【モラハラ離婚】モラハラの典型例9つ、離婚できるケース・離婚方法

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

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チェック
この記事を読んで理解できること
  • 離婚につながるモラハラ9つの例
  • モラハラを理由に離婚できるケース
  • モラハラ配偶者と離婚する方法

あなたは、

モラハラされているから離婚したい」
「モラハラを理由に離婚できるのかな?
「モラハラで離婚するにはどうしたらいいんだろう?

などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?

「侮辱」「怒鳴る」「否定してくる」「攻撃的な行動をされる」などモラハラ的な行為を受けていると、毎日が本当に辛いものになってしまいますよね。

そのような生活で限界がきているなら、離婚という手段を選択することをおすすめします。

なぜなら、モラハラ的な行為は、離婚事由として認められることも多いからです。

ただし、どのような行為も離婚事由として認められるわけではありません。

そこでこの記事では、まずは離婚につながるモラハラの例を紹介し、それからモラハラを理由に離婚できる場合について詳しく説明します。

それから、モラハラを理由に離婚する方法を解説します。

この記事を参考に、すぐにできることから始めてみてください。

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1章:離婚につながるモラハラ9つの例

さっそくですが、まずは離婚につながるモラハラについて簡単に解説します。

モラハラを理由に離婚できる場合から知りたい場合は、2章からお読みください。

1-1:モラハラとは

そもそも、モラハラとは相手に対して精神的な苦痛を与える行為のことです。

言葉や態度によって相手の人格、尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える行為がモラハラです。

