- 更新日:2024.09.18
- #慰謝料請求できる条件
慰謝料請求できる3つの条件!慰謝料相場と請求方法までまとめて解説
この記事を読んで理解できること
- 慰謝料請求できる3つの条件
- 不倫相手に慰謝料請求できる5つの条件
- 不倫の慰謝料相場
- 離婚で慰謝料請求できる5つのケースと慰謝料相場
- 離婚慰謝料請求に必要な証拠
- 慰謝料請求する4つの方法
あなたは、
「慰謝料を請求できる条件が知りたい」
「慰謝料を請求したいけど相場はいくら?」
「不倫・離婚慰謝料を請求する方法が知りたい」
などとお考えではないですか。
結論から言うと、不倫や離婚の慰謝料を請求するためには、不貞行為(肉体関係)の事実や、法律上離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)など、いくつかの条件を満たしている必要があります。
なぜなら不倫や離婚の慰謝料は、相手の不法行為よって夫婦関係が悪化し、破綻あるいは離婚に至った場合の、あなたの精神的苦痛に対する損害賠償金として支払われるお金だからです。
そのため、不倫相手や配偶者の不法行為を、証明あるいは推認できる十分な証拠が必要です。
また、慰謝料を請求できる条件や、妥当な金額の慰謝料を請求する方法など、しっかり知っておくことが重要です。
この記事では、1章で慰謝料請求できる3つの条件を、2章では不倫相手に慰謝料請求できる5つの条件を、3章では離婚で慰謝料請求できる4つのケースについて解説します。
さらに4章では、不倫・離婚の慰謝料相場を、5章では慰謝料請求で重要となる証拠集めを、6章では慰謝料請求する4つの方法について解説します。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
■不倫や離婚の慰謝料を請求するためには、不貞行為(肉体関係)の事実や、法律上離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)など、慰謝料を請求できるいくつかの条件を満たしている必要があります。
■不倫相手に慰謝料を請求できる条件
- 不倫相手の身元が確認できている
- 配偶者と肉体関係があった
- 不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
- もともと夫婦関係は破綻していなかった
- 不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
■不倫の慰謝料相場と不倫が発覚した後の夫婦関係
■離婚の原因と慰謝料相場
目次
1章:慰謝料請求できる3つの条件
慰謝料を請求できる条件としては、次の3つがあげられます。
- 不法行為が行われた
- 不法行為によって損害を受けた
- 時効が成立していない
それぞれ解説していきます。
1-1:不法行為が行われた
不倫や離婚問題で、不倫相手あるいは配偶者に対して慰謝料を請求できる条件としては、不法行為が行われたことを証明することがあげられます。
不法行為とは、故意または過失による違法な行為によって、相手に損害を発生させることを言います。
故意による不法行為の典型的な例としては、暴行や傷害といった違法な行為が、過失による不法行為の典型的な例としては、交通事故などがあげられます。
不倫や離婚の場合は、不貞行為(肉体関係)やDV・モラハラなどといった違法な行為が、故意または過失によって行われたため、精神的な損害が発生したことを証明する必要があります。
1-2:不法行為によって損害を受けた
不倫や離婚問題においては、不法行為による損害とは「精神的苦痛を受けた」ということになるため、不法行為との因果関係が必要となります。
例えば不倫の場合は、不倫相手との不貞行為によって夫婦関係が壊され精神的苦痛を味わったということが条件となるため、不貞行為が行われる前までは夫婦関係は良好であったことを証明する必要があります。
1-3:時効が成立していない
慰謝料を請求できる時効期間は、次の2つのうち短い方の期間となります。(民法第724条)
- 損害および加害者を知ったときから3年
- 不法行為のときから20年
不倫の慰謝料の請求には、不貞行為の事実と不倫相手を知ってから3年間という消滅時効があるため、時効が成立していないことが条件となります。
不倫相手を知ったということは、その名前や住所など慰謝料請求が可能な情報が得られた場合をいうため、不倫相手が存在することを知っただけの状況では時効期間とはなりません。
不貞行為がきっかけで離婚に至った場合は、離婚した時点から6ヶ月以内であれば、すでに3年間が経過した不貞行為であっても配偶者には慰謝料請求が可能となります。
