夫が生活費をくれない|3種類の対処法と離婚の流れ・3つの注意点

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住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

夫が生活費をくれないのは「モラハラ」「経済的DV」になりうる

あなたは、

  • 夫が生活費をくれないが、どうしたら良いのか知りたい
  • 夫が生活費をくれないが、モラハラではないのか知りたい
  • 夫が生活費をくれないが、どこに相談すべきか知りたい

などとお考えではありませんか?

夫が生活費をくれないと、経済的にも精神的にも苦しくなり、追い詰められてしまいますよね

子どもがいるなら、成長と共に食費や教育費や衣服代などが増えますので、なおさら今後の生活が不安になることでしょう。

結論から言えば、夫が生活費をくれないのは、「モラハラ」「経済的DV」にあたる可能性があります。

夫が生活費をくれないことが「モラハラ」「経済的DV」になり得る理由は、以下のとおりです。

  • 「モラハラ」とは、一般的な身体的暴力と異なり、精神的な虐待を意味し、被害者が精神的に苦しむことだから
  • 「経済的DV」とは、身体的・精神的な暴力ではなく、相手を経済的に追い詰めることだから

この記事を読めば、夫が生活費をくれない場合の対処法や注意点を知り、解決に向けて行動できます

そこで、この記事では以下のとおり説明します。

1章では、夫が生活費をくれないのは「モラハラ」「経済的DV」になり得る

2章では、夫が生活費をくれない6つの理由

3章では、夫が生活費をくれない場合の対処法は3つ

4章では、生活費をくれない夫と離婚する流れ

5章では、離婚するまでの3つの注意点

この記事を読んで、生活費をくれない夫に適切に対処しましょう

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1章:夫が生活費をくれないのは「モラハラ」「経済的DV」になり得る

Xでは、夫が生活費をくれなくて惨めだという声が聞かれます。

 

この章では、次の2つのポイントを解説します。

  • モラハラ・経済的DVとは?
  • モラハラ・経済的DVになり得る理由

それぞれ説明します。

1-1:モラハラ・経済的DVとは?

■モラハラとは

「モラハラ」とは、「モラルハラスメント」の略称です。

一般的な身体的な暴力と異なり、精神的な虐待を意味します。

被害者が、精神的に苦しむことが特徴です。

モラハラの加害者は、相手をコントロールしようと、意図的に威圧し、自分を優位に立たせます。

また、意図的に相手を無視することも含まれるので、被害者は孤立感や不安を感じます。

■経済的DVとは

「経済的DV」とは、「経済的ドメスティック・バイオレンス」の略称です。

身体的・精神的な暴力ではなく、相手を経済的に追い詰めることが特徴です。

各家庭により経済事情が異なり、「DV」は身体的外傷を伴うイメージが強いこともあるため、自分が経済的DVの被害者だと認識しないケースも多々あります

1-2:モラハラ・経済的DVになり得る理由

夫婦が協力しあって生活することを妨げ、夫婦関係を破綻させるとわかりながら、収入の低いあなたに夫が生活費をくれない場合は、モラハラ・経済的DVになり得ます。

この場合、法定離婚事由である「悪意の遺棄」に該当すれば、あなたは夫へ離婚を請求できます

ただし、収入が少なかったり解雇されたりして、夫が生活費を仕方なく渡せない状況だったり、夫婦関係の破綻を望んでいないケースもあります。

そのような場合、モラハラ・経済的DVには該当しません。

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2章:夫が生活費をくれない6つの理由

この章では夫が生活費をくれない理由の具体例を、6つ解説します。

  • 自分の給与を独り占めしたいから
  • 妻の収入もあるため何とかなると思っているから
  • ギャンブルや借金をしているから
  • 子どもにかかる費用に無関心だから
  • 不倫や浮気をしているから
  • 給与が低いなど生活費を渡す余裕がないから

