
あなたは、給料が未払いで困った末に、弁護士への相談・依頼をしようか迷っていませんか?
さらに、弁護士への相談・依頼について、
「本当に弁護士で良いのかな?」
「弁護士への依頼にどんなメリットがあるんだろう?」
「弁護士に依頼するためには、どんな手続きが必要?」
など、知りたいことがたくさんあるのではないでしょうか。
苦労して働いた給料ですから、取り返すためには、一番確実な方法を選びたいですよね。
実は、未払い給料を請求する方法には、
- 自分で請求する方法
- 弁護士に依頼して請求する方法
の2つがあります。
自分で請求する方法は、コストを抑えることはできますが、多くの時間・手間がかかるのに、回収金額は雀の涙、ということも少なくありません。
一方で弁護士に依頼した場合は、時間・手間を最小限にできるだけでなく、回収金額も高額になる傾向があります。
しかも、一般的に考えられているように「訴訟(裁判)」になることもほとんどありません。
そのため、未払い給料を取り返すには、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
ただし、より高額の未払い給料を取り返すためには、「労働問題に強い弁護士の選び方」を知っておくことが大事です。
そこで、この記事では、まずは未払い給料の請求を弁護士に依頼する方法のメリット・デメリットと、依頼した場合の手続きの流れやかかる費用についてご紹介します。
さらに、労働問題に強い弁護士を選ぶためのポイントや、弁護士に依頼する上で必ずやるべき2つのことについて解説します。
最後までしっかり読んで実践し、あなたの未払い給料を最大限取り返しましょう。
全部読むのが面倒な方へ|当記事の要点
■未払い給料を会社に請求する4つの方法とメリットデメリット
下記のように4つの方法があるが、手間、時間、心理的負担が最小限になり、回収金額が高額になる可能性が高い弁護士に依頼する方法がおすすめです。
■未払い給料請求を依頼する場合の弁護士の選び方
- HPに「労働問題に強い」と記載されている
- HPに「過去の請求額実績」が掲載されている
- 規模の大きい事務所は気をつける
- 相談時に何件の「労働問題」の実績があるか答えられる
- HPに企業の顧問になっていると書かれている事務所は避ける
- 裁判実績の多さをあえてアピールする事務所は避ける
- 初期費用ゼロ・完全成功報酬制の事務所を選ぶ
- 「債務整理」「過払い金」など他の分野を扱っている事務所は避ける
目次
1章:未払い給料は弁護士への依頼で手間なく確実に取り返せる可能性大!
未払い給料について弁護士に相談しようと思うのですが、弁護士に相談するのが最も良い方法なのでしょうか?
他にも解決策はありますか?
もちろん他の方法もありますが、それと比べて弁護士が最も有力な解決策になることが多いです。
そこで、未払い給料を弁護士に相談・依頼した場合のメリット・デメリットを解説からしましょう。
※先に弁護士に依頼する場合の手続き方法や費用について知りたい場合は、2章をご覧ください。
「未払い給料を取り返したい」という場合、解決策として以下の4つの選択肢があります。
①弁護士への依頼
②自分で会社に直談判する
③会社に配達証明付き内容証明郵便を送付して請求する
④労働基準監督署に申告する
これらのどの方法で行動するかによって、結果も異なります。
なぜなら、これらの方法にはそれぞれ、以下のようなメリット・デメリットがあるからです。
表を見て分かるように、
- 自分で会社に直談判する
- 会社に配達証明付き内容証明郵便を送る
- 労働基準監督署に申告する
などの方法では、費用をかけずにできるというメリットはありますが、手間・時間がかかる上に、自分で会社と争わなければならないという「心理的負担」が大きいです。
さらに、会社には顧問弁護士等の専門家がいる場合が多いため、あなたは丸め込まれて、本来取り返せるはずの金額から大幅に減額されたり、最悪の場合1円も取り返せない可能性すらあります。
一方で、弁護士に依頼すれば、未払い給料の計算・証拠集め・会社との交渉などの面倒ごとを、弁護士に丸投げできるため、あなたの手間・時間・心理的負担はほとんどかかりません。
