【保存版】財産分与で損しないための知識を弁護士が徹底解説

著者情報

住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

財産分与に関するポイント

あなたは、

財産分与ってどういうもの?」

「財産分与はどうやって請求したらいいの?」

「財産分与で損したくない」

などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?

結論からいえば、財産分与とはそれまで夫婦が共同で築いてきた財産を清算し、分け合うことです。

共働きであっても、専業主婦(夫)であっても請求可能で、分け合う割合は原則2分の1です。

ただし、どのような財産も財産分与の対象になるわけではありません。

また、住宅ローンのようなマイナスの資産も、財産分与の対象になります。

さらに、相手の隠し財産や、共有財産の使い込みなどの問題もあります。

そのため、離婚の際には、財産分与について正しい知識を持った上で行動することが重要になるのです。

そこでこの記事では、まずは財産分与の基礎知識や割合の決め方、対象となる財産、対象にならない財産について解説します。

そして、財産分与の具体的な流れや、損しないために知っておきたいことを説明します。

ぜひ知りたいところから読んで、これからの行動に活かしてください。

【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】

■財産分与とは

財産分与とはそれまで夫婦が共同で築いてきた財産を清算し、分け合うこと。

■財産分与の割合

原則2分の1だが、個別的事情によって変わることもある。

■財産分与の対象となる財産

  • 現金・預貯金
  • 株式・国債、投資信託
  • 不動産・自動車
  • 家具・電化製品
  • 金銭的価値の高い品物
  • ゴルフ会員権など
  • 保険料
  • 退職金
  • 年金
  • 負債

■財産分与の対象にならない財産

  • 婚姻以前にそれぞれが取得した財産・負債
  • それぞれの家族・親族から贈与、または相続した財産
  • 婚姻後、趣味・浪費・ギャンブルなどのために個人的に作った借金
  • 別居後に各々が取得した財産
  • 子どもの預貯金

財産分与に関するポイント

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目次


1章:財産分与とは

財産分与には、以下の3つの種類があります。

  • 清算的財産分与(共有財産の分配)
  • 扶養的財産分与(生活費などを補うための分配)
  • 慰謝料的財産分与(慰謝料としての分配)

これから解説しますので、基礎知識として知っておいてください。

財産分与の決め方から知りたい場合は、2章をお読みください。

1-1:清算的財産分与(共有財産の分配)

清算的財産分与とは、財産分与の中核をなすもので、婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産を、その名義にかかわらず共有財産として分配するものです。

分配する割合は、原則として2分の1ですが、貢献度によっても変わってきます。

分かりやすい例で言うと、婚姻中に発生したお互いの現金・預貯金を合計して、原則として2分の1で分け合うことになります。

1-2:扶養的財産分与(生活費などを補うための分配)

扶養的財産分与とは、一方が専業主婦()などの場合に行われるものです。

一方が稼ぎ頭となり、他方が専業主婦(夫)として家庭を支えていたような夫婦の場合、専業主婦(夫)の方は離婚後に生活が苦しくなることが予測されます。

そのため、離婚後の生活が経済的に厳しい状況に対して、生活費などを補うために財産を分与するのが扶養的財産分与です。

扶養的財産分与は、収入の少ない相手に対して、毎月一定額を一定期間支払う方法が一般的です。

扶養のために分与額を増額したり、居住する家を与える、家賃を負担するなどの方法がとられることもあります。

1-3:慰謝料的財産分与(慰謝料としての分配)

慰謝料的財産分与とは、一方に不倫やDVなどの離婚原因がある場合に、離婚原因に対する慰謝料と財産分与を合算したもののことです。

離婚慰謝料の金額は、状況によって異なりますが、50万円~300万円ほどになります。

そのため、一方に離婚原因がある場合は、適切な金額を請求できるように行動していくことが大事です。

離婚慰謝料について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【離婚慰謝料のケース別相場】請求できる条件と4つの増額要素を解説

慰謝料的財産分与の意味合い、内容が明確でない場合は、後日争いのもとになる可能性もあります。

女性
財産分与の意味が分かりました。では、財産分与の割合はどのように決めるものなのでしょうか?
弁護士
それではこれから、財産分与の割合の決め方について解説します。
 


