養育費の連帯保証人のメリットと4つの条件や注意点を弁護士が解説

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

養育費の連帯保証人のメリットと4つの条件や注意点を弁護士が解説
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 養育費の連帯保証人とメリット
  • 養育費に連帯保証人をつけるための4つの条件
  • 養育費の連帯保証人をつける際の注意点
  • 養育費に連帯保証人をつけられない場合の対処法


あなたは、

  • 養育費に連帯保証人をつけられるの?
  • 養育費に連帯保証人をつけるメリットを知りたい
  • 養育費に連帯保証人をつける方法や条件を知りたい

などとお考えではありませんか?

養育費に連帯保証人をつけることは、養育費の未払いを予防するために有効な手段です。

なぜなら、連帯保証人をつけていれば、養育費の未払いが生じたときに、本人に代わって養育費を支払ってもらえるからです。

養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用であり、離婚により親権者でなくなった親には支払い義務があります。

しかし、離婚後に子どもの親権を持つ親は、養育費について取り決めをしていても、養育費を受け取れてないケースもあるのが実情です。

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そこで、この記事では、

1章では、養育費の連帯保証人とメリット

2章では、養育費に連帯保証人をつけるための4つの条件

3章では、養育費の連帯保証人をつける際の注意点

4章では、養育費に連帯保証人をつけられない場合の対処法

について詳しく解説します。

この記事を読んで、養育費に連帯保証人をつける際のメリットや条件、注意点と保証人をつけられない場合の対処法をよく理解してください。

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1章:養育費の連帯保証人とメリット

養育費に連帯保証人をつけることは、養育費の未払いの予防対策になります。

また、万が一、養育費が未払いになった場合は、連帯保証人に養育費の支払いを請求することで、養育費を回収することができます。

ただし、裁判所では養育費に連帯保証人をつける手続きは行っていないため、連帯保証人をつける場合は任意で交渉しなければなりません。

  • 連帯保証人の同意が得られればつけられる
  • 養育費に連帯保証人をつけるメリット

それぞれ解説します。

1-1:連帯保証人の同意が得られればつけられる

養育費に連帯保証人をつける場合、連帯保証人の同意が得られればつけることができます。

しかし、養育費は親権を持たない親の義務であり、本来は第三者に引き受けてもらうことはできません。

そのため、養育費に連帯保証人をつけることは、法律上では一般的ではないのです。

とはいえ、連帯保証人と養育費を受け取る権利者の間で同意があれば、連帯保証人をつけることができます。

1-2:養育費に連帯保証人をつけるメリット

養育費に連帯保証人をつけることで、権利者は養育費の未払いのリスクを減らすことができます。

万が一、未払いが生じたとしても、連帯保証人に養育費の支払いを請求すれば回収することができるからです。

養育費をきちんと受け取れる環境が整うことで、離婚後の生活に対する不安も軽減できるでしょう。

養育費を支払う義務者も、連帯保証人をつけることで自身の支払能力を高めることができます。

また、養育費の支払いに関する不安を払拭することで、離婚や離婚条件に合意を得やすくなる可能性もあるでしょう。

2章:養育費に連帯保証人をつけるための4つの条件

養育費に連帯保証人をつけるときは、口頭でのやり取りではなく、法的効力が生じる書面での契約が必要です。

また、連帯保証人に養育費を弁済するだけの資力があることも重要なポイントになります。

養育費に連帯保証人をつける際には、主に次の4つの条件があげられます。

  • 連帯保証人に弁済能力があること
  • 権利者と連帯保証人の間で契約すること
  • 公正証書など書面で契約し限度額を記載すること
  • 主債務者から連帯保証人に情報提供すること

それぞれ解説します。

2-1:連帯保証人に弁済能力があること

連帯保証人になる人は、養育費の弁済能力があることが重要な条件です。

なぜなら、養育費を支払うだけの資力がなければ、連帯保証人になってもらう意味がないからです。

主債務者の親族などが連帯保証人になるケースが多いですが、18歳以上の成年者であっても、ある程度の弁済能力があることが連帯保証人になる条件となります。

2-2:権利者と連帯保証人の間で契約すること

養育費に連帯保証人をつける際に、連帯保証人から同意を得られた場合は、養育費を支払う主債務者ではなく、連帯保証人と権利者の間で契約する必要があります。

連帯保証人をつける場合、任意での交渉となりますが、主債務者が親族の名前を借りるなどして、勝手に連帯保証人にすることはできません。

保証契約を成立させるためにも、権利者と連帯保証人との間で契約しなければならないのです。

2-3:公正証書など書面で契約し限度額を記載すること

 

連帯保証契約は、口約束だけでは契約が成立しないため、公正証書など法的効力がある書面で、契約を取り交わすことが重要です。

公正証書を作成することにより、上記のポスト

「最終的には連帯保証人であった人の預貯金が差押えという事態が身近に起きた。」

のように、養育費が支払われなかった場合に預金債権の差押えといった強制執行が可能になります。

また、連帯保証の条項に限度額も忘れずに記載してください。

なぜなら、養育費の支払いが長期間になった場合、限度額の定めがないと連帯保証人の負担が大きくなるからです。

また、養育費の連帯保証契約が、個人根保証契約にあたる場合、限度額を定めることで効力を発揮するためでもあります。

2-4:主債務者から連帯保証人に情報提供すること

連帯保証人と権利者が個人根保証契約をする際は、主債務者から連帯保証人に対し、主債務者の経済状況を情報提供することが義務付けられています。

もしも、主債務者が正しい経済状況を提供しなかった場合は、連帯保証契約が取り消しになる可能性があるので注意が必要です。

ただし、情報提供の内容を書面に記載することまでは義務付けられていないものの、連帯保証契約の取り消しを防止する目的で、書面に記載しておくほうが安心できるでしょう。

3章:養育費の連帯保証人をつける際の注意点

養育費の連帯保証人をつける際は、連帯保証人に対する交渉を強制できないなど、いくつか注意点があります。

主債務者が死亡した場合は、連帯保証契約そのものが消滅するか相続されることもあるため、これらの注意点を理解して契約しなければなりません。

  • 主債務者の親に頼むケースが多いが強制はできない
  • 主債務者が死亡した場合は連帯保証債務が消滅または相続される
  • 主債務者が選んだ第三者と簡単に契約しない

