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退職勧奨とは?5分でわかる!退職勧奨のパターンと3つの対処法

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

会社を辞めさせられた男性
経営者(建前)
「君にはこの仕事は向いていないんじゃないかな」
経営者(建前)
「今日は一日、書類にハンコを押してもらおうか」

このように、会社が様々な手を使って、あなたに自分で辞表を出してもらおうとすることを「退職勧奨」と言います。

会社から解雇をするのは難しいので、「なんとかして自分で辞めてもらおう」というのが、ブラック企業の意図です。

しかし、あなたが受けているのが退職勧奨であるのなら、応じる必要はないのです。

この記事では、退職勧奨の正しい意味や対処法、賠償金が取れるケースについてお伝えします。退職勧奨に負けず、堂々と会社で働き続けましょう!


1章 退職勧奨とは

大切なのは「あなたが受けているのは退職勧奨なのか?」ということを知ることです。

まずは退職勧奨の正しい意味や、ブラック企業の手口について学びましょう。

1-1 退職勧奨の正しい意味

退職勧奨とは、様々な手口を使って、あなたに自発的に退職届を出させるように仕向けることを言います。一般的に「肩叩き」と呼ばれるものです。

退職勧奨にあたる例としては、このようなものがあります。

・「君のことを思って言っているんだ」「君に向いている会社は他にあるよ」など直接的に退職を促す
・厳しく叱るなどパワハラまがいの行為をする

会社から解雇をするのは難しいので、このような回りくどい手を使うのです。

1-2 退職強要、解雇との違い

退職勧奨・退職強要・解雇の違い

会社があなたを辞めさせる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。退職勧奨と退職強要、解雇の違いをおさえましょう。

【退職強要】
退職強要とは、退職勧奨の手段の範囲を超え、会社を辞めるように強制することを言います。例えば

・退職届を出すまで暴行を加える
・退職届を出すまで、何回も面談と称して説教をする
・数人で取り囲んで退職を勧める

などが退職強要に当たると言えます。

退職勧奨と退職強要の明確な違いはなく、程度がひどいものを退職強要と呼びます。

また、退職強要にあたる場合には、3章で説明するように賠償金をもらえる可能性が高いです。

【解雇】

解雇は簡単にはすることができず、

・会社の金を横領した
・無断欠勤を繰り返した

など、きちんとした理由が必要になります。

1-3 ブラック企業に注意!退職勧奨の手口とは

では、退職勧奨の実際の手口にはどのようなものがあるのでしょうか。

まずスタンダードな手口が、実際に仕事をやめるよう直接言われる場合です。実際に裁判になった例で違法な退職勧奨とされた例を見てみましょう。

・1年間の病気休職から復職したキャビンアテンダント(CA)に対し、何度も面談を行い、「CAとして適性を欠いている」「別の道を考えるべき」「普通は辞表を出すものよ」などと述べた。また、反省文を書かせたうえ、上司は「CAとしては無理」「寄生虫みたいだ」とコメントした。(大阪地判平11.10.18)
→違法な退職強要にあたるとして、精神的損害に対し、50万円の慰謝料を認めた。
・退職勧奨を受けていた人が、自主退職はしないと言っているにもかかわらず、長時間の面談を行った。その際上司は、「いつまでもしがみつくものなのかなって」「懲戒免職とかになった方がいいんですか」などと述べた。(東京高裁平24.11.29)
→慰謝料として20万円を認めた。

また、退職勧奨によくある手口として「追い出し部屋」というものも存在します。これは、辞めさせたい人を暇な部署に追いやって、自主退職を促すというものです。例えば

・特別プログラムと称して、実際には転職活動を行わせる
・お客様の整列や商品整理など、簡単な作業しかさせない
・人材強化センターという名目で、実際に仕事はない

などがあります。

他にも、退職勧奨をされやすいケースとして、以下のようなものがあります。

・会社の中で女性だけに退職勧奨を行った
・妊娠を機に、退職するよう迫られた
・育休を取得したところ、暗に辞めるように言われた
・労働組合にはいったところ、肩たたきにあった

しかし、そもそもこのような理由で会社を辞めさせることはできません。男女雇用機会均等法や労働組合法など、個別の法律で禁止されているからです。そのため、このような理由で退職勧奨を受けた場合には、違法と言うことができます。

退職勧奨のイメージはつかめたでしょうか。次章では、退職勧奨をされた場合の正しい対処法を説明していきます。


2章 退職勧奨をされたら…正しい対処法まとめ

退職勧奨をされた場合、これに応じる必要はありません大切なのは、「まず弁護士に相談する」ということです。なぜならば、一人では会社に対抗することが難しいですし、退職勧奨に立ち向かうには、正しい法的知識に基づいて、迅速に対処する必要があるからです。

