不倫慰謝料を強制執行で差し押さえる3つの条件と財産の種類や注意点

監修者

弁護士法人新橋第一法律事務所
代表弁護士 住川 佳祐

不倫慰謝料を強制執行で差し押さえる3つの条件と財産の種類や注意点
チェック
この記事を読んで理解できること
  • 不倫慰謝料の未払いを強制執行できる3つの条件
  • 強制執行で差し押さえできる財産
  • 強制執行で差し押さえできない財産
  • 強制執行(差し押え)までの流れ
  • 不倫慰謝料を強制執行する際の注意点

あなたは、

  • 不倫慰謝料の未払いを強制執行で回収できるか知りたい
  • 強制執行で差し押さえできる財産はなにか知りたい
  • 不倫慰謝料を強制執行で回収する場合の流れとは?

などとお考えではありませんか?

不倫慰謝料を支払ってもらえない場合、強制執行による財産の差し押さえにより不倫慰謝料を回収できます。

相手方に十分な支払い能力がない場合でも、金銭以外の財産を含めて強制的に回収し、そのなかから不倫慰謝料を回収できます。

ただし、強制執行は公権力による強制的な回収方法である一方で、不倫慰謝料の支払い義務を証明できる書面や、相手方の財産状況の把握など、条件を満たしていない場合は申し立てできません。

そこで、この記事では、

1章では、不倫慰謝料の未払いを強制執行できる3つの条件

2章では、強制執行で差し押さえできる財産

3章では、強制執行で差し押さえできない財産

4章では、強制執行(差し押え)までの流れ

5章では、不倫慰謝料を強制執行する際の注意点

について詳しく解説します。

この記事を読んで、不倫慰謝料の未払いを強制執行で回収する際の財産の種類や、流れ・注意点などをよく理解してください。

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1章:不倫慰謝料の未払いを強制執行できる3つの条件

不倫慰謝料の未払いを強制執行で回収する場合、強制執行の申し立てをするためには、次の3つの条件を満たすことが必要です。

  • 債務名義を取得していること
  • 相手方に慰謝料を支払う財産があること
  • 相手方の住所や財産を把握していること

それぞれ解説します。

1-1:債務名義を取得していること

強制執行の申し立てをするには、債務名義を取得していることが必要です。

債務名義とは、確定判決や調停調書などの、債権とその範囲を公的に証明した文書のことです。

たとえば、裁判で不倫慰謝料の支払いを命じた場合は、確定判決が債務名義になり、調停なら不倫慰謝料の支払いに合意した、調停調書が債務名義になります。

不倫慰謝料の支払いの約束が口頭のみ、もしくは公文書以外で、債務名義となる書面がない場合は、あらためて債務名義を得る必要があります。

相手方に対し、不倫慰謝料の未払いがあった際は、強制執行を申し立てる文言を入れた示談書を公正証書で作成するか、裁判所に不倫慰謝料の支払いを求める申し立てを行い、債務名義を得なければなりません。

1-2:相手方に慰謝料を支払う財産があること

強制執行で不倫慰謝料を回収するためには、相手方に慰謝料を支払うだけの財産があることが必要です。

たとえ、裁判で不倫慰謝料の支払いが命じられたとしても、支払うだけの財産がない人からは、不倫慰謝料を回収できないからです。

1-3:相手方の住所や財産を把握していること

相手方の住所や財産を把握しておくことも、強制執行に踏み切る際の条件です。

なぜなら、財産の差し押さえには、書類の送付など相手方の住所が必要になるためです。

もし、相手方の住所がわからない場合は、本籍地の市役所から戸籍謄本を取り寄せるか、住民票から転居先を確認しておかなければなりません。

また、強制執行をする際には、相手方の差し押さえ対象となる財産を特定して申し立てます。

そのため、相手方の財産も把握しておく必要があるのです。

不倫慰謝料を強制執行で回収する際は、これまでお伝えした3つの条件を満たすことが必要です。

2章:強制執行で差し押さえできる財産

不倫慰謝料を強制執行で回収する場合、差し押さえできる財産を把握しておくことが大切です。

主に、差し押さえの対象となる財産には、次の3つがあげられます。

  • 債権(給与・預貯金)
  • 動産
  • 不動産

それぞれ解説します。

2-1:債権(給与・預貯金)