しかも、あなたが心配しているであろう「弁護士費用」についても、「完全成功報酬制」の弁護士を選べば、初期費用ゼロで、成功した場合のみ回収金額の一部が報酬金として支払われるだけです。
つまり、あなたのお金の負担はほとんどありません。
さらに、「労働問題に強い」弁護士を選べば、他のあらゆる選択肢と比べて、回収金額は最も高くなる可能性が高いです。
そのため、未払い給料の請求は弁護士への依頼がもっともおすすめなのです。
弁護士に依頼するのが一番確実だということは分かりました。
でも、弁護士に依頼する手続きや費用のイメージがイマイチ分かりません。
そうですよね。
では、弁護士に依頼する場合の手続きの流れと費用について、詳しく解説します。
2章:未払い給料を弁護士に相談した場合の「流れ」とかかる「費用」
未払い給料請求を弁護士に依頼する場合、以下のような流れで手続きが進められます。
この手続きの過程では、
- 相談料:相談時にかかる弁護士費用
- 着手金:契約時にかかる弁護士費用
- 実費:手続きにかかる各種経費(コピー、郵送代など)
- 報酬金:未払い給料回収後にかかる弁護士費用
などがかかることがありますが、完全成功報酬制の弁護士を選べば、「相談料」「着手金」がゼロ円になる点で大きなメリットがあります。
それでは、手続きの流れと費用について順番に解説します。
2-1:相談:無料での相談も可能
弁護士への相談を検討している場合、まずは電話や対面で相談してみましょう。
事前の相談で、
「給料を請求できるか否か」
「請求した場合どのくらい回収できるのか」
「依頼にはどのくらいのお金がかかるのか」
を知ることができます。
あなたが在職中で、今後、退職を考えている場合、実際に請求する時期については、相談可能です。
そのため、弁護士に相談していることが会社にばれることはありませんので、安心して下さい。
相談時には、「相談料」が、そして実際に契約することになれば「着手金」がかかることになることがあります。
相場は以下の通りです。
【相談料の相場:無料~1万円】
相談料は、「有料」の場合と「無料」の場合があり、有料の事務所では1万円程度までであることが多いようです。
【着手金の相場:無料〜10万円】
着手金とは、弁護士が請求手続きに取りかかる前に、先に依頼者に請求する費用のことです。
相場は、10万円程度から、高ければ依頼者の1ヶ月分の給料(20万円など)程度であることもあります。
しかし、最近では相談料・着手金については、無料である事務所も増えています。
契約したら、実際に会社に未払い給料を請求していきます。
未払い給料の請求は「交渉」「労働審判」「裁判」の流れが多いので、この順番で詳しく解説していきます。
2-2:交渉:実は裁判ではなく交渉の段階で解決する場合がほとんど
交渉とは、弁護士が会社との間に入って、電話・書面・対面で直接会社と交渉してトラブルの解決を図るものです。
また会社の人と会ったりするのは怖いなあ。
弁護士があなたからヒアリングした内容をもとに交渉しますので、あなたが会社に出向く必要はありません。
交渉では、あなたが会社の人と会う必要はありません。
また、あなたが在職中で、これから退職を考えている場合、実際に交渉を開始する時期については相談可能です。
つまり、会社にばれないようにこっそり準備を進め、退職と同時に未払い給料を請求し、交渉を開始するということも可能です。
交渉などの実際の手続きの過程では、以下のお金がかかります。
【実費の相場:1万円~2万円】
実費とは、弁護士が交渉の過程で使用するお金(郵送代・通信費・コピー代など)のことです。
また、解決した場合は、弁護士に対して「報酬金」を支払う必要があります。
【報酬金の相場:一定の金額+回収金額の18%〜30%程度】
報酬金とは、会社から支払われた回収金額のうちの一部から引かれる弁護士報酬のことです。
回収した後の報酬金は事務所によって異なりますが、一例としては以下のようなものがあります。
- 20万円+回収金額の25%
- 25万円+回収金額の18%
- 10万円+回収金額の30%
事務所のHPをチェックするか、直接問い合わせをしてみましょう。
2-3:労働審判:交渉で解決しなかった場合の解決策
交渉で決着が付かなかった場合、労働審判を行います。
それって裁判とは違うんですか?
