- 更新日:2024.09.27
- #慰謝料請求された人
不倫慰謝料を請求された!やってはいけないことと5つの対処手順
この記事を読んで理解できること
- 不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやってはいけないこと
- 不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやるべきことと手順
- 不倫(不貞行為)の慰謝料の相場とポイント
- 不倫トラブルに強い弁護士に相談しよう
あなたは、
「不倫の慰謝料を請求された、どうしよう」
「慰謝料請求を無視したらダメなのかな?」
「慰謝料を少しでも減らしたい」
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
不倫の慰謝料を請求された場合、絶対にやってはいけないことと、やらなければならないことがあります。
たとえば、慰謝料請求を無視してしまうと、相手方から訴訟を起こされたり、不倫を他の人にばらされてしまったりする可能性があるので、絶対にやってはいけないことです。
この記事では、不倫の慰謝料を請求されたときにやってはいけないことは何か、やるべきこととその手順は何かを解説します。
さらに、不倫の慰謝料の相場や、弁護士に相談した方がいい理由についても解説します。
この記事で説明する手順で行動することで、慰謝料請求されたときも適切に対応することができますので、冷静に行動を始めてください。
全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点
不倫で慰謝料請求された場合、下記のやってはいけないこと、やるべきことを知った上で適切な行動をしていくことが大事です。
■不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやってはいけないこと
- 相手からの連絡を無視してしまう
- 相手の言い値で高額な慰謝料を支払ってしまう
- 相手が作った示談書にすぐにサインしてしまう
- 要求されるまま退職、引っ越しをしてしまう
- 相手の感情を逆なでする発言をしてしまう
■不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやるべきことと手順
- ステップ1:誰からの請求か確認する
- ステップ2: 「請求書」なのか「訴状」なのかを確認する
- ステップ3:請求内容と金額、支払期限を確認する
- ステップ4:慰謝料を支払わなければならない状況かどうか確認する
- ステップ5:慰謝料を減額、免除するために交渉する
不倫慰謝料には下記のような相場があります。慰謝料は減額できる場合もあるため、早めに弁護士に相談してみてください。
■不倫慰謝料の相場
- 不倫相手の夫婦が夫婦関係を継続する:50万円~100万円
- 不倫相手の夫婦が、不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
- 不倫相手の夫婦が、不倫が原因で離婚に至った:150万円~300万円
目次
1章:不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやってはいけないこと
不倫がバレて、相手方から慰謝料を請求され、焦って相手の言うとおりに動いてしまう人や、請求を完全に無視してしまう人もいるようです。
しかし、そのような対応をすると、法外な慰謝料を支払うことになったり、不倫を他の人にばらされたりして、あなたが大損してしまう可能性があります。
そのため、慰謝料請求された場合、以下のようなことはやってはいけません。
・相手の言い値で高額な慰謝料を支払う
・相手が作った示談書にすぐにサインしてしまう
・要求されるまま退職、引越をしてしまう
・感情的になって相手の感情を逆なでしてしまう
順番に解説します。
それより先に、これからやるべきことを知りたいという場合は、2章からお読みください。
1-1:相手からの連絡を無視してしまう
私が弁護士として最初にお伝えしたいのが、慰謝料請求された場合、絶対に無視してはダメだということです。
なぜなら、慰謝料請求を無視すると、相手から訴訟を起こされたり、不倫を周りの人にばらされたりしてしまうおそれがあるからです。
慰謝料請求された場合、請求に従う場合も従わない場合も、必ず無視をしないで対応することが必要です。
1-2:相手の言い値で高額な慰謝料を支払ってしまう
慰謝料請求されたときに、やってはいけないのが、相手の言い値で慰謝料を支払ってしまうことです。
確かに、不倫していることがバレて慰謝料を請求されると、誰でも不安な気持ちになり、「早く対処してトラブルを終わらせたい」と思うものです。
しかし、そこで相手の言うとおりに慰謝料を支払うと、相場からかけ離れた高額な慰謝料を支払ってしまい、あなたが大損してしまう可能性があります。
