デリヘル盗撮は逮捕される?示談での解決と弁護士に依頼するメリット

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

デリヘル盗撮は逮捕される?示談での解決と弁護士に依頼するメリット
チェック
この記事を読んで理解できること
  • デリヘルの盗撮で逮捕されないケース、逮捕されるケース
  • 盗撮トラブルを示談で解決するときの4つの注意点
  • 示談を弁護士に依頼するメリット
  • デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰、逮捕事例
  • デリヘル盗撮で逮捕された後の流れ
  • 逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット

あなたは、

デリヘルで盗撮がばれたら逮捕される?」
「逮捕されたら弁護士に依頼すべき?」
「示談を成立させて解決したい」

などとお考えではありませんか?

結論から言うと、デリヘルの盗撮がばれて慰謝料を請求されたり、警察に逮捕された場合は、すぐに弁護士に依頼することが重要です。

なぜなら、デリヘル店から盗撮行為を訴えると脅されて、慰謝料を請求された場合は、不当な請求や多額の慰謝料を繰り返し要求されることもあるからです。 

また、近年では被害直後に警察に通報され、駆け付けた警察に現行犯逮捕される事例が増えています。

盗撮で逮捕された場合は、下の図にあるように、検察が勾留請求する逮捕後72時間以内に、身柄の解放を求めることがとても重要です。

逮捕後の流れ

弁護士に依頼することで、素早い弁護活動を行い

  • 被害者と示談を成立させて不起訴を得られる
  • 捜査機関と交渉して早期釈放を得られる

可能性が高まります。

この記事では、1章でデリヘルの盗撮で逮捕されないケースと逮捕されるケースを、2章では、示談で解決するときの4つの注意点を、3章では、示談を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

さらに、4章では、デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰と逮捕事例を、5章では、デリヘル盗撮で逮捕された後の流れを、そして6章では、逮捕された場合に弁護士に依頼するメリットについて解説していきます。

個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

デリヘルで盗撮がばれた場合、デリヘル店の店長や従業員から警察に突き出すと脅され、慰謝料や損害賠償金等として高額な支払いを迫られることがあります。

また、デリヘル店から示談書にサインを強要される場合がありますが、強要されるままに示談書にサインしたり誓約書等を作成することは、極力避ける必要があります。

盗撮トラブルで不当な条件や不備な内容の示談を避けるためには、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることが大事です。

■デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰

  • 迷惑防止条例違反|1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 軽犯罪法違反|1日以上30日未満の拘留または科料

■デリヘル盗撮で逮捕された後の流れ

逮捕から判決までの流れ

目次

  1. 1章:デリヘルの盗撮で逮捕されないケース、逮捕されるケース
    1. 1-1:逮捕されないケース(示談で解決できるケース)
    2. 1-2:逮捕されるケース
  2. 2章:盗撮トラブルを示談で解決するときの4つの注意点
    1. 2-1:慰謝料を請求されてもその場で支払わない
    2. 2-2:示談を強要されてもその場でサインしない
    3. 2-3:暴行を受けた場合は証拠を残す
    4. 2-4:脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する
  3. 3章:示談を弁護士に依頼するメリット
    1. 3-1:適正な示談(示談書)を結べる
    2. 3-2:不当な請求を拒否できる
    3. 3-3:トラブルが蒸し返されるのを防げる
    4. 3-4:刑事事件になるのを防げる
    5. 3-5:家族や職場に知られずに解決できる
  4. 4章:デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰、逮捕事例
    1. 4-1:迷惑防止条例違反|1年以下の懲役または100万円以下の罰金
    2. 4-2:軽犯罪法違反|1日以上30日未満の拘留または科料
    3. 4-3:わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪|2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料
    4. 4-4:デリヘルの盗撮で逮捕された事例
      1. 4-4-1:58歳小学校教頭、デリヘル女性盗撮で現行犯逮捕
      2. 4-4-2:デリヘル嬢を無断撮影、警察官を盗撮疑いで逮捕
      3. 4-4-3:コロナ対応の県職員が、デリヘル盗撮で逮捕
  5. 5章:デリヘル盗撮で逮捕された後の流れ
    1. 5-1:逮捕後、警察署で取調べ|48時間以内
    2. 5-2:検察官送致、勾留の判断|24時間以内(逮捕後72時間以内)
    3. 5-3:勾留|原則10日間(延長さらに10日間)
    4. 5-4:検察、起訴・不起訴の判断|逮捕後最長23日間
    5. 5-5:裁判、判決が下される
  6. 6章:逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット
    1. 6-1:逮捕直後から面会して助言できる
    2. 6-2:警察・検察に早期釈放を求められる
    3. 6-3:前科のつかない不起訴処分を求められる
    4. 6-4:精神的負担や事務的な負担を軽減できる
  7. まとめ
刑事事件はスピードが重要!手遅れになる前に加害者専門の弁護士法人QUEST法律事務所にご相談ください
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1章:デリヘルの盗撮で逮捕されないケース、逮捕されるケース

