【早見表あり】離婚慰謝料の相場はどのくらい?請求できる条件と多く受け取るポイント
この記事を読んで理解できること
- 離婚慰謝料のケース別相場
- 離婚慰謝料の相場を左右する4つの要素
- 離婚慰謝料を請求できる条件
- 離婚慰謝料を少しでも多く請求するためのポイント
- 離婚慰謝料を請求された場合のポイント
あなたは、
「離婚慰謝料の相場がいくらくらいなのか知りたい」
「離婚慰謝料を少しでも多く請求したい」
「離婚慰謝料を請求されたため、妥当なのか、減らせないか知りたい(請求された側)」
等の悩み、疑問をお持ちではありませんか?
結論からいえば、離婚慰謝料の相場は以下のように状況によって異なります。
※状況によって金額は異なるため、参考程度に考えてください。
さらに、「婚姻期間」「原因となった行為が行われた期間や回数」「相手の態度」等によっても金額が変わってきます。
したがって、少しでも高額の慰謝料を請求するためには、この記事で紹介する方法を実践することが大事です。
そこでこの記事では、まず離婚慰謝料のケース別の相場と慰謝料の金額を左右する要素について説明します。
さらに、慰謝料請求の具体的な行動を行うために、請求できる条件や少しでも高額請求するポイントを紹介します。
そして、「慰謝料を請求された」という方に向けては、5章でとっておきたい行動を解説します。
関心のある所から読んで、これからの行動に活用してください。
目次
1章:離婚慰謝料のケース別相場
それではさっそく、離婚慰謝料のケース別の相場を紹介します。
※状況によって金額は異なるため、参考程度に考えてください。
それぞれどういう場合の相場なのか、どういう場合に慰謝料が発生するのか、離婚事由として多いケース順に簡単に説明します。
1-1:DV・モラハラの慰謝料相場
配偶者からDVを受けている場合、離婚理由として認められ慰謝料請求が認められる可能性も高いです。
なぜなら DV は、法律でも規定されている「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると考えられるからです。
■DVとは
DVとは、配偶者からの身体的な暴力(殴る・蹴るなど)だけでなく、暴言・モラハラといった言葉による暴力のことも指します。
日常的にDVを受けているという場合は、その精神的苦痛の度合いに応じて慰謝料を請求することが可能になるのです。
■DVの典型例と慰謝料相場
DVやモラハラで慰謝料請求できる典型例は以下の通りです。
【DVで慰謝料請求できる典型例】
- 暴力によって骨折などのケガをした
- 極端な暴言やモラハラの被害を日常的に受けていた
- モラハラによってうつ病などの精神疾患を発症
DVの場合は「婚姻期間の長さ」「DVを受けていた回数、期間、頻度」「被害の大きさ(ケガ等)」等で慰謝料の相場もことなりますが、概ね50万円から300万円程度の間に収まることが多いです。
1-2:悪意の遺棄(生活費を渡さない、家を出ていった等)の慰謝料相場
悪意の遺棄を理由に離婚した場合も、慰謝料が請求できる場合があります。
■悪意の遺棄とは
悪意の遺棄とは、法律で定められた夫婦の義務(同居、協力、扶助)に反して、一方がこの義務を悪意を持って放棄することです。
悪意とは、婚姻倫理からみて非難される態様でこうした義務を放棄するということです。
具体的には、
- 夫婦の合意なしに家を出て行き別居する、同居を拒否する
- 収入があるのに家計にお金を全く入れない
などの行為を夫婦関係を破綻させることを意図して行っている場合は、悪意の遺棄が離婚事由として認められ、慰謝料請求が可能である場合もあるのです。
■悪意の遺棄の慰謝料相場
悪意の遺棄による離婚が認められた場合、慰謝料の相場は50万円から300万円程度になることが多いようです。
悪意の遺棄の場合も、慰謝料は「配偶者の行為の期間」や「状況」などに応じて大きく変化するため、慰謝料がさらに高額になる場合もあります。
ただし、他のケースと同じように悪意の遺棄でも慰謝料を認めさせるためには、その証拠が必要です。
詳しくは4-1-2をお読みください。
1-3:浮気・不倫の慰謝料相場
不貞行為とは夫婦や婚約している恋人同士、もしくは内縁関係の男女の一方が、パートナー以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことです。
一般的には「不倫」「浮気」といわれますが、法律上は「不貞行為」といいます。
■不貞行為は違法行為
不貞行為が不法行為(違法行為)となる理由は、不貞行為は夫婦関係(もしくは婚約・内縁関係のパートナーとの関係)に大きなダメージを与える行為であり、パートナーは精神的に苦痛を受けるためです。