2章:離婚にともなう財産分与の割合の決め方

財産分与の割合は、原則的に2分の1とされています。

ただし、どのような場合でも2分の1というわけではありませんので、これから解説します。

21:財産分与について話し合いで決める場合は、自由に決めることができる

そもそも、財産分与について夫婦で、話し合いで決める場合は、どのような割合でも自由に決めることができます。

互いに合意できれば、財産分与の割合が問題になることはありません。

問題になるのは、

  • 財産分与の割合で合意できない
  • 離婚後に財産分与で再度トラブルになる、お金を請求される

などの場合です。

そのため、財産分与する場合は、たとえ話し合いで決める場合でも、これから説明するような考え方を活用することをおすすめします。

22:財産分与の原則は財産の2分の1

繰り返しになりますが、財産分与の割合は原則は2分の1です。

この割合は、一方が専業主婦(夫)であっても変わりません。

専業主婦(夫)であれば収入はなかったかもしれませんが、専業主婦(夫)として家事や育児を行ってくれたおかげで、もう一方が働きに出て財産を築くことができた、と考えられるためです。

ただし、財産分与が原則2分の1で行われるということは法律で決まっているわけではありません。

そのため、実際には個別的事情が考慮されることもあります。

23:個別的事情が考慮される場合

財産分与の割合で個別的事情が考慮されるのは、下記のような場合です。

  • 一方が特殊な能力・専門性によって高収入を得ていた場合:経営者、医者などの特殊な能力によって高収入を得ていた場合は、2分の1以上の割合が認められる場合があります。
  • 一方の貢献度が大きい場合:共働きで夫婦とも同じくらい働いており、家事や育児も一方だけが行っていた場合など。
  • 一方が浪費していた場合:一方がギャンブル、散財などで共有財産を使い込んでいた場合など。

    このような場合は、財産を2分の1で分けてしまうと不公平になると考えられ、2分の1以上の割合が認められることもあります。

    ※財産分与の割合は、話し合いで決まらなければ離婚調停、離婚訴訟で決められることになります。具体的な流れは4章以降で説明します。

    女性
    個別的な事情があると2分の1の割合ではなくなることもあるのですね。それでは、どういう財産が財産分与の対象になるのでしょうか?
    弁護士
    それでは次に、財産分与の対象になる財産、対象にならない財産を順番に紹介していきます。
     


