【夫が無職で離婚したい】離婚を切り出す前にやるべきことと離婚する手段

この記事の著者情報

住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

無職の夫と離婚する前にやるべきこと4つ

あなたは、

  • 夫が無職で離婚したい
  • 夫が無職で離婚した場合の財産分与や養育費がもらえるのか知りたい
  • 無職の夫と離婚するためにはどんな準備をすればいいの?

などとお考えではないでしょうか?

夫が無職でも、お互いに合意の上なら離婚することはできますが、妻は住居や収入の確保など、離婚する前にやるべきことがあります。

財産分与や養育費などのお金の話も、離婚するときに話し合う必要があります

ただし、夫が離婚に同意しない場合も考えられるため、無職の夫と離婚する場合は、できるだけ早めに弁護士に相談することをオススメします。

そこで、この記事では、

1章では、夫が無職で離婚する前にやるべきこと4つ

2章では、夫が無職で離婚する方法

3章では、夫が無職で離婚するときに話し合うべきこと

4章では、離婚の話し合いがまとまらないときの対処法

について詳しく解説します。

この記事を読んで、無職の夫と離婚するための大事なポイントや対処法を、しっかり理解してください。

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1章:夫が無職で離婚する前にやるべきこと4つ

夫が無職で働こうとしない場合、話し合いによって夫の合意が得られれば離婚することができます。

しかし、離婚後の生活のためにやるべき準備として、次の4つがあげられます。

  • 離婚後の仕事・収入を確保する
  • 離婚後の住まいを確保する
  • 貰える助成金を調べる
  • 夫に再就職するようにすすめる

それぞれ解説します。

1-1:離婚後の仕事・収入を確保する

無職の夫と離婚した場合、その後の生活費はあなたが働いて稼がなければなりません。

そのため、専業主婦の方は仕事を探し、仕事がある主婦でも離婚後の生活をまかなえるだけの収入を確保する必要があります。

離婚してからこれらを確保することもできますが、無収入の期間ができてしまうため、離婚する前に確保しておくことをオススメします。

1-2:離婚後の住まいを確保する

離婚後に現在の家を出る場合は、住まいの確保が必要です。

義務教育の子どもがいるなら学区なども考慮した上で、家賃と間取りのバランスを踏まえて探さなければなりません。

なお、賃貸物件を借りる際は、引っ越し費用だけでなく、家賃の数カ月分程度の初期費用がかかります。

また、生活必需品や家事品を購入する費用も、離婚するまでに用意しておく必要があります。

1-3:貰える助成金を調べる

国や自治体では、離婚後の生活を支援するためのサポートを行っています。

たとえば、経済的な支援制度では、

  • 児童扶養手当
  • 児童手当
  • 生活保護
  • 就学援助
  • 特別児童扶養手当・障害児福祉手当

などがあげられます。

そのほか住居などに関するものでは、

  • 母子生活支援施設
  • 公営住宅への入居の優遇
  • ホームヘルパーの派遣

などがあります。

生活に対する補助や優遇制度では、

  • ひとり親家庭に対する医療費補助
  • 乳幼児医療費助成制度
  • 税金の軽減
  • 水道・下水道料金の減免
  • 粗大ごみの処理手数料の減免

などです。

自治体により内容や条件が異なる場合もあるので、引越し先の自治体で、これらの支援制度を確認しておくことをオススメします。

1-4:夫に再就職するようにすすめる

夫が再就職すれば、離婚を回避できる可能性は出てきます。

離婚に踏み切る前に、再就職するようすすめてみるのも1つの方法です。

夫婦で話し合ってみてください。

夫が再就職に向けて前向きなら、応援しつつ離婚は一旦保留にしておきましょう。

話し合いのなかで再就職に消極的な場合は、離婚を検討している旨を伝えてみてください。

それでも、再就職しない場合は、無職の夫と離婚するタイミングともいえます。

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2章:夫が無職で離婚する方法

夫が無職であることを理由に離婚することはできますが、それだけでは直ちに法律上の離婚事由にはあたりません。

かといって、「家計が苦しい生活を続けられない」と考える方もいるのではないでしょうか。

そこで、夫が無職で離婚する方法として、

  • 話し合いによる協議離婚でなければ難しい
  • 離婚理由がなければ、まずは別居を始める

について解説します。

2-1:話し合いによる協議離婚でなければ難しい

夫婦間で話し合いを行い、お互いに合意があれば離婚は成立します。

夫が無職で働こうとしないことを理由に離婚を考える場合は、協議離婚の成立を目指すといいでしょう。

ただし、民法770条で認められている離婚事由は、

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

の5つです。

「夫が無職」であるというだけでは、これらの離婚事由に該当しないため、裁判になった場合は離婚が認められない可能性もあります。

そのため、協議離婚以外の方法での離婚成立は難しいといえます。

2-2:離婚理由がなければ、まずは別居を始める

夫との話し合いがまとまらず、協議離婚が成立しないときや、「夫が無職」という理由のほかに離婚事由がないときは、別居を始めるのが有効な手段です。

家を出て別居を続けた場合、法定離婚事由の「その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」に該当する可能性が生じるからです。

