
あなたは、
と思っていませんか?
タクシー運転手は、運転手の腕次第で稼げる金額が大きく異なるため「平均ってどのくらいだろう」と気になりますよね。
結論から言えば、タクシー運転手の年収の全国平均は、332万100円(男性の場合)というデータがあります。
ただし、女性の場合や、地方、勤続年数によって平均年収の金額は大きく変わります。さらに、「平均よりずっと少ない」という人も、それは勤務する会社がブラックで、本来もらうべき給料がもらえていないためである可能性があります。
そこでこの記事では、まずは地方や勤続年数、性別ごとのタクシー運転手の年収の平均と、タクシー運転手の拘束時間や給与体系の実態について解説します。
さらに、ブラックなタクシー会社を見分けるポイントと、これからタクシー運転手になりたいという人のために、タクシー運転手になるために必要な資格について紹介します。
最後までしっかり読んで、タクシー運転手としてより良い環境で働くために役立ててください。
目次
1章:タクシー運転手の年収は332万円?地方、性別、年齢別に比較
タクシー運転手は、働いている地方や性別、勤続年数などによって、年収の金額が大きく異なる仕事です。そこで、
- 地方ごとの平均年収
- 性別ごとの平均年収
- 全労働者の平均年収
- 年齢ごとの平均年収
について、順番に比較しましょう。
【地方ごとの平均年収】
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の調査によると、上記の表のように、タクシー運転手の年収の全国平均は332万100円です。
表を見ると分かるように、地方によって大きく年収の金額が異なります。この中で最も低いのが宮城県の262万3600円で、最も高いのが東京都の442万8200円です。
ちなみに、47都道府県の中での最低額は鹿児島県の220万6900円です。
人が密集する都市部であるほど客も多いため、年収が高くなるようです。
次に、男女別に比較してみましょう。
【男女別年収比較】
表を見て分かるように、男性よりも女性の方が年収で50万円以上、年間賞与も3万6000円も低くなることが分かります。
最近では、女性の運転手を見かけることも増えていますが、まだ男性より「稼げない」という実態があることが分かります。
【タクシー運転手と全労働者との年収比較】
さらに、同じ調査で、全労働者とタクシー運転手の年収を比較すると、200万円以上もタクシー運転手の年収が低いことが分かります。年間賞与にいたっては7倍近くも差があります。
タクシー運転手の年収が低い理由について、詳しくは2章で解説します。
【年齢別の年収比較】
上記2つの調査とは異なる調査であるため、若干年収の額が異なりますが、タクシー運転手の年収を年齢別に比較すると、25歳〜29歳が421万3600円と最も高いことが分かります。
それ以降は徐々に下がっていき、70歳以上が278万4800円と最低になります。
2章:タクシー運転手は時給単価の賃金が安い?その理由を解説
1章で紹介したように、タクシー運転手は、
- 他の職種と比べて年収が低い
- 年を取るほど年収が下がる
という特徴があります。それは、タクシー運転手が「時給単価の賃金が安い仕事」であるからです。
タクシー運転手の、拘束時間や給与体系と合わせて解説します。
2-1:拘束時間が長く時給換算で賃金が安い
タクシー運転手は、以下の表から分かるように、他の職種よりも労働時間が長い割に、月給の金額が少ないです。
つまり、時給換算で賃金が安いため、稼ぐためには長時間働かざるを得ないのです。そのため、年を取って長時間働くことが難しくなると、その分年収も下がってしまいます。
しかも、客一人当たりの稼げる金額は変わらないため、稼ごうと思えば、その分労働時間を増やすしかなく、その分手待ち時間も延びていきます。そのため、他の職種と比べて労働時間が長い一方で、時給単価の賃金が延びず、年収が低いのです。
- 客を乗せやすい場所を開拓する
- リピーターを増やす
などの工夫で、できるだけ手待ち時間を減らす工夫をしているようです。
2-2:歩合給制のため実力で年収が左右される
タクシー運転手が自分の年収を上げようと思えば、手待ち時間を減らして、少ない時間の中でできるだけたくさんの客を乗せて、稼げるように工夫しなければなりません。
それは、タクシー運転手の多くが、「歩合給制」を取り入れた給与体系で働いているからです。
歩合給制とは、
「個人の成績や売り上げに応じて計算した給与制度のこと」
で、タクシー運転手の場合は、主に以下の2つのパターンがあります。
①固定給+歩合給:固定給にプラスして、売上高に応じて給与が支払われる
➁完全歩合給制:給与のすべてが売上高に応じて支払われる
会社員として働いているタクシー運転手の多くは、①の固定給+歩合給の給与体系で働いているのではないでしょうか。
固定給部分は少ないことが多いため、実力がある人は歩合給で稼げますが、実力がない人は歩合給も少なく、トータルでの給与が少なくなってしまします。
たとえば、以下のような給与体系になっていることが多いです。
(タクシー運転手の給与体系の例)
固定給18万円+歩合給8万円=月給26万円
②の完全歩合給制の場合はもっとシンプルで、売上高の○%が給与として支払われる、というように給与が決まります。
2−3:タクシー運転手は残業代がごまかされやすい
タクシー会社の中には、
間違っている人も多いですが、歩合給制の場合、残業代の計算方法が通常とは異なるだけで、残業の事実があれば残業代が発生します。
そのため、歩合給制を理由に残業しても残業代が一切出なければ、それは違法である可能性が高いです。