また、DVなどで怪我をさせられた場合の時効期間は、その行為のときから5年となります。(同法第724条の2)
2章:不倫相手に慰謝料請求できる5つの条件
不倫相手に慰謝料を請求できる条件としては、次の5つがあげられます。
- 不倫相手の身元が確認できている
- 配偶者と肉体関係があった
- 不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
- もともと夫婦関係は破綻していなかった
- 不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
それぞれ解説していきます。
2-1:不倫相手の身元が確認できている
不倫の慰謝料を請求する条件としては、配偶者の不倫相手の身元を確認することがあげられます。
なぜなら、不倫の慰謝料を請求する場合、請求書の交付を受ける相手方の氏名・住所が必要だからです。
自分で調べても不倫相手の身元が分からない場合は、探偵事務所など専門家に浮気調査を依頼することをおすすめします。
探偵事務所に依頼することによって、不倫相手の身元だけでなく、浮気現場の写真や動画など有力な証拠を獲得できる可能性が高くなります。
2-2:配偶者と肉体関係があった
不倫の慰謝料を請求するための条件としては、配偶者と不倫相手に肉体関係(不貞行為)があることを、証明あるいは推認できる十分な証拠が必要です。
なぜなら、そもそも不貞行為とされる肉体関係を不倫相手が認めない場合、不貞行為があったことを証明する証拠がなければ、相手が慰謝料の請求に応じることはないからです。
ただし、肉体関係がない場合であっても、キスなどの行為をしていれば、「婚姻共同生活の平和を維持する権利」の侵害にあたるとして、慰謝料を請求できる場合もあります。
不倫の証拠についてはこの後、5章で詳しく解説します。
2-3:不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
不倫の慰謝料を請求できる条件としては、不倫相手が既婚者だと知っていた、あるいは知ることができた場合となります。
例えば、同じ会社に勤めていて結婚していることや子供がいることを知っていた場合(故意)や、同僚や共通の友人などから既婚者であることは知り得た場合(過失)などがあげられます。
既婚者であるあなたの配偶者との不貞行為は、あなたの権利を侵害し精神的苦痛を与えたことになりますので、故意に行っていた場合は当然不法行為となり、故意ではなく過失の場合でも不法行為が成立します。
2-4:もともと夫婦関係は破綻していなかった
不倫の慰謝料を請求するための条件としては、不貞行為が行われた時点では、夫婦関係が破綻していなかったことがあげられます。
なぜなら、不倫をする前から離婚に向けた話し合いを進めていたり、すでに離婚を前提に別居していて夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料を請求できない可能性があるからです。
不倫の慰謝料は、不貞行為によって夫婦関係が壊され精神的苦痛を味わったことに対する賠償となるため、すでに夫婦関係が破綻していた場合は、損害が発生しないため慰謝料請求は認められません。
2-5:不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
すでに解説したように、不倫の慰謝料は、不貞行為による精神的苦痛に対する賠償となるため、夫婦が離婚した場合に限らず、夫婦関係が悪化または破綻した場合も、慰謝料が請求できる条件になります。
ただし、不貞行為によって夫婦関係が破綻し離婚する場合に比べて、精神的苦痛の程度は軽いと考えられるため、請求できる慰謝料額は低くなる傾向にあります。
3章:不倫の慰謝料相場
不倫の慰謝料相場は、不倫が発覚した後の夫婦関係によって、次の図のような相場となっています。
それぞれ解説していきます。
3-1:夫婦関係は継続している場合(50万円~100万円)
不倫が発覚した後も夫婦が同居し夫婦関係を継続している場合、不倫慰謝料の相場は50万円~100万円になります。
不貞行為の後に夫婦関係の修復がみられるため、夫婦関係が破綻してしまった場合に比べると、慰謝料の金額は低くなることが多いです。
ただし最近の傾向としては、100万円を超える不倫慰謝料を認める判例も多くなっています。
3-2:不倫が原因で別居した場合(100万円~200万円)