別居期間は長ければ長いほど、「婚姻を継続しがたい事由」として認められる可能性が高まります。

そのほかでは、夫が家で家事などに協力しない、健康に問題がないのに再就職しようとしない、といったことも離婚事由として認められる可能性があります。

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3章:夫が無職で離婚するときに話し合うべきこと

夫が無職で離婚するときは、離婚に向けて手続きをすすめる前に、お金や子どものことを話し合い、取り決めておくことが大切です。

そこで、

  • 財産分与
  • 婚姻費用
  • 親権
  • 養育費

について解説します。

3-1:財産分与

結婚後に夫婦協力して得た共有財産は、離婚するときに財産分与を行い、一般的には公平に2分の1の割合で分けます。

主に財産分与の対象になるのは、

  • 不動産
  • 預貯金
  • 保険の解約返戻金
  • 株式
  • 投資信託
  • 自動車
  • 高価な宝石
  • 退職金
  • 企業年金

などがあります。

ただし、あくまでも結婚期間中に夫婦が協力して得た財産に限られる点には注意が必要です。

また、夫婦のどちらかが無職だったとしても、2分の1の割合で分けることが一般的ですが、夫婦のどちらか一方の大きな努力で得た財産の場合は、2分の1にならない場合もあります。

3-2:婚姻費用

離婚前から別居している場合は、収入の少ないほうが多い方に対して、別居中の生活費を婚姻費用として請求できます。

夫が無職で妻が働いている場合は、妻から夫に婚姻費用を支払うケースもあります。

3-3:親権

未成年の子どもがいる場合は、夫と妻のどちらが親権を持つかを決めます。

子どもの年齢や、監護の実績などさまざまな要素を総合的に判断するのが一般的です。

場合によっては、子どもの意思を尊重したり、兄弟がいる場合はなるべく引き離さないようにしたりすることもあります。

3-4:養育費

妻が子どもを引き取る場合、無職の夫から養育費を受け取ることは難しいケースがあります。

しかし、夫が離婚して親権者ではなくなったとしても、親子であることには変わりないので、非監護親は子どもの生活に必要な養育費を渡さなければなりません。

夫がすぐに養育費を払えない状況でも、健康に問題がなく、再就職できる見込みがある場合は、「再就職して給料をもらったら払う」など、しっかり話し合うことが大切です。

なお、再就職後に養育費を支払う場合は、これらの内容を公正証書にしておくと、きちんと支払ってくれる可能性が高くなります。

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4章:離婚の話し合いがまとまらないときの対処法

無職の夫と離婚の話し合いをしても、思うように合意に達しないこともあり得ます。

そんなときは、話し合い以外の方法で対処することも必要です。

離婚の話し合いがまとまらないときの対処法として、次の3つがあげられます。

  • 離婚調停を申し立てる
  • 弁護士に依頼して交渉してもらう
  • 調停でもまとまらないときは裁判

それぞれ解説します。

4-1:離婚調停を申し立てる

離婚調停とは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、裁判所(調停委員会)の仲介を経て、合意による離婚を目指す方法です。

離婚に関するさまざまな問題を話し合うことができます。

また、話し合いの場が家庭裁判所に移り、調停委員が間に入ることで、話し合いによる柔軟な解決ができる可能性が出てきます。

ただし、1回で解決することはなく、複数回の話し合いで解決することが多いです。

4-2:弁護士に依頼して交渉してもらう

弁護士に依頼して、夫と交渉してもらうことも1つの方法です。

法律の専門家が間に入ることで、冷静な交渉ができます。

ただし、弁護士費用がかかるので、離婚成立の見込みがあるときや、条件のすり合わせなどを任せたいときにオススメです。

4-3:調停でもまとまらないときは裁判

調停でも話し合いがまとまらず「不成立」となった場合、無職の夫との離婚に決着をつけるためには、離婚裁判を起こす必要があります。

一般的には、離婚を希望する当事者が裁判を起こすため、無職の夫と離婚する場合は妻が裁判を起こすことになります。

離婚裁判では、裁判官に離婚の可否や離婚条件の判断をしてもらうことになります。

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まとめ:夫が無職で離婚することはできるが同意がなければ難しい

最後に今回の内容を振り返ります。

【夫が無職で離婚する前にやるべきこと4つ】

  • 離婚後の仕事・収入を確保する
  • 離婚後の住まいを確保する
  • 貰える助成金を調べる
  • 夫に再就職するようにすすめる

【夫が無職で離婚する方法】

  • 話し合いによる協議離婚でなければ難しい
  • 離婚理由がなければ、まずは別居を始める

【夫が無職で離婚するときに話し合うべきこと】

  • 財産分与
  • 婚姻費用
  • 親権
  • 養育費

【離婚の話し合いがまとまらないときの対処法】

  • 離婚調停を申し立てる
  • 弁護士に依頼して交渉してもらう
  • 調停でもまとまらないときは裁判

この記事の内容を参考にして、夫が無職で離婚する際に役立ててください。

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