四者ゼロ和解とは?ダブル不倫の慰謝料問題と弁護士に相談すべき理由

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

四者ゼロ和解とは?ダブル不倫の慰謝料問題と弁護士に相談すべき理由
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 四者ゼロ和解とは
  • 四者ゼロ和解のメリット・デメリット
  • 四者ゼロ和解では必ず示談書を作成する必要がある
  • 四者ゼロ和解は弁護士に相談すべき3つの理由

あなたは、

  • 四者ゼロ和解って何?
  • 四者ゼロ和解では、どんなことを行うの?
  • 四者ゼロ和解が成立するのはどんなケース?

といった疑問をお持ちではありませんか?

そもそも聞き慣れない言葉であるため、四者ゼロ和解の定義から詳しく知りたいですよね。

結論から言うと、四者ゼロ和解とは「ダブル不倫の慰謝料請求をお互いに放棄する」ことです。

既婚者同士の不倫であるダブル不倫は、双方に慰謝料の請求が発生します。

この慰謝料を「お互い請求しない」と取り決めることで、一気に問題解決が図れるのです。

この記事を読むことで、四者ゼロ和解の定義が明らかになり、そのメリット・デメリットについての理解が深まります。

さらに、

  • 四者ゼロ和解に不可欠な示談書作成
  • 弁護士に相談すべき3つの理由

についても解説するので、四者ゼロ和解で知っておくべき情報を網羅できるでしょう。

この記事では、

1章で、四者ゼロ和解とは

2章で、四者ゼロ和解のメリット・デメリット

3章で、四者ゼロ和解での示談書の必要性

4章で、四者ゼロ和解は弁護士に相談すべき3つの理由

について説明しています。

この記事を読んで、「四者ゼロ和解とは何か」、その定義や手順、抑えておくべきポイントを整理しましょう。

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1章:四者ゼロ和解とは

この章では、

  • 四者ゼロ和解の定義
  • 四者ゼロ和解が成立するケース

について、詳しく解説します。

1-1:四者ゼロ和解とは「ダブル不倫の慰謝料請求をお互いに放棄する」こと

四者ゼロ和解とは、ダブル不倫の慰謝料問題を解決する方法の1つです。

不倫の当事者を含む夫婦4人で話し合い、「互いに慰謝料の請求を放棄する」ことを指します。

■ダブル不倫

既婚者同士で不倫すること。

不倫した2人のそれぞれの配偶者が被害者となる。

ダブル不倫の場合、被害者である配偶者は、自分の妻(夫)の不倫相手に慰謝料を請求できます。

以下の図を例に説明します。

AさんとBさんが不倫をした場合、お互いの配偶者である、

  • Aさんの妻
  • Bさんの夫

は被害者であり、加害者のAさんとBさんに、それぞれ慰謝料を請求できます。

しかし、お互いに慰謝料を請求しても、夫婦が同一家計であれば入ってきた分が出ていくだけです。

単にお金を移動させるのみで、あまりメリットはありません。

そこで、「双方が相手夫婦に慰謝料を請求しない」ことを取り決め、不倫問題の解決を図ります。

これが、四者ゼロ和解です。

1-2:四者ゼロ和解が成立するケース

ここでは、四者ゼロ和解の成立にはどのような条件が必要なのかを解説します。

  • お互いの配偶者が不倫の事実を知っている
  • 双方の夫婦が離婚しない

順番に説明します。

1-2-1:お互いの配偶者が不倫の事実を知っている

四者ゼロ和解は、不倫の当事者を含む双方の夫婦4人の合意が必要です。

そのため、互いの配偶者が不倫の事実を知らなくてはなりません。

もしどちらかの配偶者に不倫が発覚していないのであれば、四者ゼロ和解を行うことは不可能です。

1-2-2:双方の夫婦が離婚しない

四者ゼロ和解は、

  • 慰謝料を請求できる人間(被害者)
  • 慰謝料を請求される人間(加害者)

