【娘が不倫の慰謝料を請求された】確認すべきことと親に出来ること

著者情報

住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

娘が慰謝料請求された場合のポイント

あなたは、

娘が不倫の慰謝料を請求された。どうしよう?」

「娘の慰謝料を親が支払う必要がある?」

「娘の請求された慰謝料を減額・分割して解決したい」

などとお考えではないですか?

結論から言うと、娘が請求された不倫の慰謝料を、親が支払う義務はありません。

なぜなら、親は娘の不倫・不法行為に対しては何ら関与していないため、慰謝料を支払う義務を負うことはないからです。

また、請求された慰謝料金額は、請求者との話し合いによって合意が得られれば、減額や分割できる可能性があります。

なぜなら不倫の慰謝料の金額は、一般的には慰謝料相場に合わせて決められ、娘が支払えない金額の場合は、請求者と交渉して合意を図ることになるからです。

そのためには、早急に不倫・不貞行為の有無や、不倫相手の婚姻関係などの事実関係を確認し、不倫の慰謝料に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

不倫慰謝料の相場としては、次のようになります。

不倫慰謝料の相場

この記事では、1章で娘が慰謝料を請求された場合にまず確認すべきことを、2章で娘が慰謝料を請求された場合に親に出来ることを、3章で慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼するメリットについて解説します。

個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

娘が不倫の慰謝料を請求された場合、親が支払う義務はありませんが、早期解決のために最も有効な対処法は、不倫問題を扱う専門家である弁護士に相談することです。

慰謝料を請求された場合に確認すること

  • 慰謝料の請求者と請求書を作成した弁護士や行政書士
  • 慰謝料を支払う必要があるか
  • 請求された慰謝料の金額
  • 支払いや返事を求められている期限

慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼することによって、慰謝料を減額したり拒否できる可能性があります。

また、弁護士を代理人として相手との連絡・交渉や、適正な示談書の作成を任せることによって、会社や周囲の人に知られずに解決することができるだけでなく、後々のトラブルも防ぐことができます。

娘が慰謝料請求された場合のポイント


1章:娘が慰謝料を請求された場合にまず確認すべきこと

娘が慰謝料を請求された場合にまず確認すべきことは、次の4つです。

  • 慰謝料の請求者と請求書を作成した弁護士や行政書士は誰か
  • 娘が慰謝料を支払う必要があるのか
  • 請求された慰謝料の金額
  • 支払いや返事を求められている期限

それぞれ解説していきます。

1-1:慰謝料の請求者と請求書を作成した弁護士や行政書士は誰か

不倫の慰謝料の請求は、口頭やメール・手紙などで行われますが、書面で送られた場合は、まずは慰謝料の請求者を確認し、続いてその請求書を作成した弁護士や行政書士などを確認します。

弁護士が書面を作成している場合は、請求者の代理人として弁護士が交渉に当たるため、法律の専門家を相手にしての交渉は難しい場合も多く、あなたも弁護士に依頼する必要性が高まります。

なぜなら、請求された慰謝料が高額な場合や、請求自体がどうしても納得できない場合でも、相手に不倫の証拠などがそろっている場合は、最終的には訴訟を提起される可能性もあるからです。

行政書士が手紙を作成している場合は、交渉する相手は行政書士ではなく請求者本人になります。

もし、請求内容・金額に納得がいかない場合は、弁護士に依頼することで有利に交渉できる可能性も高くなります。 

1-2:娘が慰謝料を支払う必要があるのか

慰謝料を請求された場合、そもそも娘が慰謝料を支払う必要があるのか、次の4つを確認することが重要です。

  • 不貞行為(肉体関係)の事実はあったか
  • 浮気・不倫相手が既婚者であることを知っていたか
  • 浮気・不倫相手の夫婦関係は破綻していたか
  • 自らの意思で肉体関係を持ったのか

それぞれ解説していきます。

1-2-1:不貞行為(肉体関係)の事実はあったか

不倫の慰謝料を請求された場合、記載されている不貞行為の内容が事実かどうかを確認する必要があります。

なぜなら、そもそも娘に不貞行為とされる相手との肉体関係がない場合は、慰謝料を支払う必要はないからです。

ただし、肉体関係はないからといって、頻繁にデートを重ねていたり、キスなどの行為をしていた場合は、「婚姻共同生活の平和を維持する権利」の侵害にあたるとして、慰謝料を支払わなければいけない場合もあります。