※不貞行為の定義について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【不貞行為とは?】不貞行為になるもの・ならないものを弁護士が解説
不貞行為による離婚は非常に多く、慰謝料請求が認められることも多いです。
■不貞行為の典型例と相場
慰謝料請求が認められる典型例は以下のような場合です。
【慰謝料が請求できる典型例】
- 配偶者が他の異性と肉体関係を持った
- 配偶者が不倫相手と同棲している
- ラブホテルや旅館に長時間2人きりだった
- 婚約中の不倫
- 人工授精
不貞行為によって離婚に至った場合、慰謝料相場は150万円~500万円程度になります。
慰謝料の金額は、「婚姻期間」「不倫の期間や回数」「幼い子供の有無」などによっても変わりますので、詳しくは以下の記事も参考にしてください。
まさか自分の家庭で・・不倫の慰謝料相場と増額・減額を左右する7つの要因とは
1-4:セックスレスの慰謝料相場
セックスレスは離婚事由になり、また場合によっては慰謝料請求が認められる場合もあります。
■離婚事由になるセックスレスとは
セックスレスも、民法における「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するといわれており、 具体的には以下のような場合にセックスレスによる離婚が認められることが多いです。
- 長期間にわたって性行為を拒む
- 結婚後に全く性行為をしていない
上記の場合はセックスレスによる離婚や慰謝料請求が認められる場合が多いです。
しかし、一方に性行為ができない身体的な事情がある場合、双方とも性行為に積極的ではない場合、自然にセックスレスになった場合などは、セックスレスを理由にした離婚や慰謝料請求は認められない場合もあります。
■セックスレスの慰謝料相場
セックスレスの慰謝料相場は50万円から300万円程度です。
慰謝料は「婚姻期間の長さ」「セックスレスの期間の長さ」「セックスする努力をしていない」等の状況によって変動します。
また、数ヶ月程度のセックスレスでは慰謝料請求が認められないことも多く、目安としては1年以上セックスレスの期間があると慰謝料が認められやすいです。
2章:離婚慰謝料の相場を左右する4つの要素
離婚慰謝料は状況によって50~500万円と幅が広いですが、下記の各ケースに共通する要素によって慰謝料の金額が左右されます。
- 婚姻期間
- 子供の有無
- 離婚原因になった行為の回数、期間(浮気など)
- 反省の態度の有無
順番に説明します。
2-1:婚姻期間
離婚慰謝料は、婚姻期間が長いほど高額になる可能性があります。
過去の判例では、婚姻関係が長く続いているほど、破綻した場合の苦痛も大きいとみなされているのです。
実際、過去には以下のような例があります。
夫婦関係が15年以上続いていたことから、それを破綻させられたことによる精神的苦痛は大きかったとして、婚姻関係の長さが増額要因になったケースがあります。慰謝料は300万円が認められました。
(東京地裁平成24年3月29日)
逆に3年以下の場合に、婚姻期間が短いと判断され、慰謝料が減額された判例もあります。(東京地裁平成20年10月3日など)
つまり、婚姻期間が3年以下なら慰謝料の減額要因になり得ますが、15年を超えるような長期間の場合は、高額の請求ができる可能性があるのです。
2-2:幼い子供の有無
夫婦の間に幼い子供がいる場合は、慰謝料が高額になる可能性があります。
なぜなら、夫婦の一方の勝手な行動(不倫、DV、悪意の遺棄など)によって、夫婦関係が破綻すると子供の成長にも悪影響が出る可能性があるためです。
未成熟の子供は両親の存在を必要としているのに、一方の親の勝手な行動によって正常な関係が築けなくなるということです。
そのため、過去の判例では、幼い子供がいる場合は慰謝料の増額要因になり、相場よりも高い慰謝料が支払われることがあります。
以下の判例は不倫を原因としたものですが、幼い子供がいたことを理由に高額の慰謝料が認められています。
長女が生まれたにも関わらず、夫が継続的に不倫(不貞行為)を行っていたために、450万円の慰謝料が認められたケースがあります。
(東京地裁平成15年9月8日)
2-3:離婚原因になった行為の回数、期間(不倫など)
慰謝料請求できるのは、相手側に離婚の原因となる「不倫」「DV」「悪意の遺棄」といった行為がある場合ですが、これらの行為が行われた回数や期間によっても、慰謝料の金額が異なります。
たとえば、不倫の場合は不倫の期間について過去の判例から、
- 数ヶ月(〜3ヶ月)程度なら短い
