性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由と対処法を弁護士が解説

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住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由

あなたは、

  • 性的不能な夫の不倫が許せない
  • 肉体関係がない不倫でも慰謝料請求や離婚できるだろうか
  • 性的不能な夫の不倫が疑われる場合の対処法を知りたい

などとお考えではありませんか?

結論から言うと、性的不能な夫の不倫は、以下の2つの理由から不倫と認められないケースが多いです。

  • 不貞行為(肉体関係)がない
  • 婚姻関係に影響していない

一方で、以下のようなケースでは、性的不能であっても不倫が認められる場合があります。

  • 性交類似行為があった場合
  • 精神的苦痛を受けたと証明できる場合
  • 性的不能とうそをついていた場合

いくら性的不能で、他の女性と不貞行為(肉体関係)がなかったとしても、不倫をされた側からすると、決して許せるものではありませんよね。

この記事では、

1章では、性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由を

2章では、性的不能でも夫の不倫が認められる3つのパターンを

3章では、性的不能な夫への慰謝料請求や離婚について

4章では、性的不能な夫の不倫への対処法

について詳しく解説します。

最後まで読むと、性的不能な夫の不倫が認められるかどうかや、今後あなたがとるべき行動がわかります。

性的不能な夫の不倫で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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1章:性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由

一般的に不倫とは、「結婚している人が夫や妻以外の人と交際関係にあること」をさします。

しかし、ここでいう不倫は、「民法上の不法行為として認められる不倫のこと」です。

つまり、不貞行為(肉体関係)の有無や、夫とあなたとの婚姻関係への影響が争点になります。

以上を踏まえて、性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由は、以下のとおりです。

  • 不貞行為(肉体関係)がない
  • 婚姻関係に影響していない

各論に入る前に、認識に相違が出ないよう、性的不能について確認していきます。

1-1:そもそも性的不能とは

性的不能とは、身体的・精神的要因による性機能障害によって、本人の意思にかかわらず性行為ができない状態をさします。

たとえば、以下の要因です。

  • 過度のストレス
  • 不安症状
  • うつ状態
  • 糖尿病
  • 心疾患
  • 神経系の疾患

性的不能は、加齢による性的能力の衰えや、ストレスなどによる精神的疾患や身体的疾患だけでなく、うつ病などの薬剤が原因によって起こることも理解しておきましょう。

また性的不能は、男性ではED(勃起不全)、女性では性交痛や制欲減退などが主な症状です。

一方で、以下のようなケースは性的不能ではありません。

  • 行為を求められても面倒だから応じない
  • 妊活にプレッシャーを感じて拒否する
  • 仕事疲れを理由に回避する

1-2:不貞行為(肉体関係)がない

性的不能な夫は、不倫相手と肉体関係をもてないため、不倫とは認められないケースが多いです。

不倫が認められるためには、夫と不倫相手との間に不貞行為(肉体関係)があったことを立証する必要があるからです。

夫婦の間には、お互いに性的な純潔を守ること、つまりお互いに配偶者以外の第三者と肉体関係をもたない「貞操義務」があります。

肉体関係を伴う不倫は不貞行為にあたり、夫婦間の「貞操義務」に違反した不法行為として認められます。

しかし肉体関係のない交際関係は、不貞行為にはあたらないため、原則として不法行為とは言えず不倫とは認められません。

1-3:婚姻関係に影響していない

不倫相手との交際が婚姻関係に影響していない場合は、性的不能な夫の不倫が認められないケースが多いです。

性的不能な夫の場合、不倫相手との肉体関係がないことから、不法行為として認められるためには、夫の不倫が婚姻関係に影響している事実を示す必要があります。

婚姻関係に影響している具体例としては、以下のものがあげられます。

  • 生活費を不倫相手に貢いで、家にはお金を入れない
  • 夫が不倫相手と同棲している
  • 不倫相手との交際を理由に離婚を要求された

しかし、そのような証拠がない場合は、不倫相手との交際が婚姻関係に影響しているとは言えず、不倫とは認められないケースが多いです。

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2章:性的不能でも夫の不倫が認められる3つのパターン

一方で、性的不能でも、夫の不倫が認められる3つのパターンは、以下のとおりです。

  • 性交類似行為があった場合
  • 精神的苦痛を受けたと証明できる場合
  • 性的不能とうそをついていた場合

それぞれ解説します。

2-1:性交類似行為があった場合

性交類似行為があった場合は、不貞行為にあたるため、性的不能でも夫の不倫が認められます。

性交類似行為としては、以下のものがあげられます。

  • 口腔性交(オーラルセックス)
  • 手で性器を刺激する行為(手淫)

