【窃盗罪の示談】成立させるメリットと示談金相場、弁護士のメリット

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住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

家族が窃盗で逮捕された場合のポイント

あなたは、

「家族が窃盗で逮捕されたが示談で済ませたい」

「窃盗罪の示談交渉はどうすればいい?」

「窃盗罪の示談金相場が知りたい」

などと、お考えではありませんか?

結論から言うと、窃盗罪で逮捕された場合は、被害品の返品や弁償を行い、できるだけ早く被害者との示談を成立させることが重要です。

なぜなら、示談を成立させることによって、早期釈放や、前科のつかない不起訴処分を得られる可能性が高まるからです。

万引きや空き巣、ひったくり、車上荒らしなど、窃盗罪の疑いで逮捕された場合、身柄を拘束され検察に送致される可能性があります。

そして、被害者との示談が成立しない場合は、略式起訴による罰金刑か、正式裁判で有罪判決が下される可能性が高くなります。

この記事では、1章で、窃盗罪における示談の重要性を、2章では、示談交渉の流れと示談金相場を、3章では、窃盗罪で逮捕された場合の処分と刑罰について説明していきます。

さらに、4章では、窃盗罪で逮捕された場合に、弁護士に依頼するメリットについて解説します。

個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

示談とは

被害者に示談金を支払うことによって、損害賠償問題を解決し許しを得ること

    窃盗罪における示談の重要性

    示談を成立させる4つのメリット

    • 被害届を取り下げてもらえる可能性がある
    • 罪に問われない微罪処分や不起訴処分の可能性がある
    • 身柄を釈放される可能性が高くなる
    • 判決で減刑される可能性が高くなる

    示談交渉を弁護士に依頼するメリット

    • 弁護士は被害者と連絡を取れる可能性がある
    • 被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高くなる
    • 被害者に、加害者の反省や謝罪を受け入れてもらえる可能性が高くなる
    • 適正な示談金の金額がわかる
    • 加害者への寛大な処分を求める嘆願書を依頼することができる
    • 被害届を取り下げてもらえる可能性が高まる
    • 示談書の作成を任せられる

    家族が窃盗で逮捕された場合のポイント

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    1章:窃盗罪における示談の重要性

    この章では、窃盗罪において、被害者との示談を成立させる重要性について解説します。

    まずは、被害者との示談とはどういったものか、そして、示談を成立させるメリットについてそれぞれ解説します。

    1-1:被害者との示談とは

    窃盗罪における被害者との示談とは、加害者が被害者に被害品の返品や弁償を行い、示談金を支払うことによって、損害賠償問題を解決し、被害者に許しを得ることです。

    示談が成立することによって、

    「被害者との損害賠償問題は解決している」

    「被害者との和解が成立し、許しを得ている」

    「被疑者は十分反省している」

    と、警察や検察官、裁判官に判断されます。

    このように、被害者との示談の成立は、あくまで民事上の損害賠償の問題が解決したことを示すものですが、刑事処分を判断するうえで、加害者にとって最も有利な事情として考慮されます。

    1-2:示談成立のメリット

    窃盗事件として警察の捜査が開始される前であれば、被害者との示談を成立させることによって、そのまま事件化せず解決することができます。

    また、窃盗事件として警察の捜査が開始された場合でも、次の4つのメリットがあります。

    • 被害届を取り下げてもらえる可能性がある
    • 罪に問われない微罪処分や不起訴処分の可能性がある
    • 身柄を釈放される可能性が高くなる
    • 判決で減刑される可能性が高くなる

