夫婦喧嘩でも離婚は成立する?離婚を避けるための5つのポイントも解説
この記事を読んで理解できること
- 夫婦喧嘩を理由に離婚できるのか
- 夫婦喧嘩からの離婚を避けるための5つのポイント
- 夫婦喧嘩による離婚を切り出す場合の注意点
- 離婚を考えたとしても勢いでやってはいけない行動
あなたは、
- 夫婦喧嘩を原因に離婚できるの?
- 夫婦喧嘩からの離婚を避けるため、何をすればよいの?
- 最終手段として離婚する場合、何をすればよいの?
とお考えではありませんか?
離婚するにせよしないにせよ、夫婦喧嘩の問題が解決したら、現在の不安がなくなりますよね。
結論から言えば、価値観の違いを理解することなど、夫婦関係で仲直りするための方法はあります。
具体的には、以下の5つです。
- 夫婦喧嘩は先に謝る
- 夫婦は価値観が違うのが当たり前と理解する
- 不満は溜め込まない
- 夫に感謝の言葉を述べる
しかし、最終手段として離婚する場合は、双方の合意があれば、夫婦喧嘩を理由とすることは可能です。
ただし、双方の合意がない場合は、法的に正当な理由が必要です。
この記事を読むことで、夫婦喧嘩から仲直りする方法と、最終手段として離婚する場合の手続きについて理解できます。
そこで、この記事では
1章で、夫婦喧嘩を理由に離婚できるのか
2章で、夫婦喧嘩からの離婚を避けるための5つのポイント
3章で、夫婦喧嘩による離婚を切り出す場合の注意点
4章で、離婚を考えたとしても勢いでやってはいけない行動
について説明しています。
この記事を読んで、夫婦喧嘩から仲直りする方法と、最終手段として離婚する場合の手続きについて確認しましょう。
目次
1章:夫婦喧嘩を理由に離婚できるのか
夫婦喧嘩を理由に離婚できるのかについては、以下の3点が重要です。
- 合意できれば夫婦喧嘩を理由に離婚できる
- 合意できない場合には正当な理由が必要
- 夫婦間の話し合いが難しい場合の離婚の流れ
それぞれ説明します。
1-1:合意できれば夫婦喧嘩を理由に離婚できる
結論から言えば、話し合いによって合意が取れれば、夫婦喧嘩を理由にして離婚できます。
具体的には、以下の3つです。
■協議離婚
話し合いによる離婚の形を「協議離婚」と言います。
この協議離婚では、離婚の理由を問われることはありません。
したがって、双方が離婚に合意しているのであれば、夫婦喧嘩を理由にして離婚できます。
なお、日本の離婚の約90%はこの協議離婚で、調停離婚は9%、裁判離婚は1%という割合です。
時間と費用の面で、協議離婚は一番簡単にできる離婚の形です。
■調停離婚
調停離婚とは、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、調停の場で離婚に合意し離婚することです。
■裁判離婚
裁判離婚とは、調停で離婚することについて夫婦間で合意ができないときに,家庭裁判所に離婚訴訟を提起して,判決で強制的に離婚を成立させる手続きです。
1-2:合意できない場合には正当な理由が必要
協議離婚が成り立たなかった場合、離婚するためには、まず調停を申し立てる必要があります。
この場合であっても、協議離婚と同じく、双方の合意があればどのような理由で離婚してもかまいません。
しかし、離婚調停が不調に終わった場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。
その際には、以下のどれかに該当する正当な理由(法定離婚原因)がなければなりません。
- 相手が不貞行為(第三者との性行為)があったとき
- 相手から悪意で遺棄されたとき(正当な理由もなく同居・協力・扶助の義務を怠ること)
- 相手の生死が3年以上明らかでないとき
- 相手が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
なお、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」については、以下のようなケースが挙げられます。
- DV、モラハラ
- セックスレス、性的異常
- 過度な宗教活動
