サイレントモラハラとは?チェックリストや特徴と対処法を弁護士が解説

監修者

弁護士法人QUEST法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

サイレントモラハラとは?チェックリストや特徴と対処法を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • サイレントモラハラとは?サイレントモラハラチェックリスト
  • サイレントモラハラをする人の特徴や問題点
  • サイレントモラハラへの対処法

あなたは、

  • サイレントモラハラとは?どんな行為や態度になるの?
  • サイレントモラハラをする人の特徴を知りたい
  • サイレントモラハラへの対処法を知りたい

などとお考えではないですか?

サイレントモラハラとは、態度や表情により相手を精神的に追い詰め、苦しめる行為のことを言います。

サイレントモラハラを受けた場合には、弁護士に相談するなどしてあなたなりの対処法を講じ、ご自分の身を守ることが重要となってきます。

サイレントモラハラは夫婦間の深刻な問題で、サイレントモラハラをする人にはそれぞれ特徴がありますが、解決に向けてはいくつかの問題点があります。

そのため、サイレントモラハラのチェックリストを参考にして、サイレントモラハラをする人の特徴や問題点、サイレントモラハラへの対処法についても十分理解することが重要です。

そこでこの記事では、

1章では、サイレントモラハラとは?サイレントモラハラチェックリスト

2章では、サイレントモラハラをする人の特徴や問題点

3章では、サイレントモラハラへの対処法

について解説します。

この記事を読んで、サイレントモラハラへの対処法のポイントをしっかり理解し、今後のサイレントモラハラ対策に役立てて下さい。

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1章:サイレントモラハラとは?サイレントモラハラチェックリスト

この章では、サイレントモラハラとは?チェックリストについて解説します。

  • サイレントモラハラとは?
  • サイレントモラハラのチェックリスト

それぞれ説明します。

1-1:サイレントモラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で、「倫理や道徳に反する言葉や態度で相手を精神的に苦しめること」をいいます。

サイレントモラハラとは、直接的な言葉や行為ではなく、態度や表情により相手を精神的に追い詰める空気感を出し、相手を思い通りにコントロールしようとするモラハラ行為のことを指します。

1-2:サイレントモラハラのチェックリスト

ここでは、サイレントモラハラのチェックリストについて詳しく確認しましょう。

  • 相手を無視する
  • 大きなため息や舌打ちをする
  • ひとり言のように不満や不平を言う
  • 相手が話しかけてもそっけない態度をとる
  • 露骨に不機嫌な態度をとる
  • 何も言わず無表情で睨めつけてくる

では一つ一つ見ていきます。

1-2-1:相手を無視する

夫婦の一方が、

  • 相手から話しかけられたり質問されたりしても、いつも相手を無視する
  • 相手から「お帰り」と玄関に出迎えられても、出迎えた相手の存在に気づかないかのように、相手を無視して自分の部屋に入ってしまう
  • 相手から食事の用意ができたので、食事をするときには「声をかけて」と話しかけられても、一切返事をせず相手を無視する

無視された相手は、話しかけても相手にされず、不安や孤立感にさいなまれるため、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手を無視する行為は、サイレントモラハラに当たります。

1-2-2:大きなため息や舌打ちをする

夫婦の一方が、

  • 相手は何もしていないのに、
  • 相手のちょっとしたミスを見つけて、
  • 相手の何が気に入らないのか、理由が分かりかねる状況で、
  • 相手が思い通りに行動しない場合に、
  • 相手に言葉を発して意思を伝えることもせず、

聞こえよがしに大きなため息をついたり、舌打ちをしたりする。

これらの行為によって、不快感や苛立ちを露骨に表されるため、孤独感にさいなまれ、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手に対し大きなため息や舌打ちをする行為は、サイレントモラハラに当たります。

1-2-3:ひとり言のように不満や不平を言う

夫婦の一方が、ひとり言のように不満や不平を言うため、

  • 何のことかと尋ねても、「お前(あるいは「あなた」)には関係ない」などと冷たくあしらう
  • 「私に何か言いたいことがあるの?」と聞いても、「何もない」と言ったり無視したりする
  • 「何のこと?」と問いかけても、「別に」などと言って無視する