不倫が発覚した後に夫婦が別居した場合、不倫慰謝料の相場は100万円~200万円になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大で別居に至ったと考えられるためです。
3-3:不倫が原因で離婚した場合(150万円~300万円)
不倫が発覚した後に夫婦が離婚した場合、不倫慰謝料の相場は150万円~300万円になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大であるため、精神的なショックも大きく離婚に至ったと考えられるためです。
4章:離婚で慰謝料請求できる5つのケースと慰謝料相場
まず、法律上、離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)としては、次の5つが定められています。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
(民法第770条)
これらの離婚事由が明らかな場合は、相手が離婚に納得していない状況でも、裁判において離婚が認められる可能性が高くなります。
さらにこの中で、相手の不法行為によって離婚に至り、離婚の慰謝料を請求できる可能性があるケースとしては、次の5つがあげられます。
- 不倫・浮気をした場合
- DV(身体的暴力)、モラハラ(言葉・精神的暴力)の場合
- 悪意の遺棄(生活費を渡さない、他)の場合
- セックスレスの場合
- 借金がある場合
これらの慰謝料を請求できるケースでも、その内容・事例によって請求できる慰謝料の金額は様々ですが、大体の相場としては次の表のようになります。
それぞれのケースを、解説していきます。
4-1:不倫・不貞行為(150万円~300万円程度)
相手の不倫や浮気などの不貞行為によって精神的苦痛を与えられ、その不法行為が原因で離婚に至った場合は、夫・妻の区別なく相手に対して慰謝料を請求することができます。
不貞行為の慰謝料相場としては、150万円~300万円程度になります。
この不貞行為を原因とする離婚は非常に多く、配偶者に対する慰謝料請求が認められるだけでなく、浮気相手に対しても不倫の慰謝料を請求できる可能性があります。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
不倫慰謝料相場は50万~300万円!金額を決める7つの要因と高額請求法
4-2:DV・モラハラ(50万円~300万円程度)
相手のDV(ドメスティックバイオレンス:身体的暴力)やモラハラ(言葉・精神的暴力)などの不法行為が原因で離婚に至った場合は、相手に対して慰謝料を請求することができます。
DV、モラハラの慰謝料相場としては50万円~300万円程度になります。
特に暴力をふるうDVは、暴行・傷害といった犯罪行為であり、離婚に直結する事由と言えます。
また、モラルハラスメントによる言葉の暴力や態度によって、精神的に虐待した場合は、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚できる可能性があります。
いずれも、その不法行為の内容や期間、回数、頻度などによって、離婚事由として認められるかどうかは変わってきます。
4-3:悪意の遺棄(50万円~300万円程度)
「生活費を渡さない」「家庭を捨てて省みない」などの悪意の遺棄とされる不法行為が原因による離婚の場合は、相手に対して慰謝料を請求することができます。
悪意の遺棄の慰謝料相場としては50万円~300万円程度になります。
悪意の遺棄としては他に、同居を拒否して別居したり、健康なのに働かないなど、法律で定められた夫婦の義務(同居、協力、扶助)に反して、一方が悪意を持って放棄することです。
同居の義務とは、夫婦は一緒に生活しなければならないと定めたもので、あくまで倫理的規範ですが、正当な理由もなく一方的に同居を拒否することは離婚事由となります。
協力・扶助の義務とは、夫婦は互いに協力・扶助して結婚生活を送るべきものであり、互いに同程度の生活が送れるように援助すべきだと定めたものです。
生活費を渡さない、病気や体の不自由な相手を支援しない場合などは離婚事由となります。
4-4:セックスレス
セックスレスや性的不調和が原因で夫婦関係を継続していくことが困難な場合は、離婚が認められる可能性があります。
また、夫婦のどちらかが一方的にセックスを拒否し、拒否する際に心無い言葉を投げかけたりしていた場合は、相手に対して慰謝料を請求できる場合もあります。
セックスレスの慰謝料はケースバイケースですが、単にセックスをしないだけでなく、配偶者以外の異性とセックスをしていた場合や、セックスを断る際に侮辱や暴力を伴う場合には慰謝料が認められやすくなります。
