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【弁護士が解説】残業が長いプログラマーの実態と残業の正しい知識

QUEST法律事務所

代表弁護士住川 佳祐

残業するプログラマー

現在、プログラマーとして働く人は次のような悩みを抱えているのではないでしょうか

「今の仕事は残業が長い」
「残業が多いのは自分のいる会社だけなんだろうか」
「長時間残業してもお金にならないな」

あるいは、これからプログラマーという仕事を始めようとしている人なら、こんな風に考えているかもしれません。

「プログラマーって、実際のところ残業は長いんだろうか

ひとくくりにプログラマーと言っても、会社の規模や関わるプロジェクトによって仕事内容はよって様々で、残業が全くないという人もいます。

しかし、その一方で月100時間を超える残業を強いられている人も珍しくなく、社員を使い潰そうとするブラックな会社が多いのもプログラマー業界なのです。

この記事では、プログラマー業界の残業の実態と正しい法律ルールについて、わかりやすく説明します。記事を理解し、会社にいいようにこき使われないよう、正しい知識を身につけましょう。

(記事の流れ)


1章:プログラマー業界における残業の実態

それでは、早速プログラマーの残業の実態について考えていきましょう。

1-1:長時間残業が多いプログラマー業界

厚生労働省の調査によると、プログラマーの残業時間は平均20時間程度とされています。

プログラマー
20時間?自分の実感とは大きく離れているな。
弁護士
厚生労働省の調査は、
・会社が回答するため実態を反映しづらい
・プログラマーの中でも残業の長い短いがある
・ブラックな環境で働く人は過少申告を求められる

といった理由から、実際の数字よりも少なく出ると言われています。

 

つまり現場には、もっと長い時間にわたり酷使され、残業に苦しんでいるプログラマーが多くいると考えられます。

プログラマーの仕事と言っても、あなたが自社で開発を行う立場なのか(自社開発)、会社が他社から仕事を請け負っているのか(請負開発)、自社ではなく客先の会社に行って仕事を行うか(客先常駐)、といった労働形態によって待遇や勤務体系は様々です。

プログラマーの残業を考える時、問題になるのはこのうち「請負開発」と「客先常駐」です。

こうした働き方では、納期直前になると一カ月で100時間を超える残業を強いられるケースもあるのです。

弁護士
毎月100時間を超えるプログラマーが、体調を壊して体調を壊した後に働いていた会社を訴え、500万円を超える残業代を取り戻した事例もあります。

次節では、プログラマーの仕事で残業時間が長くなる背景について説明します。

1-2:残業が長くなる業界特有の背景

プログラマーの残業が長くなる背景には、次のような業務上の特性があると考えられます。

・小さな会社が多い
・スケジュールに余裕がない
・クライアントに振り回されやすい
・勉強しなければならないことが多い

順番に確認していきましょう。

1-2-1:小さな会社が多い

プログラマーに対するニーズは幅広くなり、求められる仕事は細分化されています。

そのため、開発系のIT企業には小さな会社も多くなっています。

小さな会社は人員や経営的な余裕がなく、クライアントの無理な要求を受け入れてでも仕事を受注することがあり、こうしたしわ寄せが働くプログラマーに及ぶのはよく見られるパターンです。

1-2-2:スケジュールに余裕がない

下請けや常駐開発の案件では、スケジュールに余裕がないケースがよく見られます。

人員不足や工数の計算違い、クライアントの要望など理由はさまざまですが、こうしたプロジェクトの都合に振り回され、残業が長くなってしまうのが、現場のプログラマーです。

