不貞行為の自白は証拠になる!自白を証拠にする方法と3つの注意点
この記事を読んで理解できること
- 不貞行為を自白することは証拠になる!
- 不貞行為の自白を証拠にするには書面や動画で残す
- 自白を証拠にするときの3つの注意点!
- 不貞行為を自白しても慰謝料額は変化しない
- 不貞行為の自白は証拠として十分認められる!まずは弁護士に相談しよう
あなたは
「不貞行為自白は証拠になるの?」
「パートナーが不貞行為をしてきたときは音声や動画に残した方がいいの?」
「不貞行為の自白を無理やり言わせてもいいの?」
このようなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。
結論から言うと、不貞行為の自白は証拠になります。
とはいえ、浮気の自白を証拠にするには何らかの方法で物的証拠を残さなければいけません。
不貞行為は違法行為であるため、不貞行為の被害に遭った側は、物的証拠さえあれば、パートナーとその浮気相手に慰謝料を請求することができます。
ただし、不貞行為の自白を証拠にするには3つの注意点があります。
【不貞行為の自白を証拠にする際の3つの注意点】
- 強制的に自白をさせると証拠にはならない
- 相手が自白を認めない場合は証拠にならない
- 友人の証言は証拠にならない
これらの注意点を守りながらも、物的証拠を残さなければ証拠として認められません。
そこでこの記事では、パートナーが不貞行為を自白した場合、証拠として認められる方法とその注意点について解説します。
「パートナーから不貞行為を自白されてどうしたらいいかわからない」
「自白をどのようにして証拠にするのか知りたい」
このような方はぜひ参考にしてください。
【全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点】
不貞行為の自白は証拠になるため、下記のポイントを押さえておくことが大事です。
■不貞行為の自白を証拠にする3つの方法
- 音声データで残す
- 動画で残す
- 書類で残す
■不貞行為の自白を証拠にする3つの注意点
- 強制的に自白をさせると証拠にはならない
- 相手が自白の信用性を争ってきたときに証拠としての価値が下がる可能性がある
- 友人の証言だけでは不貞行為の存在を立証できない場合が多い
目次
1章:不貞行為を自白することは証拠になる!
冒頭でも説明しましたが、不貞行為の自白は証拠になります。
とはいえ、そもそも不貞行為とはなんなのかを理解しておかないと、結果として慰謝料請求ができないこともあります。
そのため、不貞行為の自白について理解を深めるために、この章では、
- そもそも不貞行為とは
- 不貞行為を自白することが証拠になる理由
2点について解説します。
不貞行為について、知識や理解を深めて自身が損をしないように行動しましょう。
1-1:そもそも不貞行為とは?
不貞行為の基準は法律上で明確に定義はされていませんが、一般的には次のようにされています
【不貞行為の定義】
夫婦や婚約している恋人同士、もしくは内縁関係の男女の一方が、パートナー以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つこと
これを簡単に言うと、「パートナー以外の異性と自分の意思で性行為(オーラルセックス含む)を行うこと」です。
つまり、慰謝料請求をするためには、この条件を満たしていなければいけません。
まずは、パートナーの自白が不貞行為に該当する内容なのかを明確にしましょう。
不貞行為に該当しないのに、不貞行為だと思い込んで慰謝料請求を行ってしまうと、あなたが名誉棄損などに該当し、慰謝料を請求される可能性もあります。
パートナーが不貞行為を自白した場合は、不貞行為に該当するかの確認を必ず行いましょう。
1-2:不貞行為を自白することが証拠になる理由
次に不貞行為を自白することが証拠になる理由について解説します。
パートナーが不貞行為を自白するということは、あなた以外の異性と肉体関係を持ったことを認めたと判断されるからです。
口頭ではありますが、自白をするということは基本的には自分の意志で発言をしています。
慰謝料を請求される可能性もあるにもかかわらず、わざわざ不貞行為をしたと嘘をつく意味はありません。
そのため、不貞行為の証拠として判断されるのです。
次の章では、不貞行為を証拠にする方法について解説します。
2章:不貞行為の自白を証拠にするには書面や動画で残す
不貞行為の自白を証拠として残すには、主に3つの方法があります。
【不貞行為の自白を証拠にする3つの方法】
- 書類で残す
- 音声データで残す
- 動画で残す
これらの方法で不貞行為の自白を、第三者にも認めさせる証拠にできます。
証拠としての優劣は一般的には,書面が最も効果的とされており、その次に音声又は動画です。
音声や動画だと自白の発言のニュアンスが不貞行為を認めるものか否かの判断を決めかねてしまうケースも多々あります。
そのため、明確な形で書面により残しておくことで、誰が見ても同じ判断をしやすい書面に残すことがもっとも効果的であるとされています。
しかし、より強力な証拠にしたい場合には、これらの方法を1つだけ実践するのではなく、複数あるいはすべての方法で残しておくと、さらに強力な証拠として利用できるでしょう。
ただし、自白を強制する行為はやってはいけません。