- 年単位(1年間〜)の場合は長い→増額要因になる
- 数回程度(~3回など)の場合は少ない
- 20回以上の場合は多い→増額要因になる
と判断される傾向があります。
その他の理由の場合も、数回、数ヶ月程度であれば「短い」「回数が少ない」と判断され、慰謝料の金額が少なくなり、年単位や数十回の行為が行われていれば「長い」「回数が多い」と判断され、慰謝料の増額要素となる傾向があります。
2-4:反省の態度の有無
ここまででも振れたように、慰謝料というのは夫婦関係を破綻させ一方が精神的ダメージを負ったことに対するものです。
そのため、離婚原因を作った方の反省の態度(誠実に謝罪したかどうかなど)も、慰謝料を左右する要素になります。
つまり、反省の態度がなく謝罪しない場合は、慰謝料の増額要素になり、しっかり反省・謝罪している場合は増額要素にはならないということです。
3章:離婚慰謝料を請求できる条件
実は、離婚慰謝料が請求できるのは下記の条件を満たす場合のみです。
- 証拠があること
- 離婚して3年の時効が経過していないこと
順番に説明します。
3-1:証拠があること
離婚慰謝料を請求し、適正な金額を支払わせるためには、離婚の原因となった行為に関する証拠が必要です。
なぜなら、証拠がなければ相手が「そんなことなかった」と言ってしまえば、離婚の原因となった行為を証明することができないからです。
離婚の慰謝料請求は、相手が認めなければ最終的には訴訟(裁判)になりますが、証拠がなければ裁判官を納得させることもできません。
したがって、できる限り早い段階で、できるだけ多くの証拠を集めておくことをおすすめします。
証拠について詳しくは4章で説明します。
3-2:離婚して3年の時効が経過していないこと
離婚の慰謝料が請求できるのは、離婚してから3年です。これを時効と言います。
そもそも時効とは、一定の期間放置すると、権利が消滅する仕組みのことです。
離婚慰謝料の場合は、上記の通り「3年」の時効が経過すると、慰謝料を請求する権利が消滅してしまうのです。
そのため、離婚して3年が経過すると慰謝料を請求しても、相手が拒否すれば支払わせることができなくなります。
したがって、離婚慰謝料を請求したい場合は、できるだけ早い段階で行動を始めることをおすすめします。
4章:離婚慰謝料を少しでも多く請求するためのポイント
離婚慰謝料を少しでも多く請求するためのポイントは、以下の2点です。
- できるだけ多くの証拠を集める
- 離婚に強い弁護士に依頼する
それぞれ詳しく説明します。
4-1:できるだけ多くの証拠を集める
離婚の慰謝料を高額請求するためには、離婚原因になった相手の行為(あなたが精神的損害を受けた行為)に関する証拠を、できるだけたくさん集めることが重要です。
離婚の原因別に必要な証拠について説明します。
4-1-1:DV・モラハラの証拠
DV・モラハラを受けている場合、下記の証拠を集めることをおすすめします。
■DV・モラハラの証拠として認められやすいもの
- DVで受けたケガを撮影した画像
殴る、蹴る、叩くなどの暴行を受けた場合は、怪我をした箇所を撮影しておく。 - 病院の診断書
暴行によるケガや精神的苦痛で精神科に言った場合など、病院に行って診断書をもらい保管しておく。 - DV・モラハラのメモ・日記
DV・モラハラを受けたことを、手書きのメモや日記に残していく。残す場合は「日時」「受けた行為」「場所」「被害の重さ」などできる限り詳しく状況を記録しておく。 - 警察に相談した記録
DVを受けた際に警察に相談することで,相談内容や警察の対応などの記録が警察署に保管される。
これらの証拠を集めておくと、弁護士や裁判官にもDV・モラハラがあったことが分かるため、慰謝料請求が認められやすくなります。
4-1-2:悪意の遺棄の証拠
悪意の遺棄の場合、「別居」「生活費が振り込まれない」「悪意があること」といったことを示す証拠を残す必要がありますので、下記の証拠を集めてください。
■悪意の遺棄で認められやすい証拠
- 別居時期、原因、別居している所が分かる記録や資料
- 生活費が振り込まれなくなったことが分かる通帳
- 配偶者が夫婦関係を破綻させる意思を持っていたことが分かるメール、LINEの文章
これらを残しておかなければ慰謝料請求が認められにくいです。
これらの証拠がない場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
4-1-3:不倫の証拠
不倫による離婚で慰謝料請求する場合、下記の証拠を集める必要があります。
■不倫の証拠として認められやすいもの
- 写真
- 録音した音声データや録画した撮影データ
