【離婚なし】浮気の慰謝料相場|請求に必要な4つの条件と7つの増額要素


この記事を読んで理解できること
- 浮気されたが離婚しない場合の慰謝料相場と過去の判例
- 浮気発覚後、離婚しない場合も4つの条件を満たしていれば慰謝料請求できる!
- 浮気発覚後に離婚しない場合に慰謝料に影響する7つの要素
あなたは、
「浮気発覚後に離婚しない場合の慰謝料相場が知りたい」
「浮気発覚後に離婚をしない場合でも慰謝料請求できるのか知りたい」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?
実は浮気発覚後に離婚をしなくても慰謝料を請求することはできます。
ただし、離婚する場合の方がより高額な慰謝料を請求することができるでしょう。
慰謝料の額は7つの要素をどれだけ満たしているかで慰謝料の請求金額は大きく変動します。
また、浮気発覚後に離婚しない場合でも慰謝料を請求するためには4つの条件を満たさなければいけません。
そこでこの記事では、浮気の発覚後に離婚しない場合の浮気の慰謝料について解説します。
さらに、慰謝料を請求するための4つの条件と慰謝料に影響する7つの要素について解説します。
パートナーの浮気が発覚した場合に、離婚はしないけど浮気相手に慰謝料を請求したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1章:浮気されたが離婚しない場合の慰謝料相場と過去の判例
まずは浮気されたが離婚しない場合の慰謝料相場と過去の判例を紹介します。
浮気発覚後に離婚をしない場合でも、浮気相手に慰謝料を請求することはできます。
ただし、離婚する場合と比べると慰謝料の請求額が減額してしまいます。
過去の判例をみていても、高額な慰謝料を請求しているケースは多くはないため、高額な慰謝料を請求することは難しいでしょう。
あなたが置かれている状況と照らし合わせて、参考にしてください。
1-1:浮気されたが離婚しない場合の慰謝料相場は50万~200万円!
それでは浮気されたが慰謝離婚しない場合の慰謝料相場と過去の判例を紹介します。
浮気発覚後に離婚しない場合の慰謝料相場は、50万~200万円です。
浮気発覚後に離婚をしないとはいえ、慰謝料を請求することはできます。
慰謝料の請求額は、過去の判例を参考に決められることが多いです。
そのため、あなたの現在の状況に類似している過去の判例があれば、その判例を基にあらゆる情報を加味して、請求額が決められるのです。
この章では内縁の妻(事実婚)に浮気された場合の慰謝料相場と、過去の判例を紹介します。
あなたの現在の状況と照らし合わせて、参考にしてください。
1-2:過去の判例1.慰謝料の請求金額が150万円の場合
平成23年東京地裁では、婚姻期間約27年の夫婦の夫Aから、婚姻中の妻Bと浮気をしていた男性Cに対して、150万円の慰謝料請求が認められた。
BとCは学生時代からの知り合いで、CからBへの連絡により再開したことがきっかけとなり、不貞行為へ発展した。
不貞行為が2年間続いたことなどが要因となり150万円の請求が認められた。
AとBは離婚はしていないが、別居状態になった。
1-3:過去の判例2.慰謝料の請求額が50万円の場合
平成24年東京地裁では、婚姻期間が約19年の夫婦の妻Sから婚姻中の夫Tと浮気をした女性Uに対して、50万円の慰謝料請求が認められた。
原告である妻Sは、夫Tの浮気相手である女性Uに対して500万円の慰謝料を請求していた。
UはTから離婚が決まっていると聞いており、交際を行っていたことから当初から夫婦が別居していたために,50万円の請求金額が決定された。
SとTは、もともと別居状態ではあったものの、夫婦間の感情的な交流や、対外的な夫婦としての振る舞いは行われており、浮気発覚後も離婚はなく、関係は変わっていない。
1-4:過去の判例3.慰謝料の請求額が220万円の場合
平成25年東京地裁では、婚姻期間が約22年の夫婦の夫Jから、婚姻中の妻Kと浮気をした男性Mに対して220万円の慰謝料請求が認められた。
(うち20万円は弁護士費用)
原告である夫Jは、妻Kの浮気相手である男性Mに対して440万円の慰謝料を請求していた。
親密な不貞行為があったことや未成年の子どもがいることなどから、220万円の慰謝料請求が認められた。
JとKはもともと平穏な生活を過ごしており、浮気発覚後も離婚はせず、変わらない生活を送っている。
2章: 浮気発覚後、離婚しない場合も4つの条件を満たしていれば慰謝料請求できる!