歩合給制の詳しい内容や、残業代の計算方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
歩合給制とは?誰でも5分でわかる正しい意味と不当な低賃金への対処法
3章:ブラックなタクシー会社を見分けるポイント
タクシー運転手として、
ある程度の年収を稼ぐためには、「ブラックタクシー会社」を避けて就職・転職することが大事なポイントです。
ブラックタクシー会社を見分けるポイントは、以下の3つがあります。
- タクシーランクが低い(東京の場合)
- 歩合給の取り分が少ない
- 事故を起こした時の保証がない
もし、あなたがすでにタクシー会社で働いているなら、あなたの会社がこの3つのポイントに当てはまらないか、チェックしてみてください。
それでは、順番に解説します。
3-1:タクシーランクが低い(東京の場合)
東京のタクシー会社の場合「タクシーランク」から、ブラックタクシー会社を見分けるという方法もあります。
タクシーランクとは、公益財団法人「東京タクシーセンター」が、東京都内のタクシー会社の安全性やサービスを、三段階で評価しているランキングのことです。
ランキングは、東京タクシーセンターの「法人タクシー事業者の安全・サービス等に関する評価制度」からチェックできます。
このランキングでは、「過去2年間以上連続C評価事業者」が公表されています。C評価は、3段階のうち最低の評価ですので、就職・転職活動をする時には、C評価の会社を避けることをおすすめします。
3-2:事故を起こした時の補償がない
ブラックタクシー会社には、
「事故を起こしたときの補償がない」
ということもあります。
タクシー運転手は、どれだけ運転に慣れていても、常に事故のリスクを抱えています。そのため、タクシーの営業車両には任意保険の加入が義務づけられています。
しかし、一部のブラックタクシー会社の場合は、
- 任意保険に加入していない
- 加入していても、補償内容や補償額が手薄
- 事故を起こすと、会社が運転手に損害賠償請求する
などの可能性があります。
そのため、ちゃんと任意保険に加入しているか、面接時や求人情報からチェックしてみましょう。
3-3:歩合給の取り分が少ない
ブラックタクシー会社を見分けるポイントとして「歩合給の取り分が少ない」ということもあります。
ほぼ全てのタクシー会社は歩合給制を取り入れており、売上げの○%が歩合給になる、と決められています。
一般的に、売上げのうちの運転手の取り分となる「歩合率」は、60%程度からなら大丈夫ですが、それより大きく下がるようなら、ブラックタクシー会社である可能性があります。
売上高のうち、歩合給としてあなたに支払われる部分の割合が少ないと、あなたは「どれだけ売上げをあげても、あまり稼げない」タクシー運転手になってしまいます。
そのため、売上げのうち、あなたの歩合給になるのはどのくらいなのか、
- 求人情報に明記されている会社を優先して選考を受ける
- 面接時に聞いてみる
などをおすすめします。
それでは最後に、タクシー運転手になるために必要な資格について紹介します。
4章:タクシー運転手になるための条件
タクシー運転手になるには、
- 第二種自動車運転免許
- 一部の地域では地理試験の合格
が必要です。
それぞれ解説します。
4-1:第二種自動車免許が必要
第二種自動車免許とは、タクシー運転手になるためには必須の免許です。普通の自動車免許(第一種普通自動車免許)とは異なるもので、試験を受けて合格する必要があります。
【第二種自動車免許の取得に必要な条件】
①普通自動車免許(第一種普通自動車免許)の取得から3年以上経過していること
②21歳以上であること
第二種自動車免許には、適性試験、学科試験、技能試験があります。
- 適性試験・・・視力、聴力、運動能力の検査
- 学科試験・・・マークシートの試験で、第一種の試験よりも難易度が高い
- 技能試験・・・教習コースを走行する試験で、第一種の試験よりも難易度が高い
4-2:一部の地域では地理試験に合格する必要もある
さらに、
- 東京都(23区、武蔵野市、三鷹市)
- 神奈川県(横浜市、川崎市、横須賀市、三浦市)
- 大阪府(大阪市他)
などの地域でタクシー運転手になるには、各地域のタクシーセンターでの「地理試験」に合格する必要があります。
地理試験とは、正確には「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」という試験で、80%以上の正答率で合格になります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容を振り返ってみましょう。
タクシー運転手の平均年収は「332万100円」で、他の職種と比べると、
- 他の職種と比べて年収が低い
- 年を取るほど年収が下がる
とう特徴があります。
タクシー運転手の年収が少ない理由は、
- 拘束時間が長く時給換算で賃金が安い
- 歩合給制のため実力で年収が左右される
- タクシー運転手は残業代がごまかされやすい
ということです。
タクシー運転手の給与体系は、以下の2種類の歩合給制のどちらかであるのが一般的です。
①固定給+歩合給…固定給にプラスして、売上高に応じて給与が支払われる
➁完全歩合給制…給与のすべてが売上高に応じて支払われる
ブラックタクシー会社を避けるポイントとしては、以下の3つがあります。
- タクシーランクが低い(東京の場合)
- 事故を起こした時の保証がない
- 歩合給の取り分が少ない
これから就職・転職するという人は、この記事の内容を参考にして、ぜひより良い会社を探してください。
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