    3章:財産分与の対象になる財産

    財産分与の対象になるのは、婚姻中に夫婦で築き上げた共有財産です。

    まずは、財産分与の対象となる共有財産の主なものから紹介しますので、あなたの場合も該当するものがあるかチェックしてみてください。

    財産分与の対象にならない財産については、4章で紹介します。

    31:現金・預貯金

    現金・預貯金は、夫婦それぞれの離婚(別居)時の残高を基準として、原則として2分の1で分配されることになります。

    婚姻後のものであれば、名義人はどちらでも関係なく財産分与の対象になります。

    預貯金は、婚姻後のものが対象となりますが、婚姻前の固有の財産と同一口座だった場合や、相続などによる婚姻後の特有財産との区別などが争点となる場合もあります。

    32:株式・国債、投資信託

    株式・国際・会員権等を所有している場合は、それぞれの市場価格、時価を評価額として財産分与の対象となります。

    財産分与する際は、譲渡手続きなどが必要となります。

    これらの財産を分与する際も、分与時の評価額が購入時に比較して高い場合は、譲渡所得税を支払わなければならない可能性があります。

    33:不動産・自動車

    不動産・自動車も財産分与の対象です。

    不動産や自動車を所有している場合は、離婚時の評価額を不動産会社や自動車販売店などに査定を依頼します。

    それぞれ売却する際は、売却後の金額から経費等を差し引き、残った金額を夫婦間で分配します。

    片方が所有を続ける場合は、評価額の半分を所有しないほうに支払います。

    それぞれ、住宅や自動車のローンがあれば評価額から差し引くことになります。

    また、不動産などを分与する際、分与時の評価額が購入時に比較して高い場合は、譲渡所得税を支払わなければならない可能性があります。

    34:家具・電化製品

    家具や電化製品も、財産分与の対象になることがあります。

    たとえば、結婚後に10万円で購入した冷蔵庫があり、離婚後は夫が冷蔵庫を取得する場合、妻に対して時価相当額を支払う、といった考え方になります。

    ただし、高級な家具や電化製品でなければ、使用した期間に応じて時価が下がっていきますので、実際には使用を希望する側がもらい、時価相当額は支払わない場合もあります。

    また、家具、電化製品を分け合って互いにお金は支払わない形にすることも多いです。

    35:金銭的価値の高い品物

    婚姻中に、共有財産で購入した骨董品、絵画などの美術品や宝石、着物など金銭的価値の高いものは、財産分与の対象になります。

    ただし、個人で購入した場合や、一方が他方にプレゼントしたものであれば共有財産とはみなされず、財産分与の対象にもなりません。

    36:ゴルフ会員権など

    経営者などの高所得者の場合、婚姻後に取得したゴルフ会員権も財産分与の対象になります。

    ゴルフ会員になると事業者に一定の預託金を預けるため、財産的価値が高いためです。

    ただし、ゴルフ会員権を財産分与する場合は、会員権の名義変更手続きに諸経費がかかるため、その費用をどちらが負担するかも定めておく必要があります。

    37:保険料

    婚姻期間中に加入していた積立型の生命保険、年金保険等は、財産分与の対象となります。

    それぞれ解約して解約返戻金を分配するか、継続する場合は、継続しないほうに解約返戻金の半分を支払い、名義や受取人の変更が必要となります。

    38:退職金

    退職金が支払われている場合は、共有財産として財産分与の対象となります。

    熟年離婚などで、近い将来退職金が支払われる事が確実な場合は、退職金に対しても財産分与の対象となる可能性があります。

    その場合、財産分与の対象となるのは、退職金全額ではなく、婚姻期間に相当する金額となります。

    39:年金

    公的年金のうち厚生年金、共済年金については年金分割という財産分与の対象になります。

    ※公的年金のうちでも国民年金は対象外です。また、個人年金や企業年金は公的年金ではないため対象外になります。

    年金分割とは、婚姻期間中に納めた年金保険料の納付記録を夫婦で分け合う制度です。

    このような制度によって、結果的に、将来受け取る年金を分け合うことが可能になります。

    つまり、婚姻中に納めた年金保険料分を夫婦で分け合うというイメージです。

    310:負債

    夫婦の共同生活のためや、子どもの教育のため、住宅ローンなど共有財産を購入するための負債・ローンについては、財産分与の対象になります。

    たとえば、

    • 住宅ローン
    • 子どもの教育ローン
    • 自動車ローン
    • 生活苦のためのローン
    • 生活費などのために使ったクレジットカードの支払い

    などです。

    財産より借金が少ない場合は、財産分与の全額からローン(負債)を引いた額を分け合うことになります。

    また、財産より借金が多い場合は、超過分を借りた本人が返済する形になります。

    コラム:隠し財産を調査する方法

    財産分与する際に、一方にへそくりなどの隠し財産がある場合、それも調査して財産分与の対象になるか判断する必要があります。

    また、財産分与の対象になることを免れようとして、財産を隠されるというケースもあります。

    そのような場合は、下記のようなものを確認し、財産隠しの痕跡を探すことが必要です。

    • 通帳の取引履歴
    • 不動産の登記
    • 郵便物
    • 年金分割のための情報通知書

    また、探偵・興信所に調査を依頼することもできます。ただし調査料がかかってしまうため、費用で損することにならないか検討することが大事です。

    そのため、隠し財産の存在が疑われる場合は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。


    4章:財産分与の対象にならない財産

    次に、財産分与の対象にならない財産について説明します。

    41:婚姻以前にそれぞれが取得した財産・負債

    夫婦のどちらかが独身時代に積み立てた貯蓄などの財産やローンなどは、財産分与の対象になりません。

    財産分与の対象になるのは、婚姻後に取得した財産・負債なのです。

    42:それぞれの家族・親族から贈与、または相続した財産

    それぞれが家族・親族から遺産相続した財産や、生前贈与された財産は、財産分与の対象になりません。

    43:婚姻後、趣味・浪費・ギャンブルなどのために個人的に作った借金

    収入に見合わない浪費やギャンブルによる借金のような、夫婦の一方の個人的な行動によって作られた借金は、財産分与の対象になりません。

    一方、生活のためにせざるをえなかった借金や住宅ローンなどは、名義に関係なく財産分与の対象です。

    44:別居後に各々が取得した財産

    別居後に各々が個人で取得した財産は、原則として財産分与の対象にはなりません。

    財産分与の対象になるのは、婚姻後から別居前までに形成した財産です。

    45:子どもの預貯金

    子どもに贈与されたお年玉、遺贈、祝い金、子ども名義の貯金などは、基本的には財産分与の対象にはならないと考えられます。

    ただし、子どもの名義の口座に、夫婦の一方が貯蓄目的で毎月の収入の一部を積み立てていた場合などは、財産分与の対象になる場合もあります。

    弁護士
    このように、基本的には財産分与の対象にはならないと考えられるものの中にも、性質によっては財産分与の対象になる場合があります。
     
    女性
    ややこしいのですね。
    弁護士
    財産分与の対象になるかどうか明確な線引きが難しいこともあり、実際には話し合いなどによって決めていくことになるのです。
     
