不倫慰謝料を踏み倒せるか|踏み倒せるケースと踏み倒せないケースも
この記事を読んで理解できること
- 不倫慰謝料の「支払い義務がない」ケース
- 不倫慰謝料の「支払い義務がある」ケース
- 不倫慰謝料を踏み倒すことで起こりうる5つのリスク
- 不倫慰謝料を支払えない場合の対処法3つ
- 不倫慰謝料を踏み倒されないようにするための予防策7つ
あなたは、
- 不倫慰謝料は踏み倒せるのか知りたい
- 不倫慰謝料を踏み倒したらどうなるのか知りたい
- 不倫慰謝料を踏み倒されないようにする予防策を知りたい
などとお考えではありませんか?
支払えない金額の慰謝料を請求された場合、踏み倒せるのかと悩んでしまいますよね。
また、慰謝料を請求したが、不倫相手に踏み倒されないかと不安を抱える方もいるでしょう。
結論として、不倫慰謝料を踏み倒すのはオススメできません。
なぜなら、不倫慰謝料の請求を無視して踏み倒そうとすると、請求側から裁判を起こされたり、さらなる怒りからトラブルに発展したりするリスクがあるからです。
ただ、不倫慰謝料を支払う義務がないケースもあります。
それは以下の4つです。
- そもそも不倫していない場合
- 不倫相手が既婚者とは知らなかった場合
- もともと夫婦関係が破綻していた場合
- 不倫慰謝料請求の時効が成立している場合
それに対して、不倫慰謝料の支払い義務があるケースは以下の2つです。
- 不倫していた場合
- 不倫慰謝料を支払うことに合意した場合
この記事を読めば、不倫慰謝料の支払い義務がないケースとあるケース、不倫慰謝料を踏み倒すことで起こりうるリスク・考え方を今後の対応の参考にできます。
また、不倫慰謝料を支払えない場合の対処法や踏み倒されないための予防法についても記載しており、今すぐ実践できるでしょう。
さらにこの記事では、
1章で不倫慰謝料の「支払い義務がない」ケース、
2章で不倫慰謝料の「支払い義務がある」ケース、
3章で不倫慰謝料を踏み倒すことで起こりうる5つのリスク、
4章で不倫慰謝料を支払えない場合の対処法3つ、
5章で不倫慰謝料を踏み倒されないようにするための予防策7つについて、詳しく解説します。
この記事を読んで、不倫慰謝料の踏み倒しへの適切な対応を取りましょう。
※各章は基本的に独立しています。
そのため、不倫慰謝料を踏み倒したい方は3章と4章、踏み倒されたくない方は5章といった、あなたの悩みに合わせて読みたいところを読んでみてください。
目次
1章:不倫慰謝料の「支払い義務がない」ケース
不倫慰謝料の「支払い義務がない」ケースは、以下のとおりです。
- そもそも不倫していない場合
- 不倫相手が既婚者とは知らなかった場合
- もともと夫婦関係が破綻していた場合
- 不倫慰謝料請求の時効が成立している場合
それぞれ説明します。
1-1:そもそも不倫していない場合
不倫の事実がない場合は、慰謝料を支払う義務はありません。
たとえば、仕事の関係で食事をした際に、たまたま間の悪いタイミングを目撃され、不倫だと誤解されたケースなどが該当するでしょう。
しかし、本当に不倫していないケースもあれば、「不倫は誤解だ」と嘘をついて言い逃れをするケースもあります。
また、肉体関係がなくても、婚姻関係が破綻するほど不倫相手と親密な関係があった場合には、不倫慰謝料の支払い義務を負う可能性があります。
いずれにしても、不倫を立証できる証拠があるかどうかが重要です。
1-2:不倫相手が既婚者とは知らなかった場合
既婚者とは聞かされておらず、不倫相手が独身だと信じていた場合は、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。
なぜなら、故意による不倫ではないからです。
ただし、左手薬指に指輪をしていたのに独身だと信じていた場合など、既婚者だと気付ける余地があった場合は「過失がある」とされる可能性があります。
このような場合は、慰謝料の支払いを拒否できない可能性が高いです。
1-3:もともと夫婦関係が破綻していた場合