デリヘルで盗撮がばれた場合、デリヘル店に慰謝料を請求されるケースと、警察に通報されて逮捕されるケースがあります。

それぞれ解説していきます。

1-1:逮捕されないケース(示談で解決できるケース)

デリヘルで盗撮がばれて逮捕されないケースとしては、デリヘル店との示談で解決する場合があげられます。

これは、デリヘルで盗撮がばれた場合に、デリヘル店に警察に突き出すと脅され、罰金や慰謝料と称して、金銭を請求されるケースです。

請求された金額を支払うことで、トラブルが全て解決できれば問題はありませんが、どうしても、その後に不安が残る場合も多いようです。

一般的な示談交渉のように、お互いの話し合いによって示談金が決められ、示談成立によってすべてのトラブルを解決するためには、弁護士に依頼することが重要です。

このあと、盗撮トラブルを示談で解決する時の注意点は2章で、示談を弁護士に依頼するメリットについては3章で、それぞれ解説していきます。

1-2:逮捕されるケース

デリヘルで盗撮がばれて逮捕されるケースとしては、被害直後に警察に通報され、駆け付けた警察に現行犯逮捕される場合です。

近年では、カメラ付き携帯・スマートフォンや小型カメラの性能が上がり、また広く普及しているため、安易な気持ちで盗撮行為に及ぶケースも多くなっています。  

そのため、迷惑防止条例に定める盗撮行為の処罰範囲が「公共の場所」から広められ、デリヘルで利用される自宅やホテルなども対象範囲に含める自治体が増えています。

またそれに合わせて、警察も盗撮事件の取締りを強化しています。

盗撮事件では、発覚した時点で、証拠となるカメラやスマートフォンが抑えられている場合が多いので、逮捕される確率は高いと言えます。

盗撮で逮捕された場合の、罪と刑罰や逮捕事例については、4章で詳しく解説していきます。

2章:盗撮トラブルを示談で解決するときの4つの注意点

盗撮トラブルを示談で解決する時の注意点としては、次の4つがあげられます。

  • 慰謝料を請求されてもその場で支払わない
  • 示談を強要されてもその場でサインしない
  • 暴行を受けた場合は証拠を残す
  • 脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する

それぞれ解説していきます。

2-1:慰謝料を請求されてもその場で支払わない

盗撮トラブルとなった場合、デリヘル店の店長や従業員から慰謝料や損害賠償金等として高額な支払いを迫られることがあります。

あなたが盗撮行為を実際に行った場合や、やってはいないけど怖くて逆らえない場合でも、相手の主張する慰謝料や損害賠償金等を、その場では支払わないことが大事です。

なぜなら、デリヘル店や女性従業員の請求する慰謝料や損害賠償金等が、法的に正当な請求なのか、またその請求する金額は、法外な金額ではなく妥当なものなのか判断する必要があるからです。

どうにかその場をやり過ごし、言われるままにその場で支払うことは避けて、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

2-2:示談を強要されてもその場でサインしない

慰謝料や損害賠償金等を要求される際に、デリヘル店から示談書にサインを強要される場合があります。

また、示談書と同じように、相手の言うとおりに誓約書などを書けと強要されることもあります。

これらの場合は、どちらも相手に有利なように不当な条件が盛り込まれていたり、意図的に示談書としては不備な点があるなど、あなたにとっては大変リスクを伴うことが多いです。

そのため、その場で強要されるままに示談書にサインしたり、誓約書等を作成することは、極力避ける必要があります。

盗撮トラブルを示談交渉で解決する場合は、弁護士に依頼されることをおすすめします。

不当な条件や不備な内容の示談を避けるためには、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることが大事です。