一方で、以下の行為だけでは、不貞行為とは認められません。

  • 手をつないで歩く
  • キスやハグをする(態様によっては一定の慰謝料が認められる可能性はあります)
  • 親密な交際がわかるメールやラインのやりとり

また、性交類似行為で不倫を認めてもらうためには、不貞行為があった証拠を示す必要があります。

夫の一時的な証言やあなたの思い込みだけでは、直接的な証拠にならないため、認められる可能性が低いことを理解しておきましょう。

2-2:精神的苦痛を受けたと証明できる場合

精神的苦痛を受けたと証明できる場合は、性的不能でも夫の不倫が認められる場合があります。

精神的苦痛とは、配偶者の不倫により精神的に強いストレスを受けることをさします。

民法第710条では、次のように定められています。

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない

つまり夫の不倫が、あなたに精神的苦痛を与え、あなたの権利を侵害した場合は、財産上の損害がなくても不法行為にあたります。

ただし、精神的苦痛は目で見て判断できないため、簡単には認められにくいのも事実です。

不貞行為まではなくても、どのような行為でどのような苦痛を受けたのか、具体的な証拠を集めて立証する必要があります。

2-3:性的不能とうそをついていた場合

あなたの夫が性的不能とうそをついていて、不倫相手と肉体関係がある場合は、不倫と認められる可能性があります。

性的不能と偽って、妻のあなたをだまし不倫する行為は、許しがたい行為とも言えます。

ただし注意したいのは、あなたの夫が不倫相手と不貞行為(肉体関係)を行った事実を証明する必要があることです。

本当は性機能に異常がなく性的不能と偽っていたとしても、それだけでは不倫と認められない点は理解しておきましょう。

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3章:性的不能な夫への慰謝料請求や離婚について

性的不能な夫が不倫をした場合、愛情が薄れ慰謝料請求や離婚について考える方もいるかもしれません。

性的不能な夫への慰謝料請求や離婚について確認していきましょう。

  • 不貞行為・不法行為と認められた場合は慰謝料請求できる
  • 法定離婚事由に該当すると認められた場合は離婚できる

それぞれ解説します。

3-1:不貞行為・不法行為と認められた場合は慰謝料請求できる

性的不能の夫の不倫が不貞行為・不法行為と認められた場合は、慰謝料請求できます。

すでに解説したように、性的不能であっても性交類似行為に該当する行為を確認できた場合は、不貞行為とみなされるため慰謝料請求できる可能性があります。

また、夫の不倫により精神的苦痛を受けた場合は、不法行為にあたるため、精神的苦痛を受けた損害賠償として慰謝料請求できます。

いずれにしても、性的不能な夫の不倫が、不貞行為・不法行為であった事実を証明しなければなりません。

証拠があって、はじめて慰謝料請求が認められる点を把握しておきましょう。

肉体関係のない不倫の慰謝料請求については、こちらの記事も参考にしてください。

プラトニック不倫とは?慰謝料の請求や離婚可否について弁護士が解説

3-2:法定離婚事由に該当すると認められた場合は離婚できる

そもそも離婚は、夫婦が話し合いお互いに同意が得られれば離婚できますが、どちらか一方が離婚を拒否した場合は、裁判で離婚を認めてもらう必要があります。

性的不能な夫の不倫が不貞行為・不法行為と認められた場合は、「法定離婚事由」にあたるため離婚が認められる可能性があります。

また、以下にあげるその他の「法定離婚事由」に該当する場合も、離婚が認められる可能性があります。

【民法770条1項】

一、配偶者に不貞な行為があったとき。

二、配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三、配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四、配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