    女性
    そうなんですね。では、実際にはどのような流れで話し合うのでしょうか?
    弁護士
    それでは次に、財産分与について話し合いで決める流れから解説していきます。
     


    5章:財産分与を話し合いで決める流れ

    財産分与は、まずは話し合い(協議)で決めるのが一般的です。

    話し合いで決まらなかった場合に、6章以降で説明する流れになります。

    財産分与を話し合いで決める流れは下記の通りです。

    • 財産・負債を把握、整理する
    • 財産分与の割合を決める
    • 財産を引き継ぐか決める
    • 離婚協議書の作成

    順番に説明します。

    51:財産・負債を把握、整理する

    まず、財産分与の対象となる財産を、借金・ローンも含めてリストアップします。

    財産内容を把握、整理するため、下記のような資料を集めておくことが必要です。

    • 預貯金通帳
    • 不動産査定資料
    • 証券口座明細
    • 生命保険の保険金額
    • 給与明細 

    これらの資料を基に共有財産の総額を査定し、借金やローンなどのマイナス財産を差し引いたものが、財産分与の対象となります。

    52:財産分与の割合を決める

    財産分与の総額を明らかにしたら、具体的な割合などを決めておきます。

    また、家具・家電や住宅、自動車などは、売却するのか、一方が引き継ぐのかも決める必要があります。

    一方が財産を引き継ぐ場合は、不公平にならないように、他方が他の財産を多めにもらう、などの取り決めを行うことが多いです。

    繰り返しになりますが、財産分与の割合は原則的には2分の1です。

    しかし、2分の1の割合では納得できない、合意できない場合は、相手側に浪費、個人的な借金などがあった場合は、話し合いで合意できないこともあります。

    その場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

    53:離婚協議書の作成

    財産分与の具体的な項目や割合が決まったら、離婚協議書を作成して、財産分与に関する取り決めも細かく記載することが大事です。

    離婚協議書とは、話し合いによって決めた離婚条件を書面として残すためのものです。

    離婚協議書に記載する主な内容としては、次のようになります。

    • 離婚の合意
    • 親権者(及び監護者)の指定
    • 養育費
    • 面会交流
    • 財産分与
    • 慰謝料
    • 年金分割
    • 清算条項
    • 公正証書作成の合意

    ※離婚協議書のサンプルは、次のようになります。

    離婚協議書のサンプル

    サンプルに記載してあるように、強制執行認諾文言付公正証書を作成する合意を得て、公正証書にしておくことが大事です。

    強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくことで、慰謝料・養育費等の未払いなどが発生した際は、裁判を起こさなくても相手の給料や財産を差し押さえるなど法的手続きをとることができます。

    弁護士

    離婚協議書の作成は、法律の専門家である弁護士に依頼されることをおすすめします。

    なぜなら、離婚協議書の内容に不備がある場合は、かえってトラブルのもととなってしまうからです。

    離婚協議書の内容も併せて、適正かつ有効な離婚協議書を作成することが重要です。

     
    女性
    弁護士に依頼することが大事なんですね。もし、財産分与の条件が話し合いで合意できなかった場合はどうなるのでしょうか?
    弁護士
    その場合は調停や裁判で争うことになります。これから具体的な流れを説明します。
     


    6章:離婚調停や裁判で財産分与を争う場合の流れ

    話し合い(協議)で財産分与の内容について合意できなかった場合、離婚調停や離婚訴訟によって財産分与の条件を決めることになります。

    順番に説明します。

    61:離婚調停

    調停から訴訟・審判までの流れ

    離婚協議の際に財産分与が決まらない場合は、離婚調停によって合意を目指すことになります。

    調停による財産分与の話し合いには、次の2つのケースがあります。

    • 離婚前…離婚調停の際に話し合う
    • 離婚後…財産分与請求調停を申し立てる

    611:離婚調停の際に財産分与の話し合いをする

    離婚調停を申し立てた際に、財産分与の話し合いも行われます。

    離婚調停と同様に、調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。

    調停委員会の聞き取りでは、夫婦が協力して築いた財産がどれくらいあるのか、財産の取得や維持に対する夫婦双方の貢献度などが調査されます。

    その際、必要に応じて資料・証拠等の提出が求められます。

    条件面の話し合いにおいては、調査委員会による解決案の提示や必要な助言を行うことによって、合意を目指した調停が進められます。

    612:離婚後に財産分与請求調停を申し立てる

    離婚後に財産分与についての協議がまとまらない場合は、離婚後2年以内であれば財産分与請求調停を申し立てることもできます。

    財産分与請求調停に必要な書類は、次のようになります。

    • 財産分与請求調停の申立書
    • 離婚時の夫婦の戸籍謄本
    • 財産目録
    • 不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書
    • 預貯金通帳の写し・残高証明書等