1-2-2:浮気・不倫相手が既婚者であることを知っていたか

娘が、浮気・不倫相手が既婚者であることを知らなかった、さらに知らなかった点において娘に落ち度がない場合は、慰謝料を支払う必要はありません。

例えば、婚活サイトや出会い系サイトで知り合って、不倫相手が独身であると偽っていた場合などがあげられます。

しかし、もし注意すれば既婚者であると知り得た場合は、慰謝料を支払う義務が生じることもあります。  

1-2-3:浮気・不倫相手の夫婦関係は破綻していたか

娘が不倫をする前から、浮気・不倫相手の夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料を支払う義務が生じない可能性があります。

例えば、夫婦がすでに別居していて、離婚に向けた話し合いをしていた場合などがあげられますが、夫婦関係が破綻していたことを証明することは難しいため、簡単には認められません。 

1-2-4:自らの意思で肉体関係を持ったのか

娘が強姦や脅迫によって自らの意思に反して肉体関係を持たされた場合は、娘に責任はないため慰謝料を支払う必要はありません。

逆に娘の方から、肉体関係を強要した相手に対して、慰謝料を請求することができます。

ただし状況によっては、相手に強引な側面があったとしても自分の意思で断ることもできたという理由で、娘の主張が認められない場合もあります。 

1-3:請求された慰謝料の金額

不倫の慰謝料を請求された場合、当然請求された金額を確認しますが、その慰謝料は相手が一方的に請求してきたものであり、娘に慰謝料を支払う責任があったとしても、妥当な金額かどうかはまだ決まっていません。

そのため、請求に応じてすぐに支払う必要もまったくなく、高額な請求であれば減額交渉する余地は十分あります。

一般的に不倫慰謝料を請求される場合、請求額は300万~500万円程度が多いですが、実際の相場としては50万~300万円程度になります。

不倫慰謝料の相場としては、次のようになります。

1-4:支払いや返事を求められている期限

請求された慰謝料の金額と同様に、その支払期限も相手が一方的に定めた期限であり、娘に慰謝料を支払う責任があったとしても、その期日までに支払う必要はありません。

慰謝料の金額・支払期限、支払方法なども含めて、相手との示談交渉を十分行っていくことが重要です。

慰謝料の減額交渉については、この後3章で解説します。


2章:娘が慰謝料を請求された場合に親に出来ること

娘が慰謝料を請求された場合に親に出来ることは、次の4つです。

  • 不倫問題を扱う弁護士に相談する
  • 慰謝料を親が支払う(立て替える)
  • 娘の慰謝料の連帯保証人になる
  • 娘が未成年の場合は示談交渉に関与する

それぞれ解説していきます。

2-1:不倫問題を扱う弁護士に相談する

1章で解説した各項目の確認が出来た場合は、すぐに不倫問題を扱う弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら弁護士に相談することによって、請求された慰謝料を支払う必要性や、慰謝料金額の相場を基に減額・分割交渉の可能性などのアドバイスを受けることができるからです。

また、弁護士があなたの代理人として交渉に当たることによって、相手の心情に配慮した冷静な対応ができるので、少なからず相手の怒りも抑えることができます。

不倫の慰謝料を請求された場合に、弁護士に依頼するメリットについては、この後3章で解説します。

2-2:慰謝料を親が支払う(立て替える)

先に説明したように、娘の不倫の慰謝料を当事者でない親が支払う義務はありませんが、娘が慰謝料を支払えない場合に、親がお金を貸したり立て替えて支払うことはできます。

不倫の慰謝料を親が立て替えて支払うことによって、不倫問題が長期化し訴訟に進むことは避けられ、早期解決を図ることができます。

ただし、慰謝料の減額や分割払いを交渉するうえでは、早急な判断はかえってマイナスになる場合もあるため、状況に応じた適正な慰謝料相場や対処法など、弁護士のアドバイスを十分に聞くことが重要です。