なぜなら、不倫の慰謝料には相場があり、相場を大きく超える高額な慰謝料請求は認められない可能性が高いからです。
私の経験上も、相手方は多くの場合、相場を大きく超える請求をしてくるので、言い値で支払ってしまうことは絶対にやめましょう。
※不倫慰謝料の相場については3章で解説します。
1-3:相手が作った示談書にすぐにサインしてしまう
慰謝料を請求され、慰謝料請求の示談書を提示された場合、すぐにサインすることは絶対にやめてください。
なぜなら、以下の2つの理由があるからです。
①示談書に一度サインしてしまうと、それ以降示談書で決めた内容を変えることができなくなる
示談書とは「この内容で互いに合意しました」という書面のことです。
相手が作った示談書にあなたがサインしてしまうと、その内容にあなたが合意したことになってしまうのです。
その場合、よほど法外な金額でない限り、後から「この内容では自分に不利だ」と気づいても、その内容を変更することができなくなります。
※示談書について詳しくは以下の記事をご覧ください。
②示談書は相手に有利に書かれている可能性がある
相手が示談書を作成し、送ってきた場合などは、内容が相手に有利に作られている可能性があります。
通常、示談書には、
・慰謝料の金額
・慰謝料の支払い方法や支払い期限
・清算条項(これで不倫のトラブルについてすべて解決されました、という文章)
・ペナルティについて(慰謝料が期日までに支払われなかった場合の違約金)
などが記載されます。
しかし、相手が示談書を作成した場合、
・相場を大きく上回る高額な慰謝料を支払うことにされている
・清算条項がなく、慰謝料を支払っても再度請求される可能性がある
・慰謝料の支払い期日が短く、期日までに支払うことが困難
・高額な違約金が定められている
など、あなたにとってとても不利な内容にされている可能性があります。
上記の2つの理由から、不倫で慰謝料を請求され示談書へのサインを要求されても、すぐにサインしないでください。
1-4:要求されるまま退職、引っ越しをしてしまう
慰謝料を請求されたときに、あわせて相手から
「遠くへ引っ越してくれ」
「今の会社を辞めてくれ」
と、金銭以外の要求をされることもあります。
このような要求をされても、絶対に従わないでください。
なぜなら、たとえ相手が不倫の被害者であっても、あなたに引っ越しや退職を強制する権利はないからです。
相手方は、感情的になり金銭だけでは納得できない、自分の妻(夫)と物理的に距離を取って欲しい、などの思いからこのような要求をすることがあるのですが、このような要求に法的な強制力はありません。
したがって、相手の言うとおりに、引越や退職をしてしまうことは絶対に避けてください。
1-5:相手の感情を逆なでする発言をしてしまう
相手から慰謝料請求された時、感情的になって「慰謝料なんて支払わない!」「不倫なんてしてない!」と強く反論し、相手の感情を逆なですることがないようにしてください。
なぜなら、相手はあなたに対する強い怒りを持っており、あなたが感情を逆なでするようなことを言ってしまうと、相手から、
「職場や近所、ネットなどに不倫をばらされる」
という可能性があるからです。
不倫が事実であってもそれを第三者にばらすことはプライバシー侵害や名誉棄損になり得るため、もしばらされたら相手を訴えることができるかもしれません。
しかし、たとえ後から訴えることができても、周囲の人やネットにばらされた事実を消すことはできず、あなたは社会的な信用を失ってしまいます。
そのため、相手から慰謝料請求され、あなたにも言い分があったとしても、感情的に反論することはせず、まずは落ち着いて行動することが大事です。
具体的には、
・いつ、どこで、何をしたことを不倫だと言われているのか冷静に聞く
・何を根拠(証拠)として不倫だと言っているのか冷静に聞く
・相手が感情的になったら「冷静にお話しましょう」と言う
などの対応をしてみましょう。
相手があまりにも感情的で話し合いができない状態なら、弁護士に相談することをおすすめします。
2章:不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやるべきことと手順
慰謝料を請求されたら、以下のことを順番に行ってください。
ステップ1:誰からの請求か確認する
ステップ2:「請求書」なのか「訴状」なのかを確認する
ステップ3: 請求内容と金額、支払期限を確認する
ステップ4:慰謝料を支払わなければならない状況かどうか確認する
ステップ5:慰謝料を減額、免除するために交渉する
それでは、順番に解説します。
2-1:ステップ1:誰からの請求か確認する
請求が書面で来ている場合、当たり前のことですが、まずは誰から請求が来ているのかを確認してください。
相手が自分で書面を書いて送ってきていることもありますが、相手が弁護士に依頼して、弁護士が書面を送ってきていることもあります。