      逮捕前であれば、被害届を取り下げてもらうことで、一般的には、それ以上問題にはなりません。

      また、弁護士を通して被害者との示談交渉を進めていることで、逮捕されるリスクを抑えることもできます。

      逮捕後であっても、示談が成立することによって、身柄の解放や不起訴処分を得られたり、起訴された場合でも、執行猶予付き判決など減刑される可能性が高まります。

      こういった示談成立のメリットを活用するためにも、被害者との示談交渉は、早急に進めていく必要があります。

      微罪処分や不起訴処分については、この後の3章で詳しく解説します。

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      2章:窃盗罪の示談交渉の流れと示談金相場

      この章では、窃盗罪の示談交渉の流れと、示談金の相場について解説します。

      2-1:窃盗罪の示談交渉の流れ

      示談交渉の流れは、次のようになります。

      1.被害者と連絡を取る

      2.被疑者の謝罪文を提出する

      3.被害者と示談金額、示談条件を交渉する

      4.示談書を作成する

      5.示談内容を履行する

      刑事事件においては、被害者の連絡先を加害者側が知ることは難しく、弁護士を通すことによってようやく被害者と連絡を取れる場合が多いです。

      弁護士は、被害者と直接会って被疑者の謝罪文を提出し、適正な示談金額や示談条件を提示して交渉します。

      示談書に記載する主な条項としては、次の6つがあげられます。

      • 清算条項:示談書に定めたもの以外、債権債務がないことを確認するもの
      • 宥恕条項:被害者は加害者を許したと確認するもの
      • 被害届取下げ:被害届を取り下げること
      • 接触禁止条項:加害者は被害者と接触しない(被害店舗等に立ち入らない)とするもの
      • 守秘義務条項:本件事件をお互いに口外しないとするもの

        被害者との示談交渉が成立した場合は、弁護士が示談書を警察や検察、裁判所に提出します。

        2-2:窃盗罪の示談金相場

        窃盗罪の示談金は、被害弁償としての被害金額に加えて、謝罪としての 謝罪金(慰謝料)となります。

        示談金額は、当事者間の話し合いによって決められますが、被害金額の大小や被害者の処罰感情によって個々に変動します。

        万引きなどの被害金額が少ない場合は、被害金額と同等額が示談金となることが多いですが、被害金額が大きい場合や、常習犯や悪質な犯行の場合は、高額になることもあります。

        示談金の相場としては、被害金額が100万円以下の場合は、「被害金額+0~20万円程度」になることが多いようです。

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        3章:窃盗罪で逮捕された場合の処分と刑罰

        窃盗罪で逮捕された後の流れとしては、罪に問われない「微罪処分」「不起訴処分」が得られる場合と、起訴されて罰金刑または懲役刑が科される場合があります。

        それぞれ解説していきます。

        3-1:罪に問われない場合もある

        1章で示談成立のメリットとして解説したように、被害者との示談が成立すると、「微罪処分」や「不起訴処分」として罪に問われずに釈放される場合があります。

        それぞれ解説していきます。

        3-1-1:警察での微罪処分

        微罪処分とは、例えば万引きなど窃盗の疑いで逮捕されて警察へ連行された場合に、警官による厳重注意などで刑事手続きを終了し、釈放されるケースです。

        この微罪処分では、「被害者の処罰感情の有無」も考慮されるため、示談を成立させることが重要となります。

        微罪処分になる可能性が高い場合として、

        • 初犯である
        • 反省が見られ、素行不良ではない
        • 偶発的で再犯の恐れがない
        • 身元引受人があり、逃亡の恐れがない
        • 被害金額が少なく、被害弁償等されている
        • 被害者が許し、寛大な処分を望んでいる

        などの条件を満たすケースがあげられます。

        微罪処分の場合は、刑罰が科されることはありませんから、被疑者に前科はつきません。

        しかし、警察から「微罪処分事件報告書」として検察官に報告され、前歴は残されます。

        3-1-2:検察による不起訴処分

        不起訴処分とは、検察官が被疑者を刑事裁判にかけない、つまり罪に問わない判断をすることです。

        この検察官による起訴又は不起訴の判断が下される前に、被害者との示談を成立させることができれば、起訴猶予による不起訴処分を得られる可能性が高まります。

        不起訴処分になる可能性が高い場合として、

        • 初犯である
        • 余罪がない
        • 反省が見られ、素行不良ではない
        • 偶発的で再犯の恐れがない
        • 身元引受人があり、逃亡の恐れがない
        • 被害金額が少なく、被害弁償等されている
        • 被害者が許し、寛大な処分を望んでいる