2-3:娘の慰謝料の連帯保証人になる

慰謝料の支払いは基本的には一括払いになりますが、娘本人に支払いの意思があっても、一括での支払いが難しい場合は、分割払いによる慰謝料の支払いを交渉していきます。

分割による支払いは、請求者としては完済する前に支払いが滞る不安もあるため、親を慰謝料の分割払いの連帯保証人として契約を結ぶ場合があります。

親が連帯保証人を承諾した場合は、例外的に親も慰謝料の支払い義務を負うことになります。

2-4:娘が未成年の場合は示談交渉に関与する

娘が未成年であっても不貞行為を行った場合は、不倫の慰謝料を請求されることになります。

しかし、未成年者との示談交渉の場合は、話し合いの内容で合意ができたとしても、親権者の同意がなければ契約が取り消される可能性もあるため、請求者側から親権者の同意を求められるはずです。

そのため、未成年者に対する慰謝料の請求においては、示談交渉の段階から親の同席を求められたり、合意内容を契約する際には親も関与することになります。


3章:慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼するメリット

慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼するメリットとしては、次の3つがあげられます。

  • 慰謝料を減額・免除できる可能性がある
  • 後々のトラブルを防止できる
  • 会社や周囲に知られずに解決できる

それぞれ解説していきます。

3-1:慰謝料を減額・拒否できる可能性がある

不倫の慰謝料として請求される金額は、あくまで相手が一方的に定めた金額であるため、実際の相場より高額な300万~500万円程度の請求となる場合もあります。

しかし、弁護士に依頼することによって、実際の相場に合わせた妥当な金額で交渉し、慰謝料の減額を得られる可能性が高まります。

不倫慰謝料の相場としては、次のようになります。

不倫慰謝料の相場

弁護士であれば、それぞれの事案に沿った相場や落としどころを熟知しているので、慰謝料を減額できる理由を主張することができます。

また、元々相手の主張する不貞行為(肉体関係)の事実はなく、不倫慰謝料の支払い義務が生じない場合は、弁護士を通して請求そのものを拒否することもできます。

3-2:後々のトラブルを防止できる

弁護士に依頼して慰謝料や支払い方法、支払時期の合意が得られた場合は、その他の合意内容を含めて示談書を作成することが重要です。

なぜなら、弁護士が適正な内容で法的に効力のある示談書を作成することによって、示談後も慰謝料を請求されるなどの後々のトラブルを防止することができるからです。

示談書に記載すべき主な内容としては、次のようになります。

慰謝料請求された場合の示談書の主な条項

慰謝料の金額・支払方法・支払時期の他に、お互いに接触や連絡をしないことを約束する接触禁止条項、示談書で定めた以外の債権債務が存在しないことを確認する清算条項、不倫トラブルの事実をお互いに第三者に口外しないことを約束する守秘義務条項は、特に重要で必須条項と言えます。

3-3:会社や周囲の人に知られずに解決できる

弁護士に依頼することによって、弁護士が代理人となり相手との連絡や交渉に対応するので、会社や周囲の人に知られることなく解決することができます。

娘の不倫で直接親に影響が及ぶ可能性は少ないですが、当事者である娘に対しては細心の注意を払って不倫問題の解決を目指すことが重要です。

また、弁護士から今後の見通しや様々なアドバイスを受けることによって、慰謝料を請求された娘だけでなく親も、精神的な負担を軽減することができます。


まとめ

ここまで、娘が慰謝料を請求された場合にまず確認すべきことや、親に出来ること、弁護士に依頼するメリットなどについて解説してきました。

最後に、今回の内容をまとめます。

娘が不倫の慰謝料を請求された場合、親が支払う義務はありませんが、早期解決のために最も有効な対処法は、不倫問題を扱う専門家である弁護士に相談することです。

慰謝料を請求された場合に確認すること

  • 慰謝料の請求者と請求書を作成した弁護士や行政書士
  • 慰謝料を支払う必要があるか
  • 請求された慰謝料の金額
  • 支払いや返事を求められている期限

慰謝料を請求された場合に弁護士に依頼することによって、慰謝料を減額したり拒否できる可能性があります。

また、弁護士を代理人として相手との連絡・交渉や、適正な示談書の作成を任せることによって、会社や周囲の人に知られずに解決することができるだけでなく、後々のトラブルも防ぐことができます。

この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。

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