2人が生計を同じくする必要があります。

そうでなければ、被害者としては、相手方への慰謝料請求を放棄するメリットがないためです。

つまり、離婚しないことが前提なので、不倫問題がこじれて離婚に発展した場合、四者ゼロ和解はできません。

ただし、離婚が成立した場合でも、被害者が何らかの理由から四者ゼロ和解を希望するのであれば、離婚していない場合と同じように和解することは可能です。

2章:四者ゼロ和解のメリット・デメリット

ここからは、四者ゼロ和解のメリットとデメリットについて解説します。

この章を読んで、四者ゼロ和解が自分にとってベストの方法なのかを考えてみましょう。

2-1:四者ゼロ和解のメリット

四者ゼロ和解のメリットは、以下の2つです。

  • 2組の夫婦の慰謝料問題を一気に解決できる
  • 今後の約束事を取り決められる

それぞれ解説します。

2-1-1:2組の夫婦の慰謝料問題を一気に解決できる

もし互いに慰謝料を請求し合うといった場合、すべての問題が解決されるのはかなり先の話になるでしょう。

話がこじれると調停や裁判に発展することもあり、そうなると費用や時間もかかります。

一方、四者ゼロ和解だと、慰謝料問題が一気に片付きます。

迅速に不倫・慰謝料問題を解決できる点は、四者ゼロ和解の大きなメリットだといえるでしょう。

2-1-2:今後の約束事を取り決められる

四者ゼロ和解は4人の合意の下で行うため、今後に関する約束事を取り決める機会があります。

不倫をした者同士が今後二度と会わないようにするため、「面会はもちろん、メールや電話、LINEなどもすべて禁止」など、条件を詳細に指定しても構いません。

取り決めた約束事は、示談書に盛り込み違反した場合の違約金も決めておけば、再発防止に役立つでしょう。

2-2:四者ゼロ和解のデメリット

四者ゼロ和解のデメリットは、以下の2つです。

  • どちらか1組でも離婚した場合は成立しない
  • 全員の合意がないと成立しない

それぞれ順に説明します。

2-2-1:どちらか1組でも離婚した場合は成立しない

四者ゼロ和解は、もしどちらか1組でも離婚した場合には成立しません。

なぜなら、離婚して生計を同一にすることをやめた時点で、家計の収支を気にする必要はなくなるからです。

その場合、慰謝料の請求は不倫をした加害者に対してのみ行われ、被害者である配偶者の金銭的な負担はありません。

離婚する側の被害者は、「こちらは離婚するので、(配偶者に対しての)慰謝料の請求はお好きにどうぞ」と言えるでしょう。

2-2-2:全員の合意がないと成立しない

四者ゼロ和解には4人全員の合意が必要であるため、誰か1人でも反対した場合は成立しません。

反対する理由はさまざまなものが考えられます。

特に受け取るべき慰謝料額に差があると、話がまとまらない傾向にあるようです。

慰謝料の額は、一般的に次のような要素で変わります。

  • 夫婦間の子供の有無
  • 婚姻期間の長さ

さらに、「不倫の事実が許せない」といった、感情面から合意しないことも十分考えられます。

誰か1人でも納得していない場合、四者ゼロ和解へのハードルは格段に高くなるでしょう。

3章:四者ゼロ和解では必ず示談書を作成する必要がある

四者ゼロ和解では、必ず示談書を作成する必要があります。

なぜなら、いくら口約束で「慰謝料の請求をしない」と言っていても、後に気が変わる可能性は十分にあるからです。

この章では、示談書を作成する4つのポイントを紹介します。

  • 慰謝料の請求権を放棄する
  • 不倫した者同士の接触を禁止する
  • 秘密保持条項をつける
  • 全員が署名と押印を行う

それぞれ解説します。

3-1:慰謝料の請求権を放棄する

示談書では、不倫された配偶者2名が慰謝料の請求権を放棄します。

「不倫した男性の妻」と「不倫した女性の夫」が、それぞれ「今後慰謝料の請求は行わない」と確約することで、四者ゼロ和解が成立します。

3-2:不倫した者同士の接触を禁止する

不倫の再発を防止するために、当事者同士の接触禁止の旨を記載しましょう。

対面だけでなく、電話やメール、その他すべての連絡手段を禁ずるように取り決めておくと、後々のトラブルを避ける意味でも安心です。

もし、職場が同じといったやむを得ない理由がある場合は、「プライベートでは接触しない」などの文言を付記しておきましょう。