労働審判とは、裁判所に行き、会社・あなた・裁判官・弁護士などの専門家で問題の内容を確認し、解決の方法を探す方法です。
裁判よりも手続きが簡単で、費用も少なく、解決までの期間も短いのが特徴です。
解決するまで何度も裁判所に行かなきゃいけないのかな?
最初の1回のみはあなたも行く必要がありますが、それ以降は参加の必要がない場合もありますよ。
労働審判は以下のような流れで、解決まで進められます。
多くの場合、「交渉」か「労働審判」で決着が付きますが、労働審判において決定されたことに不服がある場合は、訴訟(裁判)へ移行します。
2-4:訴訟(裁判):最後の手段
訴訟(裁判)は労働審判と違い、何回までという制限がなく、長期に渡り争い続ける可能性があります。
ただし、あなたはほとんど出廷する必要がありません。
訴訟(裁判)では、裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。
訴訟の流れはこのようになっています。
最高裁まで行くことはほとんどないため、多くは地方裁判所までの1〜2年程度で終わるようです。
裁判所で「原告(あなたもしくは、あなたが依頼した弁護士)」と「被告(会社)」が主張し合い、裁判官が判決を下します。
裁判になると数年単位で争うこともありますが、先ほどお伝えした通りで裁判まで行くことはほとんどなく、労働審判で決着がつきます。
このように、弁護士を利用して訴えれば、あなたが思うよりも手間・時間・お金をかけずに、未払い給料を請求することができるのです。
未払い給料の請求を弁護士に依頼した場合の流れについて、理解できましたか?
弁護士に依頼する場合、もっとも大事な注意点があります。それが「労働問題に強い弁護士を選ぶこと」です。
その選び方について、詳しく解説します。
3章:弁護士なら誰でも良いは間違い!弁護士選びの8つの注意点
「より高額の未払い給料を請求したい」
「未払い給料請求に失敗したくない」
という人は、未払い給料請求に強い、労働問題に強い法律事務所に相談するべきです。
そこで、労働問題に強い法律事務所を見つけるためのポイントについて解説します。
ただし、実は、「労働問題に強い」とアピールしている事務所でも、実際は労働問題以外の分野の案件も取り扱っており、実際には強いとは言えない事務所も多々あります。
そのため、労働問題に強い事務所を見分けるための判断基準についても、合わせて解説します。
【労働問題に強い事務所を見分けるポイント】
- HPに「労働問題に強い」と記載されている
- HPに「過去の請求額実績」が掲載されている
- 規模の大きい事務所に気をつける
- 相談時に、何件の「未払い給料請求」の実績があるか答えられる
- ホームページに企業の顧問になっていると書いてある事務所は避ける
- 裁判の経験の多さをあえて実績として掲げる弁護士は避ける
- 初期費用ゼロ・完全成功報酬制・報酬金の歩合部分が高い事務所を選ぶ
- 事務所名を検索し、ホームページに「債務整理」「過払い金」「不倫」「交通事故」なども扱っていると書いてある事務所は避ける
本メディアを運営する弁護士法人QUEST法律事務所は、労働問題に強く、未払い給料の請求に強い法律事務所です。
未払い給料でお悩みの方は、当事務所にお気軽にご相談ください。
それぞれ、詳しく解説します。
3-1:HPに「労働問題に強い」と記載されている
インターネットで探す場合、まず、弁護士事務所のホームページを確認し、
「労働問題に強い」
と記載がある事務所を選びましょう。