        などの条件を満たすケースがあげられます。

        不起訴処分になると、罰金刑も懲役刑も適用されず、被疑者には前科はつきませんが、微罪処分と同じく前歴は残されます。

        弁護士
        弁護士
        次に、窃盗罪で起訴された場合の、罰金刑と懲役刑について解説していきます。

        起訴された後に示談が成立した場合は、裁判所では被害の損害賠償も終わり、被害者の処罰感情も和らいでいると判断されるので、加害者(被告人)にとって非常に有利な事情となります。

        そのため、罰金刑や執行猶予付き判決など、減刑される可能性が高まります。

         

        3-2:罰金刑と相場(1030万円程度が多い)

        罰金刑とは、犯罪に対する刑罰として強制的に金銭を取り立てることです。

        窃盗罪の場合は、50万円以下の罰金となっています。

        窃盗罪で逮捕された場合は、被害額や前科の有無によって量刑も異なりますが、初犯であれば罰金刑になる可能性があります。

        また、検察官が、罰金刑が相当と考えている場合には、通常裁判という形ではなく、被疑者の同意のもとに略式裁判という簡略化された手続によって、有罪の認定と罰金刑が決定される場合が多いです。

        罰金額としては、こちらも被害額や前科の有無によって決定されますが、おおむね1030万円程度の場合が多いようです。

        罰金刑を科された場合は、当然、前科がつくことになります。 

        3-3:通常裁判による懲役刑

        通常裁判による懲役刑とは、刑事施設に拘置して所定の作業(刑務作業)を行わせる刑罰です。

        窃盗罪で逮捕された場合に、懲役刑となる可能性が高いのは次のようなケースです。

        • 被害額が高額である
        • 前科がある
        • 余罪がある
        • 犯行の状況が悪質である

        実際は、懲役刑となった場合でも、執行猶予がつくケースもあります。

        ただし、個々の状況によって違いはありますが、

        • 被害金額が高額で弁済が行われていない
        • 反省が見られず再犯の恐れがある

        などの場合は、執行猶予のつかない実刑判決が出される可能性もあります。

        懲役刑を科された場合も、当然、前科がつくことになります。

        刑事事件解決に関するトラブルでお悩みのあなたへ まずはご相談ください

        4章:窃盗罪で逮捕された場合に、弁護士に依頼するメリット

        窃盗罪で逮捕された場合に、弁護士に依頼するメリットとして、次の4つがあげられます。

        • 示談が成立する可能性が高まる
        • 弁護士であれば逮捕直後から面会できる
        • 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
        • 自分にとって不利な供述を防げる

        それぞれ解説していきます。

        4-1:示談が成立する可能性が高まる

        被害者との示談交渉を、弁護士に依頼することで、早期の示談成立が望めます。

        弁護士に依頼するメリットは、次の通りです。

        • 弁護士は被害者と連絡を取れる可能性がある
        • 被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高くなる
        • 被害者に、加害者の反省や謝罪を受け入れてもらえる可能性が高くなる
        • 適正な示談金の金額がわかる
        • 加害者への寛大な処分を求める嘆願書を依頼することができる
        • 被害届を取り下げてもらえる可能性が高まる
        • 示談書の作成を任せられる

        2章で解説したように、逮捕された被疑者の家族では、被害者と直接示談交渉することは難しい場合もありますが、弁護士であれば被害者の対応も変わり示談交渉を進めやすくなります。