1-2-3:クライアントに振り回されやすい

クライアントが作成途中のシステムに満足せず、改善や機能の追加を求める、というのもよく見られるケースです。

修正や変更の指示があっても、予算の追加やスケジュールの延長があれば問題ないのですが、大抵の場合、納期は変えずにクライアントの要望に応えなければなりません

現場とクライアントの間に立つプロダクトマネージャーもクライアントを納得させることができず、現場が無理な残業を強いられるというパターンがよく起こります。

1-2-4:勉強しなければならないことが多い

「未経験OK」といった職場でよく見られる事例ですが、社内での教育体制が整っていない会社で現場に参加した場合、プログラマーにとっては分からないことばかりです。

仕事をこなしていくためには自分で調べたり勉強したりする必要があるシーンも多く、必然的に会社にいる時間も長くなってしまいます。

こうした残業時間は「自主的な学習」とみなされることが多く、残業代の支払いは期待できないのが実情です。

あなた
思い当たることばかりです。社員を残業させるのは、法律的には問題がないのでしょうか。
弁護士
次の章では、残業の法律的なルールについて解説します。
 


2章:残業のルールとブラックな会社の手口を解説

ここからは、残業についての基本的な考え方とプログラマーを残業させる手口について解説します。

2-1:法律における残業代の考え方

プログラマーの働き方では、後で解説する特殊な働き方の場合以外は、就業規則などによって始業時間と終業時間が決められているのが普通です。

こうした契約では、会社は「1日8時間、週40時間」を超えて社員を働かせることはできないと労働基準法で定められています。

この「1日8時間・週40時間」の基準を法定労働時間と呼びます。

1日8時間を超えた労働は残業 週40時間を超えた労働は残業

この時間を超えて仕事をすることが「残業」で、会社は残業した社員には残業代を払うことが法律で定められています。

にもかかわらず、プログラマーに残業させながら残業代を支払わないことは、基本的には違法の疑いが強くなります

次の章では、会社がプログラマーを残業させる手口について法律的な面から解説します。

2-2:ブラック企業がプログラマーを残業させる手口

プログラマーに残業代を支払わずに、残業代をさせるための手口としては、次のようなやり方がよく見られます。

・さまざまな労働形態を悪用する
・固定給に残業代が含まれているとする
・タイムカードを決まった時間に切る
・翌日までのノルマを課す
・年俸制だから残業代が出ないとする

順番に見ていきましょう。

2-2-1:さまざまな労働形態を悪用する

ブラックな会社は、プログラマーを残業させるために

・裁量労働制
・固定残業代制(みなし残業代制)
・フレックスタイム制

といった制度を悪用するケースがよく見られます。

裁量労働制

裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ会社側と決めた時間を労働時間と「みなす」制度です。

例えば、会社側と1日のみなし労働時間を8時間と決めていたら、10時間働いた日でも働いた時間は8時間とみなされ、残業代は発生しません。

裁量労働制の仕組み

しかし、プログラマーは裁量労働制の対象外と決められているため、こうした適用は違法の疑いが強いと言えます。

裁量労働制の適用条件については、次の文章でも詳しく説明していますのでご確認ください。

SE・PG必見!【IT業界における裁量労働制】法律から見る違法性の高いケースとは

固定残業代制(みなし残業代制)

固定残業代制(みなし残業代制)とは、一定の残業時間分の残業代を最初から給料として払っておく制度です。

例えば、次のような求人があったとします。

A社:基本給32万円(60時間分の残業代5万円を含む)
B社:基本給27万円(残業代は規定による)

一見、A社の方が社員の残業代をしっかりと支払う良い会社のように思えますが、B社で通常の計算をもとに残業代をもらえれば、A社よりも給与は高くなります

(図)

またA社のような契約では、60時間を超えないと32万円が支払われなかったり、何時間残業をしても固定残業代の5万円以上が支払われなかったりするケースもあります。

固定残業代制については、次の記事でも詳しく解説していますのでご確認ください。

【弁護士が解説】「固定残業代制だから残業代は無し」は違法?

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、始業や就業の時間を社員が自分で決めることができる働き方のことです。