このような行為をされた相手は、自分が連れ合いに何か悪いことでもしているのではないかという思いに駆られ、疑心暗鬼な気持ちになるため、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手に対しひとり言のように不満や不平を言う行為は、サイレントモラハラに当たります。

1-2-4:相手が話しかけてもそっけない態度をとる

夫婦の一方が、

  • 相手が話しかけても、「ふーん」とか「あっそ」などとそっけない態度をとる
  • 相手が相談があると話しかけても、そっけない態度をとるだけ
  • 相手には自分が気持ち良く生活できるように気配りを求めながら、相手が日常の話題について話しかけてもそっけない態度をとる

このような行為をされた場合、自分が相手の機嫌を損ねたので嫌がらせをされているのではないかという不安な気持ちに駆られます。

相手の思い通りにしなければという気持ちからストレスがかかってくるため、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手が話しかけてもそっけない態度をとる行為は、サイレントモラハラに当たります。

1-2-5:露骨に不機嫌な態度をとる

夫婦の一方が、

  • 何の理由も見いだせないのに、突然に大きな音を立ててドアを閉めたりして、露骨に不機嫌な態度をとる
  • イライラしている表情を相手に見せながら、身近にある小物に八つ当たりして、露骨に不機嫌な態度をとる
  • 食事のおかずが気に入らないと、箸をバンっと大きな音を立ててテーブルに置き、黙って席を立ってしまうなど、露骨に不機嫌な態度をとる

このような行為をされた相手は、恐怖の念を抱き、その顔色をうかがい気を遣うような生活を強いられるため、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手に対し露骨に不機嫌な態度をとる行為は、サイレントモラハラに当たります。

1-2-6:何も言わず無表情で睨めつけてくる

夫婦の一方が、

  • 相手がミスをしたりすると、何も言わず無表情で睨めつけてくる
  • 何が気に入らないのか、相手の一挙手一投足を捉えて、何も言わず無表情で睨めつけてくる
  • 食事中に、相手がその日にあった家族や世間の話題などを持ち出したりすると、何も言わず無表情で睨めつけてくる

このような行為をされた相手は、冷たい視線に怯え、不安や不快な気持ちで生活を送ることになるため、精神的に追い詰められることにつながります。

したがって、このように相手に対し何も言わず無表情で睨めつけてくる行為は、サイレントモラハラに当たります。

2章:サイレントモラハラをする人の特徴や問題点

この章では、サイレントモラハラをする人の特徴や問題点について解説します。

  • サイレントモラハラをする人の特徴
  • サイレントモラハラの問題点

それぞれ説明します。

2-1:サイレントモラハラをする人の特徴

ここでは、サイレントモラハラをする人の特徴について詳しく確認しましょう。

  • 相手をコントロールしたいと思っている
  • 自分の考えが絶対的に正しいと思っている
  • 相手の話を聞こうとしない、話し合いができない
  • 外面は人当たりが良く優しい印象を与える