あなたも「弁護士は、全員法律の知識があるのだからどこでも良いのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、医者に「眼科」「内科」「耳鼻科」などがあるように、弁護士が扱う分野も「債務整理」「離婚」「交通事故」などの専門分野に分かれています。
そのため、自分の専門分野以外の案件については、あまり知識が無い弁護士が多いのです。
したがって、「労働問題に強い」と明言している弁護士を選ぶのは、弁護士選びの大前提です。
3-2:HPに「過去の請求額実績」が掲載されている
労働問題に強い弁護士事務所であることが分かったら、次は過去にとっている請求額実績を確認してみましょう。
労働問題に関して、実績がある事務所であれば、請求額実績をホームページなどに記載していることが多いです。
できれば請求額実績が確認できる事務所を選ぶのが良いでしょう。
3-3:規模の大きい事務所は気をつける
請求実績を見るにあたって、注意して頂きたいことがあります。
それは規模の大きな事務所のホームページで、「全体で○件の実績がある」と表示されているケースです。
大きな事務所だと、労働問題が得意な人が在籍していたとしても、実際にあなたを担当するのは実績のあまりない弁護士になる可能性があります。
弁護士事務所は、美容院のように「○○が得意な人で」といったオーダーはできない仕組みになっています。
つまり、大きな事務所だと、担当者選びが運任せになってしまうことが少なからずあるのです。
さらに、規模の大きな事務所では、依頼中にしょっちゅう担当弁護士が変わることがあったり、労働審判に労働に強くない弁護士を出廷させたりすることもあります。
※労働審判とは、交渉で解決できなかった場合に行われる、裁判よりも簡単な解決手段です。
そのため、規模の大きい事務所や様々な案件を扱っている事務所は避けるのが無難です。
3-4:相談時に何件の「労働問題」の実績があるか答えられる
弁護士の候補が見つかったら、その弁護士に今まで何件の未払い給料請求を扱ったかを聞いてみましょう。
目安として、50件以上の実績があれば安心です。
労働問題に強い事務所ならば、数十件単位で実績があるはずですので、相談時に聞いてみるとより良いでしょう。
3-5:HPに企業の顧問になっていると書かれている事務所は避ける
避けるべき弁護士の特徴として「企業の顧問になっていること」があげられます。
企業の顧問になっている弁護士は、「企業と戦おう」としているあなたとは逆の立場、いわば「敵」にあたります。
そのため、あなたが依頼しても、労働者側に立って未払い給料を請求するノウハウを持っていない可能性が高いです。
未払い給料を請求する際は、あなたの味方、つまり労働者側の利益のために戦っている弁護士を選ぶべきです。
事務所のホームページを見て、どこかの企業の顧問弁護士になっていると書かれていないか確認してみましょう。
3-6:裁判実績の多さをあえてアピールする事務所は避ける
実は、「裁判の経験の多さをあえて実績として掲げる弁護士」は避けるべきです。
裁判は、未払い給料の請求が交渉、労働審判で解決しなかった場合に行われる最終手段です。
「裁判の実績が多い方が経験値の高い弁護士なんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実際は、「未払い給料の請求」では、ほとんど裁判をすることなく、交渉で取り返すことが多いのです。
交渉の場合は、裁判より早く解決するため、依頼者は早く未払い給料を受け取ることができます。
一方で、裁判は時間や費用がかかるかわりに、弁護士の報酬は高くなります。
