仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求する4つの方法と注意点を解説
この記事を読んで理解できること
- 仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求できる
- 仮面夫婦の不倫問題の注意点
- 不倫の慰謝料相場と慰謝料を請求する4つの方法
あなたは、
- 仮面夫婦でも不倫になるのか知りたい
- 仮面夫婦でも不倫の慰謝料を請求したい
- 仮面夫婦でも不倫は許せないから離婚したい
などとお考えではないですか?
結論から言うと、仮面夫婦でも配偶者以外の第三者と肉体関係を持った場合は、不貞行為にあたるため慰謝料を請求できる可能性が高いです。
また、不貞行為は、裁判で認められる離婚理由(法定離婚事由)にあたるため、不倫した配偶者に対して離婚を求めることができます。
そもそも仮面夫婦とは、実際は冷え切った夫婦関係であっても、子供や友人、親戚、周囲の人の前ではお互いに「仲の良い夫婦」を演じている夫婦のことをいいます。
お互いに夫婦としての愛情や興味はなくても、子どものためや経済的安定のため、またお互いの世間体を気にして共同生活を続けています。
そのため、夫婦関係が破綻しているという思いから、不倫に走るケースや、なかには相手の不倫を黙認しているケースもあります。
そこでこの記事では、
1章では、仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求できることを、
2章では、仮面夫婦の不倫問題の注意点を、
3章では、不倫の慰謝料相場と慰謝料を請求する4つの方法
について解説します。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。
1章:仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求できる
夫婦間の愛情が冷め切った仮面夫婦でも、婚姻関係を続けている以上は、不倫はNGであり慰謝料請求できる可能性が高いです。
- 仮面夫婦でも不倫は許されない
- 不倫した配偶者と不倫相手に慰謝料請求できる
それぞれ解説します。
1-1:仮面夫婦でも不倫は許されない
仮面夫婦であっても、不倫して配偶者以外の第三者と肉体関係を持った場合は、不貞行為にあたります。
たとえ夫婦としての愛情もなくセックスレスの状態であったとしても、法律上は婚姻関係を継続しているため、不倫は許されません。
お互いに相手のプライベートに関心がなく、異性との交際を黙認しているに近い場合であっても、明確な同意がない限りは不貞行為が認められる可能性が高いです。
1-2:不倫した配偶者と不倫相手に慰謝料請求できる
仮面夫婦であっても、配偶者の不倫(不貞行為)が認められる場合は、配偶者と不倫相手に対して慰謝料を請求できます。
不倫の慰謝料を請求できる条件としては、不貞行為が行われたことを証明する証拠が必要です。
不貞行為の証拠として認められる可能性があるのは、次のものです。
- 肉体関係を示す写真や動画
- 2人でホテルや自宅に出入りしている写真や動画
- メールやLINEのやりとり
- ラブホテルの支払い履歴
- 配偶者か不倫相手どちらかが不倫を認めた音声
- 探偵の調査報告書
また、集めた証拠で不倫を立証できるかわからない場合でも、複数の証拠を組み合わせることで不倫を証明できるケースもあります。
2章:仮面夫婦の不倫問題の注意点
仮面夫婦の不倫問題の注意点は、次の2つです。
- 不倫が原因で仮面夫婦になった場合は時効に注意する
- 婚姻関係が破綻しているとみなされる場合がある
それぞれ解説します。
2-1:不倫が原因で仮面夫婦になった場合は時効に注意する
不倫が原因で仮面夫婦になった場合は、慰謝料請求の時効に注意する必要があります。
慰謝料請求の時効について具体的には、以下の条件があります。
- 不倫の事実や不倫相手を知ってから3年間
- 不倫が行われてから20年間
この期限を過ぎてしまうと、不倫の相手方に慰謝料を請求できなくなってしまいます。
「仮面夫婦でも不倫は許せない、慰謝料を請求したい」
と決めた場合は、証拠の確保などの行動をすぐに行いましょう。
2-2:婚姻関係が破綻しているとみなされる場合がある
仮面夫婦で婚姻関係が破綻しているとみなされた場合は、不倫の慰謝料請求が認められない可能性があります。
婚姻関係の破綻とは、離婚に向けた訴訟手続を進めていたり、すでに離婚を前提に長期間別居している状態などを言います。
不倫の慰謝料は、不貞行為によって夫婦関係が壊され精神的苦痛を味わったことに対する賠償となるため、すでに夫婦関係が破綻していた場合は、損害が発生しないため慰謝料請求は認められません。
3章:不倫の慰謝料相場と慰謝料を請求する4つの方法
この章では、不倫・離婚の慰謝料相場と、慰謝料を請求する4つの方法について解説します。
3-1:不倫の慰謝料相場
不倫の慰謝料相場は、不倫が発覚した後の夫婦関係によって、次の図のような相場となっています。
それぞれ解説していきます。
3-1-1:夫婦関係は継続している場合(50万円~100万円)