もともと夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。
なぜなら、不倫で慰謝料請求ができるのは、以下のような場合に限られるためです。
- 夫婦関係を破綻させる原因となった
- 不倫された側に精神的苦痛を与えた
そのため、不倫関係が始まる前から夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。
1-4:不倫慰謝料請求の時効が成立している場合
不倫慰謝料を請求する権利には、時効があります。
以下の2つを満たしている場合、慰謝料を支払う義務はありません。
- 請求者が不貞行為を知った日から3年
- 不貞行為があった日から20年
ただし、時効はケースバイケースで異なるため、弁護士に相談して確認することをオススメします。
【コラム】不倫慰謝料請求の無視をするのはやめよう
上記のような支払い義務がないケースに該当する場合でも、慰謝料請求を無視するのはリスクがあります。
請求側は、すでに怒りや悲しみを抱えている状態です。
そのため、無視をすると裁判を起こされたり、さらなる怒りからトラブルに発展したりするリスクがあるのです。
支払い義務がない場合でも、相手方と話し合いで解決できるよう、何らかの対応をしましょう。
示談交渉に不安がある場合は、弁護士に相談するのがオススメです。
2章:不倫慰謝料の「支払い義務がある」ケース
不倫慰謝料の「支払い義務がある」ケースは、以下のとおりです。
- 不倫していた場合
- 不倫慰謝料を支払うことに合意した場合
それぞれ説明します。
2-1:不倫していた場合
不倫を立証する証拠があり、不貞行為と認められれば、慰謝料を支払う義務が発生します。
不倫慰謝料を踏み倒そうとして「反省の気持ちがない」と判断された場合は、慰謝料が高額となる可能性もあります。
2-2:不倫慰謝料を支払うことに合意した場合
支払いに合意した時点で支払い義務が生じます。
たとえ口約束であっても、口頭で合意する意思があったのであれば、書面と同じ効力が認められます。
しかし、言った・言わないといったトラブルになる場合もあるため、書面で合意を得るのが確実です。
また、1度合意したにもかかわらず慰謝料の支払いを踏み倒そうと場合は、差し押さえなどの法的措置を取られる可能性があります。
3章:不倫慰謝料を踏み倒すことで起こりうる5つのリスク
不倫慰謝料を踏み倒すことで起こりうるリスク、以下の5つです。
- 裁判を起こされる
- 裁判で不利になる
- 差し押さえをされる
- 職場にバレる
- 遅延損害金が発生する
それぞれ説明します。
3-1:裁判を起こされる
慰謝料を踏み倒そうとすると、相手方としては示談での解決が難しいと判断し、裁判を起こされる場合が多いです。
裁判を起こして対応せざるを得ない状況にするというわけです。
裁判を起こされても引き続き踏み倒そうとすると、相手方の請求がすべて認められてしまいます。
3-2:裁判で不利になる
初回の慰謝料請求に対して、踏み倒そうという態度は「反省の気持ちがない」と判断されます。
したがって、裁判においても慰謝料が増額するなど、不利な状況につながる可能性が高いです。
3-3:差し押さえをされる
示談交渉で合意をした場合や、裁判で判決が下った場合は、慰謝料を踏み倒すことはできません。
慰謝料を支払う義務が発生しているにもかかわらず踏み倒そうとした場合は、強制執行で給料などから差し押さえをされる可能性があります。
3-4:職場にバレる
請求された側が会社などに勤務している場合は、確実に回収できる給料から差し押さえをされるケースが多いです。
したがって、必然的に職場にバレてしまいます。
3-5:遅延損害金が発生する
遅延損害金とは、支払いが遅れたことによる賠償金のことです。
■遅延損害金の基本的な計算式
踏み倒そうとした金額×利率÷365×遅延日数
遅延損害金の利率は、以下の2種類があります。
- 当事者同士の話し合いで決める「約定利率」
- 法律に定められている「法定利率」
慰謝料が高額な場合や、支払いが遅れている期間によっては大きな金額となる可能性があります。