まずは書面をよく確認して、請求をしてきているのが誰なのかをはっきりさせましょう。
もし、弁護士から請求が来ている場合、本人ではなく弁護士と交渉をする必要があります。
2-2:「請求書」なのか「訴状」なのかを確認する
次に、その書面が「請求書」なのか「訴状」なのかを確認しましょう。
書面のタイトルが「請求書」になっている場合はもちろん、タイトルがわからない場合も、差出人が本人や弁護士になっている場合は請求書だと考えてください。
「請求書」が来た場合、差出人である本人や弁護士と交渉をすることになります。
一方、「訴状」は「請求書」と違って、裁判所から送られてくる書面です。
「訴状」が送られてきた場合、相手がすでに「裁判を起こした」ということです。
そのため、どこの裁判所から「訴状」が届いているかを確認して、裁判所に連絡をしたり、裁判に出席したりする必要があります。
「訴状」が届いたのに無視してしまうと、裁判所が相手の言い分どおりの判断をしてしまうおそれがあり、法外な慰謝料が認められることになりかねません。
「訴状」が届いた場合、必ず裁判所の指示に従って行動してください。
2-3:請求内容と金額、支払期限を確認する
あなたが「慰謝料を支払わなければならないケース」の場合、次にやるべきことは、相手の請求内容や請求金額、支払期限を確認することです。
なぜなら、以下のことを確認してからの方が、その後の行動がスムーズに行えるからです。
【確認すべきこと】
・相手が何を根拠に慰謝料を請求しているのか
根拠がなければ、慰謝料請求が認められないか、減額できる可能性があるため
・相手は、今どんな状況なのか(不倫相手と離婚しようとしている、別居している、など)
相手の夫婦の状況によって、慰謝料の相場が異なるため
・いくらの慰謝料を請求してきているのか
慰謝料が相場を大きく超える場合は、減額できる可能性が高いため
・支払期限がいつになっているか
支払期限までに連絡をしないと、相手が「無視された」と思って裁判を起こしてきたりする可能性があるため
・「職場にバラす」「ネットで拡散する」など脅迫めいたことを言っていないか
脅迫されている場合は、逆に訴えたり、それを理由に減額させたりできる可能性があるため
相手と話し合う時は、上記のことを詳しく聞き出すことが大事です。
また、請求書を渡された、もしくは送られてきた場合は、その書面をよく見て、上記のことについてどのように書かれているか確認しましょう。
もし、請求書の内容で不明な点がある場合、相手に確認してみることをおすすめします。
2-4:慰謝料を支払わなければならない状況かどうか確認する
不倫で慰謝料請求されても「支払わなくて良いケース」もあります。
そこで、まずは以下のチェックリストをやってみてください。
【チェックリスト】
・不倫相手と肉体関係(性交やオーラルセックスなど)がない
・不倫相手との出会いが「出会い系サイト」「マッチングアプリ」「婚活パーティ」などで、未婚者だと信じざるを得ない状況だった
・不倫がばれてから3年以上が経っていて、時効が完成している
上記のチェックリストに1つでも当てはまるものがあった場合、慰謝料を支払わなくても良い可能性があります。
2-5:慰謝料を減額、免除するために交渉する
相手から慰謝料を請求された場合、
・支払う必要がない場合は、慰謝料を拒否することを主張する
・慰謝料が相場より高い場合は、減額を交渉する
ということが大事です。
それぞれ簡単に解説します。
■慰謝料を支払う必要がない場合のやるべきこと
慰謝料を支払う必要がない場合は、支払う必要がないという根拠を示して、相手と交渉する必要があります。
なぜなら、慰謝料を支払う必要がないからといってそのまま請求を無視していると、相手が裁判を起こしてきたり、逆上して自宅や職場まで押しかけてきたりすることもあり得るからです。
そのため、慰謝料を支払う必要がない場合でも、相手に対して慰謝料を支払う必要がない根拠を示す必要があるのです。
ただし、慰謝料を支払う必要がないという根拠を示すためには、
・慰謝料を支払う必要がないことを示せる、法律や過去の裁判例に関する知識
・相手に納得させる交渉テクニック
などが必要です。
そのため、実際に免除の交渉をするためには、弁護士に依頼することをおすすめします。
どうしても自分で交渉したいという場合は、相手と話し合ったあと「示談書」という書面を作成する必要があります。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
【雛形付き】不倫慰謝料請求でスムーズに示談書を作成する全手法
■慰謝料が相場より高い場合は、減額を交渉する
慰謝料を支払わなければならないという場合は、減額交渉をすることが大事です。
なぜなら、不倫の慰謝料には大体50万円〜300万円の間に納まるという相場があり、相場を大きく超える慰謝料を請求された場合は、減額できる可能性が高いからです。
※慰謝料の相場について、詳しくは3章で解説します。