不倫が発覚した後も夫婦が同居し夫婦関係を継続している場合、不倫慰謝料の相場は50万円~100万円になります。
不貞行為の後に夫婦関係の修復がみられるため、夫婦関係が破綻してしまった場合に比べると、慰謝料の金額は低くなることが多いです。
ただし最近の傾向としては、100万円を超える不倫慰謝料を認める判例も多くなっています。
3-1-2:不倫が原因で別居した場合(100万円~200万円)
不倫が発覚した後に夫婦が別居した場合、不倫慰謝料の相場は100万円~200万円になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大で別居に至ったと考えられるためです。
3-1-3:不倫が原因で離婚した場合(150万円~300万円)
不倫が発覚した後に夫婦が離婚した場合、不倫慰謝料の相場は150万円~300万円になります。
不倫の後も夫婦関係を継続している場合に比べて、不貞行為が夫婦関係に与えた影響が重大であるため、精神的なショックも大きく離婚に至ったと考えられるためです。
3-2:慰謝料を請求する4つの方法
慰謝料を請求する方法としては、次の4つがあげられます。
- 書面の送付(内容証明郵便)による請求
- 不倫相手・配偶者との話し合いによる請求
- 不倫の慰謝料の民事訴訟による請求
- 離婚の慰謝料の調停・訴訟による請求
それぞれ解説していきます。
3-2-1:書面の送付(内容証明郵便)による請求
不倫相手に慰謝料を請求する方法としては、一般的には内容証明郵便で慰謝料請求書を送付します。
内容証明郵便で送付することで、誰が誰に対してどんな内容でいつ送付したのか証明することができるため、慰謝料の支払いを促し言い逃れを防ぐことができます。
さらに、弁護士から慰謝料請求書を送ることで、相手に対してプレッシャーを与えることができます。
内容証明郵便による慰謝料請求書の送付で、不倫相手が支払いに応じた場合は、不倫問題も解決することになります。
3-2-2:配偶者・不倫相手との話し合いによる請求
配偶者や不倫相手との対面による話し合いによって、不倫慰謝料や離婚慰謝料を請求する方法もあります。
慰謝料の話し合いで、金額や支払い方法、支払期日が決まり交渉がまとまった場合、分割の回数が多いときなどは合意書を公正証書にすることをおすすめします。
公正証書とは、公証役場において法務大臣に任命された公証人が作成し、その合意書の内容を証明する公文書のことです。
公正証書にすることによって、相手の支払いが約束に反した場合は、裁判手続きを取ることなく給料や財産を差し押さえることもできます。
3-2-3:不倫の慰謝料の民事訴訟による請求
不倫相手との慰謝料交渉によって合意が得られなかった場合は、民事訴訟によって慰謝料を請求することができます。
裁判所に対して訴状及び証拠等を提出し、不倫相手と争うことになりますが、裁判の途中で裁判官のすすめによって和解が成立することも多く、最終的には裁判官の判断によって慰謝料の金額等が決められます。
民事訴訟の手続きは複雑で、提出する書類等も多いため、手続きをスムーズに進めて、さらに公判を有利に進めるためには、弁護士に依頼することをオススメします。
3-2-4:離婚の慰謝料の調停・訴訟による請求
夫婦間の話し合い(協議)がうまくいかなかった場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。
離婚調停では、裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。
夫婦双方が離婚や離婚慰謝料に合意した場合は、合意した内容が調停調書に記載され、調停離婚が成立することなります。
離婚調停で夫婦の合意ができない場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、裁判所の判決によって離婚(裁判離婚)を成立させることができます。
裁判離婚が認められるためには、ここまで解説してきた法律上離婚の訴えが認められる事由(理由・原因)が必要となりますが、夫婦の合意は必要なく裁判所からの離婚判決が確定することで離婚となります。
また、裁判の過程において、和解によって離婚が成立する場合もあります。
裁判離婚の場合は、法廷で争うことになるので、不利益な判決を避けるためには弁護士への依頼をオススメします。
まとめ:仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求できる
この記事の内容をまとめます。
■仮面夫婦でも不倫はNG!慰謝料請求できます。
■仮面夫婦の不倫問題の注意点
- 不倫が原因で仮面夫婦になった場合は時効に注意する
- 婚姻関係が破綻しているとみなされる場合がある
■不倫の慰謝料相場
■慰謝料を請求する4つの方法
- 書面の送付(内容証明郵便)による請求
- 不倫相手・配偶者との話し合いによる請求
- 不倫の慰謝料の民事訴訟による請求
- 離婚の慰謝料の調停・訴訟による請求
仮面夫婦でも不倫は許されません。
婚姻関係を続けている以上は、不倫の慰謝料を請求できる可能性が高いです。
個々の内容をしっかりと理解して、今後の行動に役立ててください。