【建設業の働き方改革】ブラックな実態の改善方法と成功事例を解説

この記事の著者情報

住川 佳祐
(弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士)

著者情報 弁護士法人QUEST法律事務所 代表弁護士 住川佳祐

東京弁護士会所属。東京大学法学部卒。『NHK あさイチ』のTV出演の他、『プレジデント』『ダイヤモンド・セレクト』などメディア掲載多数。弁護士法人QUEST法律事務所のHPはこちら。

働き方改革 建設業

あなたは、

  • 建設業の働き方改革について知りたい
  • 建設業の残業時間はどう変わる?
  • 働き方改革で見直すポイントが知りたい?

などとお考えではないですか?

労働基準法が改正されると、

  • 時間外労働の上限規制が適用される
  • 時間外労働の割増賃金率が引き上げられる

など、建設業界の働き方に大きな影響が予想されます。

そのため、建設業の働き方改革の内容や対策を、しっかり理解しておくことが重要です。

そこで、この記事では

1章で、建設業における働き方改革のポイントを

2章で、建設業のブラックな実態を

3章で、働き方改革で見直す3つのポイントを

4章で、建設業の働き方改革による成功事例

について解説します。

この記事を読んで、建設業の働き方改革への取り組みをしっかり理解し、変化する労働環境でも損をしないようにしましょう。

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1章:建設業における働き方改革のポイント

2024年の4月から適用される労働基準法改正により、建設業界では今、大きな働き方の改革が求められています。

建設業における働き方改革に、大きな影響を与える改正ポイントは、以下の2つです。

  • 2024年4月からの時間外労働の上限規制
  • 2023年4月からの時間外割増賃金率の引き上げ

それぞれ説明します。

1-1:2024年4月からの時間外労働の上限規制

2024年4月1日から、建設業にも時間外労働の上限規制が設けられます。

時間外労働の上限規制については、2019年4月の労働基準法の改正により、多くの一般企業では既に法律で定められています。

 しかし、建設業では、

  • 長時間労働の常態化
  • 深刻な人材不足

等の理由から、上限規制の適用が猶予されていました。

しかし、2024年の4月から、建設業でも時間外労働の上限規制が罰則付きで適用されます。

そのため、建設業でも、時間外労働の削減に向けた働き方改革が、急務として求められています。

1-2:2023年4月からの時間外割増賃金率の引き上げ

2023年4月1日から、全ての企業で、月60時間を超えた残業時間の割増賃金率が、25%から50%へ引き上げられました。

これにより、月60時間を超える残業が常態化している会社の場合、人件費が大きく増加してしまう可能性が高まります。

残業代等の増加を防ぐために、時間外労働の削減が求められている点も、働き方改革に向けた大きなポイントといえます。

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2章:建設業のブラックな実態

第1章で述べたポイントを中心に、働き方改革が求められている建設業界ですが、労働環境の実態はどうなっているのでしょうか?

建設業の労働環境の大きな特徴は、以下の2つです。

  • 長時間労働が当たり前になっている
  • 高齢化&常にスタッフ不足

それぞれ説明します。

2-1:長時間労働が当たり前になっている

建設業の労働環境の特徴の1つ目は、「長時間労働が当たり前になっている」ことです。 

多くの建設現場では、

  • 絶対に守らなければならない工期がある
  • 複数の建設会社が連携して工事を進めるため、自社だけでは調整がし辛い
  • 元請け業者や顧客の要望、天候などのイレギュラーな問題が発生しやすい

等の理由から、長時間労働が当たり前となっています。

厚生労働省の毎月勤労調査(令和5年9月速報)によると、建設業の所定外労働時間は、「14.2時間」と、5番目に高い数字となっています。

また、月間出勤日数についても、「20.5日」と最も高い数字となっています。

よって、建設業の労働環境の特徴として、「長時間労働が当たり前になっている」ことが挙げられます。

2-2:高齢化&常にスタッフ不足

建設業の労働環境の特徴の2つ目は、「高齢化&常にスタッフ不足」です。 

建設業界では、

  • 従業員の高齢化
  • 若年層の早期離職

などの原因から、常にスタッフが不足しています。

令和4年に国土交通省が、総務省「労働力調査」(暦年平均)を基に算出したデータによると、建設業の就業者は、55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%と高齢化が進行しています。

実数ベースで令和3年と比較すると、建設業就業者数のうち、55歳以上が1万人増加しているにも関わらず、29歳以下は2万人も減少しています。

また、全体の就業者数についても、ピーク時であった平成9年の685万人から、479万人にまで減少しています。

このことからも、建設業の特徴として、「高齢化&常にスタッフ不足」であることが分かります。

※参考:国土交通省:建設業を巡る現状と課題

 

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3章:働き方改革で見直す3つのポイント

建設業のブラックな実態を改善するために、どういったポイントで、働き方改革を行えばよいのでしょうか?