この章では、退職届を出す前と出してしまった後にわけて、具体的な対処法を説明していきます。まずは退職届を出す前から見てみましょう。

2-1 まだ退職届を出していない場合 │ 徹底的に拒絶する

【step1 弁護士に相談】
退職勧奨を受けている場合、応じる義務はありません。

そのため、退職勧奨を受けたら、徹底的に拒絶しましょう。この際に、

・上司の言動を録音したICレコーダー
・上司とやり取りをしたメール
・退職勧奨の経緯を書いたメモ

などを証拠として集めておくと、その後の相談がスムーズになります。

その上で、すぐに弁護士に相談することが大切です。

【step2 内容証明郵便】

弁護士に相談して最初に行うのは、内容証明郵便を送り、退職勧奨をやめるように通告することです。内容証明を送ること自体は自分でもできますが、会社が無視することも多いので、やはり弁護士名で送ってもらう方が賢明です。

【step3 差止めの仮処分】

それでも会社側が退職勧奨を辞めない場合には、最終的な手段として、差止めの仮処分という方法を使います。差し止めの仮処分とは、裁判では時間がかかるので、とりあえず退職勧奨をストップさせましょう、という裁判所の命令です。

差止めの仮処分が申し立てられると、あなたと会社の双方の言い分が聞かれます。その上で、裁判所が「退職勧奨を止めさせた方が良さそうだな」と判断すれば、「暴行をしてはいけない」などの仮処分を出してくれます。

2-2 もう退職届を出してしまった場合 │ 弁護士に相談する

いったん退職届を出してしまうと、これを覆すことはかなり難しくなります。しかし、方法がないわけではなく、以下のような場合には退職届の無効や取り消しを主張し、会社に戻ることができます。

【脅迫に当たるケース】 
・本当は懲戒解雇できる理由がないのに、「自分で退職しないなら解雇する」と迫られた
・不倫したことを理由に暴行を加え、辞職を迫った

【詐欺にあたるケース】
・新しい店舗ができることを秘密にしたまま「この店舗は閉店するので、退職しますか」と持ち掛けた

あなたのケースが、退職届の無効・取り消しに当たるか、というのは法律的に難しい問題です。
できれば、

・どういった経緯で辞めたのか
・上司とのやり取りを示す書面・メール

などの証拠をそろえ、弁護士に相談してみましょう。


3章 あまりにもひどい退職勧奨は賠償金をもらえる可能性がある


退職勧奨があまりにもひどい場合には、賠償金をもらうことができます。

賠償金をもらえるのは
「退職勧奨を全体的に見て、自分で辞めたとはいえない」
場合です。このとき、退職勧奨の回数や期間、上司の言動などが判断のポイントになります。

ここでは、実際に賠償金をもらうことができた裁判例を見ていきましょう。

【下関商業事件 昭55.7.10】
市教育委員会は、男性教諭に対し、退職勧奨の基準年齢55歳になったことを理由に2~3年にわたり退職を進めてきた。退職勧奨の内容としては
・「ここでやめるのが常識だ。あなたはわがままで、非常識ですよ」「退職金と年金で寝て暮らせますよ」などの発言
・3~4か月の間に、11~13回にわたり教育委員会の出頭を命じ、20分から2時間にもわたり退職勧奨を行った
などがあった。
賠償金5万円が認められた

【エフピコ事件 平11.6.15】
茨城の工場で現地採用された者に対して、広島の工場へ転勤に応じられないのならやめるよう圧力がかけられた。具体的には、転勤しないものには草むしりしかさせないなどのパワハラが行われた。
賠償金50万円が認められた

【平17.10.21東京地裁】
グラフィックデザイナーとして働く女性が結婚を機に退職を迫られた。具体的には、「結婚後も仕事を続けたい」と言ったところ、社長に呼び出され、「せっかくの縁を大切にしなさい」「人の思いやりが理解できないのか」などと叱り、退職させる様に仕向けた。
賠償金20万円が認められた


まとめ

退職勧奨について、イメージはわきましたか?最後に簡単に振り返ってみましょう。

【退職勧奨の基礎知識】
退職勧奨とは、様々な手口を使って、あなたに自発的に退職届を出させることを言います。

解雇や退職強要とは、以下の点で異なります。
・退職強要
退職強要とは、退職勧奨の手段の範囲を超え、会社を辞めるように強制すること
・解雇
会社が一方的にあなたをクビにすること

退職勧奨には、直接退職を促す言動の他にも、追い出し部屋を使った方法もあります。

【退職勧奨への対処法】
退職勧奨を受けている場合、応じる義務はありません。

・上司の言動を録音したICレコーダー
・上司とやり取りをしたメール
・退職勧奨の経緯を書いたメモ

などの証拠を揃えた上で、すぐに弁護士に相談することが大切です。

弁護士に相談したら、会社に内容証明郵便を送り、退職勧奨をやめるように通告します。これでも辞めない場合には、差止めの仮処分を行います。

【賠償金をもらう】
賠償金をもらえるのは
「退職勧奨を全体的に見て、自分で辞めたといえない場合」
です。このとき、退職勧奨の回数や期間、上司の言動などが判断のポイントになります

退職勧奨に対抗するためには、早い段階で弁護士に相談することが重要です。あなたが退職勧奨に悩んでいるのなら、早速弁護士に相談に行きましょう!