それぞれ説明します。

2-1:①自分の給与を独り占めしたいから

夫が生活費をくれない理由の1つ目は、自分の給与を独り占めしたいからです。

自分が稼いだものは自分のものだ」という、結婚前の考えを持ち続けているかもしれません。

実際に収入がいくらあるか妻にバレたくない夫も多いでしょう。

2-2:②妻の収入もあるため何とかなると思っているから

夫が生活費をくれない理由の2つ目は、妻の収入もあるため何とかなると思っているからです。

妻が正社員だからと、生活費を渡したくない男性もいることでしょう。

妻の雇用形態に関わらず、夫婦で生活費について話し合い、お互いの収入状況に応じて生活費を出しあうことが必要です。

2-3:③ギャンブルや借金をしているから

夫が生活費をくれない理由の3つ目は、ギャンブルや借金をしているからです。

妻に渡すはずの生活費まで使い込んで、ギャンブルや趣味で浪費し、借金にまで手を出している恐れもあります。

借金の場合、返済完了までは生活費をくれる余裕はないと思われます。

2-4:④子どもにかかる費用に無関心だから

夫が生活費をくれない理由の4つ目は、子どもにかかる費用に無関心だからです。

子どもがいる場合、子どもの成長にしたがって、教育費や食費などが、子どもの数だけ増えていきます。

夫婦2人だけで生活していた金銭感覚のままでは、生活費が明らかに不足していき、子どもにも悪影響を及ぼします

2-5:⑤不倫や浮気をしているから

夫が生活費をくれない理由の5つ目は、不倫や浮気をしているからです。

妻に生活費を渡すことより、不倫や浮気相手との交際を優先します。

家族を完全に見捨てた行為になり、不貞行為にも該当するので、慰謝料を請求できます

2-6:⑥給与が低いなど生活費を渡す余裕がないから

夫が生活費をくれない理由の6つ目は、給与が低いなど生活費を渡す余裕がないからです。

夫が仕事を失っていたり、給与が低かったりなど、そもそも生活費を渡す余裕がない場合もあるでしょう。

この場合、「モラハラ」「経済的DV」には該当しません

つまり、「悪意の遺棄」には該当せず、法定離婚事由にはならないため、注意しましょう。

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3章:夫が生活費をくれない場合の対処法は3つ

夫が生活費をくれない場合の対処法は、以下の3つです。

  • 話し合う
  • 行政機関に相談する
  • 弁護士に相談する

それぞれ解説します。

3-1:①話し合う

夫婦は、お互いに協力し助け合う義務が民法で定められています

そのため、意図的に妻に生活費を渡さないことは「悪意の遺棄」に該当し、離婚できる理由になり得ることを伝えましょう。

話し合いの際、生活費の内訳を記した家計簿などを夫に見せると、いくら生活費が必要なのか、夫も理解しやすいです。

共働きであれば、「夫婦で共通の財布」を作ると、毎月の生活費の流れをお互いに可視化できて効果的です。

3-2:②行政機関に相談する

「まずはとにかく誰かに相談したいけど、どこに相談したらいいか分からない」という人もいるでしょう。

その場合、以下の窓口はどこからでも相談可能です。

  • DV相談ナビ #8008(はれれば)
  • DV相談+(プラス)