性的不調和としては、性的嗜好の違いや性行為の強要や、理由もなく拒否されている場合などがあげられます。
夫婦間のセックスは、婚姻関係においては大切な行為であり、夫婦関係を継続させるための重要な要素となっています。
そのため、正当な理由もなく、長期間にわたって一方的に性行為を拒否しているセックスレスの状態は、「婚姻を継続しがたい重大な事由」として認められる可能性があります。
4-5:借金がある場合
相手に借金があること自体は、法律上離婚事由とは認められていませんが、単に借金があるだけでなく、借金によって夫婦関係が修復困難な状態まで破碇している場合は、認められる可能性があります。
相手が、ギャンブルや遊びで借金を繰り返していたり、多額の借金があり金銭面にルーズで、すでに信頼関係を失っているなど、婚姻を継続することが難しい場合です。
ただし、夫婦で加入したローン(住宅や車など)や、あなたが連帯保証人になっている借金については、あなたにも返済義務が生じます。
借金による離婚が認められ、慰謝料を請求できる場合でも、すでに借金をしている相手の財産状況などはさまざまです。
そのため、借金による離婚の場合の慰謝料は、少なくなる傾向があると考えられます。
5章:離婚慰謝料請求に必要な証拠
離婚の慰謝料を請求できる5つのケースを解説しましたが、慰謝料を請求するためには、相手の不法行為を明らかにする証拠が必要となります。
それぞれに必要な証拠について解説します。
5-1:不倫・不貞行為の場合
不倫・不貞行為の証拠として、認められる可能性があるものを上げてみます。
- 写真
- 録音した音声データや録画した撮影データ
- クレジットカードの利用明細、レシート
- Suica、PASMOなどの利用履歴
- メールや手紙
- SNSやブログ
- 手帳、日記、メモ
- GPS
- 妊娠、堕胎を証明できるもの
- 興信所や探偵の調査報告書
これらの証拠を、できるだけ早い段階からより多く集めておくことが重要です。
なぜなら、これらの証拠によって不倫の事実、回数や期間、不倫相手等が明らかとなり、裁判官や弁護士等の第三者にも相手の不貞行為を認めてもらえるからです。
※上にあげた不倫の証拠については、次の記事でそれぞれ詳しく解説しています。
【浮気・不倫の13の証拠】証拠になるもの・ならないものを弁護士が解説
5-2:DV、モラハラの場合
DV、モラハラの証拠として、認められる可能性があるものを上げてみます。
■DVで受けたケガを撮影した画像
殴る、蹴る、叩くなどの暴行を受けた場合は、怪我をした箇所を撮影しておく。
■病院の診断書
暴行によるケガや精神的苦痛で精神科に言った場合など、病院に行って診断書をもらい保管しておく。
■DV・モラハラのメモ・日記
DV・モラハラを受けたことを、手書きのメモや日記に残していく。
残す場合は「日時」「受けた行為」「場所」「被害の重さ」などできる限り詳しく状況を記録しておく。
■警察に相談した記録
DVを受けた際に警察に相談することで、相談内容や警察の対応などの記録が警察署に保管される。
これらの証拠を集めておくことによって、裁判官や弁護士等の第三者に、相手の不法行為を認めてもらえる可能性が高まります。
5-3:悪意の遺棄の場合
悪意の遺棄の場合、「別居している」「生活費が振り込まれない」「働こうとしない」といったことを明らかにする証拠を集める必要があります。
悪意の遺棄の証拠として、認められる可能性があるものを上げてみます。
- 別居時期、原因、別居している場所が分かる記録や資料
- 生活費が振り込まれなくなったことが分かる通帳等
- 配偶者が夫婦関係を破綻させる意思を持っていたことが分かるメールやLINE等の文章
これらの証拠を集めておくことによって、裁判官や弁護士等の第三者に、相手の不法行為を認めてもらえる可能性が高まります。
5-4:セックスレスの場合
セックスレスの場合、相手に原因があることを示すことが難しいため、証拠を残しておくことが非常に重要です。
セックスレスの証拠として、認められる可能性があるものを上げてみます。
■セックスレスのことを手書きで残した日記、メモ
セックスレスになった時期や状況、原因、期間などについて詳細を記したもの。
■就寝時間などの夫婦の生活リズムを記録したメモ
生活リズム的にセックスが可能なのにしていなかったということを証明するため、お互いの生活時間を記録する。
■セックスレスを解決しようとした時の話し合いを記録したもの
相手が拒否するような言動、行動をとっていた場合、それを記録する。
このような証拠を、できるだけ多く残しておくことが必要です。
5-5:借金の場合