家庭裁判所による調査(※)を見ると、離婚の原因のうち男性では2番目、女性では3番目になっているのが「精神的に虐待する」という理由になっています。

それほど、モラハラ的な行為を理由に離婚する方は多いことが分かります。

※家庭裁判所 令和2年司法統計「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別」

1-2:モラハラの典型例

離婚につながるようなモラハラの例としては、下記のようなものがあります。

1-2-1:侮辱的な発言

あなたに向かって「バカ」「クズ」「死ね」などときつく言われている場合、それはモラハラです。

配偶者の見た目や性格を否定する、という場合もあるようです。

1-2-2:大声で怒鳴る

ちょっとしたことで大声で怒鳴りつける、といったことをするのもモラハラです。

日常的に怒鳴る人は、怒鳴ることで相手を委縮させ自分に従わせようとします。

自分に都合よく相手をコントロールするために怒鳴ったり、相手を怖がらせることで満足している場合もあるようです。

1-2-3:何を言っても無視される、会話してくれない

あなたが配偶者に何かを言っても無視されたり、会話を拒まれるというのもモラハラです。

理由なく無視するのは、

  • あなたのことを支配下において従わせるため
  • 自分の気分が絶対と考えていて、あなたの気持ちを軽く見ている

とった心理からであることもあります。

1-2-4:あなたの考え、好み、趣味などを否定する、バカにする

モラハラをする人には、配偶者の個人的な考え・意見を片っ端から否定したり、あなたの好み、趣味を否定しバカにすることも多いようです。

「お前の意見には価値がない」「そんな趣味恥ずかしいと思わないのか」などと言って侮辱されることがあれば、それはモラハラです。

1-2-5:人前で笑い者にする、侮辱する

あなたが配偶者から、

  • 友人、知人、家族などの人前で笑い者にされたり侮辱されたりしている
  • 恥をかかされている

という場合、それもモラハラと言えます。

このような場合、相手はあなたのことを軽く見ており、あなたが傷つくことなど考えていない可能性もあります。

1-2-6:大切にしているものを勝手に処分する

あなたの思い出がある持ち物や趣味で集めたもの、人からのもらい物など、大切にしているものを勝手に処分する、というのもモラハラです。

相手は「邪魔だから」「自分にとってはいらないから」「配偶者に嫌がらせをしたいから」といった考えから、処分してしまうことも多いようです。

1-2-7:暴力、物を叩く、投げるなどの攻撃的な行動

配偶者から「殴る、叩くなどの暴力」「殴るふりで脅す」「物を強く叩く」「物を投げる」などの行為を受けている場合、それはモラハラです。

このような危険な行為や、相手を脅すような行動をすることで、あなたを支配し従わせようとしていると考えられます。

エスカレートすれば、いずれはケガをさせられる可能性もあります。

1-2-8:生活費を渡さない、家のお金を使いこむ

モラハラするような相手は、あなたのことや家のことをないがしろにし、自己中心的に行動することが多いです。

そのため、あなたに生活費を一切渡してくれなかったり、家のお金を勝手に使い込む、という場合もあるようです。

このような場合、家計の破綻、経済的な困窮につながり得ますので、早めの行動が必要です。

1-2-9:仕事を辞めさせる、遊びに行かせない、友達に会わせないなどの過度な行動制限

「仕事を辞めることを強要する」
「友人、知人に会わせない」
「遊びに行かせない、遊びに行くと強く怒る」

などの行為もモラハラと言えます。

いずれも、本人の都合や勝手な考えにあなたの行動を従わせようとする行為であり、あなたから自由を奪うものです。

このようなことが続けばあなたの周りの人間関係が壊され、さらに配偶者から拘束されてしまう可能性があります。

ここに紹介した行為は一部にすぎませんが、このような行為を日常的に受けているなら、それはモラハラだと言えるでしょう。

モラハラで精神的に辛いなら、離婚して相手との関係を断ち切ることをおすすめします。

2章:モラハラを理由に離婚できるケース

「モラハラされているから離婚したい」という場合、まずは話し合い(協議)で、次に家庭裁判所を使った離婚調停を活用することをおすすめします。

しかし、それでも相手が離婚を拒んだ場合は、裁判離婚になり、モラハラが「離婚事由」になるかどうかが問われることになります。

これから詳しく説明します。

※具体的な離婚の方法や流れを知りたい場合は、3章をお読みください。

2-1:話し合いで合意できればどのような理由でも離婚可能

「モラハラで離婚したい!」という場合、そもそも相手と話し合い(協議)で離婚に合意できるなら、離婚可能です。

話し合い(協議)であれば、どのような理由でも、どのような条件でも離婚可能だからです。

ただし、モラハラしてくるような相手が、簡単に離婚に応じてくれるとは限りません。

また、離婚を切り出すとあなたにとって不利な条件を強要してくる可能性もあります。

二人だけで話し合いをしていると、途中までは話し合いに応じても、いざ離婚手続きを進めようとすると「やっぱり離婚しない」と話を覆してくるケースもあるようです。

そのため、モラハラしてくるような相手とは、これから紹介するような方法で、第三者を介して離婚手続きを進めることをおすすめします。

2-2:裁判離婚の場合に「離婚事由」がポイントになる

「話し合い(協議)に応じてくれない」

「離婚を拒まれる」

「離婚の条件で合意できない」

といった場合は、家庭裁判所での離婚調停という手続きを使うことができます。

しかし、離婚調停は夫婦とは中立的な第三者である調停委員と一緒に話し合い、合意を目指す手続きです。

そのため、あなたがモラハラを訴えたとしても、必ずしもあなたの訴えがすべて認められるとは限りませんし、離婚の条件について折り合いがつくとは限りません。

相手がやはり離婚を拒んだり、条件に合意ができないという場合は、裁判になります。

■離婚裁判では離婚の理由(離婚事由)が問われる
離婚裁判では、法律が定める離婚の原因(離婚事由)が夫婦間に存在するかどうかが問われます。

離婚事由となるものは下記のように定められています。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

参照:民法第770条1項(裁判上の離婚)|e-Gov法令検索

モラハラは五の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると考えられます。

しかし、実際にはモラハラの具体的な内容やそれによってあなたが被った被害の内容によって、離婚事由になるかどうかが判断されることになります。

そのため、モラハラを理由に離婚するには、証拠があることが大事なのです。

2-3:モラハラを理由に離婚するためには、証拠があることが大事

ここまで説明したように、モラハラを理由に離婚したい場合は、離婚裁判でモラハラを離婚事由として認めてもらうためにも、

  • モラハラの具体的な行為が分かる証拠(録音、録画したデータ、日記など)
  • モラハラの被害が分かる証拠(ケガや精神疾患などの被害を受けた場合、診断書など)