フレックスタイム制の例

ブラック企業は、プログラマーに対してフレックスタイム制が適用されていると説明しながら、基準をオーバーした労働時間を設定するケースがあります。

制度の要件を満たさない違法な適用がなされていれば残業が認められ、残業代も発生することになります。

フレックスタイム制については、以下の記事でも解説していますので、自分の働き方が当てはまる人はご覧ください。

フレックスタイム制とは?誰でもたったの5分で理解できる正しい意味

2-2-2:固定給に残業代が含まれているとする

社員を残業でこき使おうとする会社は、

「固定給に残業代が含まれている」
「残業代はうちの会社では出ない」

などと主張するケースがあります。

しかし、一定の時間を超えたら残業代を支払うことが法律で定められているように、会社が一方的にそうしたことを決定することはできません。

2-2-3:タイムカードを決まった時間に切る

会社によっては、就業規則で決められた定時を迎えると自動的にタイムカードが切られることがあります。

会社には、働く社員の勤務実態を把握する義務があり、それをしないどころか会社自ら実態を改ざんするのは問題です。

こうした場合では、タイムカードの記録にかかわらず働いた時間が労働時間になり、あなたは残業した分のお金を受け取る権利があります。

弁護士
タイムカードで勤怠が管理されていない場合は、手書きでもよいので出社時間や退社時間を記録しておきましょう。

2-2-4:翌日までのノルマを課す

あなたは、会社から次のように言われたことはないでしょうか。

「今やってもらってる件、明日までに終わらせておいてね」

そのように言われた社員は、チームに迷惑がかからないよう、仕事を終わせるために残業をしてしまいます。

残業かどうかを考えるときに「会社や上司からの指示があったか」が判断材料になりますが、このように直接的な指示は出さずに残業をさせる例もあります。

弁護士
仕事が業務時間に終わらない時や、日常的に遅くまで残って行う仕事が発生している場合では、指示がなくても残業として認められることがあります。

2-2-5:年俸制だから残業代が出ないとする

IT企業で採用されることの多い年俸制ですが、「年俸制だから残業代が出ない」というのは誤りです。

たとえあなたが年俸制で働いていたとしても、「1日8時間、週40時間」を超えて働いた分の労働には残業代が発生します。

あなた
思い当たる働き方があるな。残業が短い職場で働くためにどうしたら良いんだろうか。
弁護士
次章では残業が短い職場の見極め方について解説します。
 


3章:残業が短い職場の見分け方

今いる会社の長時間残業に悩んでいるあなたは、プログラマーとしてのキャリアが生かせる新しい職場を探し始めたいと考えているかと思います。

残業が短い職場を見つけるためには、次のような項目をチェックしましょう。

当てはまるものが多ければ、それだけその会社は残業が短いと言えるかもしれません

残業代の規定がある
長時間のみなし残業時間が規定されていない
自社開発が行われている
ノー残業デーが設けられている
「生産性」を重視する文化がある
社員が定時退社している
プライベートを大切にする雰囲気がある

「求人」「業務内容やルール」「社風」という3つの切り口から順番に解説していきましょう。

3-1:求人からわかるポイント

まずは、求人からわかるポイントについて説明します。

3-1-1:残業代の規定がある

求人情報には、ほとんどの場合「給与」という項目が記載されています。

例えば、次のような給与を考えてみましょう。

職種:プログラマー
雇用形態:正社員
給与:基本給24万円+各種手当(時間外手当、休日出勤手当、通勤手当など)

この「各種手当」に含まれているのが、時間外や休日に出勤した分の給料、通勤手当などです。

こうした記載がない場合には、残業代を支払っていない可能性があるので注意が必要です。

3-1-2:長時間のみなし残業時間が規定されていない

求人募集に、

基本給32万円(45時間分の残業代3万円を含む)

といったみなし残業時間についての記載があった場合は、プログラマーに対して残業代を払おうとしない会社と考えて良いかもしれません。

逆に、こうしたことが書かれておらず、面接などで直接確認しても「そうした制度はない」と答えが得られた場合は残業時間が短い会社である可能性があります

みなし残業代制についてはこちらの記事を参照してください。

【弁護士が解説】「固定残業代制だから残業代は無し」は違法?