上記の中で、不貞行為以外で該当する可能性があるのは、以下の2項目です。

  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

具体例は、以下のとおりです。

  • 長期間、生活費を入れない
  • 長期間別居している
  • DVやモラハラがある

このような場合、法定離婚事由に該当するため、離婚が認められる可能性が高いでしょう。

性的不能な夫との離婚については、こちらの記事も参考にしてください。

性的不能で離婚できる2つのケースとポイントや注意点を弁護士が解説

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4章:性的不能な夫の不倫への対処法

性的不能な夫の不倫が発覚した場合の対処法は、以下のとおりです。

  • 不倫の証拠を集める
  • 探偵事務所に調査を依頼する
  • 不倫問題に詳しい弁護士に相談する

それぞれ解説します。

4-1:不倫の証拠を集める

性的不能な夫の不倫が疑われる、または発覚した場合には、感情に任せて問い詰めるのではなく、冷静になって不倫の証拠を集めるようにしましょう。

不倫の確たる証拠がない場合、夫を問い詰めても「不倫していない」と言われるだけでなく、裁判になってもこちらの主張が認められない可能性が高いからです。

不倫の証拠になる具体例は、以下のとおりです。

  • 性交類似行為が行われたとわかる動画や写真
  • 性交類似行為が行われたと推測できるSNSやメールのやりとり
  • 夫と不倫相手がホテルに出入りする動画や写真
  • ホテルを利用したとわかるクレジットカードの明細書

実際にX(旧Twitter)には、自分自身で不倫の証拠を集め、慰謝料請求に成功したケースが投稿されています。

 

ただし、許可なく夫のスマホのロックを解除してのぞき見る行為や、持ち物にGPSを取り付けて行動を監視する行為は違法行為とみなされる可能性があります。

あなた自身が違法行為をして、逆に訴えられないよう、十分に注意が必要です。

4-2:探偵事務所に調査を依頼する

性的不能な夫の不倫が疑われる場合、探偵事務所に調査を依頼するのもオススメです。

その理由は、以下のとおりです。

  • 肉体関係がないか調査してもらえる
  • 自分の時間と労力を節約できる
  • 詳しい内容であれば調査報告書が証拠として扱われる

また、探偵事務所に依頼すると、あなた自身が違法行為を行う心配がないため、安心して任せられます。

一人で調査するのが不安な方は、探偵事務所に調査依頼するのもよいかもしれません。

4-3:不倫問題に詳しい弁護士に相談する

性的不能な夫の不倫の対処法で、何をしたらよいかわからない場合は、不倫問題に詳しい弁護士に相談しましょう。

不倫問題に詳しい弁護士であれば、性的不能な夫の不倫の対処法についての知識や経験をもっている可能性が高く、さまざまな面からサポートしてくれるからです。

たとえば、あなたの状況を聞いた上で、以下のようなサポートが受けられます。

  • 合法的な不倫の証拠集めについてのアドバイス
  • 不倫調査に長けている探偵事務所の紹介
  • 慰謝料や離婚請求の際のトータルサポート

「性的不能な夫の不倫が疑われるため行動したい、でも何をすればよいかわからない」という方は、まずは不倫問題に詳しい弁護士に相談することをオススメします。

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まとめ:性的不能な夫の不倫への対応は弁護士に相談しよう

■性的不能な夫の不倫が認められない2つの理由

  • 不貞行為(肉体関係)がない
  • 婚姻関係に影響していない

■性的不能でも夫の不倫が認められる3つのパターン

  • 性交類似行為があった場合
  • 精神的苦痛を受けたと証明できる場合
  • 性的不能とうそをついていた場合

■性的不能な夫への慰謝料請求や離婚について

  • 不貞行為・不法行為と認められた場合は慰謝料請求できる
  • 法定離婚事由に該当すると認められた場合は離婚できる

■性的不能な夫の不倫への対処法

  • 不倫の証拠を集める
  • 探偵事務所に調査を依頼する
  • 不倫問題に詳しい弁護士に依頼する

不倫に関するさまざまな問題についてお悩みの人は、当法律事務所にご相談ください。

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