そのため、すぐに裁判に持ち込もうとする弁護士は、あなたの利益よりも、自分たちの利益を優先して考えている可能性があります。
したがって、裁判実績の多さをアピールしている事務所は避けるべきです。
3-7:初期費用ゼロ・完全成功報酬制の事務所を選ぶ
次に気を付けるべきポイントは、初期費用ゼロ・完全成功報酬制の事務所を選ぶという点です。
詳しいことは1章でお伝えした通りですが、自信のある事務所ほど、これらの特徴を備えている傾向があります。
なぜなら、「初期費用ゼロ・完全成功報酬制・報酬金が高い」という制度では、高額の未払い給料を回収できなければ、弁護士事務所の利益が少ないからです。
つまり、労働問題に自信のある事務所でなければ、こうした制度は採用できないのです。
そのため、労働問題に強い事務所を探すためには、初期費用ゼロ・完全成功報酬制であることは大前提としつつ、報酬金の金額が高い事務所を選ぶことをおすすめします。
3-8:「債務整理」「過払い金」など他の分野を扱っている事務所は避ける
インターネットで「債務整理」や「過払い金」「不倫」「交通事故」などで検索したときに出てくる弁護士に依頼することは避けるべきです。
なぜなら、「債務整理」「過払い金請求」「不倫」「交通事故」など、労働問題以外の分野を扱っている事務所では、
- 労働問題を片手間でやっている可能性が高い
- 労働問題に弱い弁護士が担当する可能性がある
という理由があるからです。
【未払い給料請求を片手間でやっている】
未払い給料請求という分野は弁護士業界でも極めて特殊な分野であり、かつ難しい分野です。
弁護士を何十年やっていたとしても、苦手な人が多いのです。
そのため、他の分野と並行して行っている事務所では、実績が少なく、高い専門性がない可能性があるのです。
【労働問題に弱い弁護士が担当することがある】
先ほども触れたように、他の分野も扱っている事務所では、あなたを担当するのが未払い給料請求に強くない弁護士になる可能性があります。
以上の理由から、他の分野の案件も扱っているとホームページに書かれている事務所は避けるべきなのです。
弁護士に依頼する前に、インターネットで「弁護士名+債務整理」などで検索してみてください。
これで他の分野でも出てきたら、未払い給料請求に強くない弁護士です。
知らなかったことばかりです。
こんなに注意して事務所を選ぶ必要があるんですか?
依頼する事務所は、徹底的に調べて探すべきです。
信頼できる事務所でなければ、数十万円の初期費用を支払っても、1円も取り返すことができず、あなたが大損することもあるのです。
ちゃんと選ぶのって大事なんですね。
そうなんです。
また、弁護士に依頼する前にやっておいてほしいことがありますので、最後にその点を解説します。
4章:未払い給料を請求する前に必ずやるべき2つのこと
未払いの給料の請求方法について、しっかり理解することはできましたか?
早く取り返す行動をはじめなければ!
と、思っているかもしれませんが、未払い給料を請求するためには、やっておくべきことがあります。
それは、
- 未払い給料の金額を確定させること
- 労働していた事実を証明すること
という2つです。
これから、詳しく解説します。
4-1:「未払い給料」の金額を確定させる
まずは「未払い給料」の金額を確定させるために、
- もらえるはずの給料の金額
- 未払い給料が存在すること
という2つを証明する必要があります。
これらについて証明しないと、会社から以下のように言われてしまう可能性があります。
給料がいくらだったか分からないから払えないよ。
給料はもう払ったはずだろう?
