場合のリスクとして、次の4つがあげられます。

  • 最長23日間身柄を拘束される可能性がある
  • 複数の罪に問われることがある
  • 慰謝料・示談金を支払わなければならないことがある
  • 家族の信頼と社会的信用を失うことがある 

それぞれ解説していきます。

2-1:最長23日間身柄を拘束される可能性がある

児童ポルノで逮捕された場合、次の図にあるように、逮捕後最長23日間身柄を拘束される可能性があります。

逮捕された後の流れについては、5章で詳しく解説しますが、勾留が決定される逮捕後72時間以内に、身柄の釈放を求める弁護活動が重要です。

なぜなら、素早い弁護活動によって、勾留を阻止して早期釈放が認められた場合は、在宅事件として処理されることになるからです。

事件の捜査は続きますが、被疑者は社会生活へ復帰することができるので、児童ポルノによる逮捕の影響を、最小限におさえることができます。

2-2:複数の罪に問われることがある

児童ポルノで逮捕された場合、1章でも解説したように、他の犯罪から発覚することも多く、その場合は複数の罪に問われることになります。

図の1では、児童ポルノ製造の罪の他に、その内容によって、次の罪に問われることになります。

  • 児童買春罪
  • 青少年健全育成条例違反
  • 強制わいせつ罪
  • 強制性交等罪

また、盗撮した場合は、その内容によって、次の罪に問われることになります。

  • 迷惑防止条例違反
  • 軽犯罪法違反
  • 住居侵入罪・建造物侵入罪

児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰については、この後4章で解説します。

2-3:慰謝料・示談金を支払わなければならないことがある

刑事事件では、被害者との示談を成立させることによって、不起訴処分や量刑が軽くなる可能性が高まります。

被害者との示談を成立させるためには、被害者に対して慰謝料・示談金を支払う必要があります。

児童ポルノの場合は、被害者が児童であるため、被害者の保護者と示談交渉をすることになります。

保護者としては、被害者が自分の子供であるため感情的になり、示談交渉が難航することも多いです。 

2-4:家族の信頼と社会的信用を失うことがある

児童ポルノで逮捕されたことが、家族や会社に知られてしまった場合、家族の信頼と社会的信用を失うことになりかねません。

その結果、離婚や会社を解雇される、といった事態に結び付く可能性が高くなります。

こういった不利益を避けるためには、逮捕後すぐに弁護士に依頼して、身柄の解放と早期の解決を図ることが重要です。

弁護士
弁護士

1章でも解説したように、児童ポルノの販売業者の逮捕をきっかけに、顧客にも捜査が及ぶことがあります。

そのため、弁護士に相談して自首を検討することも、逮捕や起訴を避けるための有効な手段となります。

3章:児童ポルノで逮捕された場合すぐに弁護士に依頼すること

児童ポルノで逮捕された場合、すぐに弁護士に依頼することは次の2つです。

  • 児童の保護者との示談交渉
  • 身柄の解放と不起訴を求める

なぜなら、2章であげたリスクを最小限にするためには、これらの弁護活動が必要だからです。

それぞれ解説していきます。

3-1:児童の保護者との示談交渉

児童ポルノで逮捕された場合、児童の保護者との示談を成立させるためには、弁護士に依頼することが必須と言えます。

なぜなら、児童の保護者は、加害者やその家族との接触を避けるため、弁護士でなければ連絡先を教えてもらうことが非常に難しいからです。

弁護士を通すことで保護者の心証も変わり、ようやく連絡先を教えてもらうことが許されて、示談交渉が始められるケースが多いです。

さらに、2章でも解説したように、保護者としては、被害者が自分の子供であるため感情的になり、示談交渉が難航することも多いです。

弁護士が代理人として、保護者との示談交渉を進めることによって、被害者やその保護者の心情を考慮したうえで、適切な内容、示談金による示談が成立する可能性が高まります。 

3-2:身柄の解放と不起訴を求める

児童ポルノで逮捕された場合は、弁護士を通して、警察で送致前の釈放を求めたり、検察官、裁判官に対して勾留しないように働きかけることで、早期釈放を得られる可能性が高まります。

2章の図にあるように、逮捕直後から勾留請求されるまでの72時間の間に、できるだけ早く早期釈放を求めることが重要です。

弁護士に依頼することによって、児童の保護者との示談が成立している場合は、さらに勾留されない可能性が高くなります。

また、身柄が解放され在宅事件となった場合や、勾留期間中(逮捕後13日以内)の場合も、検察官が起訴の必要性を判断する前に、不起訴を求める弁護活動を行うことがとても大事です。

なぜなら、刑事事件において起訴された場合は、そのまま裁判手続きが行われ、かなりの確率で有罪となるからです。

不起訴処分を得るためには、弁護士を通して検察官に、証拠が不十分で被疑者に対する嫌疑が認められないことを主張したり、示談書や意見書を提出して、不起訴とすべき事情を主張する必要があります。

不起訴処分を得られた場合は、刑事裁判は行われず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。

4章:児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰

児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰は、次の図のようになります。

児童ポルノの罪

それぞれ解説していきます。

4-1:児童ポルノの所持罪

自分の性的好奇心を満たすために、児童ポルノを単純所持していた場合は、児童ポルノ所持罪として、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。