働き方改革で見直すポイントは、以下の3つです。

  • 長時間労働の改善と週休2日の確保
  • 技能・経験にふさわしい給与と社会保険加入 
  • 仕事の効率化と下請構造の見直し

それぞれ説明します。

3-1:長時間労働の改善と週休2日の確保

働き方改革で見直すポイントの1つ目は、「長時間労働の改善と週休2日の確保」です。

日建協「2020時短アンケート」を基に国土交通省が作成したデータによると、建設業 において、休日が「4週8休」となっている技術者は2割以下となっています。

※参考:国土交通省:最近の建設業を巡る状況について

時間外労働も常態化していることから、長時間労働の改善と週休2日の確保は必須事項といえます。

しかし、勤務時間や休日の改善は、現場の労働環境によって大きく左右されるため、従業員が自発的に行うには限界があります。

そこで、会社側が制度として、「週休2日制」や「時間外労働の削減」に向けたシステムを設けていく必要があります。 

3-2:技能・経験にふさわしい給与と社会保険加入

働き方改革で見直すポイントの2つ目は、「技能・経験にふさわしい給与と社会保険加入」です。

従業員の高齢化や、慢性的なスタッフ不足を解決するためには、就業条件の向上が必要不可欠です。

しかし、建設業の平均年収は他の製造業と比較しても、低い傾向にあります。

実際、建設業生産労働者(男性)の平均年収が約444万円であるのに対して、製造業生産労働者(男性)は約470万円と、約5%もの差があるというデータも出ています。

※参考:中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会 基本問題小委員会  中間とりまとめ(平成30年6月22日)

また、建設業では、2020年9月まで社会保険の加入が義務化されていなかったため、社会保険の加入状況も他業種と比較して低い状況にあります。

「給料が安い・社会保険にも入っていない」などの悪いイメージが広まると、さらに人材不足が深刻になるため、「技能・経験にふさわしい給与と社会保険加入」を進めていく必要があります。

3-3:仕事の効率化と下請構造の見直し

働き方改革で見直すポイントの3つ目は、「仕事の効率化と下請構造の見直し」です。

働き方改革では、労働時間の削減が必要不可欠ですが、それに合わせて業務量を少なくすることはできません。

そこで、「仕事を効率化」して、余裕をもって仕事に取り組める環境整備が必要となります。

また、建設業界では多重の下請け構造が常態化しています。

一次下請け・二次下請け・三次下請けと、下請けが多くなるほど、必然的に中間マージンが増えて、1人当たりの利益も少なくなります。

結果として、労働環境の悪化に繋がるため、何重にもわたる「下請け構造の見直し」も、働き方改革には必要不可欠であるといえます。

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4章:建設業の働き方改革による成功事例

最後に、建設業の働き方改革による成功事例を3つご紹介します。

今回ご紹介する成功事例は、以下の3つです。

  • ITの活用による生産性の向上
  • 残業削減の取り組み事例
  • 女性の働きやすさを実現した事例

それぞれ紹介します。 

※参考:建設業の事例 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省  

4-1: ITの活用による生産性の向上

1つ目の成功事例は、「 ITの活用による生産性の向上」による事例です。

京都府の建設会社「有限会社山下組」では、スマートフォンの勤怠管理アプリを活用し、社員全員がスマホから勤怠管理ができる仕組みを導入しました。

これにより、現場から打刻・日報の送信ができるようになったため、現場からの直行直帰が可能となりました。

移動時間が短縮され、生産性が向上しただけでなく、時間的に余裕ができたことで、安全に配慮できるようになり、現場での事故やケガの予防にも繋がっているとのことです。

4-2:残業削減の取り組み事例

2つ目の成功事例は、「残業削減の取り組み事例」です。

岡山県の建設会社「株式会社荒木組」では、残業削減に向けて、パソコンを活用し、どこからでも品質管理・人員配置・進捗状況等の必要な情報を共有できる環境を整備しました。

不具合事例等の過去の事例も、現場からネットで検索できるようになったことで、労働時間の大幅削減を達成しました。

なんと、ひと月あたり約21時間から約18時間に削減できたとのことです。

4-3: 女性の働きやすさを実現した事例

3つ目の成功事例は、「女性の働きやすさを実現した事例」です。

岩手県の建設会社「株式会社水清建設」では、子育て中の社員に向けて、30分単位で取得できる「子の看護のための休暇制度」を設立しました。

その利用率は、なんと子育て中の女性社員の100%。もちろん男性社員も利用でき、子育て中の男性社員の70%が利用しているとのことです。

出産・子育てなどの問題で、キャリアパスの形成を諦める女性もいる中で、女性の働きやすさを実現した事例といえます。

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まとめ:建設業の働き方改革のポイント 

最後に、今回の内容を振り返ります。

【労働基準法改正のポイント】

  • 時間外労働の上限規制が罰則付きで適用される
  • 残業の割増賃金率が、25%から50%へ引き上げられた

【建設業界の実態】

  • 長時間労働が当たり前
  • 深刻な高齢化、スタッフも常に不足している

【働き方改革のポイント】

  • 「週休2日制」の導入や「時間外労働の削減」など労働環境の見直し
  • 「給与アップ」や「社会保険の導入」など就業条件の見直し
  • 「仕事の効率化」や「下請け構造」の見直し

【実際の成功事例】

  • スマートフォンによる勤怠管理アプリなどの導入
  • パソコンを活用した情報共有の体制整備
  • 新たな休暇制度の設立

この記事では、改正の重要ポイントや、働き方改革を進めていく上で大事になってくるポイントをお伝えしました。 

2024年の労働基準法の改正により、建設業界でも、急ピッチで働き方改革を進めていく必要があります。

とはいえ、自社のやり方が法律に適合しているのか、他に良い方法はないのかなど、働き方改革を考える上では、法律の専門知識が必要になることも多いはずです。

労働問題で悩んだ場合は、ぜひ弁護士に相談することをおすすめします。

法律の専門家である弁護士は、一般人には思いつかないような観点からの提案もしてくれます。

せまりくる2024年に向けて、正しい知識を身につけて、働き方改革をすすめていきましょう。

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