自白を強要すると、脅迫罪や強要罪にあたる可能性があります。
刑法には、強要罪と脅迫罪について次のように記載されています。
(脅迫)
第二百二十二条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。(強要)
第二百二十三条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。出典:刑法222条、223条
これらの罪に該当してしまうと、あなたが訴えられる可能性や賠償金を支払わなければいけない可能性もあります。
最悪の場合には、3年以下の懲役が命じられる可能性もあります。
そのため、自白を強制する行為は絶対に行ってはいけません。
不貞行為の自白を証拠にする3つの方法について、それぞれについて詳しく解説します。
2-1:書類で残す
1つ目の方法は、不貞行為の自白を書類で残すということです。
不貞行為の自白を書面に書き起こし、不貞行為を行った人に署名をしてもらうことで第三者に不貞行為の事実を認めてもらえます。
ただし、書類をねつ造や改ざんしてしまうと証拠として認めてもらえません。
具体的には、以下の内容を盛り込むことで、不貞行為の事実を正当に認めてもらうことができます。
- 不貞配偶者と同人が既婚と知りつつ不貞行為を行ったこと(必須)
- 不貞行為の期間(回数)(できれば)
- 場所(できれば)
- 相手方の署名・押印及び日付(必須)
書面はデータと紙の2つの方法で保管しておきましょう。
また、音声・動画・書面いずれの場合も、データを複数の端末やデータで保管するようにしておくことで、破損のリスクにも対応することができます。
不貞行為の自白を書き記す念書はこちらからダウンロードできます。
2-2:音声データで残す
2つ目の方法は、音声データで残すということです。
パートナーが自白した不貞行為の事実を第三者にもわかるように、録音することで自白を証拠にすることができます。
具体的には、
- ボイスレコーダー
- スマートフォン
- パソコン
これらを使うことで、パートナーの自白を録音することができます。
2-3:動画で残す
3つ目の方法は、動画データで残すことです。
動画データを残すことにより、音声データよりも情報量が多くなるため、自白をしている人が本当に反省しているのか、自白を強制されていないかなどを第三者が判断することができます。
ただし、編集を行ってしまった場合などは証拠として認められない可能性もあるため、動画はなるべく中断や編集をしていないものをデータとして残すことをおすすめします。
不貞行為の証拠は、自白以外にもさまざまです。
もしあなたが不貞行為の証拠について、さらに詳しく知りたい場合は、当サイトの別記事を参考にしてください。
不貞行為の証拠について詳しく解説しています。
3章:自白を証拠にするときの3つの注意点!
不貞行為の自白を証拠にするときには、3つの注意点があります。
【不貞行為の自白を証拠にする3つの注意点】
- 強制的に自白をさせると証拠にはならない
- 相手が自白の信用性を争ってきたときに証拠としての価値が下がる可能性がある
- 友人の証言だけでは不貞行為の存在を立証できない場合が多い
自白を証拠にするときにはこれらの注意点を守らなければ、せっかくのデータが証拠として認められなくなってしまう可能性があるのです。
それぞれの注意点を把握しておくことで、自白をより確実な証拠を作ることができます。
3-1:強制的に自白をさせると証拠にはならない
1つ目の注意点は、不貞行為の自白を強制させると証拠にならないということです。
自白を強制させる行為は、自白した内容の信ぴょう性がなくなるため、証拠として認めてもらえない可能性が高いのです。
場合によっては脅迫だと判断され、あなたが訴えられる可能性もあります。
「自白しないと恥ずかしい写真をSNSで公開する」
「自白をしないと殴る」
などの言動は脅迫・プライバシーの侵害・暴行にあたる可能性があるため、絶対に行ってはいけません。
第三者に認めてもらえる信ぴょう性の高い証拠を作るためにも、自白を強制してはいけないのです。
3-2:相手が自白の信用性を争ってきたときに証拠としての価値が下がる可能性がある
2つ目の注意点は、相手が自白の信用性を争ってきたときに証拠としての価値が下がる可能性があるということです。
パートナーが不貞行為に自白をした後に、自白の内容を認めない発言をした場合、自白が証拠として認められない可能性があります。
これは、双方の意見が違うため、いずれの情報にも信ぴょう性がないと判断されるからです。
そのため、自白を物的証拠として、音声やデータ、書面として残しておくことが必要なのです。
パートナーが不貞行為を自白した際には、必ず物的証拠を残し、自白を認めさせられるようにしておきましょう。
3-3:友人の証言だけでは不貞行為の存在を立証できない場合が多い
3つ目の注意点は、友人の証言だけでは不貞行為の存在を立証できない場合が多いということです。
友人の証言は、証拠をより確かなものにすることはできますが、それだけでは証拠にはなりません。
たとえば、
「あなたの旦那が知らない女の人とラブホテルに入っていくのを見たよ」
という証言が友人から会った場合、まずあなたがこの証言でパートナーが不貞行為をしたと断定できないはずです。
それほどに第三者の証言は信ぴょう性に欠けるのです。