示談を弁護士に依頼するメリットについて、この後3章で解説します。

2-3:暴行を受けた場合は証拠を残す

盗撮トラブルとなって、デリヘル店の店長や従業員に殴る蹴るなどの暴行を受けた場合は、写真や診断書などの証拠を残しておくことが重要です。

診断書は、身体的な傷だけでなく、精神的なストレスや不調などでも、デリヘル店の暴行や脅迫行為によって身体的障害が生じたという証拠となるものであれば有効です。

こうした証拠を残すことによって、示談交渉の際に有利となるだけでなく、後で警察から事情を聴かれたときには有力な証拠として活用できます。

2-4:脅迫・恐喝を受けた場合は弁護士に相談する

盗撮トラブルの際に、あなたの個人情報を握られて、「慰謝料を払わなければ、会社や家に押し掛けるぞ」など言って、脅迫・恐喝を受けた場合は、すぐに弁護士に依頼されることが重要です。

盗撮トラブルによるこうした悪質な行為は、脅迫罪・恐喝罪にあたる可能性があります。

会社や家族に、できれば知られないで済むようにするためにも、弁護士を通して早期解決を図ることが大事です。

3章:示談を弁護士に依頼するメリット

示談を弁護士に依頼するメリットとしては、次の5つがあげられます。

  • 適正な示談(示談書)を結べる
  • 不当な請求を拒否できる
  • トラブルが蒸し返されるのを防げる
  • 刑事事件になるのを防げる
  • 家族や職場に知られずに解決できる

それぞれ解説していきます。

3-1:適正な示談(示談書)を結べる

示談とは、事件の当事者同士が裁判によらずに、当事者間の話し合いによる合意によって事件を解決することを言います。

示談書とは、示談が成立した合意内容を記載した書面のことです。

盗撮トラブルを弁護士に依頼することによって、弁護士があなたに代わって、相手(被害者)である女性従業員と示談交渉を行うことができます。

弁護士が示談交渉することによって、トラブルの内容、状況において妥当な示談金額を交渉し、適正な内容で、法的に効力のある示談書を作成することができます。

もし、2-2のような状況で示談書にサインをしてしまった場合には、弁護士がトラブルの状況や相手の言い分などを聞き、改めて交渉することによって、示談金の減額や今後のトラブルを避けるための合意書等を得られることもあります。

3-2:不当な請求を拒否できる

弁護士に依頼することによって、盗撮トラブルでデリヘル店が不当な請求をしてきた場合に、その請求が妥当なものか判断し、場合によっては請求を拒否することもできます。

盗撮トラブルの相手(被害者)はデリヘルの女性従業員であり、デリヘル店の請求自体が法的な根拠のない場合も多いです。

また、被害にあった女性からの請求であっても、法外な慰謝料を請求された場合は、妥当な金額まで減額できるように交渉します。

3-3:トラブルが蒸し返されるのを防げる

弁護士に依頼して示談交渉をおこない、適正な示談書を作成することによって、後になってトラブルが蒸し返されることを防ぐことができます。

弁護士が示談書を作成する際には、内容として「この示談書に書かれているもの以外の債権債務はない」とする清算条項を記載することが非常に多いです。

この清算条項によって、示談書に記載した内容以外に、今後お互いに金銭等を請求することができなくなります。

また、デリヘル店にあなたの個人情報を破棄させることを示談書に加えられることもあります。

3-4:刑事事件になるのを防げる

盗撮にあった女性(被害者)が、被害届や告訴状を提出して刑事事件になる可能性があります。

しかし、示談交渉を弁護士に依頼して、警察に被害届や告訴状を出さないことを条件に加えたうえで、示談を成立することができれば、刑事事件になることを防げる可能性が高くなります。