まず、相手方が保有している債権は、差し押さえの対象になります。

代表的なものでは、勤務先に対する給与債権、金融機関に対する預貯金債権があげられます。

給与債権を差し押さえた場合は、その月の給与だけでなく、不倫慰謝料の全額を回収するまで毎月差し押さえの効力が及ぶことが特徴です。

そのため、相手方が退職しない限りは、毎月の給与から未払いの不倫慰謝料を回収できます。

ただし、預貯金債権の場合は、差し押さえた時点での預貯金残高が対象となる点には注意が必要です。

差し押さえの直前に全額引き出していた場合は、不倫慰謝料を回収できない可能性もあるでしょう。

加えて、差し押さえ以降に入金された預貯金は、差し押さえの対象外となるため、この点にも注意が必要です。

2-2:動産

自動車をはじめとする動産も、差し押さえの対象であり、主な動産には次のようなものがあります。

  • 自動車
  • 現金
  • 宝石類
  • 美術品
  • 骨董品
  • 1か月以内の収穫が確実な農作物
  • 裏書の禁止されていない有価証券(株券・手形・小切手など)

動産は、債権者の生活に必要不可欠なものを除き、幅広いものが差し押さえ対象です。

しかし、美術品や骨董品は、換価を特定することが難しいため、差し押さえの対象にしないケースもあります。

2-3:不動産

債権者が、土地や建物などの不動産を所有している場合は、差し押さえの対象になります。

不動産は比較的、財産としての価値が高いので、競売にかけて売却し売却代金のなかから未払いの不倫慰謝料を回収します。

ただし、抵当権などの担保権がある場合は、差し押さえができたとしても、金融機関の担保権が優先されるため、不動産の価値によっては、不倫慰謝料の回収が難しい場合もあるので注意が必要です。

3章:強制執行で差し押さえできない財産

強制執行は、相手方の財産を強制的に差し押さえることができますが、法では相手方の最低限の生活に考慮して、差し押さえできないものを定めています。

不倫慰謝料の未払いを回収する目的とはいえ、強制執行する際は、差し押さえできない次の2つに注意しなければなりません。

  • 差押禁止動産
  • 差押禁止債権

それぞれ解説します。

3-1:差押禁止動産

差押禁止動産とは、民事執行法131条で定める差し押さえできない動産のことです。

主に、相手方の生活に欠かせない衣類や家財などをはじめ、次のようなものがあげられます。

すべての財産を差し押さえられるわけではなく、相手方の最低限の生活確保に、配慮しなければならないことがわかります。

  • 債権者の生活に欠かせない家電・家財・衣類など
  • 1か月の生活に必要な食料や燃料
  • 66万円までの現金
  • 位牌や仏像など
  • 債権者の身体の補足に必要なもの
  • 生活に欠かせない実印などの印鑑

3-2:差押禁止債権

給与債権は、本来は差し押さえできる債権ですが、相手方の生活に必要な範囲は差し押さえが禁止されています。

慰謝料請求の場合は、次の範囲を超える部分の差し押さえが禁止されます。

  • 手取り月額44万円以下:手取り額の1/4
  • 手取り月額44万円超:手取り額から33万円を引いた金額

このほかでは、社会保障として支給されるものがあたります。

  • 国民年金
  • 厚生年金
  • 生活保護給付金

ただし、これらの社会保障が債権者の口座に振り込まれた場合は、預貯金債権とみなされるため、全額が差し押さえの対象となります。

4章:強制執行(差し押え)までの流れ

対象となる財産を差し押さえる際は、おおまかに次のような流れで手続きを行います。

  1. 相手の住所や財産などを調べる
  2. 裁判所への申し立て書類を準備する
  3. 裁判所に「債権差押命令申立」を行う
  4. 債権差押命令の発令
  5. 相手方の勤務先や金融機関から取り立てをする
  6. 裁判所に取立届を提出する