    裁判所に財産分与の調停を申し立てる費用としては、収入印紙1,200円分郵便切手代800円程度が必要となります。

    申し立て先の裁判所は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

    財産分与請求調停の申し立てを行うと、調停期日が指定され、調停委員会によって、双方の意見の聞き取りや条件面の話し合いが夫婦別々に行われます。

    613:離婚調停・財産分与請求調停の結果

    離婚調停でも財産分与請求調停でも、夫婦双方が財産分与に合意した場合は、合意した内容が調停調書に記載され、調停が成立することなります。

    財産分与の合意が得られず、離婚調停又は財産分与請求調停が不成立になった場合は、訴訟又は審判手続へと移ることになります。

    62:裁判

    離婚訴訟又は審判の申し立ての場合は、裁判所の審理において有利な判断が得られるように、適切な主張・立証を行う必要があります。

    裁判所の審理では、提出された訴状、証拠などの書面に基づいて裁判官が判断し、最終的な判決が下されます。

    そのため、あなたの主張を正確に書面にできる十分な法的知識と、豊富な離婚訴訟の経験を持つ弁護士に依頼することが、裁判を有利に進めるためにはたいへん重要となります。

    離婚訴訟ついて、詳しくは次の記事で解説しています。

    【弁護士が解説】離婚裁判の流れや費用・早期解決の2つのポイント

    女性
    財産分与について調停や裁判の場で決める流れがよく分かりました。さっそく行動に移そうと思います。
    弁護士
    実際の行動を始める前に、財産分与で損しないために知っておきたいことがあります。これからそれを説明します。
     


    7章:財産分与で損しないために知っておきたいこと

    財産分与で損しないためには、下記のポイントを知っておくことも大事です。

    • 離婚後2年以内に請求しないと請求できなくなる
    • 財産分与で税金がかかる場合もある
    • 請求権を放棄すると二度と取り戻せない可能性がある

    順番に説明します。

    71:離婚後2年以内に請求しないと請求できなくなる

    財産分与は、離婚後2年以内に請求しないともらえなくなるため、注意が必要です。

    財産分与は通常離婚と同時に行われますが、離婚後に請求する場合は、離婚が成立した日から2年間という除斥期間があります。

    除斥期間とは、権利の存続期間のことで、この場合では、2年という期間が過ぎると財産分与を請求できる権利が消滅してしまいます。

    離婚が成立した日とは、

    • 協議離婚…離婚届を役所に提出・受理された日
    • 調停離婚…調停が成立した日
    • 裁判離婚…判決が確定した日
    • 和解離婚…和解が成立した日