したがって、相場より高い場合は、相手に対して減額の交渉をすることで、支払う慰謝料を減額できる可能性が高いのです。
そのため、相場より高い場合は必ず減額交渉をすることが大事です。
慰謝料の減額交渉をするためには、
・慰謝料が相場よりも高いこと
・相場より高い慰謝料は裁判に持ち込んでも認められにくいこと
などを、根拠を提示して主張し、相手に認めさせる必要があります。
法律や過去の判例に関する専門知識が必要ですので、弁護士に依頼することをおすすめします。
3章:不倫(不貞行為)の慰謝料の相場とポイント
3-1:不倫(不貞行為)の慰謝料の相場は50万円~300万円
あなたが慰謝料を支払わなければならない場合でも、慰謝料は相場の金額まで減額できる可能性が高いです。
なぜなら、不倫の慰謝料には以下の通りの相場があるからです。
【不倫慰謝料の相場】
■不倫相手の夫婦が夫婦関係を継続する:50万円~100万円
■不倫相手の夫婦が、不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
■不倫相手の夫婦が、不倫が原因で離婚に至った:150万円~300万円
そのため、相手の夫婦が離婚も別居もしていないという場合、慰謝料は大きく減額できる可能性が高いです。
3-2:不倫(不貞行為)の慰謝料の減額のポイント
慰謝料の金額は複数の要素から決まるため、以下の「減額」の要素が多ければ、その分慰謝料が減額できる可能性が高いです。
そのため、相場を大幅に超える慰謝料の請求や、減額要素が多い場合は、交渉して慰謝料を減額してもらうのが、最も良い選択肢なのです。
あらためて慰謝料が決まる要素をチェックしたい方は以下の記事も読んでみてください。
まさか自分の家庭で・・不倫の慰謝料相場と増額・減額を左右する7つの要因とは
4章:不倫トラブルに強い弁護士に相談しよう
不倫で慰謝料請求され、拒否、減額したい場合は弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、本当に慰謝料を支払わなければいけないのか、相手の請求額は適切なのかを判断することができるからです。
さらに、実際に相手方と交渉する場合、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、
・感情的になって交渉が進まなくなることを避けられる
・法外な慰謝料の支払いを認めてしまったり、支払う必要がないのに支払いを認めてしまうことを避けられる
・適切な示談書を巻くことで、何度も慰謝料を請求されることを防止できる
・被害者側からの嫌がらせを防止できる
といったメリットがあるからです。
■不倫トラブルに強い弁護士への依頼が大事
ただし、
「弁護士なら誰でも良いから、とにかく早く依頼しよう」
とは思わないでください。
なぜなら、医者に「内科」「眼科」などの専門があるように、弁護士にも「交通事故」「労働問題」「不倫」などの分野があるからです。
弁護士ならどの分野のこともできると思われがちですが、実は自分が強い分野以外は無知であるという弁護士も少なくありません。
もし、不倫慰謝料請求に強くない弁護士に依頼してしまうと、
慰謝料の免除や減額に失敗し、本来支払う必要がない金額の慰謝料を支払ってしまう
会社や家族に不倫をバラされ、仕事や信用を失ってしまう
などのことにもなりかねません。
そのため、不倫で慰謝料を請求されたら、不倫慰謝料請求に強い弁護士を探して、依頼することが大事なのです。
不倫慰謝料請求に強い弁護士の探し方等について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【保存版】不倫トラブルを弁護士に依頼して最大限有利に解決する全手法
まとめ:不倫で慰謝料を請求された場合は
いかがでしたか?
最後に今回の内容を振り返ります。
【不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやってはいけないこと】
・相手からの連絡を無視してしまう
・相手の言い値で高額な慰謝料を支払ってしまう
・相手が作った示談書にすぐにサインしてしまう
・要求されるまま退職、引っ越しをしてしまう
・相手の感情を逆なでする発言をしてしまう
【不倫(不貞行為)で慰謝料請求されたときにやるべきことと手順】
・ステップ1:誰からの請求か確認する
・ステップ2: 「請求書」なのか「訴状」なのかを確認する
・ステップ3:請求内容と金額、支払期限を確認する
・ステップ4:慰謝料を支払わなければならない状況かどうか確認する
・ステップ5:慰謝料を減額、免除するために交渉する
【不倫慰謝料の相場】
■不倫相手の夫婦が夫婦関係を継続する:50万円~100万円
■不倫相手の夫婦が、不倫が原因で別居に至った:100万円~200万円
■不倫相手の夫婦が、不倫が原因で離婚に至った:150万円~300万円
不利な立場に置かれることがないように、適切な方法で行動をはじめてください。