相手の借金によって夫婦関係が修復困難な状態まで破碇している証拠として、認められる可能性があるものを上げてみます。
- 通帳のコピー
- 相手の給与明細やクレジットカードの利用明細
- 家計簿など収支がわかる記録
- 何度か注意した経過を示すメモやメール等
このような証拠を、できるだけ多く残しておくことが必要です。
6章:慰謝料請求する4つの方法
慰謝料を請求する方法としては、次の4つがあげられます。
- 書面の送付(内容証明郵便)による請求
- 不倫相手・配偶者との話し合いによる請求
- 不倫の慰謝料の民事訴訟による請求
- 離婚の慰謝料の調停・訴訟による請求
それぞれ解説していきます。
6-1:書面の送付(内容証明郵便)による請求
不倫相手に慰謝料を請求する方法としては、一般的には内容証明郵便で慰謝料請求書を送付します。
内容証明郵便で送付することで、誰が誰に対してどんな内容でいつ送付したのか証明することができるため、慰謝料の支払いを促し言い逃れを防ぐことができます。
さらに、弁護士から慰謝料請求書を送ることで、相手に対してプレッシャーを与えることができます。
内容証明郵便による慰謝料請求書の送付で、不倫相手が支払いに応じた場合は、不倫問題も解決することになります。
6-2:不倫相手・配偶者との話し合いによる請求
不倫相手や配偶者との対面による話し合いによって、不倫慰謝料や離婚慰謝料を請求する方法もあります。
慰謝料の話し合いで、金額や支払い方法、支払期日が決まり交渉がまとまった場合は、合意書を公正証書にすることをおすすめします。
公正証書とは、公証役場において法務大臣に任命された公証人が作成し、その合意書の内容を証明する公文書のことです。
公正証書にすることによって、相手の支払いが約束に反した場合は、裁判手続きを取ることなく給料や財産を差し押さえることもできます。
6-3:不倫の慰謝料の民事訴訟による請求
不倫相手との慰謝料交渉によって合意が得られなかった場合は、民事訴訟によって慰謝料を請求することができます。
裁判所に対して訴状及び証拠等を提出し、不倫相手と争うことになりますが、裁判の途中で裁判官のすすめによって和解が成立することも多く、最終的には裁判官の判断によって慰謝料の金額等が決められます。
民事訴訟の手続きは複雑で、提出する書類等も多いため、手続きをスムーズに進めて、さらに公判を有利に進めるためには、弁護士に依頼することをおすすめします。
6-4:離婚の慰謝料の調停・訴訟による請求
夫婦間の話し合い(協議)がうまくいかなかった場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。
離婚調停では、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。
夫婦双方が離婚や離婚慰謝料に合意した場合は、合意した内容が調停調書に記載され、調停離婚が成立することなります。
離婚調停で夫婦の合意ができない場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、裁判所の判決によって離婚(裁判離婚)を成立させることができます。
裁判離婚が認められるたには、ここまで解説してきた法律上離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)が必要となりますが、夫婦の合意は必要なく裁判所からの離婚判決が確定することで離婚となります。
また、裁判の過程において、和解によって離婚が成立する場合もあります。
裁判離婚の場合は、法廷で争うことになるので、不利益な判決を避けるためには弁護士への依頼をおすすめします。
まとめ
ここまで、慰謝料を請求できる条件や、慰謝料相場、慰謝料を請求する方法などについて解説してきました。
最後に、今回の内容をまとめます。
■不倫や離婚の慰謝料を請求するためには、不貞行為(肉体関係)の事実や、法律上離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)など、慰謝料を請求できるいくつかの条件を満たしている必要があります。
■不倫相手に慰謝料を請求できる条件
- 不倫相手の身元が確認できている
- 配偶者と肉体関係があった
- 不倫相手は既婚者だと知っていた・知ることができた
- もともと夫婦関係は破綻していなかった
- 不倫によって夫婦関係が悪化または破綻した
■不倫の慰謝料相場と不倫が発覚した後の夫婦関係
■離婚の原因と慰謝料相場
この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。