参照:パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。

相談は無料で、電話以外にもチャットやメールで対応可能ですので、ぜひ利用しましょう。

3-3:③弁護士に相談する

夫が話し合いに応じてくれない場合、以下の法的請求を行います。

  • 内容証明郵便を送付する
  • 婚姻費用分担請求をする

生活費をくれない夫の場合、「モラハラ」の性格を伴うことが多いので、あなた1人ではなかなか解決できないかもしれません。

夫から確実に生活費をもらえるよう、弁護士に相談しましょう。

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4章:生活費をくれない夫と離婚する流れ

生活費をくれない夫と離婚する流れは、以下のとおりです。

  • 合意できれば協議離婚
  • 合意できなければ調停離婚・裁判離婚

それぞれ説明します。

4-1:合意できれば協議離婚

■協議離婚

夫とあなたが離婚に合意すれば、理由に関係なく離婚できます。

夫婦で離婚届に署名押印をして、各市町村の窓口に提出しましょう。

4-2:合意できなければ調停離婚・裁判離婚

■調停離婚

夫が離婚に合意できなければ、調停離婚へ移行します。

第三者である調停委員をとおして話を進めるので、お互いに顔を合わせる必要がありません。

■裁判離婚

調停離婚でも合意できなければ、最終的に裁判離婚へ進みます。

裁判で法定離婚事由の存在が認められた場合、離婚が決定です。

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5章:離婚するまでの3つの注意点

生活費をくれない夫と離婚すると決めたなら、前もってやるべき行動や知っておくべきことがあります。

離婚するまでの3つの注意点は、以下のとおりです。

  • 事前に証拠を集めておく
  • 離婚成立までは婚姻費用分担請求ができる
  • 離婚公正証書を作成する

それぞれ説明します。

5-1:①事前に情報や証拠を集めておく

夫が生活費をくれないため離婚する場合、早いうちから情報や証拠を収集しておきましょう。

■夫と共有している財産の情報収集

財産分与の対象となるものは、「婚姻生活中に作られた夫婦共有の財産」です。

たとえば、以下のようなものを収集しておきましょう。

  • 預貯金通帳
  • 株式や投資信託などの有価証券
  • 不動産の登記簿
  • 生命保険の証書や解約返戻金証明書

■夫の収入について情報収集

夫がいくら収入を得ているか、給与明細書や源泉徴収票、確定申告書などを取得しましょう。

それらを正確に把握すると、離婚後の養育費などいくら請求できるか検討しやすいです。

■夫の「悪意の遺棄」を立証するための証拠収集

夫婦はお互いに「同居義務違反」「協力義務違反」「扶助義務違反」の義務があります

悪意の遺棄は、これらの義務に反する行為であり、民法上の不法行為に該当するので、被害者は加害者に慰謝料を請求できます。

その場合、夫の「同居義務違反」「協力義務違反」「扶養義務違反」を裏付ける証拠を収集しましょう。

たとえば、以下のとおりです。

  • 夫が同居を一方的に拒否し出て行ったことを示す記録(同居義務違反)
  • 家事や育児に無関心であることを示す記録(協力義務違反)
  • 収入があるのに生活費を渡していないことを示す記録(扶養義務違反)

5-2:②離婚成立までは婚姻費用分担請求ができる

婚姻費用とは、わかりやすく言えば生活費のことです。

すでに別居中や離婚に向けて動いている状態でも、離婚するまでは、夫に「婚姻費用分担請求」ができます。

離婚するまでは夫婦の状態なので、収入の低い配偶者が困らないように経済的に援助する義務が保持されるためです。

5-3:③離婚公正証書を作成する

養育費や財産分与など、離婚にあたって夫婦で話し合った内容は、「離婚協議書」を作成し、公証役場で公正証書として残しておきましょう。

離婚後お金を支払わないなどのトラブルの際、裁判所の判決なしに強制執行の手続きが可能です。

【コラム】シングルマザーが受け取れる手当や助成金を知ろう

国や各自治体には、シングルマザーをサポートする多くの助成金や制度があります。

シングルマザーが受け取れる助成金の例は、以下のとおりです。

  • 児童扶養手当
  • 児童育成手当
  • ひとり親家庭住宅手当
  • ひとり親家族等医療費助成制度

条件や名称など各自治体によって異なる場合があるため、最寄りの担当窓口で確認してみましょう

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まとめ:夫が生活費をくれないのは「モラハラ」「経済的DV」になり得る

夫が生活費をくれないのは、「モラハラ」「経済的DV」になり得る理由は、以下のとおりです。

  • 「モラハラ」とは、精神的な虐待を意味し、被害者が精神的に苦しむから
  • 「経済的DV」とは、相手を経済的に追い詰めるから

夫婦が協力しあって生活することを妨げ、夫婦関係を破綻させるとわかりながら、収入の低いあなたに夫が生活費をくれない場合は、モラハラ・経済的DVになり得ます

この場合、法定離婚事由である「悪意の遺棄」に該当すれば、夫へ離婚を請求できます。

なぜ夫は生活費をくれないのか、分からない人もいるでしょう。

夫が生活費をくれない理由の具体例は、以下の6つです。

  • 自分の給与を独り占めしたいから
  • 妻の収入もあるため何とかなると思っているから
  • ギャンブルや借金をしているから
  • 子どもにかかる費用に無関心だから
  • 不倫や浮気をしているから
  • 給与が低いなど生活費を渡す余裕がないから

離婚しなくても、まともに生活費をもらえるようになることが1番ですよね。

まともに生活費がもらえるようになりたい場合、対処法は以下の3つです。

  • 話し合う
  • 行政機関に相談する
  • 弁護士に相談する

夫が話し合いに応じず、相変わらず生活費をくれない場合、離婚する流れは以下のとおりです。

  • 合意できれば協議離婚
  • 合意できなければ調停離婚・裁判離婚

あなたが夫と離婚しようと決めた場合、離婚するまでに注意したい点は、以下の3つです。

  • 事前に情報・証拠を集めておく
  • 離婚成立までは婚姻費用分担請求ができる
  • 離婚公正証書を作成する

モラハラ夫に対して、生活費を要求したり、離婚に向けた話し合いを持ちかけたりするのは、非常に困難だと思われます。

精神的にも経済的にも健全な生活を1日でも早く送れるように、早めに弁護士へ相談しましょう。

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