また、もし女性が被害届や告訴状を提出して刑事事件になった場合でも、示談が成立していれば、逮捕や起訴を免れる可能性が高くなります。

3-5:家族や職場に知られずに解決できる

盗撮トラブルで依頼を受けた弁護士は、代理人としてデリヘル店や女性に、今後依頼者やその家族、職場等に連絡をしないように求めます。

もし、この弁護士の警告に反してデリヘル店や女性が連絡した場合は、態様次第では脅迫・恐喝・名誉毀損といった犯罪行為として刑事告訴することもできます。

デリヘル店によっては、弁護士との交渉を心得ているところもありますから、民事・刑事ともに訴えられるような行動はとらない可能性が高いです。

そのため、弁護士が代理人としてデリヘル店と交渉することによって、家族や職場に知られずに解決できる可能性が高くなります。

4章:デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰、逮捕事例

デリヘル盗撮で逮捕された場合に適用される罪と刑罰は、迷惑防止条例違反と軽犯罪法違反になります。

そして、盗撮動画や画像が、販売を目的としている場合は、わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪が適用される可能性があります。

それぞれ解説します。

デリヘルで盗撮した場合の罪

4-1:迷惑防止条例違反|1年以下の懲役または100万円以下の罰金

迷惑防止条例違反では、各都道府県の条例によって差がありますが、例えば東京都が定める迷惑防止条例違反の場合は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されることになります。

常習の場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。

例えば東京都の迷惑防止条例では、公共の場所や公共の乗物での盗撮行為を規制するだけでなく、デリヘルで利用される住居やホテルの室内なども、通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所として規制対象場所となっています。

盗撮行為としては、衣服を着けない状態の撮影だけでなく、着衣のままでも性的な部位の撮影などは処罰されることがあります。

また、撮影目的でカメラを向けた、あるいはカメラを設置した場合も処罰される可能性があります。

4-2:軽犯罪法違反|1日以上30日未満の拘留または科料

軽犯罪法違反では、公共の場以外の、人の住居や浴場、更衣場、便所その他での盗撮を、のぞき見行為として規制しています。

そのため、公共の場所以外の、あらゆる場所が規制対象場所となり、盗撮が規制されることになります。

軽犯罪法違反の罰則としては、1日以上30日未満の拘留または1,000円以上1万円未満の科料が科せられます。

4-3:わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪|2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料

デリヘルで盗撮したわいせつな画像や動画を、販売したり、販売目的で所持していた場合は、わいせつ電磁的記録の頒布罪・同有償頒布目的所持罪にあたります。

罰則としては、2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料、となります。

わいせつの定義としては、

「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」

とされていますが、明確な判断基準はありません。

盗撮された動画や画像であれば、性器や性行為が無修正で写っているものが該当します。

4-4:デリヘルの盗撮で逮捕された事例

ここでは、デリヘルの盗撮で逮捕された3つの事例を紹介します。

これらの逮捕事例は、盗撮の被疑者が教師や警察官、県職員のため、ニュースとして取り上げられたものと思われます。

4-4-1:58歳小学校教頭、デリヘル女性盗撮で現行犯逮捕

58歳の小学校教頭が、愛知県一宮市のラブホテルで、デリヘル女性を盗撮しようとしたとして、愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。

逮捕されたのは、岐阜県岐阜市の小学校教頭で、デリヘル女性をペン型の小型カメラで盗撮しようとしたところ、女性に気づかれました。

女性から連絡を受けたデリヘル店の従業員が、警察に通報した上で小学校教頭の身柄を確保し、その後駆け付けた警察官が現行犯逮捕しました。
「風俗店の女性をペン型カメラで盗撮容疑 小学校教頭逮捕」(朝日新聞デジタル)

4-4-2:デリヘル嬢を無断撮影、警察官を盗撮疑いで逮捕

新潟県警の警察官が、新潟県中越地区のホテルで、デリヘル女性の裸を盗撮したとして、新潟県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは、新潟県長岡署の23歳の警察官で、デリヘル女性の裸を、カメラ付きのスマートフォンを使って無許可で撮影した疑いです。

この警察官が所持していたスマートフォンには、当時の映像が残されており、県警は余罪があるとみてさらに捜査を続けています。
「デリヘル嬢を無断撮影 新潟県警の警察官を盗撮疑いで逮捕」(産経新聞)

4-4-3:コロナ対応の県職員が、デリヘル盗撮で逮捕

埼玉県のコロナ対応の県職員が、東京都内のホテルでデリヘル女性を盗撮したとして、東京都の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは、埼玉県の新型コロナ対応を担当する危機管理課の52歳の男性職員で、デリヘル女性を、仕掛けた小型カメラで動画撮影した疑いです。