悪質な経営者は、給料をできるだけごまかして、未払いのままにしようとします。
経営者に反論し、給料を取り返すためには、以下の証拠が必要です。
【本来の給料の金額を示す証拠】
まずは、そもそもあなたがいくらの給料をもらう契約になっていたのかを示す証拠が必要です。
そこで、以下のものなどが証拠になります。
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
【実際に払われた給料の金額を示す証拠】
次に、もらえるはずだった給料が未払いにされていることを証明する証拠が必要です。
以下のものが、証拠になります。
- 給与明細
- 給与口座の取引明細(通帳)
- 源泉徴収票
「本来の給料の金額を示す証拠」と「実際に払われた給料の金額を示す証拠」を比較して、実際に払われた給料の金額が少なければ、未払いになっていることが証明できるのです。
すでに退職している場合も、これらの証拠になるものをできるだけ集めておいてください。
4-2:「労働を行った事実」を証明する証拠を集める
次に、あなたが会社で労働していたという実態を示す証拠が必要です。
そこで、以下のものを証拠にすることができます。
まだ会社を退職していない場合は、これから紹介する証拠をこっそり集めておいてください。
【まず集めるべき証拠】
- タイムカード
- シフト表
- 業務日報
- 運転日報
【ポイント】
日報などは、正確に書いていないことも多いと思います。
正確ではない記録が残っていると、交渉になったときに不利になりやすいです。
また、タイムカードやシフト表は会社側が都合良く改ざんしている可能性もあります。
会社で、タイムカードなどの勤怠管理がなされていない場合や、タイムカードなどはあるけれども会社によって改ざんされているような場合は、以下のような証拠を集めるとよいでしょう。
【証拠になるようなものがない場合でも証拠にできるもの】
- 手書きの勤務時間・業務内容の記録(最もおすすめ)
- メール(証拠能力は低い)
- 会社のパソコンの利用履歴
- メール・FAXの送信記録
【ポイント】
会社が勤怠管理をしていない場合に証拠として意外におすすめなのは①です。
毎日手書きで、1分単位で時間を書きましょう。
具体的な業務についても書くのがベストです。
③のメールは、裁判になると証拠としては弱いので、できるだけ手書きでメモを取りましょう。
証拠集めは、以下の点に注意して行ってください。
【証拠集めの注意点】
①できるだけ多くの証拠を集める。
証拠は、できれば3年分の証拠があることが望ましいですが、なければ半月分でも請求は可能です。
できるだけ毎日の記録を集めておくと良いでしょう。
②ウソの内容を書かない
「手書きのメモ」や「日報」など、出退勤時間を手書きで記録しておく方法もご紹介しましたが、その場合絶対に「ウソ」の内容のことを書いてはいけません。
証拠の中にウソの内容があると、その証拠の信用性が疑われ、裁判官の心証が悪くなり、有効な証拠として認められない可能性があります。
そのため、証拠は「19時30分」ではなく、「19時27分」のように、1分単位で記録するようにし、正確に記録していることをアピールできるようにしておきましょう。
これらの証拠がなくても、弁護士が会社に証拠の提出を請求することができますが、中には請求を無視する悪質な会社もあります。
そのため、まだ退職していなければ、こっそり集めておくと請求時に有利になるのです。
まとめ:未払い給料と弁護士
いかがでしたか?
最後にもう一度今回の内容を振り返りましょう。
まず、未払い給料の請求には4つの方法がありますが、それぞれに以下のようなメリット・デメリットがあるため、弁護士への依頼が最も成功の確率が高いです。
弁護士に依頼した場合、
- 相談・契約
- 交渉
- 労働審判
- 裁判(訴訟)
という流れで手続きが進みますが、ほとんどは交渉で解決します。
弁護士選びの注意点は以下の8つです。
- HPに「労働問題に強い」と記載されている
- HPに「過去の請求額実績」が掲載されている
- 規模の大きい事務所は気をつける
- 相談時に何件の「労働問題」の実績があるか答えられる
- HPに企業の顧問になっていると書かれている事務所は避ける
- 裁判実績の多さをあえてアピールする事務所は避ける
- 初期費用ゼロ・完全成功報酬制の事務所を選ぶ
- 「債務整理」「過払い金」など他の分野を扱っている事務所は避ける
弁護士への依頼前に行っておくべきことは以下の2つです。
- 「未払い給料」の金額を確定させる
- 「労働を行った事実」を証明する証拠を集める
慎重に弁護士を選んで、できるだけ高額の未払い給料を取り返しましょう。