浮気発覚後、離婚しない場合でも慰謝料を請求することは可能です。
ただし、慰謝料を請求するには婚姻つの条件をクリアしている必要があります。
【浮気発覚後に離婚しない場合でも慰謝料を請求するための4つの条件】
- 婚姻・婚約・内縁関係のいずれかにある
- 浮気相手が故意・過失であること
- 浮気が原因で権利の侵害を受けた
- 時効を経過していない
これらつの条件をクリアしている場合には、慰謝料を請求することができるでしょう。
あなたが今置かれている状況はいかがでしょうか?
それぞれの条件について詳しく解説します。
2-1:婚姻・婚約・内縁関係のいずれかにある
慰謝料を請求するための1つ目の条件は、あなたとパートナーが婚姻・婚約・内縁関係のいずれかにあるということです。
仮にいずれの関係でもない場合は、不倫は認められず慰謝料を請求することはできません。
たとえば、あなたに彼氏がいたとして、あなたの彼氏が大学生と肉体関係を行ってしまったとしても、それは不倫ではありません。
仮に彼氏と婚約中であれば、慰謝料を請求することはできますが、彼氏と婚約中でない場合は慰謝料を請求することはできないのです。
慰謝料を請求する前に、婚姻・婚約・内縁のいずれかの関係があるかを確認しましょう。
2-2:浮気相手が故意・過失である
浮気で慰謝料を請求するには、浮気相手が故意・過失である必要があります。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
故意であるということは、パートナーがいるということを知りながらも、わざと浮気をして過失を与えているということです。
反対にパートナーがいるということを知らずに、浮気相手が浮気をしていた場合、故意・過失であるとは判断しづらいため、慰謝料の請求をできません。
例えば、旦那が浮気をしていたが、浮気相手の女子大生は旦那にパートナーがいると知らずに、浮気をしてしまった場合は、故意・過失とはいいがたいので、慰謝料を請求することは難しいでしょう。
確実に慰謝料を請求するためにも、浮気相手が故意・過失であるかは確認しておきましょう。
2-3:浮気が原因で権利の侵害を受けた
3つ目の条件は浮気が原因で権利の侵害を受けたかどうかです。
権利の侵害とは、浮気が原因であなたが受けた被害のことです。
- 円満な家庭環境だったが浮気が原因で、不仲になった
- 良好な婚姻生活が、浮気が原因で離婚するまでに至った
- 婚約していたが、浮気が原因で婚約破棄になった
このような場合は、権利の侵害が認められ、慰謝料を請求することができます。
もともと夫婦が不仲だった場合などは、慰謝料の請求が難しいこともあるので注意しましょう。
2-4:時効が経過していない
慰謝料を請求するための最後の条件が、時効が経過していないということです。
時効を経過してしまった場合、証拠や相手の過失がどれだけあっても慰謝料を請求できなくなってしまいます。
慰謝料の時効は2つあり、いずれか短い方が適用されます。
- あなたがパートナーの浮気もしくは浮気相手を知った時から3年
- パートナーと浮気相手の浮気が始まってから20年
(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
以上2つの時効条件のうち、どちらか一方が経過してしまうと慰謝料を請求することができません。
パートナーの浮気を知った際には、なるべく早く証拠をつかみ、慰謝料を請求できるように行動しましょう。
3章:浮気発覚後に離婚しない場合に慰謝料に影響する7つの要素
浮気発覚後に離婚しない場合には、慰謝料に影響する要素は7つあります。
浮気発覚後に離婚しない場合に慰謝料に影響する7つの要素
- 婚姻の期間
- 子どもの有無
- 浮気期間
- 浮気の回数
- 相手の社会的地位
- 反省の有無
- 離婚の有無
それぞれの要素について詳しく解説します。
ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。
3-1:婚姻の期間
婚姻期間の長さは慰謝料に影響を及ぼします。
たとえ婚姻であっても、婚姻の期間が長ければ長いほど、高額な慰謝料を請求できる可能性があるのです。
これは婚姻期間が長ければ長いほど、浮気をされた側の精神的ストレスが大きいと判断されるためです。