当時、埼玉県は、2度目の緊急事態宣言中で、不要不急の外出自粛を県民に呼び掛けていました。
「コロナ対応職員が女性盗撮 埼玉県、緊急事態発出中に」(千葉日報)

5章:デリヘル盗撮で逮捕された後の流れ

デリヘル盗撮で逮捕された後の流れは、下の図のようになります。

逮捕から判決までの流れ

  1. 逮捕後、警察署で取調べ|48時間以内
  2. 検察官送致、勾留の判断|24時間以内(逮捕後72時間以内)
  3. 勾留|原則10日間(延長さらに10日間)
  4. 検察、起訴・不起訴の判断|逮捕後最長23日間
  5. 裁判、判決が下される

順番に解説していきます。

5-1:逮捕後、警察署で取調べ|48時間以内

盗撮の逮捕では、犯行直後に現場で、被害者や目撃者によって取り押さえられる「現行犯逮捕」が多いです。

盗撮で逮捕された場合は、被疑者として身柄を拘束され、警察の取り調べを受けます。

担当刑事の取り調べでは、犯行に至るまでの状況、内容等の聞き取りが行われ「供述調書」が作成されます。

その後、逮捕から48時間以内に、事件の被疑者・書類・証拠物を検察官に送致します。

警察に身柄を拘束された場合、被疑者の希望があれば、警察から家族などに連絡をしてもらえます。

ただし、逮捕期間中の被疑者との面会は、弁護士以外は認められません。

5-2:検察官送致、勾留の判断|24時間以内(逮捕後72時間以内)

送致された後は、検察官による被疑者に対する聞き取りが行われ、送致から24時間以内に検察官は、被疑者の勾留を請求するか判断します。

これによって、被疑者は、逮捕後72時間以内に勾留請求の判断が下され、裁判官に勾留が認められた場合は、そのまま身柄が拘束されることになります。

この時、被疑者に前科前歴が無く、自らの盗撮行為を全面的に認め、身元が明確な場合は、検察官による勾留請求がされなかったり、または勾留請求がされても裁判所が勾留請求を却下することで、釈放される場合もあります。

しかし、被疑者に前科前歴があったり、盗撮行為を否認する場合などは、さらなる捜査が必要として、勾留請求され、また裁判所も勾留請求を認める傾向になります。

5-3:勾留|原則10日間(延長さらに10日間)

勾留が決定すると、その日から原則として10日間、被疑者は警察署の留置場で身柄を拘束されることになります。

さらに、被疑者が盗撮行為を否認し続けていたり、他に余罪があり捜査が必要な場合は、検察官は勾留延長を請求することがあります。

裁判所がこの請求を認めた場合は、勾留はさらに10日間延長されることになります。

5-4:検察、起訴・不起訴の判断|逮捕後最長23日間

一般的に、検察官は、逮捕後23日間の勾留期間が満期となる時点で、起訴・不起訴を判断します。

検察官によって起訴された場合は、刑事事件として裁判手続きが行われ、被疑者は被告人となります。

検察官に罰金刑が相当と判断され、被疑者が手続きに同意した場合は、略式起訴として刑事手続きは終わり、被疑者は釈放されます。

略式起訴は、100万円以下の罰金・科料に相当する事件で行われ、被疑者には有罪判決が下された場合と同様に前科がつきます。

不起訴になると刑事裁判にはならず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。

5-5:裁判、判決が下される

刑事裁判の場合は、検察官の起訴から約1~2ヶ月後に、第1回公判が開かれます。

公判では、被告人は必ず出廷し、検察、弁護人それぞれの証拠等をもとに、裁判官が判決を下すことになります。

盗撮事件では、被疑者が犯行を認め事実関係に争いがなければ、最初の1回で審理が終了し、公判から約1ヶ月以内に判決が言い渡されることが多いです。

最終的に有罪の判決を受けた場合は、前科がつくことになります。

6章:逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット

盗撮事件を弁護士に依頼するメリットとしては、3-1で解説した被害者との示談を成立させることの他に、次の4つがあげられます。

  • 逮捕直後から面会して助言できる
  • 警察・検察に早期釈放を求められる
  • 前科のつかない不起訴処分を求められる
  • 精神的負担や事務的な負担を軽減できる 