- 長期間の別居
- 犯罪行為による服役
夫婦喧嘩についても、その程度によっては、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たることもあります。
その場合、夫婦喧嘩を理由に離婚できる可能性もあります。
1-3:夫婦間の話し合いが難しい場合の離婚の流れ
夫婦間での話し合いが不調に終わった場合には、以下のような流れで離婚を進めます。
■別居する
まず、別居することで、お互いに距離を置くことが適切です。
なぜなら、お互いに顔を合わせて生活をしていると、上手く離婚の話し合いができず、喧嘩になってしまうことがあるからです。
■弁護士に代理人になってもらう
次に、弁護士という客観的な第三者が間に入ることが必要です。
なぜなら、当事者間での話し合いは、どうしても感情的になってしまうからです。
弁護士であれば、夫や妻の代理人として、相手と話ができます。
■離婚調停
ここまでの方法でも双方の合意が得られない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。
離婚調停は、家庭裁判所における話し合いの手続きで、そこには家庭裁判所の調停委員が立ち会います。
この際には、夫婦が交互に調停委員と話すという流れで進みます。
そのため、夫婦が直接顔を合わせることがありません。
なお、離婚調停は、あくまでも話し合いの手続きのためです。
したがって、調停が不調に終わり、合意が得られない場合は、最終的に離婚裁判によって離婚を争う必要があります。
2章:夫婦喧嘩からの離婚を避けるための5つのポイント
夫婦喧嘩からの離婚を避けるためには、以下の5つのポイントがあります。
- 夫婦喧嘩は先に謝る
- 夫婦は価値観が違うのが当たり前と理解する
- 不満は溜め込まない
- 夫に干渉しすぎない
- 夫の怒りを相手にしない
それぞれ説明します。
2-1:夫婦喧嘩は先に謝る
夫婦喧嘩は、先に謝る方が勝ちです。
自分自身が悪いとお互いに感じていても、一部の男性は体面があり、なかなか謝れないものです。
そのため、夫を立てて妻から譲歩し、時間を置いて「さっきはごめんね」と伝えることで、夫婦喧嘩からの離婚を回避できるかもしれません
2-2:夫婦は価値観が違うのが当たり前と理解する
夫婦は、何でも以心伝心で伝わるとは限りません。
譲れない価値観は、一致しないのが当たり前です。
しかし、その際であっても、なるべく夫の意見を否定しないようにしましょう。
例えば、夫が子供の教育に熱心だった場合、まずは夫の意見を素直に受け入れてみてください。
もし、子供が萎縮しているようなら、子供に問いかけた上で、夫と一緒に話してみましょう。
子供は、父親の意思を尊重しているのかもしれません。
このように、お互いの意思を尊重していけば、夫婦喧嘩は解決できるでしょう。
2-3:不満は溜め込まない
小さな不満が溜まると、やがて喧嘩に発展してしまいます。
そのため、小さな不満は溜め込まないようにしましょう。
夫と直接話すのも悪くはないですが、夫婦関係が険悪なときには、不満をぶつけるのは適切ではありません。
そのため、信頼できる友人や自分の両親に相談しましょう。
愚痴をこぼすだけで気持ちが楽になりますし、良いアドバイスをもらえるかもしれません。
2-4:夫に感謝の言葉を述べる
離婚するほどの夫婦喧嘩は、日頃からのお互いの気遣いの不足から起こります。
そのため、普段から感謝の心を夫に伝えることが重要です。
「遅くまで働いてくれてありがとう」と声掛けされて、多くの夫は嬉しくなりますし、妻に感謝します。
ただ、男性の中には恥ずかしがり屋な人もいるので、言葉で伝えないことがあります。
それでも不満に思わず、繰り返し伝えることで、仮に夫婦喧嘩があっても軽く済むはずです。
2-5:夫の怒りを相手にしない
世の中には、理不尽な怒りをぶつける夫もいます。
しかし、夫の一方的な怒りは相手にしない方が賢明です。
冷静になる時間を与えてこそ、夫の怒りも収まります。
「妻の家事が気に入らない」といった文句は、自分を考えてくれないことの寂しさの現れであることもあります。