    となります。

    そのため、離婚後はできるだけ早めに財産分与の手続きも始めることが大事です。

    72:財産分与で税金がかかる場合もある

    財産分与に関する税金

    上記の表のように、財産分与では税金がかかる場合もあります。

    ■現金・預貯金

    現金・預貯金の財産分与は、原則として非課税となります。

    しかし、受け取る金額が非常に高額な場合は、贈与税がかかることもあるため注意が必要です。

    ■不動産

    不動産の財産分与で譲渡所得税がかかる場合とは、土地や建物の売却価格が取得費と譲渡費用よりも高く、差額利益が出た場合です。

    ただし、居住用不動産の場合は、最高3000万円までの特別控除が受けられます。

    財産分与で不動産を受け取った場合は、

    • 不動産取得税
    • 登録免許税
    • 固定資産税

    がかかります。

    ただし、不動産取得税は、清算的財産分与の場合は、減免の対象となりほとんどかからないことが多いです。

    不動産取得税は、固定資産課税台帳に登録されている不動産価格の3%(土地の場合は2分の1)となります。

    また、不動産取得税は夫婦間の合意によって「分配した側が支払う」とすることも可能です。

    登録免許税とは、不動産の名義変更にともない法務局に対して支払うもので、固定資産評価額の2%となります。

    例えば、固定資産評価額が3000万円の場合は、60万円の税金を支払うことになります。

    固定資産税は、固定資産評価額の1.4%(標準税率)がかかります。

    例えば、固定資産評価額が3000万円の場合は、42万円の税金を支払うことになります。

    ■株式

    株式については、受け取る側は非課税ですが、譲渡する側は譲渡所得税が発生します。

    73:請求権を放棄すると二度と取り戻せない可能性がある

    財産分与を請求するかどうかは自由ですので、財産分与せず放棄することも可能です。

    ただし、財産分与の請求を一度放棄すると、たとえ離婚後2年以内であっても、再度請求することが困難になります。

    そのため、財産分与を放棄しようと考えている方は、慎重に考えることをおすすめします。

    まずは一度、弁護士に相談してみてください。

    そこで最後に、財産分与について弁護士に相談するメリットと弁護士の選び方を解説します。

    【コラム:配偶者に共有財産を使いこまれてしまった場合】

    配偶者による貯金の使い込みなど、共有財産の使い込みがあった場合は、その金額を財産分与の際に相手に請求することができます。

    財産分与の割合は原則2分の1であると説明しましたが、使い込みがあった場合、その分をプラスして請求できるのです。

    ただし、その場合「使い込み」であることが明らかであることがポイントになります。

    実際には、ケースバイケースで判断されるため、使い込みが判明したらまずは弁護士に相談することをおすすめします。


    8章:財産分与の問題は弁護士に相談しよう

    財産分与の問題は、弁護士に相談することが大事です。

    弁護士に相談するメリットと弁護士の選び方について解説します。

    81:弁護士に相談するメリット

    財産分与について、弁護士に相談するメリットは下記のものです。

    • 代理人として交渉や手続きを行ってくれる
    • あなたの利益が最大限になるように財産分与の条件を交渉できる
    • 財産分与に関する後のトラブルを予防できる
    • 養育費や慰謝料など、その他の条件も有利に交渉してくれる

      離婚や財産分与の手続きや相手との交渉は、あなた一人で行うと大きな手間、時間がかかることになり、また精神的ストレスも大きいです。

      弁護士に依頼すれば、依頼後の手続きや交渉を代理人として行ってくれるため、手間、時間、ストレスが最小限になります。

      また、あなたに最大限有利な条件で交渉してくれます。

      ただし、弁護士なら誰でもいいわけではありません。

      離婚したい場合は、離婚問題に強い弁護士に依頼することが大事です。

      82:離婚問題に強い弁護士に依頼することが大事

      財産分与について弁護士に依頼する場合は、離婚問題に強い弁護士に依頼することが大事です。

      離婚問題に強い弁護士は、下記のポイントから選んでください。

      • 慰謝料請求等を含む離婚解決の実績が多い
      • 依頼前に請求できる相場を教えてくれる
      • 相談に的確に答えてくれる

      離婚問題を弁護士に相談する場合は、下記の記事も参考にしてください。

      離婚問題を弁護士に依頼すべき5つのケースとメリット、費用相場も解説

      【離婚の弁護士費用の相場一覧】弁護士への依頼で損しない方法を解説


      まとめ

      いかがでしたか?

      最後に今回の内容をまとめます。

      ■財産分与とは

      財産分与とはそれまで夫婦が共同で築いてきた財産を清算し、分け合うこと。

      ■財産分与の割合

      原則2分の1だが、個別的事情によって変わることもある。

      ■財産分与の対象となる財産

      • 現金・預貯金
      • 株式・国債、投資信託
      • 不動産・自動車
      • 家具・電化製品
      • 金銭的価値の高い品物
      • ゴルフ会員権など
      • 保険料
      • 退職金
      • 年金
      • 負債

      ■財産分与の対象にならない財産

      • 婚姻以前にそれぞれが取得した財産・負債
      • それぞれの家族・親族から贈与、または相続した財産
      • 婚姻後、趣味・浪費・ギャンブルなどのために個人的に作った借金
      • 別居後に各々が取得した財産
      • 子どもの預貯金

      ■財産分与を話し合いで決める流れ

      • 財産・負債を把握、整理する
      • 財産分与の割合を決める
      • 離婚協議書の作成

      ■財産分与で損しないために知っておきたいこと

      • 離婚後2年以内に請求しないと請求できなくなる
      • 財産分与で税金がかかる場合もある
      • 請求権を放棄すると二度と取り戻せない可能性がある

      この記事を参考に、できることから始めてみてください。

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