【速報】元嫁と不倫相手から慰謝料が入金されました🎊
— ユキト@バツイチ投資家 (@yukito_ueful) November 1, 2022
判決は220万強ですが遅延損害金で10万ほど増えました。年利3%の非課税で回ってたので株なら中々いい利回り...笑
弁護士報酬支払っても200万弱残るので何を買おうか迷ってます。不倫慰謝料のオススメの使い方があれば皆さんアドバイスください😂笑 https://t.co/tF8ueOXOqg pic.twitter.com/Wjsuyo1Yjz
示談書などにサインしている場合は、遅延損害金に関する項目がないか見直してみましょう。
4章:不倫慰謝料を支払えない場合の対処法3つ
不倫慰謝料を踏み倒すのは3章で先述したようなリスクがあるため、オススメしません。
しかし、支払えない場合の対処法として以下の3つがあります。
- 減額要求をする
- 分割払い要求をする
- 弁護士に相談する
それぞれ説明します。
4-1:減額要求をする
以下のような場合は、減額してもらえる可能性があります。
- 慰謝料金額が相場(50万~300万円)を大幅に超えている場合
- 不貞行為(肉体関係)の回数が少ない場合
- 真摯に受け止めて反省している場合
減額は、請求側にとってデメリットです。
そのため、交渉方法が大きく影響します。
減額交渉は交渉のプロである弁護士に依頼することで、成功率を上げられるでしょう。
4-2:分割払い要求をする
不倫慰謝料は、原則一括払いです。
しかし、慰謝料は高額な場合も多く、資力がないなどの理由から分割払いを受け入れてもらえるケースもあります。
請求者としても、あなたからまったくお金を請求できないよりは「毎月少しずつでも回収できる方が良い」と考えるためです。
分割払いには相手方の合意が必要です。
分割払い交渉について不安がある場合は、弁護士に相談して、専門的なアドバイスを受けましょう。
4-3:弁護士に相談する
減額や分割払いは、相手方の合意がなければできません。
また、減額や分割払いに応じることは、請求側にとってデメリットです。
そのため、交渉の仕方が大きく影響します。
減額や分割払いの交渉に不安がある場合は、交渉のプロである弁護士に依頼することで、成功率を上げられるでしょう。
【コラム】自己破産はリスクが高いのでおすすめしない
慰謝料を支払えない場合に、最終手段として自己破産を検討する方もいるでしょう。
自己破産をすることで、慰謝料の支払いは免責となる可能性があります。
しかし、個々の状況によっては支払い義務が残る場合もあり、非常にリスクの高い行為です。
どうしても自己破産をしたい場合は、弁護士に相談してからにしましょう。
5章:不倫慰謝料を踏み倒されないようにするための予防策7つ
この章では、不倫慰謝料を踏み倒されないようにするための予防策について解説します。
それは以下のとおりです。
- 親族に立て替えてもらうことを提案する
- 請求額を一括で払える額に減額する
- 分割払いに応じる
- 分割払いでは細かくルールを定める
- 連帯保証人をつけてもらう
- 示談後は「公正証書」を作成する
- 弁護士に相談する
それぞれ説明します。
5-1:親族に立て替えてもらうことを提案する
基本的に、不倫慰謝料の支払い義務があるのは不倫をした当事者のみです。
しかし、親が「自発的に支払う」ことは問題ありません。
そのため、相手方に提案してみるのも1つの手段です。
親などの親族に立て替えてもらえれば、踏み倒されるリスクを回避できます。
ただし、無理に要求すると脅迫や強要になるため、あくまで「任意」という点に注意しましょう。
5-2:請求額を一括で払える額に減額する
金額が下がることで、踏み倒されずに一括で支払ってもらえる場合もあるため減額することも考えてみましょう。
減額するメリットとしては、以下のとおりです。
- 分割払いにして後々踏み倒されるリスクを回避できる
- 不倫相手との関係を長引かせずに断ち切れる
ただ、あまりにも下げすぎると後悔する可能性があるため、相場の範囲内でじっくりと検討したうえで合意することが大切です。