などを集めておくことが大事です。

また、配偶者からのモラハラで離婚を検討している場合「相手に慰謝料を請求したい!」と思う場合が多いと思います。

離婚時には、離婚の原因を作った相手に対して慰謝料を請求できます。

モラハラの場合も、被害が明らかであれば50万円から300万円程度の慰謝料を請求可能です。

ただし、離婚慰謝料は離婚の原因となった行為以外にも、様々な要素から決まります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

離婚の慰謝料相場は?請求できる5つのケースと証拠を弁護士が解説

3章:モラハラ配偶者と離婚する方法

モラハラを理由に離婚したいという場合、下記のいずれかの方法で離婚手続きを進めることで、離婚することが可能です。

それぞれ簡単には下記のような離婚手続きになります。

  • 協議離婚:夫婦間の話し合い(協議)による離婚
  • 調停離婚:調停委員会による仲介を受けて離婚
  • 裁判離婚:離婚訴訟の判決による離婚

順番に説明します。

3-1:協議離婚

協議離婚とは、夫婦間の話し合い(協議)による離婚のことです。

夫婦間の話し合いで合意が得られれば、離婚の理由を問われることなく、離婚届を提出することで成立します。

この協議離婚の大事な手続きとしては、離婚届を提出する前に、離婚の合意内容を書面に証拠として残しておくことがあげられます。

なぜなら、日本の離婚の約9割がこの協議離婚となっていますが、財産分与や慰謝料、養育費などの重要な取り決めが十分でない場合は、離婚後にトラブルとなるケースが多いからです。

離婚手続きの前に決めておくこととしては、主に次の5つがあげられます。

  • 財産分与の方法
  • 慰謝料の金額・支払方法
  • 子供の親権と面会交流
  • 養育費の金額・支払方法
  • 年金分割

これらを十分に話し合い、合意が得られた内容を「離婚協議書」として書面にしておくことが重要です。

※離婚協議書のサンプルは、次のようになります。

離婚協議書のサンプル

さらに、離婚後に慰謝料・養育費の未払いなどの金銭トラブルを防ぐためには、「離婚協議書」を公証役場で公証人が法律にしたがって作成する「公正証書」にすることをおすすめします。

また、「本公正証書に規定する金銭債務の支払を履行しないときは直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくことが大事です。

この公正証書によって、慰謝料・養育費の未払いなどが発生した際は、裁判を起こさなくても相手の給料や財産を差し押さえるなど法的手続きをとることができます。

協議離婚は、夫婦間の話し合いで成立する、最も多い離婚の形ですが、離婚後に後悔しないために、合意内容の証拠となる書面は必ず作成しましょう。

モラハラ的な行為をしてくるような配偶者が相手だと、離婚後にも様々なトラブルが起こり得ます。

そのため、協議離婚で取り決める内容や、離婚協議書等の作成に不安がある場合は、弁護士に相談されることをおすすめします。

3-2:調停離婚

調停離婚とは、調停委員会による仲介を受けて行う離婚のことです。

モラハラのような行為を原因とした離婚では、話し合い(協議)では合意ができず、離婚手続きが進められない場合もあります。

そのような場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。

離婚調停では、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。

夫婦双方が合意した場合は、合意した内容が調停調書に記載され、調停離婚が成立することなります。

■離婚調停に必要な書類
離婚調停の申し立ての手続きに必要な書類は、次の通りです。

  • 夫婦関係調整調停申立書3通
  • 事情説明書1通
  • 子についての事情説明書1通(未成年の子がいる場合)
  • 連絡先等の届出書1通
  • 進行に関する照会回答書1通
  • 申立人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割を求める場合のみ)
  • 照会回答書

また、揃えておいた方がよい書類として、住民票、所得証明書・源泉徴収票(養育費・婚姻費用分担請求をするとき)なども上げられます。

■離婚調停の費用
離婚調停の費用は、次のようになります。

  • 収入印紙代:1,200円
  • 切手代:約1000円
  • その他申立費用:各1,200円

(※婚姻費用・慰謝料・養育費の請求なども同時に申し立てた場合)