        また、弁護士による示談交渉の場合は、被害者に対して冷静に被疑者の反省の度合いや、謝罪を受け入れてほしい家族などの現在の状況を伝えることができます。

        4-2:弁護士であれば逮捕直後から面会できる

        窃盗事件で逮捕され身柄を拘束された場合は、家族であっても勾留が決定されるまでの約3日間は、被疑者と面会することはできません。

        依頼された弁護士(弁護人)だけが、唯一逮捕直後から被疑者との接見(面会)を認められます。

        弁護人による接見は、原則として自由に面会することができるので、必要なものや書類などを差し入れすることもできます。

        さらに、接見の際に立会人が付くこともないので、被疑者に今後の流れや状況を説明し、適切なアドバイスをすることが可能になります。

        家族による面会でさえ逮捕後、約3日後となるため、弁護士による接見は、被疑者にとっては大きな支えとなります。

        4-3:精神的負担や事務的な負担を軽減できる

        弁護士に依頼することで、経験に基づいた今後の見通しや適切なアドバイス受けられるので、被疑者や家族の精神的な負担を軽減することができます。

        さらに、迅速な行動によって、すぐに弁護活動や示談交渉にとりかかることで、早期の身柄の解放や示談成立を目指すことができます。

        また、弁護士に依頼することによって、被害者との対応をはじめ、警察、検察さらには裁判所に対する手続きや、示談書・意見書の作成など様々な事務的負担を軽減することができます。

        窃盗で逮捕された場合、被疑者本人はもとより家族も、どうしてよいのかわからず混乱されることが多いようです。

        弁護士に依頼することで、逮捕後の被疑者・家族の不安や負担を最小限にすることができます。 

        4-4:自分や家族にとって不利な供述を防げる 

        弁護士は、逮捕直後から被疑者に接見することができるので、逮捕後の捜査・取り調べの流れなどの説明や、取り調べでの誤った自白や不利益な供述などを避けるための具体的なアドバイスをすることができます。

        被疑者は、窃盗で逮捕されて、家族にも面会できない不安な状態で、警察による厳しい取り調べを受けると、間違った供述(不利益な供述)をしてしまう場合があります。

        また、取調官の言いなりになって供述すると、十分な証拠や正当な手続きを得ないままの不当逮捕であっても、そのまま認めてしまう場合もあります。

        窃盗事件で逮捕された場合は、被疑者の不利益を最小限にするためにも、早めに弁護士に依頼されることをお勧めします。

        さらに、早急に被害者との示談を成立させることが、最も重要となります。

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        まとめ

        ここまで、窃盗罪で逮捕された場合の、示談の重要性や、示談成立のメリット、逮捕後の処分や刑罰などについて解説してきました。

        最後に、今回の内容をまとめます。

        示談とは

        被害者に示談金を支払うことによって、損害賠償問題を解決し許しを得ること

        窃盗罪における示談の重要性

        示談を成立させる4つのメリット

        • 被害届を取り下げてもらえる可能性がある
        • 罪に問われない微罪処分や不起訴処分の可能性がある
        • 身柄を釈放される可能性が高くなる
        • 判決で減刑される可能性が高くなる

        示談交渉を弁護士に依頼するメリット

        • 弁護士は被害者と連絡を取れる可能性がある
        • 被害者が示談交渉に応じてくれる可能性が高くなる
        • 被害者に、加害者の反省や謝罪を受け入れてもらえる可能性が高くなる
        • 適正な示談金の金額がわかる
        • 加害者への寛大な処分を求める嘆願書を依頼することができる
        • 被害届を取り下げてもらえる可能性が高まる
        • 示談書の作成を任せられる

        ■窃盗罪で逮捕された場合に、弁護士に依頼する4つのメリット

        • 示談が成立する可能性が高まる
        • 弁護士であれば逮捕直後から面会できる
        • 精神的負担や事務的な負担を軽減できる
        • 自分にとって不利な供述を防げる

        この記事の内容を参考にして、これからの行動に役立ててください。

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