5-3:分割払いに応じる
示談で解決する場合には、分割払いに応じることも可能です。
※裁判となった際の慰謝料の支払い方法は「一括払いのみ」です。
不倫相手に貯金がない、収入が低いなどの事情がある場合は、一括払いよりも分割払いの方がより多くの慰謝料を受け取れる可能性があります。
5-4:分割払いでは細かくルールを定める
分割払いでは長期に渡って支払ってもらうため、途中で踏み倒されるリスクがあります。
そのため、分割払いで合意する際には、以下のような細かいルールを定めるようにしましょう。
- 支払いが1週間遅れたら強制執行をする
- 支払いが遅れたら遅延損害金を支払う
- 支払いが遅れたら分割払いの権利を失い、残金を一括払いで支払う
上記のようなルールを定めておくことによって、踏み倒されるリスクを減らせます。
5-5:連帯保証人をつけてもらう
連帯保証人になる候補者から、連帯保証人になることに同意を得た場合は、不倫慰謝料の連帯保証人をつけることが可能です。
連帯保証人をつけることで、当事者からの支払いが止まった場合に、連帯保証人に請求できます。
以下のような場合に有効な手段です。
- 当事者が不倫慰謝料を踏み倒そうとしている場合
- 当事者の支払い能力が乏しい場合
- 分割払いに応じる場合
ただし、同意を得た場合にのみ使える方法だという点に注意しましょう。
5-6:示談後は「公正証書」を作成する
公正証書とは、法律に従って作成する裁判と同等の効力がある文書のことです。
なおかつ、公正証書の中でも「執行認諾文言付き公正証書」を作成しておけば、踏み倒された場合でもすぐに差し押さえなどの対応が取れます。
裁判を起こさずに強制執行が可能なため、示談後は「執行認諾文言付き公正証書」を作成しましょう。
5-7:弁護士に相談する
踏み倒されそうな場合に弁護士に相談すると、以下のようなメリットがあります。
- こちらの本気度が伝わり、踏み倒されるリスクが減る
- 直接交渉しなくて良いため、精神的負担をかなり軽減できる
- 減額や分割払いでも、こちらに有利な条件で合意できる可能性が高まる
- より高額な不倫慰謝料を回収できる可能性が高まる
- 正確な公正証書を作成してもらえるので、後になって踏み倒されるリスクを軽減できる
- 裁判となった場合に代理人を任せられる
馬鹿だから
— サレ妻 ◉ みみ (@pompom_12345) February 17, 2024
その後も2人は関係を続けており
車につけたGPSで
色々と自分で調査して
まとまった上で探偵さん、弁護士さんに依頼
不倫女からは慰謝料も取れたし
公正証書も作成できたし
探偵費用等は 旦那から全額回収したし
よかったなと思う🙆♀️
こちらの投稿にも見られるように、弁護士に依頼することで、事態が好転しやすいです。
不倫慰謝料を踏み倒されそうな場合は、不倫問題に詳しい弁護士に相談しましょう。
まとめ:不倫慰謝料の踏み倒しで困った場合は弁護士に相談しよう
不倫慰謝料の請求を無視して踏み倒そうとすると、請求側から裁判を起こされたり、トラブルに発展したりするリスクがあるためオススメしません。
ただ、不倫慰謝料を支払う義務がないケースもあります。
それは以下の4つです。
- そもそも不倫していない場合
- 不倫相手が既婚者とは知らなかった場合
- もともと夫婦関係が破綻していた場合
- 不倫慰謝料請求の時効が成立している場合
それに対して、不倫慰謝料の「支払い義務がある」ケースは以下の2つです。
- 不倫していた場合
- 不倫慰謝料を支払うことに合意した場合
「支払い義務がない」ケースに該当していても、請求書の内容を確認し、何らかの回答をしましょう。
慰謝料を請求する側は、相手方から踏み倒されないように、なるべく相場の範囲内かつ一括払いで受け取りましょう。
慰謝料を支払う側も受け取る側も、踏み倒しで困ったときは弁護士に相談することをオススメします。
相手方との交渉も任せられるため、精神的な負担をかなり軽減できます。
あなたが今感じている、不倫慰謝料に対する不安も軽くなるはずです。