メールだけで不倫になる?慰謝料請求できるケースと証拠の集め方や注意点
この記事を読んで理解できること
- メールだけのやり取りでは一般的に不倫といえない
- メールだけで不倫の慰謝料請求できる3つのケース
- メールで不倫の証拠を集める方法と注意点
- 不倫の証拠がメールだけの場合の対処法
あなたは、
- 異性とのメールだけで不倫になるか知りたい
- 不倫の証拠がメールだけでも慰謝料請求できる?
- メールで不倫の証拠を集める方法を知りたい
などとお考えではありませんか?
配偶者が頻繁にメールのやり取りをしているからといって、一般的には不倫と断定することは難しいです。
なぜなら、メールだけでは、不倫が疑われるメールの内容であっても、肉体関係(不貞行為)を立証する十分な証拠と認められない可能性があるからです。
ただし、メールの内容が、肉体関係(不貞行為)を推測できるやりとりや、行為に及んだ際の写真や動画がある場合は、有効な証拠になり得ます。
また、配偶者がスマホにロックをかけていて、簡単にメールをチェックできない場合や、メール以外に何も証拠がない場合もあるでしょう。
そこで、この記事では、
1章では、メールだけのやり取りでは一般的に不倫といえない
2章では、メールだけで不倫の慰謝料請求できる3つのケース
3章では、メールで不倫の証拠を集める方法と注意点
4章では、不倫の証拠がメールだけの場合の対処法
について解説します。
この記事を読んで、メールから不倫を見抜くポイントや、慰謝料請求できるケース、証拠集めのポイントをよく理解してください。
目次
1章:メールだけのやり取りでは一般的に不倫といえない
配偶者が、スマホを肌身話さず持ち歩いてメールに夢中になっていると、不倫を疑う方もいると思いますが、メールだけのやり取りでは一般的に不倫とはいえません。
どんなに疑わしい状況だったとしても、メールだけのやり取りでは、肉体関係(不貞行為)を立証することが難しいからです。
- 不貞行為とは配偶者以外の第三者と肉体関係を持つこと
- メールだけのやり取りでは不貞行為の立証は難しい
それぞれ解説します。
1-1:不貞行為とは配偶者以外の第三者と肉体関係を持つこと
不倫とは、一般的には結婚している夫婦のうち一方が、配偶者以外の人と交際することを言いますが、法的に慰謝料請求や離婚できるのは不貞行為が認められる場合になります。
不貞行為とは、配偶者以外の第三者と自由な意思のもとに肉体関係を持つことをいい、夫婦相互の貞操義務に反する行為として、法定離婚事由にあげられています。
また、口淫や手淫といった性交類似行為も、不貞行為とみなされる場合があります。
メールをやり取りするなど親しい関係だったとしても、肉体関係がない場合は、不貞行為には該当しません。
1-2:メールだけのやり取りでは不貞行為の立証は難しい
一般的にメールのやり取りだけでは、不貞行為を立証することは難しいです。
メールの内容が日常会話程度の場合や、「愛してる」などの愛情表現の場合もありますが、これだけでは不貞行為の事実を裏付けることはできません。
メールで親密な交際を匂わせるやり取りや、性的な言葉を交わしていたとしても、他に肉体関係を立証できる証拠がなければ法的には不貞行為と認められません。
加えて、メール相手が遠隔地に居住していて、実際に会うことが難しいケースも考えられます。
このようなことから、メールだけで不貞行為を立証することはなかなか難しいのです。
ただし、不貞行為を推測させる写真や動画など具体的な証拠がある場合は、不定行為を立証する十分な証拠と認められる可能性があります。
2章:メールだけで不倫の慰謝料請求できる3つのケース
メールだけで不倫と断定することは難しいとお伝えしましたが、やり取りの内容によっては不貞行為の証拠と認められる場合があります。
メールだけで不倫慰謝料請求できるケースは、次の3つです。
- 不貞行為を推測できる内容や写真・動画がある場合