■相手の住所や財産などを調べる

強制執行の申し立てをする際は、相手方の住所と財産を特定しなければなりません。

住所は戸籍や住民票から調査できますが、元配偶者に対しては取得が困難なため、弁護士に依頼することをおすすめします。

財産については、裁判所の財産開示手続きにより把握できますが、弁護士に依頼する場合は、一緒に調べてもらうとよいでしょう。

■裁判所への申し立て書類を準備する

次に、申し立て書類には次のような種類があります。

  • 債権差押命令申立書
  • 執行力のある債務名義正本
  • 債務名義の送達証明書
  • 資格証明書(法人の場合)

事前に準備しておきましょう。

■裁判所に「債権差押命令申立」を行う

書類を準備したら、相手方の住所を管轄する地方裁判所に債権差押命令の申し立てを行います。

その際、手数料分の収入印紙と郵送するための切手代がかかるので、こちらも裁判所で事前の確認が必要です。

■債権差押命令の発令

債権差押命令の申し立てが受理されると、債権差押命令が発令されます。

債権差押命令は、裁判所から相手方の勤務先や金融機関に送付され、各所から相手方へ債権の支払いが禁止されます。

その後、裁判所から相手方に債権差押命令が送付され、相手方は給与の一部や預貯金を引き出せなくなります。

■相手方の勤務先や金融機関から取り立てをする

債権差押命令発令後は、あなたが自分で相手方の勤務先や金融機関に直接連絡をして不倫慰謝料を取り立てします。

取り立ては、差し押さえを申し立てた本人が行わなければならない点には注意が必要です。

■裁判所に取立届を提出する

不倫慰謝料を全額回収できた場合は、裁判所に取立届を提出し強制執行による差し押さえ手続きは終了します。

5章:不倫慰謝料を強制執行する際の注意点

不倫慰謝料を強制執行する際は、差押禁止の範囲や預貯金を差し押さえるタイミングに注意が必要です。

  • 差押禁止の範囲が広がる可能性がある
  • 預貯金の差押えはタイミングが重要

それぞれ解説します。

5-1:差押禁止の範囲が広がる可能性がある

年金や生活保護費は、預貯金口座に振り込まれた時点で、預貯金債権として差し押さえることができますが、相手方から差押禁止範囲変更の申し立てが行われた場合は注意が必要です。

差押禁止範囲変更が認められた場合、預貯金口座に振り込まれた年金や生活保護費も差押禁止範囲になるためです。

5-2:預貯金の差押えはタイミングが重要

預貯金債権は、差し押さえた時点での残高が対象となるため、口座に残高があるタイミングで差し押さえることが重要です。

もしも、相手方が預貯金を全額引き出した後に差し押さえをした場合、回収できるお金がない可能性もあるでしょう。

そのため、給与や年金の振込日など、相手方の口座に入金されるタイミングで差し押さえる必要があります。

まとめ:不倫慰謝料の未払いは強制執行で回収できる

■不倫慰謝料の未払いを強制執行できる3つの条件

  • 債務名義を取得していること
  • 相手方に慰謝料を支払う財産があること
  • 相手方の住所や財産を把握していること

強制執行で差し押さえできる財産は、給与・預貯金などの債権、動産・不動産。

しかし、差押禁止動産と差押禁止債権が定められているため、相手方のすべての財産を差し押さえることはできません。

■強制執行(差し押え)までの流れ

  1. 相手の住所や財産などを調べる
  2. 裁判所への申し立て書類を準備する
  3. 裁判所に「債権差押命令申立」を行う
  4. 債権差押命令の発令
  5. 相手方の勤務先や金融機関から取り立てをする
  6. 裁判所に取立届を提出する

■不倫慰謝料を強制執行する際の注意点

  • 差押禁止の範囲が広がる可能性がある
  • 預貯金の差押えはタイミングが重要

この記事の内容を参考にして、不倫慰謝料が未払いになったときに強制執行する際に役立ててください。

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