では一つ一つ見ていきます。

2-1-1:相手をコントロールしたいと思っている

サイレントモラハラをする人は、相手をコントロールしたいと思っています

夫婦は対等な関係にあるのではないと考えているため、自分が家庭内で優位に立とうとします。

そして、サイレントモラハラをする人は、相手に対する支配欲が強い傾向にあるため、相手の意見や感情を無視して、自分の意志を優先しようとします。

2-1-2:自分の考えが絶対的に正しいと思っている

サイレントモラハラをする人は、自分の考えが絶対的に正しいと思っています

そのため、基本的に相手の発言や行動を批判する傾向にあります。

そして、サイレントモラハラをする人は、自分に過ちがあっても容易に認めようとしないばかりか、自分の考えや意見を相手に押し付け、相手を従わせようとします。

2-1-3:相手の話を聞こうとしない、話し合いができない

サイレントモラハラをする人は、相手の話を聞こうとしない、話し合いができない傾向にあります

サイレントモラハラをする人は、自分が家庭内の中心で優位な立場にあると考えているためです。

そのため、サイレントモラハラをする人とは、夫婦で建設的な意見交換をする機会を持つことは望めず、まともな話し合いができないのです。

2-1-4:外面は人当たりが良く優しい印象を与える

サイレントモラハラをする人は、外面は人当たりが良く優しい印象を与えます

サイレントモラハラをする人は、他人の目や評価を気にする傾向が強いため、連れ合いには厳しく接するものの、家庭の外ではいわゆる「外面が良い」タイプです。

他人には、「人当たりが良い人」「優しい人」という印象を与えるため、「立派な人」「頼りがいのある人」で通っています。

そのため、家庭内でのサイレントモラハラは、周囲に気づかれにくいのです。

【コラム】サイレントモラハラをする人の中には、感情表現が苦手なだけという人も多い

サイレントモラハラをする人の中には、自分の言動がモラハラにあたる自覚がない人も多くいます。

感情表現が苦手なだけで、相手を支配したいというつもりはなく、自分の気持ちを察して欲しいという思いが冷たい言動に繋がっているようです。

そのため、「あなたのこの態度がつらく感じる」と率直に伝えたり、「あなたの素直な気持ちを教えて」と真摯に向き合うことで改善できるケースもあります。

2-2:サイレントモラハラの問題点

ここでは、サイレントモラハラの問題点について詳しく確認しましょう。

  • 被害者がサイレントモラハラを自覚しにくい
  • サイレントモラハラを証明しにくい

では一つ一つ見ていきます。

2-2-1:被害者がモラハラを自覚しにくい

サイレントモラハラは、相手の人格を否定する暴言を浴びせたり、悪態をついたりすることがないため、被害者がサイレントモラハラを受けていると自覚しにくいのです。

そのため、被害者は「相手の機嫌が悪いのは自分のせい」と考えがちになり、罪悪感を抱いてしまうこともあります。

また、サイレントモラハラは、周囲にも気づかれにくいことから、被害者はサイレントモラハラを受けているという自覚もないまま、相手の顔色や機嫌をうかがって日常生活を送っていくため、精神的に追い詰められていくのです。

サイレントモラハラは、被害者が自覚しにくく、陰湿な分だけ悪質性が高いともいえます。

2-2-2:サイレントモラハラを証明しにくい

裁判で離婚を求めたり、慰謝料を請求する場合には、相手からサイレントモラハラを受けていることを証明できるだけの証拠が必要です。

しかし、サイレントモラハラの場合、被害者が相手から直接モラハラ発言を受けているわけではなく、また被害者がサイレントモラハラを受けていると自覚しにくいケースも多いです。

そのため、サイレントモラハラの具体的な証拠が少なく、被害者が日ごろから意識的にサイレントモラハラの証拠を集めることは難しいです。

そのため、現実問題としては、サイレントモラハラを証明しにくいことになります。

一応考えられる証拠としては、

  • 相手が自分を無視していると感じた点
  • 大きなため息や舌打ちをした場面
  • ひとり言のように不満や不平を言った内容
  • 話しかけてもそっけない態度をとった状況
  • 露骨に不機嫌な態度をとった状況
  • 何も言わず無表情で睨めつけてきた様子