そのため、可能な範囲で夫中心の家事を心がけるとよいでしょう。
3章:夫婦喧嘩による離婚を切り出す場合の注意点
夫婦喧嘩による離婚を切り出す場合の注意点は、以下の2つです。
- 希望する離婚条件を明確にする
- 離婚のための証拠を集める
それぞれ説明します。
3-1:希望する離婚条件を明確にする
離婚をする場合は、以下の離婚条件を決めるべきです。
協議離婚は、単なる話し合いではなく、離婚条件のすり合わせをする作業です。
考えるべき離婚の条件は以下の4つです。
■親権
夫婦に子供がいる場合、離婚後はどちらか一方を親権者に指定します。
つまり、親権者が基本的に子供と一緒に生活することになります。
そのため、子供の生活環境や希望を踏まえて話し合いで解決します。
■養育費
子供と一緒に生活する親(監護親)は、そうでない親に対して養育費を請求できます。
養育費の金額は、お互いに話し合いで決めます。
その際には、裁判所が公表している養育費の算定表を利用することで、相場を把握できます。
■面会交流
子供がいる夫婦の場合、子供と一緒に生活していない親は子供に会う権利があります。
これを「面会交流」と言います。
面会交流で争いを生まないように、日時、場所、方法、連絡方法を明確に取り決めておくべきです。
■婚姻費用
離婚前に別居をする場合、収入の少ない方から多い方に、婚姻費用という生活費を請求できます。
準備なく離婚を切り出しても、スムーズな話し合いは難しいため、以上の4つの条件をあらかじめ明確にすることが大切です。
3-2:離婚のための証拠を集める
話し合いによって離婚の合意ができない場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。
その際には、正当な離婚の理由(法定離婚事由)が必要です。
なお、その立証は、離婚を求める原告の側で行わなければなりません。
したがって、あらかじめその証拠を集める必要があります。
そのような証拠となり得るのは、以下のものが挙げられます。
- 夫婦喧嘩で暴言を吐かれたボイスレコーダー
- 暴力を振るわれた写真や診断書
- 夫婦喧嘩の状況を記した日記やメモ
4章:離婚を考えたとしても勢いでやってはいけない行動
離婚を考えたとしても勢いでやってはいけない行動は、以下の3つです。
- 家出
- 暴言、暴力
- 不貞行為
それぞれ説明します。
4-1:家出
売り言葉に買い言葉で、勢いで家出をするのはやめましょう。
そのような行為が認定されると、離婚の調停や裁判において不利な材料になるおそれがあります。
そのため、夫婦喧嘩をしても家出をするのはやめましょう。
4-2:暴言、暴力
暴言・暴力など、DVにつながる行動は、控えましょう。
離婚を回避できなくなるうえに、多額の慰謝料を請求されるリスクがあるからです。
4-3:不貞行為
たとえ夫婦喧嘩をしても、婚姻が継続している間、不貞行為はNGです。
※不貞行為とは、配偶者以外の人と自由な意思のもとに性的関係を結ぶことです。
夫婦関係が修復不可能になるうえに、発覚した場合、離婚の交渉で不利な材料になります。
そのため、不貞行為はやめるべきです。
まとめ:合意できれば夫婦喧嘩を理由に離婚できる
結論として、夫婦喧嘩を理由に離婚することは、協議や調停で合意ができれば可能です。
具体的な離婚の流れは、以下のとおりです。
- 別居をする
- 弁護士に代理人になってもらう
- 離婚調停
その際、明確にするべき希望の条件があります。
それは以下のとおりです。
- 親権
- 養育費
- 面会交流
- 婚姻費用
ただし、いきなり離婚をする前に、夫婦関係を修復するいくつかの方法があります。
それは以下のとおりです。
- 夫婦喧嘩は先に謝る
- 夫婦は価値観が違うのが当たり前と理解する
- 不満は溜め込まない
- 夫に感謝の言葉を述べる
- 夫の怒りを相手にしない
夫婦喧嘩から離婚したいときには、まず関係の修復を試みてから、それが不調に終わった場合に、離婚の手続きを進めるべきです。
夫婦喧嘩から離婚したい方は、この記事を読んで、離婚するかどうかについて、適切な行動を取っていきましょう。