申立人は、調停成立の日から10日以内に、離婚届に離婚調停調書の謄本を添えて、市区町村役場に提出しなければなりません。

■離婚調停でも解決に至らない場合がある
もし、相手が離婚を拒否したり、金銭面や子供の親権等で合意が得られない場合は、調停不成立となります。

その場合は、離婚をあきらめるか、離婚を再度協議するか、あるいは家庭裁判所に離婚訴訟するか選択することになります。

3-3:裁判離婚

離婚調停でも離婚の合意が得られなかった場合は、離婚訴訟を申し立てて争うことになります。

この判決による離婚が「裁判離婚」です。

モラハラを原因とした離婚では、相手との合意が難しく裁判離婚まで至ることも少なくありません。

■裁判離婚の申し立てに必要な書類
離婚訴訟の申し立ての手続きに必要な書類は、次の通りです。

  • 訴状2通
  • 離婚調停不成立調書
  • 夫婦の戸籍謄本

また、他の各請求に合わせて、それぞれの証拠・資料等が必要となります。

  • 財産分与請求:共有財産が明確となる資料(預金通帳のコピー、不動産登記簿謄本、他)
  • 慰謝料請求:相手の不法行為の証拠等
  • 養育費・婚姻費用分担請求:所得証明書・源泉徴収票
  • 年金分割:年金分割のための情報通知書

■離婚訴訟の費用
離婚訴訟の費用は、次のようになります。

  • 収入印紙代:13,000円(離婚のみ)
  • 切手代:5,000~7,000円程度
  • その他申立費用:各1,200円

(※財産分与・婚姻費用・養育費の請求なども同時に申し立てた場合)

離婚訴訟の判決によって、離婚だけでなく訴状で請求された親権や財産分与、慰謝料など離婚にかかわる様々な条項に対しての判断が下されます。

もし、判決に不服がある場合は、判決後14日以内に高等裁判所に控訴することもできます。

離婚を認める判決が確定したら、原告は確定後10日以内に離婚届に「判決の謄本」と「判決確定証明書」を添えて、市区町村役場に提出しなければなりません。

離婚訴訟について、詳しくは次の記事で解説しています。

【弁護士が解説】離婚裁判の流れや費用・早期解決の2つのポイント

■モラハラを理由に離婚したい場合は、できるだけ早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

なぜなら、モラハラを日常的に行うような配偶者との離婚の場合、

「相手が感情的になり話し合いが進まない」
「相手のモラハラ的な行動がエスカレートする」
「交渉における精神的ストレスが大きい」
「離婚後も慰謝料を踏み倒そうとする、などのトラブルに発展しやすい」

といった様々な問題のリスクがあるからです。

弁護士に依頼すれば、依頼後の交渉や裁判などの離婚手続きを代わりに行ってくれるため、手間、時間、精神的ストレスを最小限にすることができます。

また、離婚後に起こり得るトラブルにも対処可能です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

離婚問題を弁護士に依頼すべき5つのケースとメリット、費用相場も解説

なお、当事務所では離婚にも対応しております。

相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

最後に今回の内容をまとめます。

■モラハラとは

相手に対して精神的な苦痛を与えることを目的として行われる行為

■モラハラの例

  • 侮辱的な発言
  • 大声で怒鳴る
  • 何を言っても無視される、会話してくれない
  • あなたの考え、好み、趣味などを否定する、バカにする
  • 人前で笑い者にする、侮辱する
  • 大切にしているものを勝手に処分する
  • 暴力、物を叩く、投げるなどの攻撃的な行動
  • 生活費を渡さない、家のお金を使いこむ
  • 仕事を辞めさせる、遊びに行かせない、友達に会わせないなどの過度な行動制限

■モラハラ離婚の慰謝料相場は、50万円から300万円

■モラハラ離婚するための方法

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 裁判離婚

■モラハラを理由に離婚したい場合にやるべきこと

【参考記事一覧】

【弁護士が解説】離婚を決意したら始める5つの準備と離婚のタイミング

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