パソコンや携帯・スマートフォン、または写真やDVDなどに、児童ポルノ画像や動画などのデータを所持している場合に適用されます。

4-2:児童ポルノの提供・製造罪

児童ポルノのデータを他人に提供した場合や、児童の性交や性交類似行為、あるいは児童の性的なポーズを撮影して、児童ポルノを製造した場合は、児童ポルノ提供・製造罪として、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科される可能性があります。

メールやSNSで、児童が自らを撮影した画像を送らせた場合も、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。

4-3:児童ポルノの提供・公然陳列罪

児童ポルノのデータを、不特定もしくは多数の者への提供、あるいは公然と陳列した場合は、児童ポルノ公然陳列罪として、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれを併科」が科される可能性があります。

併科とは、懲役・罰金の両方が科されることを言います。

店頭での販売だけでなく、SNSやブログ・掲示板等に投稿して、データが他人と共有できる状態にした場合も適用されます。

5章:児童ポルノで逮捕された後の流れ

児童ポルノで逮捕された後の流れは、次の図のようになります。

逮捕から判決までの流れ

  • 警察で取り調べ(逮捕後、48時間以内)
  • 検察で取り調べ(逮捕後、72時間以内)
  • 勾留期間中(10日間、勾留延長10日間)
  • 検察による起訴・不起訴の判断(逮捕後最長23日間)
  • 刑事裁判(起訴後、約1~2ヶ月)

流れに沿って、それぞれ解説していきます。 

5-1:警察で取り調べ(逮捕後、48時間以内)

児童ポルノで逮捕された場合は、被疑者として身柄を拘束され、警察の取り調べを受けます。

担当刑事の取り調べでは、犯行に至るまでの状況、内容等の聞き取りが行われ「供述調書」が作成されます。

その後、逮捕から48時間以内に、事件の被疑者・書類・証拠物を検察官に送致します。

被疑者が初犯で、身元がしっかりしていて逃亡のおそれがなく、深く反省していて前科・前歴もない場合などは、身柄が解放される場合もあります。

その場合は、「供述調書」などの捜査書類だけが、検察官に送致(報道では「書類送検」)>されて、在宅事件として捜査が続けられます。

5-2:検察で取り調べ(逮捕後、72時間以内)

送致された後は、検察官による被疑者に対する聞き取りが行われ、送致から24時間以内に検察官は、被疑者の勾留を請求するか判断します。

これによって、被疑者は、逮捕後72時間以内に勾留請求の判断が下されることになります。

検察官の勾留請求を受けて、裁判所に勾留が認められた場合は、10日間の勾留が決定し、更に捜査が必要であれば、最大10日間延長されることになります。

このとき、被疑者に前科・前歴が無く、自らの行為を全面的に認め、身元が明確な場合は、検察官は勾留請求をしないこともあります。

または、勾留請求がされても、裁判所が勾留請求を客観的に判断することで却下され、釈放される場合もあります。

しかし、被疑者に前科・前歴がある場合や、児童買春を否認する場合などは、さらなる捜査が必要として勾留請求され、また裁判所も勾留請求を認める可能性は高くなります。

5-3:勾留期間中(10日間、勾留延長10日間)

勾留が決定すると、その日から原則として10日間、被疑者は警察署の留置場で身柄を拘束されることになります。

さらに、被疑者が被疑事実を否認し続けているなど、さらなる捜査が必要な場合は、検察官は勾留延長を請求することができます。

裁判所がこの請求を認めた場合は、勾留はさらに10日間延長されることになります。 

通常、被疑者が否認している場合は、勾留延長が認められるケースがほとんどです。

5-4:検察による起訴・不起訴の判断(逮捕後最長23日間)

一般的に、検察官は、逮捕後23日が経過するまでに、起訴・不起訴を判断します。

検察官によって起訴された場合は、刑事事件として裁判手続きが行われ、被疑者は被告人となります。

検察官に罰金刑が相当と判断され、被疑者が手続きに同意した場合は、略式起訴として刑事手続きは終わり、被疑者は釈放されます。

略式起訴は、100万円以下の罰金・科料に相当する事件で行われ、被疑者には有罪判決が下された場合と同様に前科がつきます。

検察官によって不起訴処分となった場合は、刑事裁判にはならず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。

5-5:刑事裁判(起訴後、約1~2ヶ月)

児童ポルノでは、被害児童が多い場合や、画像・動画等の点数が多い、余罪が複数ある場合などは、初犯でも公判請求されることがあります。

刑事裁判の場合は、検察官の起訴から約1~2ヶ月後に、第1回公判が開かれます。

公判では、被告人は必ず出廷し、検察、弁護人それぞれの証拠等をもとに、裁判官が判決を下すことになります。

最終的に有罪の判決を受けた場合は、前科がつくことになります。

まとめ

ここまで、児童ポルノで逮捕されるきっかけや、逮捕された場合のリスク、逮捕された場合の罪と刑罰などについて解説してきました。

最後に、今回の内容をまとめます。

児童ポルノで逮捕された場合、早期解決を図るためには、被害に合った児童の保護者との示談を成立させることが最も重要です。

なぜなら、示談が成立し被害者の許しを得ることによって、逮捕されない可能性や、身柄の解放や不起訴処分を得られる可能性が高まるからです。

ただし、弁護士でなければ、被害者の保護者との示談交渉は難しいため、すぐに弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

■児童ポルノで逮捕された場合の罪と刑罰

児童ポルノの罪

■児童ポルノで逮捕された後の流れ

逮捕から判決までの流れ

この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。

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