しかし、他の証拠や複数の証言を組み合わせることにより、小さな証拠をより大きなものして信ぴょう性のある証拠を作ることは可能です。
場合によっては、友人の証言も紙やデータに残しておきましょう。
4章:不貞行為を自白しても慰謝料額は変化しない
次に不貞行為を自白することで、慰謝料の金額は変化するのか、ということについて解説します。
結論から言うと、パートナーが不貞行為を自白したところで、あなたが請求できる慰謝料額は変化しません。
これは自白をしただけでは、反省の色が見られないと判断されることもあるからです。
ただし、自白をしており、さらに深く反省していると判断された場合には、慰謝料額が減額される可能性もあります。
もしあなたが、慰謝料額の算定要素や算定方法についてさらに詳しく知りたいのであれば、当サイトの別記事を参考にしてください。
不貞行為の慰謝料計算について詳しく解説しています。
【試算表つき】不倫慰謝料の計算に関わる8つの要素と計算時の注意点
さらに、不倫の慰謝料相場とその要因について知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
5章:不貞行為の自白は証拠として十分認められる!まずは弁護士に相談しよう
今回紹介した方法や注意点が守られていれば、不貞行為の自白は証拠として十分に認められます。
しかし、もしあなたが証拠の信ぴょう性に不安がある場合や、確実に慰謝料を請求したいと考えているなら、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に不貞行為の自白や慰謝料請求を相談することによって、次のようなメリットがあります。
【弁護士に依頼するメリット】
- 証拠を組み合わせて証拠の信ぴょう性を高めてくれる
- 交渉や手続きを弁護士がすべて行ってくれる
- より高額な慰謝料を請求できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
5-1:情報を組み合わせて証拠の信ぴょう性を高めてくれる
1つ目のメリットは、情報を組み合わせて証拠の信ぴょうを高めてくれるということです。
慰謝料の請求でもっとも大切なのは、証拠とお話ししました。
しかし、確固たる証拠がつかめないときには、弁護士が少ない情報を論理的にまとめて、証拠を整理してくれるのです。
たとえば、先ほど紹介した友人の証言などは、証拠にはなりませんが、自白と組み合わせることで、証拠をさらに強力にすることができます。
信ぴょう性のある証拠は自分ではなかなかつくることができないものです
証拠に不安がある方は弁護士に依頼することをおすすめします。
5-2:交渉や手続きを弁護士がすべて行ってくれる
慰謝料請求を弁護士に依頼すると、慰謝料請求に関するあらゆることを弁護士があなたの代わりに対応してくれます。
例えばこのような対応です。
- 慰謝料交渉
- 書類の作成
- 裁判への出廷
弁護士に慰謝料請求を依頼した場合、慰謝料交渉や裁判への出廷は、弁護士が行います。
あなたは慰謝料交渉の場や、裁判所に行く必要は原則としてありません。
また、請求書や内容証明などの法律が絡む書類も弁護士が作成してくれるのです。
そのため、弁護士に慰謝料請求を行った場合、あなたが行う慰謝料請求に関する手続きは、証拠集め程度です。
その後の、手続きは基本的には弁護士が行ってくれます。
慰謝料を請求するには、莫大な時間と労力がかかるため、少しでもスムーズかつ確実に慰謝料を請求したい場合は、弁護士に不倫の慰謝料請求を依頼するとよいでしょう。
5-3:より高額な慰謝料を請求できる
3つ目のメリットは、弁護士に依頼をすることでより高額な慰謝料を請求できることです。
慰謝料の請求には、証拠が必要ですが、慰謝料の額には、さまざまな要素が影響しています。
そのため、慰謝料を請求した場合に自身で適切な金額を請求することは難しいのです。
また、あなたが慰謝料を請求する相手も慰謝料の減額を求めてくる場合があります。
慰謝料を減額させないためには、法律の専門知識や交渉スキルが必要となります。
そのため、一般人では慰謝料の減額を防ぐことは難しいのです。
弁護士に依頼すれば、慰謝料の交渉も行ってくれるため減額を防ぎ、より高額な慰謝料を請求することができるのです。
不倫トラブルに強い弁護士の探し方等について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【保存版】不倫トラブルを弁護士に依頼して最大限有利に解決する全手法
まとめ:不貞行為の自白と証拠
それでは今回の内容をまとめておきます。
【不貞行為の自白を証拠にする3つの方法】
- 音声データで残す
- 動画で残す
- 書類で残す
【不貞行為の自白を証拠にする3つの注意点】
- 強制的に自白をさせると証拠にはならない
- 相手が自白の信用性を争ってきたときに証拠としての価値が下がる可能性がある
- 友人の証言だけでは不貞行為の存在を立証できない場合が多い
【弁護士に依頼するメリット】
- 証拠を組み合わせて証拠の信ぴょう性を高めてくれる
- 交渉や手続きを弁護士がすべて行ってくれる
- より高額な慰謝料を請求できる
この記事を参考にして、すぐに行動しましょう。
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