3-2:会社の業務内容やルールからわかるポイント

次に、会社がどのような仕事をしているか、どのような社内ルールがあるか確認しましょう。

3-2-1:自社開発を行なっている

ITエンジニア業界では、仕事の性質を自社開発受託開発と区分することができます。

自社開発:自社でシステムやwebサービス、アプリなどを開発・運営
受託開発:クライアントから仕事を請け負って開発を進める

自社開発を行っている職場は、大手または企業体力がある会社であることが多く、コンプライアンス等も整っているケースが目立ちます。

そのため、仕事内容が自社開発であることは残業時間や労働環境を考える手がかりになります。

3-2-2:ノー残業デーが決められている

IT業界には、長く日本で良しとされてきた長時間労働、年功序列といった文化を取り入れず、社員が働きやすい環境を整えようとする会社もあります。

「ノー残業デー」や「残業禁止」を掲げている会社もありますが、会社のトップがこうした目標を掲げている場合は、社員の残業時間も短くなる傾向があります。

3-3:社風からわかるポイント

会社の文化や雰囲気からも、残業時間が短いかどうかを判断することができます。

3-3-1:「生産性」を重視する文化がある

ひと時代前の会社では「長く働いている=頑張っている」とみなす価値観が強くありましたが、IT系など比較的若い会社には「長く働いている=非効率」とする考えが強くなっています。

時間をかけず、効率的に仕事を進めるのが良しとされている会社であれば、本質的には意味のない残業が少なくなります。

3-3-2:社員が定時退社している

当然のことながら、社員が定時退社している会社は残業時間が短いと言えるでしょう。

プログラマーであれば、夜に行われる交流会や勉強会に積極的に出席しているような人は、比較的早い時間に退社していると考えられます。

3-3-3:プライベートを大切にする雰囲気がある

会社や上司がプライベートを大切にしている場合も、残業が短い職場のひとつのサインになります。

もちろん、業務上避けられない残業はありますが、今すぐやる必要のない残業については、翌日に回したり、メンバーで分担したりといった調整を行ってくれることもあります。

あなた
今いる会社の残業時間や労働環境が改善されなかったら、転職を視野に入れてもいいのかもな。
弁護士
転職の前には、これまで受け取れるはずだった残業代を見直して見ることをオススメします。2年前まで遡って請求できるので、やってみて損はないはずですよ。
 


4章:転職の際には未払い賃金・残業代も請求できる

もしあなたが別の会社でプログラマーの仕事を続けようと考えているのなら、転職する前にこれまでタダで働いてきた分の残業代をもらいたいと思っているのではないでしょうか。

残業代を取り返そうと思った時、あなたが選べる選択肢としては

・自分で請求する方法
・弁護士に依頼する方法

という2つがあります。

それぞれのメリットとデメリットは次の通りです。

残業代請求を自分でやる場合と弁護士に依頼する場合の違い

ただでさえ忙しいプログラマーのあなたが、転職活動と並行して証拠集めや残業代の計算、会社との交渉などに時間を使うのは大変な作業になります。

そのため、手間がかからず、残業代を取り返せる確率も高い「弁護士への依頼」をオススメします。

残業代の計算方法については、次の記事をご確認ください。

今すぐ計算できる!残業代・残業時間の正しい計算方法をケース別で解説

未払い残業代の請求が成否を分ける「証拠集め」については次の記事もご確認ください。

【弁護士が解説】残業代をアップさせる証拠一覧と集め方マニュアル


まとめ

いかがでしたか?ここまでの内容を振り返って見ましょう。

この記事ではITエンジニアのうち、プログラマーについて残業の実態や業界の実情について解説してきました。

残業が多いプログラマーは、納期直前になると一カ月で100時間を超える残業を強いられるケースもあります。こうした背景には、次のようなプログラマー業界の特性がありました。

・小さな会社が多い
・スケジュールに余裕がない
・クライアントに振り回されやすい
・勉強しなければならないことが多い

しかし、法律では基本的に「1日8時間、週40時間」を超えて社員を働かせた場合には残業代を支払うように定めています。

そのため、会社側がいろいろな理由をつけて社員に残業代を払わないのは違法の疑いが強くなります。

転職を決めたら、これまで受け取っていなかった残業代の請求も検討してみましょう。労働問題専門の弁護士に依頼すれば、ほとんど手間を書けずに2年間で200万を超える金額がもらえることもあります。

転職した職場でプログラマーの仕事を楽しく続けるために、残業についてのルールをしっかりと理解して、新しい一歩を踏み出しましょう。