3-3:秘密保持条項をつける

男女関係のトラブルは噂になりやすく、町内や職場に知れ渡ってしまうと、当事者の社会的地位が失われることも考えられます。

そのため、「今回の不倫問題については、第三者に一切口外しない」といった秘密保持に関する取り決めが必要です。

なお、弁護士など専門家に相談することは守秘義務違反とはならないので、あわせて覚えておくとよいでしょう。

3-4:全員が署名と押印を行う

示談が成立した証拠として、4者全員が「実名」かつ「手書き」で署名し、押印を行います。

使用する印鑑は、実印でもそれ以外の認印でも構いません。

示談書は全部で4通作成し、それぞれが個人の責任の下で保管します。

4章:四者ゼロ和解は弁護士に相談すべき3つの理由

この章では、「四者ゼロ和解は弁護士に相談するべき」という事実と、その理由を解説します。

理由とは、以下の3つです。

  • 専門的な知識に基づいた対応ができる
  • 配偶者と不倫相手が連絡を取らなくて済む
  • 書面の作成をサポートしてもらえる

それぞれ説明します。

4-1:専門的な知識に基づいた対応ができる

ダブル不倫とは同じ夫婦間に被害者と加害者がおり、かつそのような夫婦が2組ある状態です。

通常の不倫にくらべて問題がより複雑になるため、知識の不足が命取りになりかねません。

弁護士は判例や専門知識に基づいた交渉を行ってくれるため、早期解決が図れます。

四者ゼロ和解だと関係者の数も多く、感情的になって思わぬトラブルを招いてしまいがちですが、弁護士を介せばその心配もなくなるでしょう。

4-2:配偶者と不倫相手が連絡を取らなくて済む

いくら必要性があるとはいっても、配偶者からすると、自分の夫(妻)が不倫相手に連絡を取ることは好ましくないはずです。

弁護士に依頼すれば必要な作業を代行してくれるため、不要な接触を避けられるでしょう。

また、不倫の当事者同士に限らず、先方の配偶者と連絡を取らなくて済むというメリットもあります。

4-3:書面の作成をサポートしてもらえる

不倫問題では、示談書をはじめとしてさまざまな書面を作成する必要があります。

ただし、法律特有の言い回しは難しく、内容が適切であるかも一般人にはなかなか判断できません。

その点、弁護士であれば、依頼人にとって不利にならないように、リーガルチェックを行いながら最適な文書を作成可能です。

法的に問題がないか、内容は正確かもまとめてチェックできるため、公的な書面作成は迷わず弁護士に依頼することをオススメします。

まとめ:四者ゼロ和解とは「ダブル不倫の慰謝料請求をお互いに放棄する」こと

今回は、

  • 四者ゼロ和解とは何か
  • 四者ゼロ和解のメリット・デメリット
  • 四者ゼロ和解での示談書の必要性
  • 四者ゼロ和解は弁護士に相談すべき3つの理由

についてお伝えしました。

最後に、これまでの内容をまとめます。

■四者ゼロ和解とは

四者ゼロ和解とは「ダブル不倫の慰謝料請求をお互いに放棄する」ことで、不倫・慰謝料問題の早期解決を図る1つの手段です。

■四者ゼロ和解のメリット・デメリット

四者ゼロ和解のメリットとデメリットを整理すると、以下のようになります。

【メリット】

  • 2組の夫婦の慰謝料問題を一気に解決できる
  • 今後の約束事を取り決められる

【デメリット】

  • どちらか1組でも離婚した場合は成立しない
  • 全員の合意がないと成立しない

■四者ゼロ和解では必ず示談書を作成する必要がある

口約束だと反故にされる可能性もあるため、四者ゼロ和解を行う際には必ず示談書を作成します。

示談書では、以下のポイントを抑えましょう。

  • 慰謝料の請求権を放棄する
  • 不倫した者同士の接触を禁止する
  • 秘密保持条項をつける
  • 全員が署名と押印を行う

■四者ゼロ和解は弁護士に相談すべき3つの理由

四者ゼロ和解を行う際は、以下の3つの理由から弁護士に相談することをオススメします。

  • 専門的な知識に基づいた対応ができる
  • 配偶者と不倫相手が連絡を取らなくて済む
  • 書面の作成をサポートしてもらえる

今回の記事が、「四者ゼロ和解とは何か」の疑問を解決し、ダブル不倫の問題に直面している方の参考になれば幸いです。

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