- メールを問いただして配偶者が不倫を認めた場合
- メールのやり取りが婚姻生活の平穏を害した場合
それぞれ解説します。
2-1:不貞行為を推測できる内容や写真・動画がある場合
不貞行為を推測できる内容や、行為に及んだ際の写真や動画がある場合は、有効な証拠になり得ます。
たとえば、「またあのホテルに泊まりに行こう」「体の相性が良いね」などがあげられます。
可能であれば、一緒にホテルに泊まった証拠など他の証拠と合わせることが重要です。
メールのやりとりだけでなく、行為に及ぶ際の写真や動画があるほうが、より有力な証拠になります。
特に動画は、状況から見て偽装する可能性が低く、裸体の2人の動画などであれば、確かな証拠になるでしょう。
2-2:メールを問いただして配偶者が不倫を認めた場合
配偶者にメールを誰とやり取りしているのか問いただして、配偶者が不倫を認めた場合も、不倫慰謝料を請求できます。
メールだけでは十分な不貞行為の証拠がなくても、頻繁なやり取りについて、夫婦で話し合い問いただすことで、配偶者が不倫を認める可能性があります。
認めた場合、配偶者の自白が何よりの証拠となり、慰謝料請求できる可能性が高くなるでしょう。
このとき、配偶者が不倫を認めた証拠は、音声や書面などで残しておくことをオススメします。
2-3:メールのやり取りが婚姻生活の平穏を害した場合
メールのやり取りがきっかけで夫婦仲が悪くなり、婚姻生活の平穏を害した場合も、慰謝料請求が認められる可能性があります。
婚姻生活に影響を及ぼすほど性的かつ親密なやり取りの場合、不貞行為がなかったとしても婚姻関係が破綻する原因となり、慰謝料請求できる可能性が出てきます。
たとえば、メール相手に配偶者が入れ込んでしまい、夫婦関係が冷え切って離婚を求められた場合など、婚姻関係に深刻な影響を及ぼしたケースです。
3章:メールで不倫の証拠を集める方法と注意点
メールで不倫の証拠を集めるときは、証拠として扱えるよう、いくつかコツを押さえた集め方が必要です。
また、メールだけでなくSNSのやり取りなど集める場合は、違法行為とならないよう、注意すべきこともあります。
- メールで不倫の証拠を集める方法
- 自分で証拠を集める際の注意点
それぞれ解説します。
3-1:メールで不倫の証拠を集める方法
メールで不倫の証拠を集めるには、あなたのスマホで配偶者が受信したメールを撮影する方法がオススメです。
あなたのスマホでメールのやり取りを撮影すれば、配偶者のスマホには、メールの転送やスクリーンショットを撮るなどの履歴を残さずに、証拠を集めることができます。
主なポイントには、次の4つがあります。
- 自分のスマホで撮影する
- 前後のやり取りも撮影する
- 配偶者のスマホと分かるようにする
- 撮影した日時がわかるようにする
あなたのスマホで撮影する際は、不倫の証拠となるやり取りの前後も撮影しておくことで、不倫を裏付ける証拠と認められる可能性が高まります。
なぜなら、証拠となるやり取りの流れを明らかにすることで、不貞行為を推測できる可能性が高まるからです。
また、スマホケースやメールの背景など、配偶者のスマホを撮影したことが分かるようにしておくこともポイントの1つです。
さらに、撮影した日時、メール受信日時なども分かるように撮影することで、不倫の事実を証明しやすくなります。
3-2:自分で証拠を集める際の注意点
不倫の証拠を自分で集める際は、配偶者のスマホを操作しなければならないため、無理強いをしない、法に触れる行為は避けるなど、いくつか注意点があります。
- 暴力をふるったり脅したりしない
- 許可なく配偶者のIDやパスワードでログインしない
それぞれ解説します。
3-2-1:暴力をふるったり脅したりしない
配偶者がメールの開示を拒否しても、暴力をふるったり脅したりして、開示を強要することは止めましょう。
殴るなどの暴力だけでなくスマホを無理やり取り上げると暴行罪に該当しますし、感情的になり相手を脅したりした場合は、脅迫罪にあたる可能性があるからです。