それぞれ解説します。

3-1:主債務者の親に頼むケースが多いが強制はできない

養育費の連帯保証人には、主債務者の親族などがなることが多いですが、法律上では親族が必ず連帯保証人にならなければならない定めはないため、強制することはできません。

あくまでも、主債務者が親族に対し、連帯保証人になってくれるようお願いをして、同意を得られた場合に成立する保証契約なので、基本的には強引な交渉はできません。

3-2:主債務者が死亡した場合は連帯保証債務が消滅または相続される

養育費に連帯保証人をつけた後に、主債務者が死亡した場合、連帯保証債務は消滅します。

なぜなら、養育費の支払い義務は、主債務者の義務であるため、本人が亡くなった場合は消滅してしまうからです。

同時に、連帯保証債務も消滅します。

そのため、主債務者が死亡したあとは、連帯保証人となっていた親族が存命だったとしても、養育費の請求はできなくなります。

また、連帯保証人が主債務者よりも先に死亡した場合、原則として連帯保証債務は相続人に相続されます。

相続される場合は、相続人に弁済能力があることが求められるため、相続人に弁済能力がない場合、連帯保証債務が相続されない場合もあります。

3-3:主債務者が選んだ第三者と簡単に契約しない

養育費の連帯保証人の候補には、主債務者の親族以外に、主債務者が選んだ第三者の場合もありますが、主債務者が選んだからといって簡単に契約することはオススメしません。

なぜなら、連帯保証人には、養育費を支払うだけの弁済能力が必要だからです。

主債務者の親族以外の第三者が連帯保証人の候補にあがった場合、弁済能力を証明できる書類の提出を求めるなど、信用できる人かを確認することが重要です。

4章:養育費に連帯保証人をつけられない場合の対処法

養育費の連帯保証人をつけられない場合は、養育費の支払いについての取り決めを、公正証書で作成するなどの対応が必要です。

なぜなら、養育費は親権を持たない親の義務であり、公正証書なら法的効力もあるためです。

そのほか、近年では養育費保証サービスが登場し、主債務者が養育費を支払わない場合に、立て替え払いをしてくれるケースもあります。

養育費に連帯保証人をつけられない場合は、主に次のような対処法があります。

  • 養育費の支払いを公正証書で作成する
  • 養育費保証サービスを検討する
  • 弁護士に相談する

それぞれ解説します。

4-1:養育費の支払いを公正証書で作成する

主債務者と権利者の間で、取り決めた養育費の内容は、公正証書(強制執行認諾文言付公正証書)を作成しておくことがオススメです。

毎月の金額や支払い期限に加え、支払いが滞ったときは、強制執行による財産の差押えを認める内容を、記載することがポイントになります。

公正証書とは、契約の成立や文書の事実について、法務大臣より任命された公証人が作成する「公文書」です。

養育費に関する取り決めの場合は、主債務者と権利者の間で合意した内容を、公証人が双方に確認したうえで作成するため高い証明力があります。

また、主債務者が養育費の支払いをしなかった場合は、強制執行による財産の差押えができるため、養育費に連帯保証人をつけられなかった場合の対処法としても有効な手段です。

4-2:養育費保証サービスを検討する

養育費保証サービスは、主債務者が養育費を支払わなかったときに、保証会社が立て替え払いをするサービスです。

利用する際は手数料がかかりますが、確実に養育費を受け取れるので、連帯保証人がつけられない場合にも適しています。

また、権利者が主債務者と直接やり取りしなくてもよいことや、自治体によっては初回保証料に対する補助金を受けられるなど、権利者にメリットがあることも魅力です。

4-3:弁護士に相談する

養育費に連帯保証人をつけられない場合は、弁護士に相談することもひとつの方法です。

主債務者やその親族が連帯保証人をつけることに反対している場合は、弁護士が間に入って交渉してもらいましょう。

また、連帯保証人をつけずに公正証書を作成する場合でも、サポートしてもらえます。

養育費の金額はもちろん、公正証書に記載すべき内容なども適切なアドバイスをしてもらえるでしょう。

まとめ:同意が得られれば養育費に連帯保証人はつけられる

■養育費の連帯保証人とメリット

  • 連帯保証人の同意が得られればつけられる
  • 養育費に連帯保証人をつけるメリット

■養育費に連帯保証人をつけるための4つの条件

  • 連帯保証人に弁済能力があること
  • 権利者と連帯保証人の間で契約すること
  • 公正証書など書面で契約し限度額を記載すること
  • 主債務者から連帯保証人に情報提供すること

■養育費の連帯保証人をつける際の注意点

  • 主債務者の親に頼むケースが多いが強制はできない
  • 主債務者が死亡した場合は連帯保証債務が消滅または相続される
  • 主債務者が選んだ第三者と簡単に契約しない

■養育費に連帯保証人をつけられない場合の対処法

  • 養育費の支払いを公正証書で作成する
  • 養育費保証サービスを検討する
  • 弁護士に相談する

この記事の内容を参考にして、養育費に連帯保証人をつけるときや、連帯保証人をつけられないときに役立ててください。

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