例えば、婚姻期間が20年の夫婦と、婚姻期間が10年の夫婦がいたとします。
いずれの夫婦も同じくらい仲が良い場合、浮気されたときのショックが大きいのは、おそらく婚姻期間が20年の夫婦でしょう。
婚姻期間が長いからといって、慰謝料請求が必ず高額になるわけではありませんが、婚姻期間も1つの判断材料として採用されていることは事実です。
婚約中の浮気の証拠と慰謝料を請求するための条件、請求方法を解説
3-2:子どもの有無
幼い子供の有無も慰謝料に影響を及ぼします。
- 子どもの成長には両親の存在が必要
- 育児中に浮気をされることは精神的ストレスが大きい
以上2点の理由から、夫婦間に幼い子どもがいる場合、高額な慰謝料を請求できる可能性があるのです。
そのため、子どもがいる場合でも、年齢や育児レベルによって慰謝料請求額は変動することがあるのです。
例えば、子どもが20歳を超えて仕事をしている場合と、子どもが2歳で親の育児が必要な場合では、子どもが2歳の場合の方が、高額な慰謝料を請求しやすいのです。
3-3:浮気期間
浮気期間の長さも慰謝料の金額に影響を及ぼします。
浮気の期間が長ければ長いほど、高額な慰謝料を請求できる可能性があるのです。
浮気の長さが長ければ長いほど、浮気された側の精神的ストレスが大きいと考えられるためです。
そのため、浮気が発覚した場合には、パートナーと浮気相手が連絡を取り始めた時期を、メールやチャットから割り出しましょう。
3-4:浮気の回数
浮気(不貞行為)の回数も慰謝料の金額に影響を及ぼします。
不貞行為の回数が多ければ多いほど、高額な慰謝料を請求できる可能性があるのです。
不貞行為の回数が多ければ多いほど、浮気された側の精神的ストレスが大きいと考えられるためです。
たとえ、浮気期間が短い場合でも、不貞行為の回数が多い場合は、高額な慰謝料を請求することができます。
ただし、不貞行為の回数は客観的な証拠をつかむことは難しいことも事実です。
証拠をつかむことができた際には、慰謝料に大きな影響を及ぼすこともあるということを覚えておきましょう。
3-5:相手の社会的地位
慰謝料請求をされる側の年齢・立場・資産も慰謝料に影響を及ぼします。
- 年齢が高い
- 社会的地位が高い
- 資産や収入が多い
慰謝料請求される側がこのような立場であれば、高額な慰謝料を請求できる可能性があるのです。
これは年齢や社会的地位が高い方が、主導して浮気を行っている、資産や収入に応じた慰謝料を払うことが妥当という考えがあるためです。
しかし、近年ではこれらの要素を慰謝料の算定に加えない裁判例も増えてきています。
そのため、必ずしも高額な慰謝料が請求できるわけではないことを覚えておきましょう。
詳細が知りたい場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
3-6:反省の有無
浮気発覚後に、浮気をした側に反省の姿勢があるかないかということも慰謝料に影響を及ぼします。
浮気発覚後、浮気した側に反省の姿勢がないと判断された場合、高額な慰謝料を請求することができるかもしれません。
例えば、旦那の浮気が発覚し「2度目はない」と注意したが、旦那がまた浮気をした際などは、高額な慰謝料を請求できる可能性が高いです。
不倫発覚後に本当に旦那が浮気を辞めているかは、確認しましょう。
3-7:離婚の有無
離婚の有無も慰謝料の請求額に影響を及ぼします。
浮気が原因で離婚があった場合には、高額な慰謝料を請求できる可能性もあります。
ただし、離婚前の夫婦が不仲だった場合は、慰謝料には大きく影響しないでしょう。
夫婦の仲が円満で、浮気が原因で離婚があった場合には、精神的な負担が大きいと判断され、高額な慰謝料を請求することができるのです。
離婚をしない場合でも、慰謝料を請求することは可能ですが、離婚をした方が慰謝料の請求金額が高くなることも事実です
不倫の慰謝料相場について知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
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4章:慰謝料請求は弁護士に依頼するとスムーズ!弁護士に依頼する3つのメリット
慰謝料請求は弁護士に依頼するとスムーズに行うことができます。