このような強引な手段で得た証拠は、正当な証拠として扱われないこともあります。
場合によっては、あなたが慰謝料を請求される側になることもあるため、十分注意する必要があります。
3-2-2:許可なく配偶者のIDやパスワードでログインしない
メール以外にSNSなどでもやり取りしている場合、配偶者のIDやパスワードを許可なく使ってログインする行為は、不正アクセス禁止法に抵触するおそれがあります。
民事訴訟では、著しく反社会的な方法で取得した証拠でない限りは証拠能力が認められる傾向があるので、勝手にログインしたとしても証拠として認められる可能性もありますが、いずれにしてもお勧めはできません。
4章:不倫の証拠がメールだけの場合の対処法
証拠がメールだけで、不倫と断定できるだけの決め手に欠ける場合、ほかの方法で有力な証拠を集めなければなりません。
メールだけしか証拠がない場合の対処法として、次のようなものがあげられます。
- メール以外の証拠を集める
- 探偵事務所に不倫調査を依頼する
- 不倫の慰謝料請求できるか弁護士に相談する
それぞれ解説します。
4-1:メール以外の証拠を集める
メール以外の証拠を集めることで、一つの証拠だけでは肉体関係が認められにくい場合でも、複数の証拠から肉体関係があったと認められるケースもあります。
たとえば、二人でラブホテルに出入りする画像や動画、利用したことがわかる明細や領収書などがあげられます。
そのほかにも、車で移動するならカーナビの履歴や、クレジットカードの明細なども、不倫の証拠が出てくる可能性があります。
何が有効な証拠になるかはすぐにはわからない場合でも、レシートやメモ・スケジュール表などできるだけたくさん集めておきましょう。
4-2:探偵事務所に不倫調査を依頼する
不倫調査を探偵事務所に依頼することも、証拠を集める有効な手段です。
探偵事務所なら、配偶者やメール相手を尾行して、ホテルに出入りする瞬間の写真など、不倫の決定的な証拠を押さえられる可能性があります。
素人が、配偶者に見つかることなく証拠を集めることには、限界があります。
費用はかかりますが、探偵事務所からの調査報告書は、内容によっては裁判でも有力な証拠として扱われる可能性があります。
4-3:不倫の慰謝料請求できるか弁護士に相談する
不倫の慰謝料請求に強い弁護士に、あなたが今保有している証拠がどれだけ有効なのか、相談することも対処法の1つです。
ほかに、どんな証拠が必要かその集め方や、慰謝料の金額や請求方法なども、状況に応じてサポートしてもらえます。
弁護士に慰謝料請求を依頼すると費用はかかりますが、法律の専門家が対応してくれるメリットがあります。
まとめ:メールだけで不倫を断定するのは難しい、弁護士に相談しよう
最後に、今回の内容を振り返ります。
■メールだけのやり取りでは一般的に不倫といえない
- 不貞行為とは配偶者以外の第三者と肉体関係を持つこと
- メールだけのやり取りでは不貞行為の立証は難しい
■メールだけで不倫の慰謝料請求できる3つのケース
- 不貞行為を推測できる内容や写真・動画がある場合
- メールを問いただして配偶者が不倫を認めた場合
- メールのやり取りが婚姻生活の平穏を害した場合
■メールで不倫の証拠を集める方法
- 自分のスマホで撮影する
- 前後のやり取りも撮影する
- 配偶者のスマホと分かるようにする
- 撮影した日時がわかるようにする
■自分で証拠を集める際の注意点
- 暴力をふるったり脅したりしない
- 許可なく配偶者のIDやパスワードでログインしない
■不倫の証拠がメールだけの場合の対処法
- メール以外の証拠を集める
- 探偵事務所に不倫調査を依頼する
- 不倫の慰謝料請求できるか弁護士に相談する
この記事の内容を参考にして、メールだけでなくその他の証拠も集めて、不倫慰謝料を請求する際に役立ててください。