などを書き留めた日記やメモ、サイレントモラハラが原因で心療内科などの診察を受けた場合にはその診断書などになります。

被害者が裁判に訴えても、相手がサイレントモラハラを否定すれば、結局「やったやらない」の水掛け論になり、サイレントモラハラが認定されないという事態も想定されます。

3章:サイレントモラハラへの対処法

この章では、サイレントモラハラへの対処法について解説します。

  • 相手にしない
  • 周囲に相談する
  • 離婚を検討する

それぞれ説明します。

3-1: 相手にしない

サイレントモラハラへの対処法の1つとして、相手にしない、相手の言動を受け流して気にしないことが大事です。

サイレントモラハラ問題で難しいのは、被害者がサイレントモラハラを受けていると自覚しにくい点にあります。

そこでまず、被害者が「これってサイレントモラハラ」と気づくこと、次に「自分が被害者であり、相手が加害者である」と自覚することです。

そのうえで、サイレントモラハラをする人は変わりようがないから仕方がないと割り切り、「相手を理解しようとする気持ち」や「自分を卑下する気持ち」を捨てることです。

そうすれば、相手の言葉や態度を気にせずに、相手にしないことが対応として最善ということに気づけるようになります。

3-2: 周囲に相談する

サイレントモラハラは気づかずに、心が壊されていきます。心が壊れる前に、サイレントモラハラに気づき、周囲に相談する勇気が必要です。

まずは、友人や親族など、信じて話せる人に自分の状況を伝え、相談することで解決策を見いだせるかもしれません。

また、友人や親族に相談するだけでは対応が難しい場合や、心のケアが必要な場合には、自治体などの無料相談のほか、専門のカウンセラーを頼るのも良い選択といえます。

しかし、友人や親族などに相談することに躊躇を覚えたり、相手と離れたい離婚したいと考えている場合には、サイレントモラハラに精通している弁護士に相談すべきです。

弁護士は、適切なアドバイスをするのはもちろん、問題解決に至るまで、法律面で全面的なサポートをしてくれます。

3-3: 離婚を検討する

ここでは、離婚を検討するについて詳しく確認しましょう。

  • サイレントモラハラは話し合いでの離婚が難しい
  • 協議・調停離婚する方法
  • 裁判離婚する方法

では一つ一つ見ていきます。

3-3-1: サイレントモラハラは話し合いでの離婚が難しい

サイレントモラハラの場合、話し合いでの離婚が難しいケースが多いです。

サイレントモラハラをする人は、相手に対する支配欲が強い傾向にあるため、相手の意見や感情を無視して、自分の意志を優先しようとするからです。

サイレントモラハラの場合、その解決策は「加害者から離れる」ことですので、夫婦間では別居、そして最終的には離婚ということになります。

しかし、夫婦間のサイレントモラハラでは、日ごろからお互いの人格を尊重するような会話がなされていない可能性が高いので、円満な話し合いによって離婚をすることは難しいといえるでしょう。

3-3-2: 協議・調停離婚する方法

協議離婚とは、当事者である夫婦が話し合いで離婚することに合意し、離婚届を市区町村に届け出ることにより成立する離婚方法です。

当事者が話し合いで離婚の合意ができれば、離婚届を提出して受理されることにより離婚が成立することになります。

したがって、協議離婚する方法は、当事者が話し合いで離婚の合意をすることが前提となります。

しかし、上述したように、当事者で離婚の話し合いをすることは難しいと考えられるため、サイレントモラハラの被害者側に弁護士を付けることで、協議離婚が成立する可能性が高まります。

調停離婚とは、家庭裁判所の調停手続による離婚方法です。

調停手続は、1人の裁判官(家事審判官)と2人以上の家事調停委員で構成される調停委員会が、当事者双方の言い分を聞きながら話し合いを進めるものです。

当事者が離婚することに合意すれば、裁判所書記官がその内容を記載した調停調書を作成し、調停調書が作成された時点で離婚が成立することになります。

3-3-3: 裁判離婚する方法

裁判離婚とは、離婚しようとする当事者が、家庭裁判所に離婚の訴えを起こし、離婚を認める判決を得ることによる離婚方法です。

離婚調停で話し合いがまとまらなかった場合、あるいは、家庭裁判所の審判にも納得がいかなかった場合に、それでも離婚をしたいと望む側は、最終的には離婚の訴えを起こして離婚を求めることができます。

離婚の訴えを起こす場合は、法律が定めた離婚理由がなければなりません。

サイレントモラハラでは、証拠を提出して、民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると認められれば、離婚が認められます。

したがって、裁判離婚する方法は、離婚の訴えを起こし、法律に定めた離婚理由が認められることが前提となります。

まとめ:サイレントモラハラのチェックリストと特徴や対処法

この記事では、サイレントモラハラのチェックリスト、サイレントモラハラをする人の特徴や問題点、サイレントモラハラへの対処法について解説しました。

あなたは、相手のご自分に対する態度や表情、無言がサイレントモラハラに当たるかどうか、サイレントモラハラ対策についてのお悩みは解決できたでしょうか。

もし、相手からのサイレントモラハラでお悩みの場合には、ぜひ、法律のプロである弁護士にご相談することをオススメします。

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