慰謝料請求を自分で行うことはもちろん可能なのですが、思っている以上に労力を必要とします。
- 請求書の作成
- 請求相手との交渉
- 裁判
自分で行うには難しい法律的な作業も多く、心が折れてしまう人も少なくありません。
そのため、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士に慰謝料請求を依頼すると次のようなメリットがあります。
- 慰謝料交渉が有利になる
- ストレスが少なくなる
- 慰謝料に関するあらゆることを弁護士があなたの代わりに対応してくれる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
4-1:慰謝料交渉が有利になる
慰謝料請求を弁護士に依頼すると、慰謝料交渉が有利になります。
浮気の慰謝料請求額は、請求相手との交渉で決まることもあります。
弁護士に依頼をした場合、論理的かつ法的な観点から交渉を進めてくれるため交渉が有利になるのです。
当然、浮気相手は慰謝料を減額しようと、あらゆる手を尽くしてきます。
自分で行う際には、相手の話に流されたり言い返せなかった場合、慰謝料を減額されてしまうかもしれません。
慰謝料を確実に払ってほしい場合には、慰謝料請求を弁護士に依頼することをおすすめします。
【2024年度版】【慰謝料請求に強い弁護士の特徴とは?】選ぶ基準を現役弁護士が解説
4-2:ストレスが少なくなる
慰謝料請求を弁護士に依頼することで、ストレスが少なくなります。
慰謝料請求では、浮気のことを思い出しながら、交渉や手続きを進めていくことになります。
つらい過去を思い出し、話をしていると、大きなストレスになることもあるのです。
弁護士に依頼した場合、慰謝料交渉や裁判などでも弁護士が慰謝料請求を進めてくれます。
慰謝料請求のストレスをなるべく減らしたい方や、労力をかけたくない方は、浮気の慰謝料請求を弁護士に依頼することをおすすめします。
4-3:慰謝料に関するあらゆることを弁護士があなたの代わりに対応してくれる
慰謝料請求を弁護士に依頼すると、慰謝料請求に関するあらゆることを弁護士があなたの代わりに対応してくれます。
例えばこのような対応です。
- 慰謝料交渉
- 書類の作成
- 裁判への出廷
弁護士に慰謝料請求を依頼した場合、慰謝料交渉や裁判への出廷は、弁護士が行います。
あなたは慰謝料交渉の場や、裁判所に行く必要はありません。
また、請求書や内容証明などの法律が絡む書類も弁護士が作成してくれるのです。
そのため、弁護士に慰謝料請求を行った場合、あなたが行う慰謝料請求に関する手続きは、証拠集め程度です。
その後の、手続きは基本的には弁護士が行ってくれます。
慰謝料を請求するには、莫大な時間と労力がかかるため、少しでもスムーズかつ確実に慰謝料を請求したい場合は、弁護士に浮気の慰謝料請求を依頼するとよいでしょう。
不倫慰謝料請求に強い弁護士の探し方等について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【2024年度版】不倫慰謝料相談に強い弁護士の選び方!依頼のメリットもあわせて解説
慰謝料請求については以下の記事で詳しく解説しています。
今すぐ慰謝料請求について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
【2024年度版】【保存版】不倫で慰謝料請求!高額請求のポイントと知っておきたい知識
まとめ:浮気で離婚しない場合の慰謝料
最後に今回の内容をまとめます。
■浮気発覚後に離婚しない場合でも慰謝料を請求するための4つの条件
- 婚姻・婚約・内縁関係のいずれかにある
- 浮気相手が故意・過失であること
- 浮気が原因で権利の侵害を受けた
- 時効を経過していない
■浮気発覚後に離婚しない場合に慰謝料に影響する7つの要素
- 婚約の期間
- 子どもの有無
- 浮気期間
- 浮気の回数
- 相手の社会的地位
- 反省の有無
- 離婚の有無
■慰謝料請求を弁護士に依頼する3つのメリット
- 慰謝料交渉が有利になる
- ストレスが少なくなる
- 慰謝料に関するあらゆることを弁護士があなたの代わりに対応してくれる
この記事でかいたポイントを踏まえて、さっそく行動に移っていきましょう。