それぞれ解説していきます。 

6-1:逮捕直後から面会して助言できる

弁護士であれば、逮捕直後から被疑者と面会(接見)して、今後の見通しについて説明し、取り調べの際の注意点など助言することができます。

弁護人による接見は、原則として自由に面会することができるので、必要なものや書類などを差し入れすることもできます。

さらに、接見の際に立会人が付くこともないので、被疑者に今後の流れや状況を説明し、適切なアドバイスをすることが可能になります。

被疑者と家族が面会できるのは、警察からの連絡のあと捜査が進み、勾留が決定されてからになるので、逮捕から約3日後となります。

さらに、被疑者に接見禁止処分が付された場合には、弁護人以外との面会が禁止されるので、家族でも面会することはできません。

これに対し、逮捕直後から認められている弁護士による接見は、被疑者にとっては大きな支えとなります。

6-2:警察・検察に早期釈放を求められる

盗撮で逮捕された場合は、弁護士を通して、警察で送致前の釈放を求めたり、検察官、裁判官に対して勾留しないように働きかけることで、早期釈放を得られる可能性が高まります。

ここまで解説してきたように、逮捕されると同時に警察の取り調べは始まり48時間以内に検察官に送致され、検察官の取り調べを受けて必要であれば24時間以内に裁判所に勾留が請求されます。

この、逮捕直後から勾留請求されるまでの72時間の間に、できるだけ早く早期釈放を求めることが重要です。

弁護士に依頼することによって、被害者との示談が成立している場合は、さらに勾留されない可能性が高くなります。

釈放され在宅事件となった場合は、捜査は続いていますが、被疑者は普段通りの生活ができ、会社や学校にも行くことができます。

それだけでも、盗撮で逮捕された場合の社会生活におけるリスクを、少なからず抑えることができます。 

6-3:前科のつかない不起訴処分を求められる

盗撮で逮捕された場合は、検察官が起訴の必要性を判断する勾留期間中(逮捕後13日以内)に、前科のつかない不起訴処分を求める弁護活動を行うことがとても大事です。

なぜなら、刑事事件においては、起訴された場合、保釈が認められなければ長期に渡り身体拘束が続くことになり、釈放されたとしても元の生活に戻ることが難しくなるため、検察官による不起訴処分を得ることがとても重要だからです。

不起訴処分を得るためには、弁護士を通して検察官に、証拠が不十分で被疑者に対する嫌疑が認められないことや、示談書や意見書を提出して、不起訴とすべき実情を主張する必要があります。

不起訴処分を得られた場合は、刑事裁判は行われず、そのまま身柄を解放され、再度逮捕される可能性は非常に低くなります。

6-4:精神的負担や事務的な負担を軽減できる

弁護士に依頼することで、経験に基づいた今後の見通しや適切なアドバイスを受けられるので、被疑者や家族の精神的な負担を軽減することができます。

さらに、迅速な行動によって、すぐに弁護活動や示談交渉にとりかかることで、早期の身柄の解放や示談成立を目指すことができます。

また、弁護士に依頼することによって、被害者との対応をはじめ、警察、検察さらには裁判所に対する手続きや、示談書・意見書の作成など様々な事務的負担を軽減することができます。

盗撮で逮捕された場合、被疑者本人はもとより家族も、どうしてよいのかわからず混乱されることが多いようです。

弁護士に依頼することで、逮捕後の被疑者・家族の不安や負担を最小限にすることができます。

まとめ

ここまで、デリヘルの盗撮がばれた場合の示談の注意点や弁護士に依頼するメリット、デリヘル盗撮の罪と刑罰や、その後の流れなどについて解説してきました。

最後に今回の内容をまとめます。

デリヘルで盗撮がばれた場合、デリヘル店の店長や従業員から警察に突き出すと脅され、慰謝料や損害賠償金等として高額な支払いを迫られることがあります。

また、デリヘル店から示談書にサインを強要される場合がありますが、強要されるままに示談書にサインしたり、誓約書等を作成することは、極力避ける必要があります。

盗撮トラブルで不当な条件や不備な内容の示談を避けるためには、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることが大事です。

■デリヘル盗撮で逮捕された場合の罪と刑罰

  • 迷惑防止条例違反|1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 軽犯罪法違反|1日以上30日未満の拘留または科料

■デリヘル盗撮で逮捕された後の流れ

逮捕から判決までの流れ

この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。

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