- クレジットカードの利用明細、レシート
- Suica、PASMOなどの利用履歴
- メールや手紙
- SNSやブログ
- 手帳、日記、メモ
- GPS
- 住民票の写し
- 妊娠、堕胎を証明できるもの
- 子どもの血液型
- 興信所や探偵の調査報告書
これらの証拠を集めて、不倫の回数や期間、相手等が弁護士・裁判官等の第三者に客観的に分かるようにする必要があるのです。
できるだけ多く証拠を集めておくと、慰謝料も高額になりやすいです。
不倫の証拠について、詳しくは下記の記事もご覧ください。
【浮気・不倫の13の証拠】証拠になるもの・ならないものを弁護士が解説
4-1-4:セックスレスの証拠
セックスレスの場合、一方に原因があることを示すことが難しいため、証拠を残しておくことが非常に重要です。
■セックスレスの証拠
- セックスレスのことを手書きで残した日記、メモ
セックスレスになった時期や状況、原因、期間などについて詳細を記したもの。 - 就寝時間などの夫婦の生活リズムを記録したメモ
生活リズム的にセックスが可能なのにしていなかったということを証明するため、お互いの生活時間を記録する。 - セックスレスを解決しようとした時の話し合いを記録したもの
相手が拒否するような言動、行動を撮っていた場合、それを記録する。
これらについて証拠をできるだけ多く残しておくことをおすすめします。
詳しくは弁護士に聞いてみてください。
4-2:離婚に強い弁護士に依頼する
離婚慰謝料を高額請求するためには、離婚に強い弁護士に相談することもおすすめします。
離婚に強い弁護士に依頼することで、以下のメリットがあるのです。
- 適正な金額の慰謝料を請求できる
- 手間・時間・心理的ストレスが最小限になる
- 配偶者や不倫相手と直接やり取りする必要がない
- 「慰謝料を踏み倒される」などのトラブルを防止できる
弁護士に依頼した場合、以下の流れで慰謝料を請求できます。
※法律事務所によって流れが異なる可能性があるため、あくまで一般的な流れだと考えてください。
弁護士に依頼したら、後の手続きはほとんど弁護士が代理で行います。
裁判外の交渉だけなら、早ければ数ヶ月程度で終わりますが、裁判(訴訟)になった場合は、もっと期間が延び、長いケースでは1年以上かかることもあります。
そのため、多くの場合で裁判(訴訟)は最終手段であり、できるだけ裁判外の交渉で解決できるように弁護士が行動することになります。
5章:離婚慰謝料を請求された場合のポイント
「離婚慰謝料を請求されたため、減額、支払い回避したい」
という場合もあると思います。
離婚慰謝料には1章で紹介した相場があるため、場合によっては減額・免除することが可能です。
■慰謝料は減額・免除できる
慰謝料を請求されても、必ず請求された全額を支払わなければならないというわけではありません。
なぜなら、
- 支払わなくてもいいケースがあるため、慰謝料請求を拒否できることもある
- 支払わなければならない場合も、減額できる場合がある
という理由があるからです。
ただし、慰謝料を減額・免除できるかどうかは状況によって大きく異なります。
そのため、素人判断で「自分も支払わなくて良いかも」「支払いたくないから無視しよう」などとは思わないでください。
そのような行動を取ると、後で裁判を起こされて大きな手間がかかったり、高額の慰謝料を支払わなければならなくなることもあるからです。
■慰謝料請求された場合にやっておきたい行動
そこで、慰謝料請求された場合は、下記の流れで行動するのが良いでしょう。
詳しくは下記の記事でも紹介しています。
【示談書雛形付き】不倫で慰謝料請求されたら?慰謝料を減額・回避する方法
当サイトを運営する新橋第一法律事務所は、慰謝料について無料で相談可能ですので、お気軽にご連絡ください。
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめます。
■離婚慰謝料の相場
- DV・モラハラの慰謝料相場:50-300万円
- 悪意の遺棄(生活費を渡さない、家を出ていった等)の慰謝料相場:50-300万円
- 浮気・不倫の慰謝料相場:150-500万円
- セックスレスの慰謝料相場:50万円から300万円
■離婚慰謝料を左右する要素
- 婚姻期間
- 子供の有無
- 離婚原因になった行為の回数、期間(浮気など)
- 反省の態度の有無
■離婚慰謝料を請求できる条件
- 証拠があること
- 離婚して3年の時効が経過していないこと
■離婚慰謝料を少しでも多く請求するためのポイント
- できるだけ多くの証拠を集める
- 離婚に強い弁護士に依頼する
この記事を参考に、ぜひすぐに行動を開始してください。